[第28回] 地球の鼓動・野草便り 野草ピザ


野草ピザ

5泊6日の農業体験に来ていた広大生たちと野草ピザを作りました。
米粉のピザ生地にトマトソースは、新しくお店をオープンされた地域起こし隊員さんの手作りです。
まずは、みんなで野草を摘み集めます。草刈後に生えてきた柔らかい草たちが色々ありました。

ピザの材料


アキノノゲシ、クズ、ヨモギ、ツユクサ、ハコベ、クワ、キンミズヒキ、カラムシ(イラクサ科)と、ヘチマがピザのトッピングです。中でもヨモギがピザによく合います。

野草ピザ


草摘みしながら、シシウドの花の未熟果をみんなで味見すると、あまり苦くないという人と、苦いという人に分かれました。よく胃が悪くなると苦味をあまり感じなくなり、苦い胃薬も平気で飲めたりします。シシウドがあまり苦くなくて美味しいという人は体が欲しているのでしょう。その方用にシシウドの新芽と花を少しいただきました。

シシウドの未熟果



熊笹を手で摘んでいて小指を切った娘さんがいたので、すぐにヨモギを揉んで当てると、血も止まり、痛みも取れたようでした。ヨモギを手で押さえながら帰ってから、和紙のばんそうこうで新しいヨモギと取り替えとめました。

すると、両肘にも傷があるといいます。傷テープを取ってみると、擦りむいて赤く化膿し始めていて少し臭いがでていました。
ヨモギをタップリ当ててばんそうこうで止めて、治るまでヨモギを取り替えながら貼っておくようにと伝えました。


きっとあのままでは化膿して病院へ行かなければならなかったのではないかと思います。しばらくして肘の傷が楽になったでしょう?ときくとニッコリと頷いていました。私も経験から、ヨモギの効き目がすぐにあるのがわかります。大学生たちに、野草の力をわかってもらえたらと、色々な話をしました。

先日、知り合いが歯槽膿漏になって、歯がぐらついているほどだったのが、ハコベ塩の歯磨きとヨモギなどを漬け込んだ焼酎で口をすすぐようにしたら、ほとんど治ったことや、ヨモギで傷の痛み止、止血、殺菌、細胞の再生ができることや、薬事法をみるとたくさんの野草から薬が作られているのがわかるといった説明もしました。

最近ますます野草の効果を実感するようになり、つい力説したかもしれませんが、不幸中の幸いで実際にヨモギやシシウドが助けてくれて、大学生達の印象に残ったのではないかと思います。


この野草便りやシャンティ・フーラも紹介しました。
久しぶりに18歳19歳に会い、これからの世界を背負う子供たちに真実の情報を学んで欲しいのと、身近な野草の存在に気づいて欲しいと思いました。
夕方から地域の方達と交流会ということで、大学生が作ったカレーにスイバを塩茹でして刻んで入れました。酸味が程よい隠し味になります。

ピザに使って残った野草を米粉で天ぷらにして、のこったヘチマもソテーにしました。
熊笹の青汁に豆乳ヨーグルトを混ぜて塩味の健康ドリンクを作りました。

高齢化が進むこの地域のお世話役の方の奥様が糖尿病で失明されています。熊笹(笹類)が糖尿病に効果があり、他にもクズ、松葉なども糖尿病や高血圧に効果があります。そういえば、カキドオシも卓効がありますね。

カキドオシ
大根の種まきのため、畑に生えていたカキドオシをいただきました。



地域の年配の方達が、野草が美味しいと驚かれます。
野草を食べて元気になってもらえたらと、つい野草山盛りのピザになりましたが、トマトソースが美味しくて良く合い、米粉の生地も美味しくて好評でした。最近のオーブンは40℃で30分、少し寝かせて10分の発酵もできるんですね。一度下焼きをしてあり、お陰で簡単にピザが作れました。

野草ピザ出来上がり



熊笹、豆乳ヨーグルトといった健康食も毎日続けてもらえたらと、作り方を説明しました。(青汁はミキサーで作り、布ではなく、茶こしで簡単に濾しています。)

青汁豆乳ヨーグルトの塩味、ハチミツ味、そのままでも・・・とっても健康的です。
天然塩やキビ糖など、自然のバランスのとれたミネラルがいかに重要かなど、健康に大事な要点も少しお伝えしてみて、こういった情報はご存知ないのが気になりました。

yasou
自然賛歌

コスモス(白)

稲穂が色づいてきました。あちこちの田んぼでは稲刈りです。


クマシデの種



ヌルデの花とタラの花



マルバノホロシ
ヒヨドリジョウゴと近似種(有毒…ジャガイモの芽やトマトの葉と同じ毒性)

山椒の実
(乾燥させて粉山椒に、そのまま醤油漬けなどにも。)


アカヤマドリ…食べられるらしい


イワタバコ
(絶滅危惧種…苦味のある葉が胃薬や山菜に)




ミヤマアカネ



萩の葉を食べるシロヒトリの幼虫





■ 参考文献
イー薬草・ドット・コム
「大地の薬箱 食べる薬草事典」 村上光太郎/著 農文協
「カラダ改善研究所 自然のチカラいただきます」中村臣市郎/監修 西日本新聞社



ライター

ニャンニャン母さんプロフィール

ニャンニャン母さん

プロフィール:1955年魚座生まれ、広島の県北 中山間地域在住、
体癖はおそらく2ー3種

20代の頃「複合汚染」有吉佐和子/著 を読んで、食の環境悪化を考えた時、野草を食べることを思いつき、食料としての野草研究を始める。
全くの素人ながら、健康住宅の設計事務所に入社し、健康住宅を学ぶ。
残された人生と限られた時間について気付かされ、仕事を辞め、自給自足を目指す。
平成22年頃、古民家を借り、Iターン。野草教室を開催。
「古民家カフェ・むす日」「山のくらしえん・わはは」「クリエイティブ・アロマ」等にて野草教室。

現在、野草好きになった87歳の母と、無関心な33歳の長男と猫3匹と暮らしています。

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