竹下雅敏氏からの情報です。
注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
————————————————————————
アメリカが支援するイスラム原理主義カリフ国家創設を狙ったイラクの計画的破壊と政治的細分化
転載元より抜粋)
マスコミに載らない海外記事 14/6/17
Prof Michel Chossudovsky
欧米マスコミは、イラクで展開つつある武力紛争をイラクとシャームのイスラーム国と、アルマリキ政権の国軍との“内戦”と異口同音に表現している。
(イラクとレバントのイスラム国(ISIL)、イラクと大シリアのイスラム国(ISIS)とも呼ばれる)
武力紛争は“様々な派閥の背後に一体誰がいるのか”には触れずに、過激派のスンナ派とシーア派間の“宗派間戦争”としてさりげなく描かれている。実際に起きているのは、入念に仕組まれた、アメリカの軍諜報機関による作戦なのだ。
アルカイダとつながる様々な団体が、ソ連-アフガニスタン戦争全盛期以来、“諜報工作の手先”として、アメリカ-NATOによって多数の武力紛争で利用されてきたことが知られており、記録も残されている。シリアでは、アル・ヌスラと、ISIS叛徒は、準軍事部隊の採用と訓練を監督し、支配している欧米軍事同盟の歩兵だ。
アルカイダとつながるイラクと大シリアのイスラム国(ISI)は、2013年4月 、一般的に「イラクと大シリアのイスラム国(ISIS)」と呼ばれる別の様々な名と略称で再登場した。イラクとシリアの両国にまたがるテロ組織の編成は、アメリカの諜報作戦の一環だった。この組織はアメリカの地政学的目標に対応している。
ISISスンナ派カリフ国家プロジェクトは、イラクとシリアの両国を、三つの地域に切り分けるという積年のアメリカの計画とも一致する。スンナ派イスラム原理主義者カリフ国家、アラブ・シーア派共和国と、クルディスタン共和国だ。
(アメリカ傀儡の)バグダッド政権は、アメリカからロッキード・マーチンのF16ジェット戦闘機を含めた高度な武器体系を購入したが、イラク政府軍と戦っているイラクと大シリアのイスラム国は、秘密裏に欧米の諜報機関によって支援されている。イラク国内で、双方がアメリカ-NATOによって間接的に支配される内戦を仕組むのが目的だ。
双方に、武器を与え、装備させ、高度な兵器体系を購入できるよう資金援助し、“双方を戦わせる”というのがシナリオだ。
アメリカ-NATOは、イラクとシリア両国で活動しているISIS暗殺部隊の採用、訓練と資金援助に関与している。ISISは、間接的なチャンネルを通して、欧米諜報機関と協調して活動している。報道で確証されている通り、シリア反政府派や、欧米の特殊部隊や傭兵は、ISISに仲間入りをしている。
アメリカ-NATOは アメリカの最も信頼できる同盟国カタールとサウジアラビアを通して、秘密裏に対ISIS支援を注ぎ込んできた。ロンドンのデイリー・エクスプレスによれば、“彼等は、カタールとサウジアラビアから資金と兵器提供を受けている.”
“サウジアラビアやカタール等の同盟国経由で、ISISや他のアルカイダとつながる民兵へと変身した戦闘的反政府集団を欧米は支援してきた。(デイリー・テレグラフ、2014年6月12日)
内戦という旗印の下で、本質的に、国家を丸ごと、機構も、経済も更に破壊することに貢献する秘密の侵略戦争が推進されているのだ。
一方、世論は、今起きているのは、シーア派とスンナ派との間の武力紛争だと信じるよう仕向けられている。
苦い皮肉で、侵略国家が“主権国家イラク”救援にやってくるものとして描きだされている。
“対テロ戦争”は、諜報作戦の一環として、アルカイダ・テロリスト組織を編み出すことと、テロリスト叛徒の標的となった政府の救済とで構成されている。 このプロセスが、対テロ作戦という旗印の下で行われる。対テロ作戦は介入の口実になるのだ。
ISISというのは、スンナ派イスラム原理主義国家を作り出すというカリフ国家プロジェクトだ。
ISIS叛徒の進軍に対して、ワシントンは空爆の実施と、対テロ作戦の一環としての、バグダッド政府を支援する無人機攻撃を検討している。
言うまでもなく、こうした展開は、イラク不安定化にのみならず、イラク人レジスタンス運動の弱体化にも貢献するが、それがアメリカ-NATOの主目的の一つなのだ。
“グローバル対テロ戦争”(GWOT)は、首尾一貫した、悪魔的な論理を包含している。双方、つまりテロリストも政府も、同じ軍・諜報勢力、つまりアメリカ-NATOに支援されている。
宗派間対立の画策を視野に入れた“双方を支援する”構造は、何度となく、多数の国々で実施されてきた。アルカイダ工作員によって統合された反乱軍は(欧米諜報機関に支援されて)、イエメン、リビア、ナイジェリア、ソマリア、マリ、中央アフリカ共和国、パキスタンを含む多くの国々で優勢だ。
人道的な理由で介入するという口実(例:マリ、ナイジェリアや中央アフリカ共和国)は、テロリスト勢力の存在が前提だ。
6月10日、イラクと大シリアのイスラム国(ISIS)の武装反抗勢力軍が、人口百万人を超えるイラク第二の都市モスールを掌握した。オバマ政権によれば、この展開は“予期しないもの”だが、陰で、ISISのモスール攻撃をも画策していたペンタゴンも、アメリカ諜報機関も知っていたのだ。
反乱軍を遥かに上回る人数で、高度な武器体系を装備したイラク軍は、ISIS反乱軍を容易に撃退できていたはずだ。
各報道によれば、1000人のISIS叛徒に対し、モスールには30,000人の政府軍兵士がいた。イラク軍は介入しないことを選んだのだ。
各報道は、イラク軍の司令官達がスンナ派が率いるISIS叛徒に好意的だったという事実を指摘している。
クルドの都市エルビルで、モスルの将軍達が都市を、宗派的、歴史的つながりを共有しているスンナ派武装反抗勢力に“引き渡した”と脱走兵達は語り、将校達の卑怯さと裏切りを非難した。(デイリー・テレグラフ、2014年6月13日)
アメリカ軍に訓練され、自由に使える高度な兵器体系を装備したイラク国軍の複数師団が容易にISIS叛徒を撃退できたはずだ。報道はイラク軍兵士が司令官達から介入しないよう命じられていたことを示唆している。複数の証人によれば、“一発たりとも発砲はなかった”。
モスルに駐留していた軍隊は逃走した - ISIS軍が都市に押し寄せると、兵士の一部は持ち場も、制服さえも脱ぎ捨てた。
イラクと大シリアのイスラム国(ISIS)の戦士、アルカイダの分家が、場合によっては、前進する戦士から逃げようとして制服すら脱ぎ捨てて、イラク人兵士や警官が持ち場から離脱したと思われた後、一夜にしてこの都市西岸全域を侵略した。
http://hotair.com/archives/2014/06/10/mosul-falls-to-al-qaeda-as-us-trained-security-forces-flee/
千人のISIS叛徒の分遣隊が人口百万人以上の大都市を掌握した? アメリカが支配するイラク軍 (兵員30,000名)は介入しないつもりだということを事前に知らなければ、モスル作戦は完全に失敗していただろうし、反乱軍は殲滅されていただろう。
ISISテロリストに、モスルを掌握させようという判断の背後には一体誰がいたのだろうか? 誰が彼等に“青信号”をだしたのだろう。
作戦全体が入念に仕組まれていたように見える。
モスルでは、政府庁舎、警察署、学校、病院等々は、現在、正式にイラクと大シリアのイスラム国(ISIS)の管理下にある。また、ISISは、イラク国軍が放棄したヘリコプターや戦車を含む軍用装備品も支配下におさめた。
現在展開していることは、バグダッド政府の急速な崩壊と並行する、アメリカが支援するイスラム原理主義のISISカリフ国家樹立なのだ。一方、北部クルディスタン地域は、事実上、バグダッドからの独立を宣言した。クルド・ペシュメルガ反乱軍が(イスラエルに支援されている)アルビルやキルクーク等の都市も支配下におさめた。
ISISは独立した組織ではない。アメリカ諜報機関が生み出したものだ。これはアメリカ諜報機関の手先で、今までにない形の戦争の道具なのだ。
アメリカ-NATOが画策した、ISIS叛徒がマリキ政府軍と衝突する継続中の武力紛争の究極的な狙いは、国民国家としてのイラクを、破壊し、不安定化させることだ。これは諜報作戦の一環、諸国を違う領土に組み換える人工的に作り出したプロセスだ。宗派境界線に沿ったイラク分割は、アメリカと同盟諸国の積年の政策だ。
宗派-民族境界線に沿ったイラク分割はペンタゴンの製図板上に、10年以上載っていた。
イランがアル・マリキ政府を支持しており、アメリカの策略は、イランの介入をあおることを意図している可能性もある為、カリフ国家の創生は、中東における、より広範な武力紛争に向けた第一歩という可能性もある。
記事原文のurl:
http://www.globalresearch.ca/the-destruction-and-political-fragmentation-of-iraq-towards-the-creation-of-a-us-sponsored-islamist-caliphate/5386998
欧米マスコミは、イラクで展開つつある武力紛争をイラクとシャームのイスラーム国と、アルマリキ政権の国軍との“内戦”と異口同音に表現している。
(イラクとレバントのイスラム国(ISIL)、イラクと大シリアのイスラム国(ISIS)とも呼ばれる)
武力紛争は“様々な派閥の背後に一体誰がいるのか”には触れずに、過激派のスンナ派とシーア派間の“宗派間戦争”としてさりげなく描かれている。実際に起きているのは、入念に仕組まれた、アメリカの軍諜報機関による作戦なのだ。
アルカイダとつながる様々な団体が、ソ連-アフガニスタン戦争全盛期以来、“諜報工作の手先”として、アメリカ-NATOによって多数の武力紛争で利用されてきたことが知られており、記録も残されている。シリアでは、アル・ヌスラと、ISIS叛徒は、準軍事部隊の採用と訓練を監督し、支配している欧米軍事同盟の歩兵だ。
アルカイダとつながるイラクと大シリアのイスラム国(ISI)は、2013年4月 、一般的に「イラクと大シリアのイスラム国(ISIS)」と呼ばれる別の様々な名と略称で再登場した。イラクとシリアの両国にまたがるテロ組織の編成は、アメリカの諜報作戦の一環だった。この組織はアメリカの地政学的目標に対応している。
ISISスンナ派カリフ国家プロジェクトは、イラクとシリアの両国を、三つの地域に切り分けるという積年のアメリカの計画とも一致する。スンナ派イスラム原理主義者カリフ国家、アラブ・シーア派共和国と、クルディスタン共和国だ。
(アメリカ傀儡の)バグダッド政権は、アメリカからロッキード・マーチンのF16ジェット戦闘機を含めた高度な武器体系を購入したが、イラク政府軍と戦っているイラクと大シリアのイスラム国は、秘密裏に欧米の諜報機関によって支援されている。イラク国内で、双方がアメリカ-NATOによって間接的に支配される内戦を仕組むのが目的だ。
双方に、武器を与え、装備させ、高度な兵器体系を購入できるよう資金援助し、“双方を戦わせる”というのがシナリオだ。
アメリカ-NATOは、イラクとシリア両国で活動しているISIS暗殺部隊の採用、訓練と資金援助に関与している。ISISは、間接的なチャンネルを通して、欧米諜報機関と協調して活動している。報道で確証されている通り、シリア反政府派や、欧米の特殊部隊や傭兵は、ISISに仲間入りをしている。
アメリカ-NATOは アメリカの最も信頼できる同盟国カタールとサウジアラビアを通して、秘密裏に対ISIS支援を注ぎ込んできた。ロンドンのデイリー・エクスプレスによれば、“彼等は、カタールとサウジアラビアから資金と兵器提供を受けている.”
“サウジアラビアやカタール等の同盟国経由で、ISISや他のアルカイダとつながる民兵へと変身した戦闘的反政府集団を欧米は支援してきた。(デイリー・テレグラフ、2014年6月12日)
内戦という旗印の下で、本質的に、国家を丸ごと、機構も、経済も更に破壊することに貢献する秘密の侵略戦争が推進されているのだ。
一方、世論は、今起きているのは、シーア派とスンナ派との間の武力紛争だと信じるよう仕向けられている。
苦い皮肉で、侵略国家が“主権国家イラク”救援にやってくるものとして描きだされている。
“対テロ戦争”は、諜報作戦の一環として、アルカイダ・テロリスト組織を編み出すことと、テロリスト叛徒の標的となった政府の救済とで構成されている。 このプロセスが、対テロ作戦という旗印の下で行われる。対テロ作戦は介入の口実になるのだ。
ISISというのは、スンナ派イスラム原理主義国家を作り出すというカリフ国家プロジェクトだ。
ISIS叛徒の進軍に対して、ワシントンは空爆の実施と、対テロ作戦の一環としての、バグダッド政府を支援する無人機攻撃を検討している。
言うまでもなく、こうした展開は、イラク不安定化にのみならず、イラク人レジスタンス運動の弱体化にも貢献するが、それがアメリカ-NATOの主目的の一つなのだ。
“グローバル対テロ戦争”(GWOT)は、首尾一貫した、悪魔的な論理を包含している。双方、つまりテロリストも政府も、同じ軍・諜報勢力、つまりアメリカ-NATOに支援されている。
宗派間対立の画策を視野に入れた“双方を支援する”構造は、何度となく、多数の国々で実施されてきた。アルカイダ工作員によって統合された反乱軍は(欧米諜報機関に支援されて)、イエメン、リビア、ナイジェリア、ソマリア、マリ、中央アフリカ共和国、パキスタンを含む多くの国々で優勢だ。
人道的な理由で介入するという口実(例:マリ、ナイジェリアや中央アフリカ共和国)は、テロリスト勢力の存在が前提だ。
6月10日、イラクと大シリアのイスラム国(ISIS)の武装反抗勢力軍が、人口百万人を超えるイラク第二の都市モスールを掌握した。オバマ政権によれば、この展開は“予期しないもの”だが、陰で、ISISのモスール攻撃をも画策していたペンタゴンも、アメリカ諜報機関も知っていたのだ。
反乱軍を遥かに上回る人数で、高度な武器体系を装備したイラク軍は、ISIS反乱軍を容易に撃退できていたはずだ。
各報道によれば、1000人のISIS叛徒に対し、モスールには30,000人の政府軍兵士がいた。イラク軍は介入しないことを選んだのだ。
各報道は、イラク軍の司令官達がスンナ派が率いるISIS叛徒に好意的だったという事実を指摘している。
クルドの都市エルビルで、モスルの将軍達が都市を、宗派的、歴史的つながりを共有しているスンナ派武装反抗勢力に“引き渡した”と脱走兵達は語り、将校達の卑怯さと裏切りを非難した。(デイリー・テレグラフ、2014年6月13日)
アメリカ軍に訓練され、自由に使える高度な兵器体系を装備したイラク国軍の複数師団が容易にISIS叛徒を撃退できたはずだ。報道はイラク軍兵士が司令官達から介入しないよう命じられていたことを示唆している。複数の証人によれば、“一発たりとも発砲はなかった”。
モスルに駐留していた軍隊は逃走した - ISIS軍が都市に押し寄せると、兵士の一部は持ち場も、制服さえも脱ぎ捨てた。
イラクと大シリアのイスラム国(ISIS)の戦士、アルカイダの分家が、場合によっては、前進する戦士から逃げようとして制服すら脱ぎ捨てて、イラク人兵士や警官が持ち場から離脱したと思われた後、一夜にしてこの都市西岸全域を侵略した。
http://hotair.com/archives/2014/06/10/mosul-falls-to-al-qaeda-as-us-trained-security-forces-flee/
千人のISIS叛徒の分遣隊が人口百万人以上の大都市を掌握した? アメリカが支配するイラク軍 (兵員30,000名)は介入しないつもりだということを事前に知らなければ、モスル作戦は完全に失敗していただろうし、反乱軍は殲滅されていただろう。
ISISテロリストに、モスルを掌握させようという判断の背後には一体誰がいたのだろうか? 誰が彼等に“青信号”をだしたのだろう。
作戦全体が入念に仕組まれていたように見える。
モスルでは、政府庁舎、警察署、学校、病院等々は、現在、正式にイラクと大シリアのイスラム国(ISIS)の管理下にある。また、ISISは、イラク国軍が放棄したヘリコプターや戦車を含む軍用装備品も支配下におさめた。
現在展開していることは、バグダッド政府の急速な崩壊と並行する、アメリカが支援するイスラム原理主義のISISカリフ国家樹立なのだ。一方、北部クルディスタン地域は、事実上、バグダッドからの独立を宣言した。クルド・ペシュメルガ反乱軍が(イスラエルに支援されている)アルビルやキルクーク等の都市も支配下におさめた。
ISISは独立した組織ではない。アメリカ諜報機関が生み出したものだ。これはアメリカ諜報機関の手先で、今までにない形の戦争の道具なのだ。
アメリカ-NATOが画策した、ISIS叛徒がマリキ政府軍と衝突する継続中の武力紛争の究極的な狙いは、国民国家としてのイラクを、破壊し、不安定化させることだ。これは諜報作戦の一環、諸国を違う領土に組み換える人工的に作り出したプロセスだ。宗派境界線に沿ったイラク分割は、アメリカと同盟諸国の積年の政策だ。
宗派-民族境界線に沿ったイラク分割はペンタゴンの製図板上に、10年以上載っていた。
イランがアル・マリキ政府を支持しており、アメリカの策略は、イランの介入をあおることを意図している可能性もある為、カリフ国家の創生は、中東における、より広範な武力紛争に向けた第一歩という可能性もある。
記事原文のurl:
http://www.globalresearch.ca/the-destruction-and-political-fragmentation-of-iraq-towards-the-creation-of-a-us-sponsored-islamist-caliphate/5386998
アメリカの中東改造計画ですが、最終的にはイランとの第三次大戦に繋がってしまいます。これはブレジンスキーの計画ではないかという気がします。対して、シリア、ウクライナでの稚拙さは、ネオコンによるものだという気がします。
ブレジンスキーがシリアに対する謀略を非難していた背景は、自分の立案した計画がかき乱されるためなのかもしれません。それほど、今回のこのイラクの作戦は、“入念に仕組まれていた”と言えます。ただ、こうした優れた記事のおかげで多くの人々がアメリカの陰謀に気付くようになったため、彼らの野望が実現することは無いでしょう。