[Sptunik 他]ニムル師の処刑は中東の安定を揺るがす 〜新年早々、中東大動乱の引き金を引いたかに見える事件〜

竹下雅敏氏からの情報です。
 新年早々、中東大動乱の引き金を引いたかに見える事件です。サウジアラビア崩壊の指導者になり得るニムル師を、サウジアラビア政府はテロリストのレッテルを貼って処刑したわけですが、墓穴を掘った感があります。
 各地で暴動が起きているようです。こうした暴動に、先の記事で説明したテクノロジーが使われていると思います。先の記事の冒頭の部分をご覧下さい。“HAARPからの超低周波(ELF)は…大衆の気持ちを操作”出来るとあります。米軍が過去に新中東地図を出していることを考えると、こうした大衆操作は、米軍によって行われているのではないかと思えます。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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ニムル師の処刑は中東の安定を揺るがす
転載元)
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イランの首都テヘランのサウジアラビア大使館には、一度に何十もの火炎瓶が投げ込まれ大騒ぎとなったが、北東部の主要都市マシュハド(メシヘド)のサウジアラビア領事館でも、同様の出来事が起き、すでに建物の一部が焼失した。何百人もの人々が街頭で暴れ、通りにはきな臭いにおいが漂っている。

イランでは初め、何千もの群衆が街頭に出て、処刑されたイスラム教シーア派の著名な聖職者ニムル師の肖像画を掲げながら、サウジ当局の行動に抗議していたが、その後、サウジアラビア関連施設への襲撃が始まった

とりあえずイランの治安機関は、状況をコントロール下に収める事に成功したが、それは容易な事ではなかった。警察隊は、群衆に対し、催涙ガスを使用し、大使館敷地内に侵入した暴徒らを、30分かけてようやく排除した。

中東全土でも、いくつか同様の事が起きており、シーア派信徒達の自然発生的な抗議行動は、イラクからイエメンまで広がった。その波は、サウジアラビア本国にもついに及び、ニムル師の故郷カティフに、サウジ当局は、軍・治安機関の部隊や装甲自動車などを派遣している。

さらに抗議行動の波は、欧州にもおよび、ロンドンでも抗議デモが行われた。

ニムル師の処刑は中東の安定を揺るがす © REUTERS/ HAMAD I MOHAMMED ニムル師の処刑は中東の安定を揺るがす

REUTERS/ HAMAD I MOHAMMED
ニムル師の処刑は中東の安定を揺るがす


EUのモゲリーニ外交・安全保障担当上級代表は「ニムル師の処刑は、危険な火種になる恐れがある。中東にすでに大きな破壊をもたらしたスンニ派とシーア派間の緊張関係が、さらに深まるかもしれない」と不安感を表した。

ニムル師に、死刑判決が下されたのは、3年前の事だった。ニムル師は、サウジにおける宗教的少数派であるシーア派信徒の権利擁護者であり、平等を求め憲法改革を求めてきた。しかしスンニ派が主導するサウジ政府は、彼に反体制派のレッテルを張り、テロ組織に関与していると非難した。刑は、2日に執行された。ニムル師以外にも、46人が処刑されている。


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人権問題に対する西側のダブルスタンダードの代表例サウジアラビア
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4bk19b397e9f1325l8_200C113アボルファトフ解説員 サウジアラビア政府が、同国の闘うシーア派聖職者ナムル師を処刑したことは、世界で大きな反響を呼んでいます。この中で、欧米諸国や国連、国際人権団体ヒューマンライツ・ウォッチ、そしてアムネスティ・インターナショナルなどの機関は、ナムル師の処刑を非難しました。

国連のパン事務総長は、今回のナムル師の処刑に驚愕したと語りました。アメリカ国務省も声明を発表し、ナムル師の処刑に懸念を示しています。EUのモゲリーニ外務・安全保障政策上級代表も、同様の立場を表明しました。

サウード政権によるナムル師の処刑は、おそらくサウジアラビアでの人権侵害の最も新しい典型的な例であると思われますが、決して初めての例ではありません。西側諸国の人権基準によれば、サウジアラビアは世界でも最悪の行動に出ている国の一つとされています。しかし、サウジアラビアはいわゆる人権擁護国家とされる西側諸国から叱責されないばかりか、これらの国から最も多くの報奨を受け取っています。サウジアラビアは西側諸国にとって、石油という戦略的に重要な資源の生産国の利益に打撃を与えながら、原油価格を低く抑えることで事実上西側諸国の経済サイクルを回転させている重要な存在なのです。

サウジアラビアはまた、豊富な石油収入により、西側諸国で製造された武器の最大の輸入国となっています。武器産業の繁栄も、西側諸国の経済繁栄を維持する要素の1つとされています。さらに、確かな資料によれば、サウジアラビアは西側諸国から輸入した武器を国内の抗議運動の弾圧、もしくは地域諸国への侵略のために使用しているということです。こうした中、西側諸国はサウジアラビアに人権侵害となる行動をやめさせるための措置を、全く講じようとしません。

サウジアラビアの人権問題に対する西側諸国の行動は、人権遵守に対するダブルスタンダードな捉え方を明白に示す実例です。西側諸国の見解では、人権は西側が強要する体制を受け入れない、あるいはそれを転換しようとする国にとって問題とされるものです。この場合、西側諸国の同盟国は最悪の形で人権を侵害してもよいとされ、中東最大の西側の友好国の1つであるサウジアラビアでは女性の車の運転を禁じるという事態をも引き起こしています。

サウジアラビアはまた、石油による外貨収入を利用して政治的な支援を取り付けることにより、西側の人権機関の1つの今期議長国の座にも就いています。その理由は、西側諸国から見て、サウジアラビアにおける処刑や拷問、弾圧、侵略行為は、裕福な産油国であるこのアラブの国が西側と友好関係を持ち、西側に都合の良いように行動していることから、黙認してもよいと考えられるからです。

もっとも、西側諸国やその一部の人権団体は、シーア派聖職者ナムル師の処刑といった行動を非難する声明を発表しています。しかし、人権擁護という西側諸国の原則に反するこのような行動が、西側諸国とサウジアラビアの政治・経済的に深い関係にわずかでも弊害を及ぼすということは起こらないと思われます。サウジアラビアも、西側による抗議は世論に対する見せ掛けに過ぎないと確信していることから、心置きなく人権侵害を続けています。このような状況のもとで、世界に残るのは人権擁護問題が重要性を失うという現実なのです。

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