米国経済危機はカウントダウンに突入 前編

 最近、この時事ブログで数回登場しているロバート・ディヴィッド・スティール氏ですが、彼の6月23日アップの動画を見ていたところ、何回か「今年9月にはアメリカ経済は確実に崩壊する」との趣旨の発言をしているのです(※正確な文言は記憶が曖昧ですが)。じゃあその根拠は? というと、「マーティン・アームストロングが言う事にゃ外れは無い!」の一点張り。……え、それだけですか。
 ということで、根拠を探ってみました。前編と中編はその具体的な要因を、後編は9月という時期的なことについて見ていきたいと思います。(いやまあ、アームストロング氏って各国の政府でブリーフィングしてくれとか、経済担当にならんかってお声が掛かる位の物凄い経済専門家らしいんですけどね。そしてスティール氏本人も元海兵隊の少佐でCIAの隠密作戦要員。CIA時代には先進情報通信技術の開発担当グループに所属し、退官後は再び海兵隊で諜報局設置に関わった方ですから情報入手と分析のプロみたいなんですけど。それで納得出来ないのが捩れな8種の悲しいサガでして。)
 前編と中編の冒頭はこちらの動画を掘り下げる形でまとめました。但し、私は経済ど素人でございますので、今回の依拠するところは一般大衆に優しく語り掛けてくれている動画の要約や翻訳です。経済の専門記事なんて読んでも理解出来ませんもの。専門用語を最小限に留める分、長くなるかもしれませんが、出来るだけ平易な言葉遣いで書いていきます。株取引に無縁な人間ゆえ、勘違いしている箇所もあるでしょう。その場合は優しく(←ココ大事。)ご指摘くださいませ。
(Yutika)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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米国経済危機はカウントダウンに突入 前編

pixabay[CC0]



イエレン:経済危機は来ない!

 

まずは超胡散臭いこの発言からどうぞ。

 

6月27日、ロンドンのブリティッシュ・アカデミーで連邦準備制度理事会のイエレン議長は、その前の週まで主要銀行に対して実施していたストレス・テストの結果を受け、アメリカの金融システムが「より安全でより確かなものになった」と自信たっぷりに述べました。

根拠は、規制対象外も含めて前よりもっと細かいリスクまで精査するようになったから。おまけに、「経済危機が絶対に起こらない」というのは言い過ぎかもしれないが、「我々が生きている間には起こらないでしょう」って言っちゃいました。そもそも西洋の銀行システムは土台からおかしいんだから、「この7年、改善のために多くの規制を設定してあげた」からもう安全って理屈が理解不能です。

立場上、不安を煽るようなことは発言出来ないのでしょうけど、だからって嘘はいかんですよ、嘘は。まぁでも、「我々」がカバールのお仲間のみを指していて、あと一年程度以内に全員丸っと肉体から脱皮する予定なら嘘じゃないのかな? うーん。

一番参考にさせて頂いた動画は、国民が史上最悪の12兆ドルもの借金に苦しみ、上位25の米国の銀行がデリバティブ取引で合計222兆ドルのリスクに曝されているのに本気かいなこの発言、と批判しています。

(※デリバティブのリスク云々は、よく分かりません。日本の経済用語でも「エクスポージャー」と呪文の如く表記して誤魔化しているみたいっす。222兆ドル分は元本保証されていないので、ぽしゃったら最低でもそれだけの損害が出るってことですかね。因みにこの金額はこちらの記事によるとアメリカのGDPの12倍だそうです)。

いい加減な連邦準備制度に対して、各国中央銀行の中央銀行、世界決済銀行が6月に出した年次報告書では過熱した中国経済における国・企業・家計の全てにおける借金増加を例に挙げ、世界的な大不況の到来を警告しています(※概説記事)。多分、年次報告の方は主に主要な銀行などの専門家に発表するもので、イエレンの発言は一般大衆に向けたものだったから180度異なるのかもしれません。この前のビルダーバーグ、仲間内で何と話していたのか分れば、それが一番確実なんでしょうけど(笑)


ピーター・シフ:経済危機がまだ来てない方がおかしい!


 

2008年の経済危機を予見した経済評論家で投資ブローカーのピーター・シフ氏は、ずっと前から米国経済を悲観していて「とっくの昔に崩壊していてもおかしくない」と言っている方なので、経済に詳しい読者の方には説得力がないかもしれませんが、説明が分かり易かったので上げておきます。

①無責任な連邦準備制度 
6月22日にアップされたアレックス・ジョーンズ主催の番組動画で解説していましたが、連邦準備制度がオバマ政権時代には一度しか上げなかった金利を(※選挙期間後まで含めると正確には二度らしいです)、トランプ政権になってからは既に三度上げたそう(※ジョーンズ氏によると、トランプは低金利を要望)。

確かに低金利は問題だそうですが(※実体経済の立て直しのためにはいつかは金利上げが必要)、利上げは経済危機の引き金になりかねません。なのにデータを無視してまで強行するのは、経済崩壊しても大嫌いなトランプのせいに出来るからだろう、と推測しています。ジョーンズ氏も、2018年の上院議員選挙で民主党(ヒラリー側)を圧勝させられるしね、と頷いていました。

シフ氏は、トランプ大統領が安請け合いをせず、正直に危機的な現状を国民に説明すべきだと訴えています。専門家のシフ氏から見ても、連邦準備制度の揺さぶりに対して現在、株式市場が動揺せずに堪えているのは最早謎でしかないそう。


②株式市場の好景気のカラクリ 
話題のアマゾン株だけでなく、S&P 500指数(※S&Pという会社が算出した主要500銘柄による平均値らしく、米国株式市場の動向を示す)で見ても、市場全体が1999-2000年のバブル以来の高評価。株式市場は連邦準備制度が作ったものです。タイミングまではコントロール出来なくても、彼らならどん底に突き落とせるだろう、とのことでした。

シフ氏は5月28~29日のバンクーバーの会議で更に詳しく説明していますが、株式市場が好調なのは企業の業績が好調だからではありません。低金利で社債を募集し、その金で株式を買い戻しては自社株の価値を上げているから。この点は6月初頭のFOX経済チャンネルで経済評論家のダニエル・シャッファー氏も同じことを指摘しています。

 

家計の借金も統計のごまかしを取り除けば、2008年の危機前と同じ酷さ。でも2008年に比べて抵当権での借金は減っているんですよね、だって自宅所有者が減ったから(そもそも抵当権を設定する資産が手元にない)。なのに借金額が当時と同じ。それはクレジットカード・学費・自動車の借金が膨れ上がっているから。しかもこの三つの借金が米国の消費の上昇を偽装しているのです。企業と同様、収入のお蔭ではありません。


③再びサブプライム・ローン 



自動車ローンの件については、6月20日動画アップのRTのマックス・カイザー氏の経済番組でもハルマゲドンならぬ「カーマゲドン」として警告していました。2008年のサブプライム・ローンは住宅でしたが、経済危機後の規制で貸付条件が厳しくなり、現在の投資家が食い物にしているのが低所得者の自動車購入。

しかも多くの人が長期ローンを組んでいるために、もうすぐ中古車は下取りしてもらうのではなく、パソコンみたいに所有者が処分費用を払う時代が到来するとか。厳密には「処分費用」じゃなくて、未払いローン(つまり借金)付きの車を売るのでタダでも引き取ってもらえないってことなんですけどね。

なので自動車販売会社は新車を客に数年ローンして、損傷がなければ再び引き取ってあげるという方式で誤魔化しているそう。その裏ではローン債権がプロの市場に売られているわけです。なのに低金利も相まって、騙された一般大衆が車のローンを次々と組んでいる訣でして。ほいほい借金してでも買うもんだから、新車価格は野放しの上昇、自動車のサブプライム・ローン市場は巨大化しています。……2008年頃の住宅サブプライム・ローンのパターン、まんまやん。


④失業率の操作 
シフ氏に戻りましょう。現在の失業率はここ最近で(※別記事によると2001年以来)一番低いのだとか。これは政府の算出方法が都合の良い結果を出すように設定されているからです。

まず、無職でも「仕事を探している」と認定されていなければカウントされません。日本で言うと職安に通って面倒な手続きして云々ってやつですかね。エンジニアとして正規の仕事を「求職中」だろうが、ファストフード店で週たった一時間でもアルバイトをしていればカウントされません。また複数のアルバイトを掛け持ちしている場合(現在は2つ3つの掛け持ちがザラで、それでも正規雇用の時代には収入が追い付きません)は、それが正規雇用と同じ労働時間になる場合は全てが加算されます。

おまけにオバマ政権下、企業は50人以上の正規雇用労働者を雇うとオバマケアに強制加入させられ、高額な健康保険料を納めないといけなくなりました。しかもこの「50人」は各支店や営業所単位ではなく全体総合で計算されます。

ということで、パート従業員が全国的に増加しました。しかもオバマ政権下で作出されたと謳われた仕事の10%は、非生産的で低賃金の飲食や服飾サービス業です。つまりレストランや洋服販売店。皆、収入がカツカツでそんな所に出向く余裕はないのに、何故雇用が生まれたのか。だって正規雇用を一人クビにして、パートを二人雇えば、「雇用人口が一人増加!」と言えるんですもん。そして国内生産の仕事は激減しているが故に、輸入商品(と貿易赤字)がどんどん増えるのです。

シフ氏曰く、国の繁栄を示すのは借金と消費ではありません。生産力なのです。2008年以来、経済は回復をしていたのではなく(しかも誤魔化しの政府算出データでも恢復率は史上最悪)、崩壊の一途を辿っているところなのです。


⑤インフレ率の操作 
実はインフレも非常に低い率でゆっくり上がっているように見えるようにいじくられており、そのせいでGDPが上がっているように見えるのだとか。CPI(消費者物価指数)には商品の質はカウントされません。

あとインフレって、そもそも金を貸す側に有り難い話なんですね。借りる側からしたら、デフレの方がいいのです。なのに政府はこぞって「年2%弱のインフレが健全な経済の為には理想なんだよー」と根拠のない与太話を宣伝してはそこら辺に数値を合わせてくる訣です。また過去に関しても、2008年危機の真っ最中には否定しておきながら、後から「よく見たらこれまでのGDP間違ってたわー」と修正したのだとか。……国の財政危機で政府のテヘペロが許されるのなら、誤魔化し放題ですやん。

 

シフ氏の説明、すっごく分かり易かったです(メリベ対応ばっちし)。インフレ操作の辺りは前提知識が無さ過ぎて(いやだって、高いのがいいのか低いのがいいのかすら私はよー分からんし)、ちょっと「?」が頭の中に飛び交いましたが、政府発表の統計はやっぱりまがいものなんですねぇ。しかもやり方がエグイ。

因みに最後の方は借金漬けで自転車操業のアメリカ国債、今は他国の中央銀行や連邦準備制度がなんとか面倒見ているから誤魔化せているけど、こないに危ないもん直ぐに誰も買わんようになるで、という話でした。……ですよね。


※年度が入ってない月日は、全て今年度(2017年)の話です。
中編へ続きます。

文・Yutika

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