鹿先生による6月16日ワクチン分科会の解説 〜 WHOも認める「抗原原罪」を説きながら接種を進める厚労省、今後はその時々の流行株を定期接種化する計画がうかがえる「厚労省とファイザーの出来レース」

 6月16日のワクチン分科会の内容を鹿先生が解説されていました。次々現れる変異株の最新版はオミクロン株XBB.1系と言うそうです。秋冬接種の候補は、このXBB.1の単価ワクチン(武漢型やBA型を含まないもの)に決まったようです。その理由は、今打っているオミクロン株対応2価ワクチン(BA4-5)がXBB.1に対して全く効かないから。「ほぼ効かないものを皆さん、打たされてるんですよ。」「厚労省はわかって(春接種を)打たせてる。バカじゃないのかと。はっきり言うとわざとやってますね。」
 5月18日のWHOの見解では、今後のワクチンの新しい構成はXBB系統を中和する抗体応答を誘発することを目指すべきで、将来のワクチンには従来株を含めてはいけないとも言っています。「抗原原罪で(XBBに対する)抵抗力が落ちちゃうから。」「それを日本では打たせてる。」
 6月15日のFDA諮問委員会もWHOと同じく、今後のワクチンは1価のXBB系統を薦めています。
 その上で厚労省のまとめがすごいです。WHOは抗原原罪を理由に従来株成分を排除すべきだと言っていたのに、日本では2価ワクチン2回目を現在実行中なので「排除すべき状況ではない」と言い切っています。「論理的には排除すべきだが、日本では排除できない」。けれども「今後にわたり従来株を含める必要性はない」と、どっちやねん。鹿先生はひと言「通じません。」
また春接種で実施している重症化リスクの高い人への接種は、重症化予防の観点から、今はXBBワクチンが無いので(効かないとわかっている)BA二価ワクチンを打つよう薦めています。抗原原罪で免疫を落とせば感染はしやすくなるが重症化はしないから、打てと。「こういうバカな論理的に通用しない議論を交わしてチャンチャン(と終わる、、はずが)終わっていないんですよね。」
 この後、ファイザー元幹部が「XBBを一発目で打たせていいんじゃないですか。」と言い出したようです。これに対してワクチン専門家が「武漢型、武漢型と打って、BA5二価ワクチンと打って、それからXBBを検討して許可されたので、一発打ちは(適切かどうか)分かりません」と否定。するとそこに国会答弁にも出てくる女性幹部(大坪審議官かな?)が「そうではなくて、その時々の株を打たせる考え方なので、XBB初回接種も将来的にはOKでしょう。」と助け舟を出したそうです。「(ファイザー元幹部に向かって)心配しなくていいです。最初の武漢型単価ワクチンは6月で期限切れだけど、期限を延長する手続きをしました。そうすれば武漢型はまだ打てますから。武漢型を2回打って、XBBをすぐに打てるようにしますから。」と、その時々の流行株を定期接種化していく計画が見えます。
 これだけ問題になっているワクチン自体への検討はなく、いかに接種をスムーズに行うかだけが論点で、「ファイザーと厚労省との完全に出来レースで、将来の定期接種化への道筋を作った、そういう会議でした。」と。
(まのじ)
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6月16日ワクチン分科会報告(定期接種化への道筋)
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