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ぴょんぴょんの「カオスな盆休み」 ~帰りの飛行機が欠航しちゃったよ!
帰りの飛行機が欠航に
たしかに行く前は体調が良くなかった。だが、行けば、アドレナリンが出て元気になるって思ったのよ。それに、盆休みと言っても東京は空いてるって聞いてたし。順調に行けば、スムーズに帰れる・・はずだったんだが。
最終日、11時20分のハネダ発オオイタ行きに乗る予定だった。1時間以上前に空港に到着して、大混雑の保安検査場を通過、本館ターミナルからバスに乗って、ボーディングブリッジの着いたサテライトという建物に到着。さあ、ここまで来たら、あとは飛行機に乗るだけと思ったら、なんやらアナウンスが頻繁に流れている。一生懸命聞くが、音が響きすぎてよく聞こえねえ。どうも、「11時10分に何かが決定する」らしい。
ふたたび、聞こえにくいアナウンスで「フクオカ」という一言が聞こえたとたん、ほぼ全員が一斉に立ち上がり、1列に並び始めた。これは、フクオカ便のチケットを差し替える手続きのためらしい。おれも、あわてて並んだが長く立っていられず、あきらめて席に座った。席に座っているのは母親と子どもたちだけ。見れば、終わりが見えないくらいの長蛇の列になっている。
次のアナウンスで、フクオカではなく、オオイタ空港への着陸を希望する列が設けられた。おれは以前、強風のためにオオイタ空港に下りられず、フクオカで降ろされたことがあったが、めちゃくちゃ疲れたのでオオイタの列に並んだ。が、5人しか並んでなかった。
大分空港で練習機が胴体着陸するトラブル 滑走路閉鎖(日テレNEWS) https://t.co/S3mmJeeG5I
— きぃ (@uKZzzezUYshmDWv) August 14, 2023
お盆に練習はやめときぃ~
(˶'ᵕ'˶ 💧)︎
盆休みのカオス
しばらく、そのまま並ばされていたが、「専門の係員が参りましてから、チケット差し替えの手続きを始めます。今しばらくお待ちください」とのことで待っていると、「専門の係員」が登場し、最新兵器「QRコード」を人々のスマホに読み込ませた。QRコードを写し取った人々は、次々とバスのりばに急いだ。
ああ、オオイタはあきらめて、14時20分発のフクオカ行きの席をゲットした。そのフクオカ便は、おれたち「難民」を乗せるために、わざわざ機種変更してくれたのよ。「ボーイング787-8 」という、これまで乗ったこともないような、でっかい飛行機だったわ。
いや、乗るまでがまた大変だったのよ。だって、バスでターミナルまで戻って、預けた荷物を引き取って、そこからまた搭乗手続きだよ。係員からは「ターミナルの1階の8番カウンターで手荷物を引き取ったら、次は2階の4番カウンターに行ってください」と、言われていたのに、いつも通りに保安検査場に入ろうとしたら、ストップかけられちまって。めんどくせえよな、一度外に出たら、入れない仕組みになっているのよ。
いったい、なんの罰だよ? そんなことより、おれの頭は次の作戦に向かっていた。フクオカに着いたら次は車が停めてあるオオイタ空港だ。以前の経験ではハカタからの特急が満席で、混雑の中で1時間以上立ちんぼだった。今回は体力的に、それはムリ。そこで、新幹線でコクラまで行くことにした。
そこで、搭乗を待ってる間にナビで調べて、ちょうどいい乗り継ぎルートを見つけた。問題はその新幹線に間に合うかどうかだ。フクオカ空港に着陸したのは4時近く。そこから地下鉄でダッシュでハカタ駅へ。そこで、おれが見たものは?!
盆休みのカオスだった! !ものすごい人の波! 改めて、おれは盆休みの現実を見せつけられた。人、人、人をかき分けて、新幹線の切符を買わなければならない。あと15分しかない・・なんとかコクラまでの切符を買えたのが5分前、ギリギリ間に合った。
「まほろば駐車場」のおっさんの臨死体験
あるかい、利用者もほとんどいねえのに。また、あそこを上るかと思っただけでゆううつになったが、まずはタクシーを、と改札を出ると、見慣れた車が止まっていた。「まほろば温泉、まほろば旅館、まほろば駐車場」と書いてある。
そんな虫のいい話、あるはずねえし。そうこうするうちに、駅前に停まっていた唯一のタクシーは先客に乗られてしまった。そこに客を乗せた別のタクシーが到着したので、乗せてくれと頼むと、キツキ市内では客を乗せられないと言う。
しかたねえ、タクシー会社に電話するか、と思ってふと後ろを振り返ると、さっきの「まほろば駐車場」のおっさんが、ニコニコこっちを見ている。おれが礼すると向こうも返してくれる。もしかして、おれのこと覚えてる?
しかも、オマケ話をすると、車中で聞いたおっさんの話がおもしろかった。「おれ、1回、死んでますからね」って言うんだよ。5年くらい前、心筋梗塞で担ぎ込まれて意識不明の重体だったらしい。「そういう時って、お花畑が見えたりするのはホントですか?」と聞くと、「いや、花畑も見えんかった、先祖や親戚も迎えに来んやった、おれ、ずうっと周囲の話、聞いてたもん。」
耳は最後まで聞こえているというのは本当。おっさんは言う、「まわりで、家族や親戚が、葬式はどこでするだの、あの伯父さんは呼ばないとうるさいから、とか話してるのが聞こえるのよ」「一番頭に来たのが、看護師が入ってきて『支払いをするのはどなたですか?』と聞いてたときだった。」
耳だけ聞こえて、目も開けられない状態で、ICUで3日間を過ごしたおっさんの耳に聞こえたのは、医者の最終宣告だった。「このAEDで最後にします。」そして、最後の電気ショックでおっさんは復活した。
降りる時、おれは、財布に残していた最後の2千円を渡した。おっさんは、「ならば、いただきます!」と言って、気持ちよくもらってくれた。そして、駐車場を出る時、「まった、来ってねえ〜!」と、あのニコニコ顔で手を振ってくれた。
こういう混乱の風景を見るたびに、「こんな人出の多い時に外に出るからだよ、ば〜か!」と思ったものでしたが、そんな嵐の中に、まさか自分もノコノコ出ていくことになろうとは・・。