注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

元土木学会会長で国土学総合研究所所長の大石久和氏は、台風19号の災害復旧をめぐるテレビ番組などで「インフラ整備はこの20年間、世界の先進国では2倍、3倍と伸びているのに対し、日本だけが半減以下というレベルまで削減してきた。国の財政として将来のための治水事業をやってこなかったのが日本だ。これはインフラ整備が私たちの生活を支えているという認識の欠如によるものだ。オリンピックの経済効果は話題になるが、道路や橋がどれだけ経済に貢献してきたか。それは数年~数十年かけてストックされるものだが、それを証明する経済学もない」と発言している。
(中略)
治水事業の遅れについて、一昨年11月に会計検査院がこう発表している。全国の河川改修事業による堤防の整備状況を調べたところ、途切れたり高さが不足していたりして堤防の役割を十分果たせない恐れのある場所が、全国で11道県24カ所ある。豪雨災害のさい氾濫の危険性がある、と。
実際に2015年9月の鬼怒川水害で、この治水の遅れが被害を拡大した。茨城県を流れる鬼怒川が氾濫し、5つの市が洪水に見舞われ、家屋数千棟が浸水し、14人が亡くなるなど大きな被害を出したが、その原因として国が鬼怒川水系上流部の4つのダムをつくることを優先し、下流部の河川改修・堤防整備を後回しにしてきたことが問題になった。大量の雨が降ったとき、4つのダムはルール通りに洪水調節を実施したが、下流部で堤防のかさ上げ・拡幅や川底の掘削によって水量を増やすなど流下能力の確保が非常に遅れ、氾濫を防げなかったのだ。
(中略)
公的固定資本形成費とは、現世代や次世代が安心して暮らせるように、国や地方自治体が投資した、道路・空港・港湾などの交通インフラや河川・海岸・ダム・砂防などの防災インフラをあわせた資本の蓄積状況を示す。1996年を100としてこの20年間の推移を見ると、アメリカは2倍、イギリスは3倍に増やしているのに対し、日本だけが先進国の中でマイナスで、それも半減以下になっている。

治水対策を見ると、洪水に対する川の安全度を示す治水安全度の国際比較では、オランダが1万年に1回発生する洪水(高潮被害)に対する治水事業をすでに完成させ、イギリス(テムズ川)が1000年に1回発生する洪水に対する治水事業を完成させているのに対し、日本では、河川によって違いがあるが、たとえば荒川では200年に1回発生する洪水に対する治水事業の達成率が67%と、大幅に遅れている【表参照】。
(中略)
治水対策に予算を使わないのは為政者による人災である。いまや自然災害は日本全国どこで起こってもおかしくないといわれるなか、税金を東京五輪やカジノ・万博誘致、リニア新幹線など一部の者の利権のために散財するのでなく、必要な治山治水事業のために投入しなければ国土と国民は守れない。
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長周新聞さんによると、“インフラ整備はこの20年間、世界の先進国で…日本だけが半減以下というレベルまで削減”してきたということです。記事の中のグラフを見ると、日本が治水対策をまともにやっていないのが一目瞭然です。
政府はというと、“税金を東京五輪やカジノ・万博誘致、リニア新幹線など”に投じ、あべぴょんのお友達だけが利益を得る構図になっています。国土と国民を守るつもりはさらさらないようです。
“続きはこちらから”は、大きな被害を受けた千葉の様子です。驚いたことに、いくつもの水位観測所が、以前から故障したままで観測不能だったにもかかわらず、“県はいずれの流域の自治体にも故障を連絡しなかった”らしい。
千葉県の森田健作知事は、3.11での対応の酷さでどうしようもないとはわかっていましたが、ここまで酷いとは…。
ツイートによると、森田健作氏は“幸福の科学信者で日本会議所属”とあります。本当なんでしょうか。9月1日の防災の日の時の“あべぴょんと並んだ全くやる気のない姿”が深く印象に残っていますが、この2人は、これが平常運転なのでしょう。
こうしたことがわかったからには、次の選挙では“さらばモリタと言おう”。