欧州を襲う記録的熱波 ~エアコン普及率25%のフランスで高まる電力不足への懸念

竹下雅敏氏からの情報です。
 ヨーロッパの記録的熱波の影響で、“フランス国内では先週、各地で気温が40度を超えました(5秒)。…歴史的建造物が多いフランスでは、景観保護などのため室外機を外壁に取り付ける必要のあるエアコンの設置が制限されています。そのため扇風機が飛ぶように売れ、パリ市内の雑貨店ではハンディーファンなどの在庫が数日でなくなった(1分59秒)”ということです。
 偏西風が大きく蛇行し、高気圧が同じ場所に居座ることで熱が逃げず、いわばヨーロッパの上に「熱のフタ」が乗った状態になっているらしい。
 フランスの2025年の住宅のエアコン普及率は25%弱だということです。また、ひろゆき氏は「気温が高すぎると原発を止める法律があるので暑すぎると停電します。」とツイートしています。その理由は、“フランスの原発は内陸にあるので高温になると冷却できず出力低下か停止せざるを得ない。”ということ。仮にエアコンが普及したとしても、電力が足りないかもしれない。
 ウクライナ戦争の対応を見ても、欧州の政治家が無能なのは明らかですが、フランスのモニーク・バルブ環境大臣は、“猛暑による森林火災や生態系の破壊、作物が育たなくなる現実をエアコンは防いでくれない。”など、市民の安易な「エアコン依存」を猛批判。しかも「彼女のオフィスは冷房がガンガンに効いている」というオチまでついていたという話です。
 “続きはこちらから”をご覧ください。In Deepさんは、「35℃の産科病棟。新生児たちが息苦しさに苦しみ、疲れ果てた若い母親たちが、まるで炉のような病室で過ごしている。私たちはロケットを送る手段はあるのに、病院にエアコンを設置する手段はない。なんという恥さらし…」というツイートを引用しています。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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ヨーロッパの記録的熱波 計109人死亡 パリの商品棚から扇風機が消える(2026年06月29日)
配信元)
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配信元)


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住宅にも病院にもエアコンがほとんど普及していないフランスのパリで、熱波の中、1日で50人以上が自宅などで死亡
(前略)
おそらくエルニーニョ(すでに発生している)の影響と見られる熱波に見舞われているヨーロッパですが、特にフランスの高温が際立っています。

2026年6月23日のフランス各地の最高気温

nofia.net

そんな中で、先日、「フランス全土で 40人が溺死した」ということについての報道をご紹介しました。これは、暑さそのものによるものというより、暑さの中で、次々と川や湖などで溺れてしまう若者たちが相次いだという出来事でした。

しかし、暑さが長引く中で、暑さそのものによる死者が増えているようです。

パリでは、最も気温が高かった 6月25日からの 1日だけで、緊急搬送された 55人が死亡したと報じられています。

まあ、しかしですね。

フランスの現在の問題として、確かに尋常ではない暑さは現実だとしても、「エアコンがない」こともかなり影響していると思われます。

以前よりは普及したとはいえ、今でも、普及率は 20%前後だとされていまして、それでも、一般の住宅はともかく、「病院にもあまりない」ようなんです。

最近、X へのフランスの方の投稿で、以下のようなものを見ました。

  > 35℃の産科病棟。新生児たちが息苦しさに苦しみ、疲れ果てた若い母親たちが、まるで炉のような病室で過ごしています。私たちの国はロケットを送る手段は持っているのに、病院にエアコンを設置する手段はないのです。

「産科にエアコンがないって本当かよ」と思い、調べましたら、産科という括りではなく病院全体として、具体的な数字は公表されていないですが、「エアコンの普及率は一般家庭とほぼ同じ程度の普及率」のようです。つまり、多くて 20%程度
(中略)
病院がこの調子ですと、たとえば暑さで体調を崩して病院に運ばれたとしても、「その病院にエアコンがない」という場合、治療や回復も難しいのかもしれないですね。

実際のところは、以前 In Deep で書きましたけれど、「暑さより寒さのほうが多くの人の命を奪っている」という北米のデータがあり(毎年、暑さで亡くなるのは 2,500人で、寒さで亡くなるのは、毎年 11万3,000人)、寒さのほうが脅威なんですが、それは事実だとしても、40℃超えでエアコンがない病院が多数というような事情も現在のフランスの死者増加の原因としてはあるのかもしれません。

フランス BFM TV からの報道です。


木曜日の猛暑の中、パリの救急医療サービスには24時間で少なくとも55人の死亡が報告された。これは通常10人未満であるのと比べて大幅な増加だ
Au moins 55 morts pris en charge par le Samu de Paris en 24 heures jeudi, en pleine canicule, contre moins de 10 habituellement
BMF 2026/06/27



パリの救急医療サービス(SAMU)には、6月25日(木)までの24時間で少なくとも55人の死亡が報告された。首都パリは、フランスの他の地域と同様に、猛暑に見舞われた。通常、SAMUが扱う死亡者数は1日あたり10人未満である。
(中略)
治療を受けた55人の患者のうち、25件の心停止により 23人が死亡した(通常は5人未満)。残りの 32人の死亡は、その他の原因によるものであった(通常は5人未満)。

パリで「死亡率が上昇」

保健省は、熱波が直接の原因となった死亡者数に関する包括的な統計は持ち合わせていないとしながらも、パリでの死亡者数の増加を報告している。

木曜日の朝、パリ市長のエマニュエル・グレゴワール氏は、具体的な数字は示さずに「パリでは死亡率が上昇している」と述べた。これは、パリの気温が6月に 40℃に達したことによるもので、パリの気温記録史上初めてのことだ。

フランス救急医学会会長のアニエス・リカール・ヒボン氏は、今週金曜日の朝、BFM TV で、イル・ド・フランス地域圏の救急医療サービスへの通報件数が 47%増加したと述べた。我々の情報によると、パリ消防署への通報件数も 50%増加している。

フランス全土で、医療サービスへの負担がますます大きくなっている。ボルドーでは、救急医療サービスが 24時間で 3,200件の通報を受け、これは 60%の増加に相当する。

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