ぴょんぴょんの「胖東来(パントンライ)の試練」 ~良心的企業は中国共産党に潰される

 中国の大手スーパー・マーケット「胖東来(パントンライ)」は、良質な商品を適正価格で提供するだけでなく、顧客や従業員といった「人」を大切にする、中国でも人気のスーパーです。創業者で現会長の于東来(ユィ・トンライ)氏は、「パントンライ」を大成功させただけでなく、よその潰れかかったスーパーまで再建させた「カリスマ経営者」です。ただ、このような人気は、中国政府の癇にさわるようです。
 「パントンライ」は中国で「四級」と呼ばれる地方都市、河南省許昌(きょしょう)市にあります。財政危機の河南省は、許昌市と結託して 「パントンライ」の資産をかすめ取ろうとしています。それに対して、ユィ・トンライ会長の取った行動は、「パントンライ」の利益剰余金40億元(800億円)をすべて株券にして、全従業員に分配することでした。
 これで当局は、好き勝手ができなくなりました。しかし、こんなことであきらめる中国共産党ではありません。中国のあちこちから、ユィ・トンライ会長の身の安全を危ぶむ声が上がっています。
(ぴょんぴょん)
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ぴょんぴょんの「胖東来(パントンライ)の試練」 ~良心的企業は中国共産党に潰される

中国・許昌市に現れた「神」と称されるスーパー


中国中部・河南省の地方都市、許昌市。

河南省許昌市
Wikipedia[Public Domain]

ここに、中国でも大人気のスーパー、「パントンライ」があるんだよ。

中国のスーパーに興味ねえよ。

まあまあまあ、スーパーと言っても「パントンライ」は特別だから。中国のインターネット大手、小米(シャオミ)創業者の雷軍氏は「中国小売業における神のような存在」と称賛し、アリババ集団の創業者ジャック・マー氏も視察に訪れたんだって。(日経ビジネス

ジャック・マー氏


それがどうした?

許昌市は、三国志の英雄、曹操(そうそう)の拠点として有名な場所。これまでは、許昌市を訪れるのは三国志ファンくらいだった。でも今はちがう。週末になると飛行機や高速鉄道を乗り継いで、観光客がわんさかやって来る。(日経ビジネス

スーパー目当てで、飛行機で来るのか?

そうだよ。許昌市のデータによると、2024年のメーデー連休に同市を訪問した観光客は、延べ480万人で過去最高。許昌市の人口438万3000人(2024年データ)を上回っている。(いまから投資

スーパー目当てで、人口を上回る観光客が来るのか?

でもね、彼らのお目当ては買い物だけじゃない。「パントンライ」の創業者で「カリスマ経営者」と呼ばれる、ユィ・トンライ氏を一目見ること。そして、「パントンライ」から学ぶためだよ。

まるで聖地巡礼だな。そんなにファンが多い「カリスマ経営者」て、どんなイケメンだ?

こんなイケメン。


ありゃ? ただのおっさん・・。

「ただのおっさん」と侮るなかれ。現会長のユィ・トンライ氏はスゴいんだから。彼が「パントンライ」を創業したのは1995年。面積40平米(24畳)ほどのちっぽけな「酒・たばこ販売店」だったのが、1999年、許昌市で初めての総合量販店になり、2000年代には「パントンライ」ブランドのスーパー、アパレルショップ、ショッピングモールを相次ぎ開業し、別の町にも進出した。「パントンライ」の名が中国全土に広がったのは2022年ごろ。ユィ・トンライ氏が、地方小売業の経営者を育成するビジネススクールを立ち上げたのがきっかけ。以来、講師を務めるユィ・トンライ氏の人気が急上昇したんだよ。いまから投資

ただのおっさんが、ビジネススクールを開いて人気急上昇? 信じられん。

百聞は一見にしかず、だよ。実際に「パントンライ」に行った人、そしてユィ・トンライ氏の話を聞いた人なら、わかるはず。

徹底された品質管理と信頼の店舗作り


「パントンライ」に行く機会? ないな。だが、どんな店なのか、興味はある。

中国人の話では、お客が多くて入店するのが大変。でも、商品にはていねいな説明があって品質が高い。卵や野菜には「産地」「残留農薬値」が記載され、「残留農薬値」は毎日更新されている。

「残留農薬値」を記載? 日本のスーパーでもやってないだろ?

鮮魚コーナーの水は底まで透き通っている。ただ、客が多いので、品物の争奪戦になる。「食材が危険なこの時代に、「パントンライ」では、安心して買い物ができる。これこそが信頼だ」と。(YouTube 1:27〜)

う〜ん、行けないけど行ってみたい。人混みはイヤだが。

実際、現地に行った日本人記者も、こう書いている。

一歩足を踏み入れると、まず目を引くのは、まるで早朝開店直後かのような陳列の圧倒的なまでの整然さと清潔さだ。床は鏡のように磨き上げられ、商品棚の隅々にまで従業員の手が行き届いている。従来の中国の店舗で散見された、暇を持て余したスタッフ同士の私語や、だらりとした雰囲気はここにはない。一人ひとりが黙々と持ち場を整えるその動きには、「やらされ仕事」ではない、自律的な意志が感じられる。この店の真価は、細部にまで張りめぐらされた顧客への配慮にこそ現れる。


すばらしい! 中国製品と言えば安かろう、悪かろうが常識なのに、まさか、中国にこんなスーパーがあるとは?

さらに、サービスも行き届いている。

胖東来(パントンライ)神話の中核をなすのが、究極の返品保証だ。「不満意就退貨(不満足なら返品OK)」はもはや常識で、生鮮食品であっても、食べた後でも「おいしくない」という理由で全額返金される。さらに18年からは、顧客の元へ従業員が出向いて返品・交換手続きを行うサービスまで開始した。

なんで、ここまでできるんだ?

「人」を大事にする人間尊重の経営


それは、会長が従業員と顧客を、1人の「人」として扱うからだよ。河南省の地方都市でありながら、「パントンライ」の一般従業員の手取りは、月9886元(約23万円)、店長だと月78000元(約180万円)。これは、現地の平均賃金の2〜3倍で、大都市のホワイトカラーをも上回るそうだ。

ええな。で、勤務時間は?

会長によると、「残業は、人の成長機会をうばう不道徳な行為」。だから、「パントンライ」の労働時間は1日6〜7時間。旧正月みたいに忙しい時期も、お店を閉めて5連休。年間30〜40日の有給休暇もある。ユニークなのは、気分が乗らない日に申請できる、10日間の「不機嫌休暇」、顧客から不当なクレームを受けた従業員がもらえる「理不尽手当」500〜5000元(11,600〜116,000円)。


「不機嫌休暇」「理不尽手当」?! あったらいいなあ〜。

従業員と顧客、つまり「人」を大事にする方針には、仕入先も入っている。仕入れの代金はすべて即日決済、支払いの遅延や未払は一切なく、根拠不明な手数料を徴収されることもない。だから、仕入先も喜んで、最高の品物を優先的に納入する。

だから、品質も最高になるわけか。

会長は言う、「従業員に十分な対価と権利を与え、個人として尊重すれば、彼らは自然と企業を自分の家のように大切にする。」

だから、スーパー全体がピカピカなんだな。

さらに2025年9月、「パントンライ」は新規採用で募集する1000人のうち2%を「前科者」に割り当てると発表した。Chosun Online

ええっ?!

会長自身も若いころ、たばこの違法販売で収監されたことがあるんだ。「前科者たちが社会に復帰し、より良い人生を送れるよう支援したい」「過去の行為に対する代償を既に支払ったのだから、他の人よりも劣っていると感じる必要はない」「とにかく頑張ればいいのだ」。前科者30人は面接で全員合格した。最初は軽犯罪者から、ゆくゆくは重犯罪者にもチャンスを拡大すると言う。(Chosun Online

自分が前科者でも、できることじゃないぞ。

前科者も、会長が大切にしている「人」に変わりないからね。

いやはや、参った。この冷徹な中国共産党のお膝下に、こんなあったかいハートの人間がいたとは?

ハートがあったかいだけじゃない。「パントンライ」はこれまで、上場せず、大規模な拡大も行わず、銀行からの借り入れも一切していない。だから、人件費や福利厚生を削ることなく、健全な経営ができている。

実に賢明だ。ファンが聖地巡礼に来る気持ちが、少しわかってきたぞ。

2025年の「パントンライ」3店舗の収益は前年比38.7%増で、純利益は約15億元(約348億円)に達した。

良いことをすれば、良いことが返る。順風満帆だな。

成功ゆえに迫る共産党の脅威


でも、中国共産党はどう思ってるかな?

中国財政破綻、人気スーパー「胖東来」から800億円強奪へ。店主は遺書を遺し拒絶。

「パントンライから800億円強奪へ」???

ここ(パントンライ)の場合、地元の駅の建設で資金に穴が開いたので、駅ビルに出店できる権利と交換で、800億円の出資を持ち掛けたようです。ちなみに、相手が共産党なので、これは相談ではなくて、命令です。ようは、この企業の貯め込んだ資金を横領する為に話を持ち掛けたわけです。

なんて、ヤツらだ。

ユィ・トンライ会長は対抗策として、「パントンライ」の利益剰余金40億元、日本円で800億円を自社株として、全従業員にバラ撒くことにした。その結果、会長の手元に残ったのは、たった5%の株。

株という形で撒くと、株主の合意無しには、出資できませんし、アテにしていた現金は、全部株で分配されていたので、1円も出せない状態になっています。更に、この経営者は、遺書を書いて、共産党への資金協力を徹底的に拒否したようです。

なかなかヤルな、おっさん。でも、あいつらの報復はコワいぞ。

数日後、予想通りのことが起きた。「『パントンライ』の卵に、基準値以上の人工着色料が検出された」というニュースが、トップニュースとして流れた。保険局の立ち入り調査など、職権を使った営業妨害行為が始まった。でも、これによって、人々はますます「パントンライ」を応援するようになった。

これは買い物じゃない、巡礼?でも違う!民衆の怒りだ!パントンライが自分の財産を店員に分け与えないと、共産党の手が伸びてくることに人々は気づいた——罪を着せられて、ついでに羊をさらうのは当然の成り行き、水が流れれば自然と渠ができる、だから、人々はこぞってパントンライに押し寄せる、それは共産党の悪党ぶりに抗議してるんだ

真相を理解して行動する中国国民、エライな。にしても、他になにか、打つ手はなかったんか?

中国では、こういうケースで、強制的な出資を求められて事業が潰れた大企業は、数えられないくらい存在するそうだよ。机上空間
たとえば、金融監督体制を批判して経済制裁を受けた、ジャック・マーもその1人。

ジャック・マーの話に出てきた、中国のことわざを思い出した。「太ったブタから食っちまおう」。


それが今、「パントンライ」で起きていることだよ。他に、懲役18年で今なお服役中の孫大午(ソンダウー)氏。

孫大午(1954年生):河北省郎五庄村の「大午集団」の創業者。傘下企業は28社、従業員は9000人以上。北京から車で約2時間の郎五庄村に、「ユートピアのような生活様式を実現させたい」と語る孫氏は、村に病院、学校、農業、食品、観光施設などを作った。
Wikipedia

孫大午:大午グループ創業者 罪状:違法な公衆預金吸収罪、騒乱罪、違法採鉱罪、集団による国家機関襲撃罪、農地不法占用罪、強要取引罪、生産経営破壊罪、公務執行妨害罪 近況:懲役18年、罰金311万元。2020年、同社関係者28人が突如逮捕される。2021年4月、逮捕。2021年7月判決、刑期は2038年9月まで

「大午集団」では、従業員は月1元(約16円)で村内の病院を受診でき、学校の費用も格安にされた。

従業員を大事にするユィ・トンライ会長と似てるな。

だけど、当局のムリな要求を断わり、当局とやり合った結果、孫氏は何度も逮捕された。特に2020年の逮捕劇は大規模だった。自動小銃で武装した警察官らが、孫氏らの自宅ドアを壊して押し入り、孫氏夫妻、2人の息子夫婦、会社幹部、28人以上を逮捕した。

なんちゅう、荒っぽいマネするんだ。

やり方がヤクザだよね。しかも、孫氏ら逮捕の後、「大午集団」(資産価値51億元:1183億円)は、6億8610万元(159億円)という安値で叩き売りされ、差額の約1000億円は、結託した地方政府・司法・地元企業の懐に入った模様。東京新聞)(Wikipedia

中国共産党、やっぱ、えげつねえわ。

だから、「パントンライ」の行く末も心配なんだ。

卵のクレームなんか序の口だろう。これから、どんな汚いいやがらせをしてくるか。

ユィ・トンライ会長は、出国制限がかかる前に逃げるべきだと警告する人もいる。

ありだな。だが、そうなったらどうなる? カリスマ会長がいなくなって、客も減るだろう。共犯の許昌市は税収入で損するの、わかってやったんか?

中国共産党にとって、「善良である事は罪であり、誠実である事は挑戦を意味する」という事です。つまり、適度に汚職で私腹を肥やし、恐怖で支配する事で受ける服従以外は、中国共産党の秩序を壊す事になるので、存在してはならないという事ですね。それが当たり前である社会である限り、中国共産党の支配は盤石であるという事です。

未来の地球に、まったくふさわしくない中国共産党!

先が見えているな。

Wikipedia[Public Domain]

Writer

ぴょんぴょんDr.

ぴょんぴょん

1955年、大阪生まれ。うお座。
幼少期から学生時代を東京で過ごす。1979年東京女子医大卒業。
1985年、大分県別府市に移住。
1988年、別府市で、はくちょう会クリニックを開業。
以後26年半、主に漢方診療に携わった。
(クリニックは2014年11月末に閉院)
体癖7-3。エニアグラム4番(芸術家)


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