注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
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【前半】鈴木宣弘「ここが問題、日米FTA―各党・議員に聞く」
配信元)
Youtube 2019/10/15
◯TPP11(米国抜きのTPP)が2018年12月30日に発効した。そこで、米国は自分の分はどうしてくれるとばかりに、日米FTA(自由貿易協定)交渉がはじまり、8月25日に基本合意をして、9月末に署名がされた。ルール逸脱の中で、しかも内容を隠しての無謀なスケジュールで進められた。
◯かつてTPPが頓挫した時に、官邸が急がせた日欧EPA(経済連携協定)も、2019年2月1日に発効した。EUにはTPP以上(チーズの全面関税撤廃など)を譲る。
◯さらに官邸は、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)も「TPPプラス」にしようと邁進している。
◯これらを合わせると、現状は大問題になったTPP12より事態が悪化している。
しかしその深刻さは、国民に認識されていない。
しかしその深刻さは、国民に認識されていない。
鈴木宣弘氏 撮影:しんしん丸
◯今回の協定は、米国へ輸出される自動車や牛肉の関税撤廃は反故にされるという、日本にとっては非常に「片務的」なものとなり、ただトランプ大統領の選挙対策のためだけという「つまみ食い」協定である。
◯また、今後の第2ステージでの交渉では、「自動車のために農産物をさらに差し出す」ことを、交渉責任者は実質認めている。
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今回の交渉では、トランプ大統領の選挙キャンペーンのために、「自動車に25%関税をかけられるよりはましだろう」と自動車の関税撤廃を反故にされ、対日農畜産物輸入は1.5倍にまで拡大させられ、米中貿易戦争の尻拭いに余剰トウモロコシまで買わされました。また協定自体が、貿易額の6割にも満たないため、WTO違反協定でもあります。「犯罪者に金を払って許しを請う」ような「失うだけの交渉」というのが実態といわれる日米貿易協定ですが、日本政府はなぜいいなりなのでしょう。
もちろん植民地だから、“戦後の米国の占領政策の総仕上げ”に従っているということでしょうが、現日本政府自体がグローバリズムのうまみを最大限に享受しようと、大企業を優遇し、オトモダチで支配を固める意向で政治をしています。つまり、アメリカ政府や巨大企業には逆らえずにATMと化すのだが、日本国内やアジア(RCEP)に対しては同じ手法を踏襲し、合法的?に支配するという、まるで時代劇の越後屋!のようなことをしているのです。上にやられたことを、同じように下にする、という、鬱憤晴らしのいじめの構造のようにも見えます。おどろくべきことに、こうした負の連鎖は今もって続いているのです。
まずは、根性の悪い、こんな残念な政権は、早いところ交代させないといけないわけですが、肝心の野党はといえば、これまた同じ穴のムジナのような情けない有様です。これでは、国会もただの通過儀礼になってしまいます。こうしたことを、山本太郎氏はお見通しです。
今回の合意は終着点ではなく、アメリカはすでに22項目の「対日交渉目的」を明らかにしており、このまま第2ステージへと交渉が続けば、私たちの暮らしにかかわるあらゆる分野が、グローバル企業の市場として再編されていくことになってしまいます。先住民族をジェノサイドするような優生思想が、こうしたグローバリズムを正当化しています。本当の顔を隠したまま、経済的にあたかも合法であるかのように推し進められているのが、メガ貿易協定なのですから。まさに悪魔の所業です。ツイートにあるように、最大級の危機です!トランプ大統領がただのアメリカ・ファーストであるはずがない!とおもいたいところです。
ディスクロージャーがすすみ、エネルギー革命が起き、まともな政治家によってインフラが整備されたら、あっという間に世界は薔薇色になるのですが。心の成熟とともに。