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ユダヤ問題のポイント(近・現代編) ― 外伝72 ― ケネディ大統領暗殺2
身代わりオズワルドもパーミンデクスの最末端
ケネディ大統領暗殺は、一般にはリー・ハーヴェイ・オズワルドという人物による単独犯行とされます。事件後に巡査を射殺したという理由で逮捕されたオズワルドは、ケネディ大統領狙撃の容疑者に。そのオズワルドは事件2日後の11月24日に射殺されています。その後リンドン・ジョンソン大統領により立ち上げられたウォーレン委員会によって、オズワルドがケネディ暗殺の単独犯と確定させられたのです。
リー・ハーヴェイ・オズワルド
Wikimedia_Commons [Public Domain]
しかし、少しでもケネディ大統領暗殺に興味を持ち自分で調べられた一般の方で、オズワルド単独犯説を素直に信じる人はまずいないでしょう。それどころか、ケネディ大統領暗殺を調べれば調べるほどオズワルド単独犯説は噴飯ものとなるでしょう。
ケネディ大統領の狙撃人や銃などに立ち入るつもりはありませんが、オズワルドはCIAの手駒であり、全米犯罪シンジケートの人間と深く関わり合っていたのは間違いないとだけ指摘しておきます。
これは事件の2日後にダラス刑務所の地下駐車場でオズワルドを射殺したジャック・ルビーもそうです。
ジャック・ルビー
ジャック・ルピーは全米犯罪シンジケート所属の人間であり、同時に少なくともCIAの協力者もしくはCIAに雇われていました。CIAと全米犯罪シンジケートは協力関係にあったのです。
どちらの組織もイギリス情報局の作品で、MI6・イギリス情報局を頭とする暗殺局のパーミンデクス(PERMINDEX)にモサドなどと共に入り込んでいたのです。MI6・イギリス情報局を頭として、パーミンデクスにはCIA、モサド、全米犯罪シンジケート、ADLが入り込んでいたのであり、ジャック・ルピーは当然として、オズワルドもそのパーミンデクスの構成員の最末端だとも言えるでしょう。
もっともオズワルドに関しては、(彼の主張そのものはその通りですが)逮捕後の本人は「自分ははめられた」「身代わり」だと主張したように、パーミンデクスの一員としてケネディ暗殺に働いたとの自覚はなかったでしょう…。
幾度も記述してきたように、パーミンデクスがケネディ大統領暗殺の実行部隊本部です。ケネディ暗殺の実行は単に狙撃犯云々の問題ではありません。狙撃が成功するための入念な準備、狙撃に至るまでの買収を含めた種々の工作、狙撃犯の逃亡と狙撃の実態の隠蔽、大統領暗殺事件のアピール…等々、多岐にわたる膨大な実働があり、多くの人員がそれに関与しています。パーミンデクスは巨大な網を張っていたのです。
ただその中で、私には暗殺犯の主要な一角であるのは明らかながら、パーミンデクスとの関係が掴めずにいた人物がいました。海運王アリストテレス・オナシスです。オナシスは「悪魔の13血流」の一員で、ケネディの死によって未亡人となったジャクリーン夫人を娶った人物です。
20 October 1968. Jackie Kennedy, former wife of assassinated US President John F.Kennedy married the multi-millionaire Greek shipping tycoon Aristotle Onassis on his private Greek island, Skorpios, in front of close families and friends. pic.twitter.com/YJ6ZSjKPFK
— Prof. Frank McDonough (@FXMC1957) October 20, 2020
スコルピオス島で結婚式を挙げるオナシスとジャクリーン
主犯の一角、オナシス
アリストテレス・オナシス
歴史的な事件の犯人を追う場合の鉄則があります。「その事件によって“得をした人物”は誰か?」です。
オナシスの場合、“得をした”という言い方を当てはめるのは微妙な部分もありますが、「ジャクリーン夫人を娶ったオナシスがケネディ暗殺の主犯の一角は動かないところ、ただしパーミンデクスとの関係が…、」と思っていたところ「なるほど」と整合のつく答えがありました。『オルタナティブ通信』2013/11/21記事の以下の部分です。
マフィアは自分が殺害した相手の財産を乗っ取り、殺害した人間の妻を「寝取り」愛人とする。それが殺害行為において「勝利」した事の凱旋の意味を持つ。漁師が巨大な魚を釣り上げ、その魚を漁港で吊り下げた光景をバックに記念写真を撮る事に似ている。殺害したターゲットの財産と妻を「誇らしげに」マフィア仲間に見セビラカス。
(中略)
ジャクリーンはケネディの死後、ギリシアの麻薬運搬船の経営者=麻薬マフィア=アリストテレス・オナシスと再婚している。
そしてオナシスの船に麻薬運搬を依頼している「麻薬マフィア」のMが、ケネディ一族の「財産管理人」となった。
マフィアは自分が殺害した相手の財産を乗っ取り、殺害した人間の妻を「寝取り」愛人とした事になる。
ケネディ一族の「財産管理人」となったという「麻薬マフィア」のMについては一旦置いておきます。注目は「ギリシアの麻薬運搬船の経営者=麻薬マフィア=アリストテレス・オナシス」です。海運王オナシスの船が麻薬を運搬していた、なるほど、これは間違いないでしょう。そして、これでオナシスはパーミンデクスの主要メンバーの一角が確定です。理由を記していきます。
外伝70にて、MI6ウイリアム・スティーブンソンの采配で部下のモーティマー・ブルームフィールドが、1956年に秘密工作をになう新しい機関のパーミンデクスを立ち上げた、とのコールマン博士の説を見ました。パーミンデクスは「暗殺局」でありましたが、別側面もあります。『新版 300人委員会[下]』p219にこうもあるのです。
非常に興味深いのは、PERMINDEXの起源をたどると、英国東インド会社と巨大なアヘン貿易に一本の線で結びついている点だ。
これは、パーミンデクスはイギリス東インド会社の古株マフィア、つまり英国王室と取り巻き貴族たちの、巨大な国際麻薬取引のための秘密センターという意味でしょう。事実、パーミンデクスに入り込んでいる犯罪シンジケートは無論、CIA、ADLの麻薬取引は頻繁に指摘されており、犯罪シンジケートの幹部がモサドの幹部でもあるのでモサドも同様でしょう。イギリス東インド会社のアヘン貿易を引き継いでいたのがパーミンデクスです。そして、イギリス東インド会社の麻薬運搬船を引き継いだのがオナシスの船舶ということになります。
思えば、イギリス東インド会社の麻薬運搬船が歴史を動かしました。米国革命戦争の発端の1773年「ボストン茶会事件」、1839年の「アヘン戦争」、この2つの戦争は、アメリカと中国の当事者がイギリス東インド会社の船のアヘンを投棄したことが引き金でした。
いずれにしても、麻薬運搬の船舶を担うオナシスは、パーミンデクスの主要メンバーとなります。
主犯の一角、アイゼンベルグ
ショール・アイゼンベルグ
The National Library of Israel [CC-BY]
オナシスに麻薬運搬を依頼しケネディ一族の「財産管理人」となったという「麻薬マフィア」のMが誰か?
この答えも出されているようです。『オルタナティブ通信』2007/08/17記事の以下です。
暗殺されたケネディ大統領の財産は、アンドレ・マイヤーという男が自由に使っている。マイヤーが「俺はケネディ殺害犯人ではない」と主張しても、誰も信用しないであろう。
マイヤーは、イスラエル最大の軍事産業アイゼンベルグ社のメンバーであり、創立者の息子である。アイゼンベルグは元々、全米を統一した米国最強のマフィア「殺人株式会社」であり、マイヤーはその顧問弁護士である。
Mとはアンドレ・マイヤーという人物で、彼はショール・アイゼンベルグの息子でアイゼンベルグ社のメンバーかつ顧問弁護士という主張のようです。
アンドレ・マイヤーがアイゼンベルグの息子で、ケネディ一族の「財産管理人」となったというのは裏が取れず何とも言えません。ただし、アイゼンベルグがオナシスに麻薬運搬を依頼していてビジネスパートナーだと言うならば、これは全く不自然な部分はありません。
アイゼンベルグは主には武器商人ですが、ずっと追ってきたように、彼は犯罪シンジケートの後継者首領であり、当然麻薬売買のボスでもあります。アイゼンベルグは武器売買で戦場を作り、戦場では武器と麻薬と人身売買がほぼセットですので、彼は人身売買にも携わっていたでしょう。
武器、麻薬、人身売買、どれも莫大な収益を生みますが、収益を出すにはこれら“商品”の輸送が必要です。アイゼンベルグがこれら“商品”を最も安全に輸送する相手として海運王オナシスを選ぶのは自然なことです。
また、アイゼンベルグはモサドの最重要幹部でもあり、当然パーミンデクスの主要メンバーでもあり、ケネディ暗殺の主犯の一角で間違いないでしょう。なぜならば、アイゼンベルグはケネディ暗殺で最も“得をした人物”の一人だからです。ケネディが潰そうとした犯罪シンジケート、イスラエルと共産中国の核兵器開発、これの中核の人物がアイゼンベルグだったのです。
アイゼンベルグはケネディ暗殺後の1968年に、俗に言う「アイゼンベルグ法」にてイスラエル・コーポレーションの主となり、組織犯罪世界本部イスラエルの帝王とも言うべき座に収まったのは既に見てきた通りです。
アイゼンベルグとオナシスがビジネスパートナーであり、ケネディ暗殺のパートナーでもあったというのには何らの無理も矛盾も無いのです。
一方でケネディ暗殺はマフィアだという説もありますが、これも正解なのです。また『ケネディとユダヤの秘密戦争』で主張されているように、ケネディ暗殺の隠れた真犯人はモサド、これも実は正解。
ケネディ暗殺犯がCIA、マフィア、モサド、これのいずれもが正解であるのには矛盾はなく、ケネディ暗殺犯にADLを加えてもいいのです。ケネディ暗殺の全体は多岐にわたっていて、多くの人員が役割分担したのです。
このCIA、犯罪シンジケート(マフィア)、モサド、ADLが入り込んでいたのがパーミンデクス(PERMINDEX)で、ここがケネディ暗殺実行本部だったのです。パーミンデクスは表の顔は国際企業、しかしこれはダミーで、実態はMI6・イギリス情報局を頭とする「暗殺局」です。つまり、ケネディ暗殺実行のトップはイギリス情報局となります。
また、パーミンデクスは「暗殺局」以外に大規模国際麻薬取引の秘密センターの顔を持ちます。イギリス東インド会社のアヘン貿易を秘密裏に引き継いでいたのがパーミンデクスとも言えるのです。