ポーランドのアンジェイ・ドゥダ大統領がウクライナとポーランドの国境を廃止する旨の声明を発表 ~ドミトリー・メドヴェージェフ副議長は「進められているのは、実質的にポーランドが西部ウクライナの領土を併合するということだ」と指摘

竹下雅敏氏からの情報です。
 昨日の記事で、“NATOは、ポーランドとの西側国境経由でウクライナに対する支援を強化しており、ウクライナ西部のポーランドへの編入が始まっていることから分かるように、ワシントンの計画は、新しい「長期戦争」をあまり白熱しないレベルで続けることにあります。”とコメントしました。
 冒頭のツイートをご覧ください。ポーランドのアンジェイ・ドゥダ大統領は、「私たちの国、ポーランドとウクライナの間には、もはや国境はありません。…どんな危険や脅威をも跳ね返すことのできる共通の力を築き、再構築していくのです」と講演し、ウクライナとポーランドの国境を廃止する旨の声明を発表しているのです。
 このことに対し、ドミトリー・メドヴェージェフ副議長は、「進められているのは、実質的にポーランドが西部ウクライナの領土を併合するということだ」と指摘しています。ウクライナ社会党の元指導者で最高議会議員だったイリヤ・キヴァ氏は、「キーウ(キエフ)はヨーロッパから受け取った武器の使用戦略を変えた。現在、武器は戦争地帯に輸送されておらず、ウクライナ西部に保管されている。このように、新しい防衛線が形成されることにより、この地域のポーランドへの編入という政治的目標を達成が可能になる。」と言っていました。
 ワシントンポストの5月26日の記事「見捨てられたと感じる東部のウクライナ人義勇軍の兵士たち」には、“砲撃で2日間も補給路が絶たれたとき、彼らは1日1個のジャガイモでやりくりすることを余儀なくされた。…昼夜を問わず、トシキフカの端にある森に掘られた塹壕や、廃屋の地下室で過ごしている。「水もない、何もない」…ライフルと手りゅう弾のほか、与えられた武器は、装備の整ったロシア軍に対抗するためのロケット弾一握りだけである。…犠牲者の数は、部隊や一般市民の士気を守るため、ほとんど秘密にされている。「ウクライナのテレビでは、犠牲者はゼロと報道されている」とラプコさん。「真実は何もないのです」…”とあり、ウクライナ前線部隊が壊滅的な状況にあることを認めました。
 ANNニュースは、“ゼレンスキー大統領が「我々は現実を直視する必要もある」と語り、停戦に向けて柔軟に対応する意思を示しました。”と報じています。
 ウクライナはロシアとの交渉を始めることになりますが、こちらの記事には、“カディロフが「ウクライナは終わった、次はポーランドに興味がある」と面白いことを言い出した!…欧米が武器を提供し続けることで火に油を注ぎ続ければ、紛争がウクライナの国境を越えて拡大することは明らかだ。”と書かれています。
 このように、“ワシントンの計画は、新しい「長期戦争」をあまり白熱しないレベルで続けること”にあるのですが、ヘンリー・キッシンジャーは、“ウクライナのロシア軍に壊滅的な敗北を与えようとすることを止めるよう西側諸国を促し、ヨーロッパの長期的な安定に悲惨な結果をもたらすと警告した”のです。事態がエスカレートすると、「想像もできないレベルの大惨事を引き起こす可能性」があるからです。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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ウクライナは国家喪失に直面している ポーランドとの事実上合併も=ヤヌコーヴィチ元大統領
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© Sputnik / Sergey Pivovarov
 
ウクライナのヴィクトル・ヤヌコーヴィチ元大統領は、現在の同国政府の方針は同国が国家としての地位を失う恐れがあるとの意見を表明した。また、ウクライナはポーランドとの事実上の合併を余儀なくされる可能性があるとしたほか、ウクライナはロシアとの交渉の席に着くことになると指摘した。

ヤヌコーヴィチ元大統領の書簡は、ユーリー・キラシル報道官のフェイスブック(ロシアでは禁止)に投稿された。
 
  「今日、このようなことを書くのは心苦しいが、ウクライナの国家としての地位は極めて危険な状態にある。全滅の危機に瀕している。南部や東部の広大な領土を失うリスクだけではない
 
こうした上で、ヤヌコーヴィチ元大統領は「ポーランドとの現在の状況的な和解は、ウクライナが経済的に主権を守れなくなる恐れがあるため、事実上、合併せざるを得ない状況になる可能性がある」との見解を表した。
 
さらに、ヤヌコーヴィチ元大統領は、米国などの西側諸国から促され、ウクライナはロシアとの交渉の席に着くことになるとみなしている。
 
  「ロシアについては、ウクライナはロシアとの交渉の席に着くことになる。米国などの西側諸国がこれを促す。何事も永遠には続くことはなく、ウクライナへの兵器供給もこの例外ではない」
 
ヤヌコーヴィチ元大統領によれば、「欧州でも米国でも、支配的な政治勢力は、自分たちの利益に基づいていずれかの政権を支持している。」ヤヌコーヴィチ元大統領は、大事なことは「(自分たちを政権に就かせた)有権者の票を失わないことだ」と指摘した。
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配信元)
 




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ポーランドとの偽りの友好がウクライナに国家の喪失をもたらす=メドヴェージェフ副議長
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© Sputnik / Dmitry Astakhov/ フォトバンクに移行
 
ロシア連邦安全保障理事会のドミトリー・メドヴェージェフ副議長は、ウクライナとポーランドの偽りの友好は、ウクライナ政府による自国の最終的な喪失の他になにももたらさないだろうと語った。
 
同副議長は、ポーランドとウクライナの間には数十年、あるいは何世紀にもわたり国境がなくなるというポーランドのアンジェイ・ドゥダ大統領の発言を紹介した。
 
  「この偽りの友好は、彼らの国家体制の最終的な喪失以外に、ウクライナ自身に何ももたらさないことは明らかだ。あるいは、それを彼らは望んでいるのだろうか?」
 
同副議長は自身のテレグラムチャンネルで、たった今、実質的に仮面が剥がれたと述べ、ドゥダ大統領がウクライナに対する領土の要求を公式に認めたと指摘した。
 
メドヴェージェフ副議長は、ポーランドは、西部ウクライナの領土の実質的な併合のために「土地の調査」を行っていると見ている。
 
  「西部ウクライナは、土地の返還を切望するポーランドにとって、歓迎すべき獲得物といえる。もちろん、永遠の友好関係という美しい言葉のベールの下でだ」
 
これに関連してメドヴェージェフ副議長は、「無益な夢にふけったり、惑わされたりする必要はない」と述べた。同副議長は、ドゥダ大統領がどんな「呪文」を口にしたにせよ、「進められているのは、実質的にポーランドが西部ウクライナの領土を併合するということだ」と指摘した。
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ウクライナ西部のポーランドへの「編入」が始まる=ウクライナ最高議会の元議員
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Illia Kyva氏(画像の出典:ウィキペディア
Author:Sandlerdarina[CC BY-SA]
(画像はシャンティ・フーラが挿入)
 
ウクライナ最高議会の元議員、イリヤ・キヴァ氏は自身のテレグラム・アカウントで、ウクライナ西部でポーランドへの編入の準備が始まったと述べた。
 
キヴァ氏によると、キーウはヨーロッパから受け取った武器の使用戦略を変えた。現在、武器は戦争地帯に輸送されておらず、ウクライナ西部に保管されている。このように、新しい防衛線が形成されることにより、この地域のポーランドへの編入という政治的目標を達成が可能になる。
 
キヴァ氏は「これは、リヴィウに首都を持つ『親西ウクライナ』の分離と創設の最初の段階である。その後、国民投票を通じてポーランドへの編入が決まる」と投稿した。
 
これより前、ウクライナ国家安全保障国防会議のアレクセイ・ダニーロフ議長は、ハンガリーがウクライナの領土の一部を占領することを計画していたと表明していた。

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