ユダヤ問題のポイント(近・現代編) ― 外伝69 ― ケネディ大統領暗殺前夜3

 『宗教学講座 中級コース 第69回』の目次の文中に「日本は戦後主権がなく、CIAによって支配されてきた国家である。」とあり、このことは日本や世界の動きに意識のある人々には常識でしょう。ただし、問題はこのCIAが実際には「何の組織か?」です。
 CIAはアメリカ中央情報局(Central Intelligence Agency)、ウィキペディアの同記事では、「アメリカ合衆国の対外情報機関」と規定されています。従って、CIAの支配下にある日本は米国の属領との認識となり、私もそうでした。しかし、この認識は間違っていなくとも不正確です。正確には「CIAは合衆国の機関ではなく、米国自体がCIAを通じて操作をされている」です。
 CIAの兄弟機関と言うべきがモサドです。ジョン・コールマン博士は以下の面白い指摘を。この記述の「アメリカ」を「日本」と読み替えれば、未だに続いている日本の現状が浮き彫りになるのが分るでしょう。
モサドはニセ情報を流すのがうまい。アメリカ「市場」にエサとして流し込まれたニセ情報の量はあきれるほどだが、もっとあきれるのは、そのすべてがまったく鵜呑みにされてしまっていることだ。
(『99年度版 300人委員会』p292)
 日本を支配しているのはCIAであり、モサドでもあります。また、CIAとモサドを操作する機関があります。
(seiryuu)
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ユダヤ問題のポイント(近・現代編) ― 外伝69 ― ケネディ大統領暗殺前夜3

MI6サー・ウィリアム・スティーブンソン


ケネディ大統領暗殺とド・ゴール大統領暗殺問題の中核にあるのがPERMINDEX(パーミンデクス)です。端的には、ダミー国際企業のPERMINDEX(パーミンデクス)がケネディ大統領暗殺とド・ゴール大統領暗殺の実行本部となっていたのです。ジョン・コールマン博士の記述からは、パーミンデクスは「暗殺局」であることが読み取れ、そこにはイギリス情報局とモサドとCIAが入り込んでいるのが分かりました。

パーミンデクスを作った大元はイギリス情報局だったのですが、これらを理解するにはどうしても英国情報局とCIA、英国情報局とモサドとの関係を把握し、CIAとモサドの実体を知っておく必要があります。そして、この関係を知る上で外せない重要人物がいます。MI6のサー・ウィリアム・スティーブンソンがそうです。

編集者註:ジェームズ・ボンドのインスピレーションを与えた実在の人物として、ウィリアム・スティーブンソン卿を紹介しているCIA

ちなみに、イギリス情報局とは英国の情報局とは言えません。イギリス情報局に属し、その最上部に位置する最精鋭部隊はMI6、しかし、MI6は公的には存在しない部隊だからです。自身がMI6に所属の諜報員であったコールマン博士は次のように言及しています。

MI6の起源は、女王エリザベス1世の卑劣な裏活動の黒幕だったサー・フランシス・ウォルシンガムの頃まで遡る。以来、300年以上にわたって他の情報機関には真似すらできないような記録を打ち立ててきた。(中略)...もし公にされるようなことになれば、もっとも見識のある人々でさえ腰を抜かすようなもので、だからこそMI6は300人委員会でも最高位の情報機関として位置づけられているのだ。MI6は公式には存在しない。予算は女王の財布と「個人資産」から出されている...(以下略)

MI6は、300人委員会および300人委員会の長である英国女王の私兵で、卓越した情報組織ということです。このMI6のトップ諜報員であるサー・ウィリアム・スティーブンソンについて、ウィキペディア英語版記事翻訳では、以下のようにあります。彼が『007』のジェームズ・ボンドのモデルだったようです。

ウィリアム・サミュエル・スティーブンソン卿 CC MC DFC(1897年1月23日– 1989年1月31日)は、ウィリアム・サミュエル・クローストン・スタンガーとして生まれ、カナダの兵士、戦闘機のパイロット、ビジネスマン、スパイマスターであり、英国安全保障調整局(BSC)の上級代表を務めました。第二次世界大戦中の西側の同盟国。彼は戦時中のインテリジェンスコードネームであるイントレピッドで最もよく知られています。多くの人が彼をジェームズ・ボンドの現実のインスピレーションの1つだと考えています。イアン・フレミング 彼自身はかつて、「ジェームズ・ボンドは真のスパイの非常にロマンチックなバージョンです。本物は...ウィリアム・スティーブンソンです。」と書いたことがあります。
英国安全保障調整(BSC)の責任者として、スティーブンソンは英国の科学的秘密をフランクリンD.ルーズベルトに引き渡し、アメリカの秘密をウィンストンチャーチルに中継しました。さらに、スティーブンソンは、アメリカの世論を孤立主義的な立場から、第二次世界大戦へのアメリカの参入に関する支持的な傾向に変えたと信じられている。


明かされているCIAの実体


Wikimedia_Commons
[Public Domain]

コールマン博士によれば、MI6のトップ諜報員であるウィリアム・スティーブンソンは北米作戦部長であったということで、ウィキペディア記事にも英国のウィンストン・チャーチルと米国のフランクリン.D.ルーズベルトの間を取り持って、「秘密の引き渡し」の中継を行ったあります。

ウィリアム・スティーブンソンは、第2次世界大戦の頃に北米作戦部長として米国に極めて強い影響を与えたことが窺えるのですが、次のコールマン博士のa, b,の2つの言及は、決定的かつ衝撃的な内容です。ここにCIAの正体、実体が明確に把握できます。

  • a,スティーブンソンはルーズヴェルトに「特別な関係」の一環として、戦略事務局(OSS)という新しい情報局をアメリカに創設する予定だと語った。これはのちに改称されて中央情報局(CIA)となった。スティーブンソンはさらに、「来たるべき戦争に備えて自分が新しい情報局の設立と運営に当たる」と述べている。CIAはイギリスの機関として設立されたのであり、イギリスが運営する組織であることは今でも変わらない。注目してほしいのはこれが1938年に起きたということだ。スティーブンソンはすでに、翌年には戦争がはじまることを知っていたのだ。
    (『新板 300人委員会[下]』p216)
  • b,CIAを創設したのは、アメリカ国民でもなければアメリカ政府でもない。300人委員会だ。CIAは300人委員会が作戦を実行する際に使う道具なのだ。(中略)...CIAという危険な組織は憲法で承認されていない。したがって、議会が恐れを捨て、断固たる意志と気骨を示せば、組織の予算を拒否して取り潰すことができる。
    (『新板 300人委員会[下]』p199)

a, の内容ですが、これは全体として第2次世界大戦直前に、ウィリアム・スティーブンソンが当時の米国大統領のルーズヴェルトに通達もしくは命令したものであるのが分るでしょう。ここで示される「特別な関係」とはイギリスと米国の関係であり、米国はイギリス(英国の意味ではなく300人委員会の本部であるイギリス王室と見るのが妥当でしょう)の傀儡国家として機能する、これが「特別な関係」の意味でしょう。

その一環として、具体的には米国を操作をする機関がCIAであり、CIAを操縦するのは自分たちMI6の担当者である、これが通達・命令の内容です。CIAはイギリス情報局のアメリカ支局ということです。

これは現在まで継続していて、CIAは米国の予算が計上・執行されていますが、米国の機関でもなんでもないということです。従ってb, の内容となり、実際にb, で示されている「米国内の300人委員会の作戦実行の道具であるCIA」に対して、米国は「組織の予算を拒否して取り潰すことができる」ことを認識し、実際にそれを実行しようと手を打っていったのがケネディ大統領だったということになります。


同じくモサドも…


Wikimedia_Commons
[Public Domain]

CIAの実体が認識されると、それに付随して様々なことが判明かつ整合してくるのですが、それは今回は置いておき、取り急ぎ続いてイギリス情報局とモサドの関係を見ていきましょう。これについても、コールマン博士の『99年度版 300人委員会』p291にて、以下のように決定的な記述がされています。

もともとモサドは、三つのグループ、軍事情報局、外務省政治部、安全保障部(シェルート・ハビタチョン)に分かれていた。三〇〇人委員会のメンバーであるディヴィッド・ベン=グリオンは、MI6から多大な支援を受けてモサドを統合しようとした。しかしこれは成功せず、一九五一年、MI6のサー・ウィリアム・スティーブンソンがモサドを、スパイ活動と「黒い仕事」作戦のための特殊作戦部隊を持つ、イスラエル外務省政治部の一部門として単一グループに再編集した。イギリス情報部はさらに援助を与え、イギリス空軍特殊部隊(SAS)のもとで「サラエット・マクタル」活動のための訓練と装備を施した。「サラエット・マクタル」とは幕僚偵察隊の名ででも知られている。モサドのこの部隊は、単に「連中」と呼ばれている。「連中」はSASの延長に過ぎず、新たなメソッドの訓練・更新を受け続けている。PLOの指導者たちを殺害し、アドルフ・アイヒマンを誘拐したのも「連中」だ。「連中」及びそれ以外の事実上のモサドの全エージェントは、常に戦時体制で活動している。

元来、パレスチナのイスラエル建設を主導してきたのはイギリスです。そこに当然ながらイギリス情報局が暗躍しており、その具体としては連載初期に出した「特別編(アラビアのロレンス)」を通して見ています。モサドの創設もイギリス情報局が主導したと見るのが自然です。

そのモサドの組織を1951年に再編集したのが、やはりMI6のウィリアム・スティーブンソンだとコールマン博士が明かしているのです。その再編集に基づいて、モサドはイギリス空軍特殊部隊(SAS)の訓練と装備が施され、モサドのある部隊(精鋭部隊)は「SASの延長」の組織になっていると指摘されてあるのです。モサド精鋭部隊はイギリス特殊部隊と一体化しているというのです。

イギリス情報局、CIA、モサド、これらはそれぞれの特徴もあり、別々の任務を行っています。しかし、この3つとも300人委員会の作戦実行の道具であり、そのトップはMI6であり、CIAとモサドの両方がイギリス情報局の別働隊と見なされるということでしょう。種々の事実と突き合わせれば、このコールマン博士の指摘は全く正確だと見受けられます。

300人委員会系統図
ジョン・コールマン著 『300人委員会』より抜粋


Writer

seiryuu様プロフィール

seiryuu

・兵庫県出身在住
・いちおう浄土真宗の住職
・体癖はたぶん7-2。(自分の体癖判定が最も難しかった。)
・基本、暇人。(したくないことはしない。)
・特徴、酒飲み。アルコールには強い。
・歯が32本全て生えそろっている(親不知全て)原始人並み。

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