[櫻井ジャーナル]露軍が空爆を始めてからシリア情勢が劇的に変化、2月に米露が停戦に合意し、トルコ政府は孤立 〜エルドアン政権が崩壊する可能性が現実味 鈍感な安倍政権も米国一辺倒では立ち行かないことを認識し始めた!?〜

竹下雅敏氏からの情報です。
 シリア情勢に関して、簡潔にまとめられている記事です。スプートニクを見ても、“トルコ軍はエルドアン大統領に不満を持っている”ようで、エルドアン政権が崩壊する可能性が現実味を帯びて来ました。文末“安倍晋三政権も人ごと”ではいられないとあります。
 “続きはこちらから”以降の記事では、さすがに鈍感な安倍政権も米国一辺倒では立ち行かないことを認識し始めたのか、ロシアに接近を始めたようです。はっきり言って、今さら遅いという感じがします。すでにこれまでの所業で、プーチン大統領、習近平国家主席には、思いっきり嫌われています。オバマ大統領には、初めから毛嫌いされていました。これほど孤立した首相も珍しいと思いますが、日本国内だけはガラパゴス化しているらしく、メディア操作で何とか命を繋いているという感じです。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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露軍が空爆を始めてからシリア情勢が劇的に変化、2月に米露が停戦に合意し、トルコ政府は孤立
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昨年9月30日にロシア軍が空爆を始めて以来、シリア情勢は劇的に変化した。ワッハーブ派/サラフ主義者やムスリム同胞団を中心とする傭兵集団を使ってバシャール・アル・アサド体制を倒すというアメリカ/NATO、サウジアラビア/ペルシャ湾岸産油国、イスラエルの計画は崩れてしまったのである。

そうした中、あくまでも軍事的にアサド体制を倒そうとしてきたのがトルコやサウジアラビアで、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は2月20日にUNESCOのイベントで演説、自分たちはシリアで作戦を遂行する全ての権利を持っていると言ってのけた。

ところが、アメリカ政府とロシア政府は2月22日、シリアで2月27日から停戦することで合意したと発表、しかもこの合意はダーイッシュ(IS、ISIS、ISILなどとも表記)、アル・ヌスラ(アル・カイダ系武装集団)、あるいは国連がテロリストと認定しているグループには適応されず、こうした武装集団に対する攻撃は継続されるとしている。ロシア側の主張に沿った内容だ。2月10日にヘンリー・キッシンジャーがロシアを訪問してウラジミル・プーチン露大統領と会談しているが、このひとつの結果が今回の停戦ではないかと見る人もいる。

ダーイッシュやアル・カイダ系武装勢力へ物資を補給する兵站線はトルコからシリアへ延び、シリアやイラクで盗掘された石油はトルコへ運び込まれてきた。石油の密輸がエルドアン家のファミリー・ビジネスになっていることも伝えられている。ロシア軍による空爆は侵略軍の司令部や戦闘部隊が攻撃されただけでなく、兵站線や密輸ルートもターゲットになり、エルドアン大統領は公的にも私的にも厳しい状況に陥った。

そこで、大統領は10月10日にロシア軍機の撃墜を計画、11月24日にロシア軍のSu-24をトルコ軍のF-16が撃墜している。その間、詳細は不明だが、11月17日にはロシアの旅客機がシナイ半島で墜落した。11月24日から25日にかけてポール・セルバ米統合参謀本部副議長がトルコのアンカラを訪問、トルコ軍の幹部と討議したとも言われている。

年明け後の1月22日にはアシュトン・カーター国防長官が陸軍第101空挺師団に所属する1800名をイラクのモスルやシリアのラッカへ派遣すると語り、翌23日にはジョー・バイデン米副大統領が訪問先のトルコでアメリカとトルコはシリアで続いている戦闘を軍事的に解決する用意があると口にし、エルドアンを煽った。

そうしたこともあってか、2月に入ってもトルコやサウジアラビアはロシアに対して強硬な姿勢を見せ、トルコ外相はサウジアラビアの軍用機や人員をトルコのインシルリク空軍基地へ派遣、シリアで地上戦を始めることもできると語り、サウジアラビア国防省の広報担当は、同国の地上部隊をシリアへ派遣する用意があると表明した。その直後、アメリカのアシュトン・カーター国防長官はサウジアラビアの表明を歓迎すると発言している。

しかし、2月中旬に入るとシリア情勢をめぐる動きに変化が現れる。ヘンリー・キッシンジャーが2月10日にロシアを訪問、ウラジミル・プーチン露大統領と会談しているが、その結果が影響したのかもしれない。そして22日の「テロリスト」を除外した停戦に合意したとする発表につながる。シリアへ軍事侵攻する意思を表明していたトルコやサウジアラビアは梯子を外された形だ。

しかも、ここにきてトルコ軍は国連の安全保障理事会が承認しない限り、シリア領内へ部隊を入れないという意思を表明している。
エルドアン政権はこれまで軍幹部の粛清を進め、自分たちのダーイッシュやアル・カイダ系武装勢力への物資輸送を摘発した憲兵隊の幹部を逮捕、そうした事実を報道したジャーナリストも起訴してきたが、こうしたことは背後にアメリカが存在していなければ不可能だろう。そのアメリカ支配層が戦略を修正、その余波でエルドアン政権が処分される可能性が出てきた。サウジアラビアも王制が揺れている。安倍晋三政権も人ごととすましていはいられない。


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消息筋:安倍首相はオバマ大統領が助言した「ロシア訪問自粛」を拒否した
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1409121 

オバマ米大統領が、日本の安倍首相に5月のロシア訪問を自粛するよう求めていたことが分かった。共同通信が23日、複数の露日関係筋の情報として伝えた。

共同通信によると、オバマ大統領は2月9日に行われた安倍首相との電話会談で、5月のロシア訪問を自粛するよう求め、「今はそのタイミングではない」と伝えたが、安倍首相は「これに応じず、議論は平行線に終わった」という。なおこの情報は23日に複数の関係者によって明らかにされた。

米国は、安倍首相がイニシアチブをとる露日接近の傾向を不安を抱きながら注視している。 

安倍首相のロシア非公式訪問は、1月に実施された露日首脳による電話会談で合意した。安倍首相のロシア訪問は5月6日になるとみられている。露日首脳会談が行われる可能性がある都市として、黒海沿岸のソチが挙がっている。

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「ロシアに個人的な友人ほしい」世耕官房副長官、抱負を語る
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1670320 

スプートニクは、16日に発足した「参議院自由民主党・日露議員懇話会」会長に就任した世耕弘成(せこう・ひろしげ)内閣官房副長官に、活動の展望を伺った。

世耕氏は10年以上日露間の議員交流に尽力しているが、日露議員懇話会設立を契機に、更に議員間の結びつきを深め、趣旨に賛同する仲間を集めたい考えだ。第一弾として、与党「統一ロシア」で政党間交流の責任者を務め、ロシア連邦院(上院)の国際問題委員会副委員長でもあるアンドレイ・クリモフ議員との意見交換会が予定されている。今後の議員交流をどのように活発化していくか、クリモフ議員を交えて協議がなされる。

世耕氏は近い将来、日露議員懇話会のメンバーでロシアを訪問したい意向を示した。

世耕氏「クリモフ議員との意見交換会の次には、何とか時間を作り、私たちが議員団としてロシアを訪問し、連邦院の議員、あるいは国家院(下院)議員との意見交換会をしたいと思います。ロシアの国会議員の中に、個人的な友人も作りたいですね。そうすることでロシアとのパイプをより強くしていけるでしょう。」

世耕氏は参議院自民党の日露議員懇話会の活動とは別に、内閣官房副長官として既に、ロシアとの交流を積極的に進めてきた。各中央省庁の局長級を集めた会議「日・露・中央アジア交流促進会議」を主催し、自ら議長を務めている。この会議では、日露間、特に極東を中心に、どのような経済プロジェクトを進めていくことが可能か、省庁の垣根を越えて検討している。北海道の病院がロシア極東の病院を請け負うプロジェクトや、日本の資金で農業を行うプロジェクト等が動き始めている。

世耕氏は、日露経済交流にはまだまだ伸びしろがあると見て、抱負を次のように語っている。

世耕氏「これから首脳会談が何度か行われる予定ですので、それへ向けてこの交流促進会議も更に活性化させ、もっと色々な経済プロジェクトを打ち出していきたいと思います。日本とロシア極東は距離も非常に近く、両者ともすばらしい技術や人材を有しています。それに加えロシアには資源があります。日露経済交流には大きなポテンシャルがあるものの、貿易額を見ると、ポテンシャルを十分に発揮しきっているとは言えません。様々な経済プロジェクトを動かしていくことによって、本来両方の国が持っている能力にふさわしいレベルの経済交流ができるようにしていきたいと思っています。また、経済交流を進めるためにも、平和条約交渉をしっかりと前進させていく必要があります。

今後、日本政府は安倍総理のロシア訪問およびプーチン大統領の訪日に向けた準備作業をいっそう本格化していく考えだ。

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