[Sputnik]「米国主導連合軍がダーイシュの脱出を支援」露国防省暴露、BBCニュース報じる

竹下雅敏氏からの情報です。
 シリア軍と同盟勢力が、シリアにおけるダーイシュの最後の拠点アブ・カマルを解放したのが、8日のことです。
 ロシア国防省は、米国主導の有志連合軍がアブ・カマルからダーイシュが脱出するのを支援していた様子を、暴露しました。ロシア国防省によると、米軍司令部は、“テロリストらの車列への攻撃を拒否した”とあります。要するに、米国と有志連合国とすれば、ダーイシュはこれまで、莫大な金と武器を与え訓練してきた大切な資産だというわけです。
 2つ目の記事では、シリア北部のラッカ解放の際に、米主導の有志連合がダーイシュの戦闘員が脱出するのを助けていたことを、驚いたことにBBCニュースが報じたというのです。
 真相が明らかになるにつれ、トランプ大統領の公約通り、いずれ米軍は撤退しなければならなくなるのではないでしょうか。
 最後の記事では、マティス米国防長官が“我が軍はISを破壊するため同地にいる”と答え、すぐにはシリアから撤退するつもりはないことを明らかにしましたが、発言が嘘であることは明らかで、ISの戦闘員を救出して別の武装組織に編入することをやっているだけです。クルド人国家建設という彼らの野望も、シリアのクルド人たちが賢明だったこともあって、頓挫してしまいました。
 ロシアがシリアに介入してから、彼らの目論見はことごとく破綻しています。一言で言えば、シリアでの戦争に米国と有志連合国は完敗したということです。体面を保つために、自分たちがラッカを解放したふりをしていますが、事実は記事にある通りです。欺瞞に満ちたアメリカという国と米軍という組織ですが、彼らがまた、自分たちが生き残るためにハザールマフィアを追い詰めているのも確かです。
 私は、コブラのRM (レジスタンス・ムーブメント)と米軍に似たものを感じています。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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アブ・カマルから出る「ダーイシュ(IS)」車列  露国防省が正確な写真を公開
転載元)

© Sputnik/ Natalia Seliverstova

露国防省は「ダーイシュ(ロシアで活動が禁止されている国際テロ組織)の車列がシリアとイラクの国境の方角を目指して移動する様子を写した正確な写真を公開した。14日、同省が明らかにした。

スプートニク日本

同省の表した声明には「シリアとイラクの国境の方角を目指したダーイシュ戦闘員の車列の本物の写真が使用されている」と書かれている。


露国防省は、同省が出したアブ・カマル市から出る「ダーイシュ(IS、イスラム国)」の車列についての声明に誤った写真を掲載した職員に対する取り調べを行っている。

露国防省は11月9日、米軍司令部がアブ・カマルから後退するテロリストらの車列への攻撃を拒否したことについて、「交渉の速記録に記された客観的事実であり、それがゆえに米国側はよく知っている」ことと強調し、「これは、アブ・カマル付近のシリア政府軍を新たに攻撃しようと再編成したダーイシュのテロリストを殲滅すべく出動したロシア航空宇宙軍の軍機に、米航空機が積極的に抵抗したことと同様である」と明言している。
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シリア、ラッカからの「ダーイシュ」戦闘員避難作戦に関する詳細が明らかになる
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シリア北部ラッカ解放の際に、米国と英国の同意を得てテロ組織「ダーイシュ(IS、イスラム国)」の戦闘員4000人の避難が行われた。BBCニュースが、独自の調査情報として伝えた。

スプートニク日本

避難作戦に参加したトラックの運転手アブ・ファウジさんによると、ファウジさんとほか数人はシリア民主軍とクルド部隊の代表者に雇われた。運転手には1回の移動に1000ドルずつ支払われるということだった。

(中略)

別の運転手によると、車列は6キロから7キロにわたった。その中には、テロリストのトラック約50台、バス13台、そして100台以上の自動車があった。

BBCニュースは、ラッカからの戦闘員の脱出に関する話し合いに西側の将校たちも出席していたと報じている。将校たちは協議には「積極的に参加」しなかったものの、出席していたという。なお米主導の有志連合の報道官を務めるライアン・ディロン大佐は、戦闘員の秘密の避難に関する情報を確認し、「我々は誰かが去るのを望まなかった(中略)だがシリア人が決断を下した」と述べた。

これより前、米主導の有志連合が、シリアのラッカとデリゾールを解放する作戦の際に、これらの都市から「ダーイシュ(IS、イスラム国)」の戦闘員が脱出するのを助けていたと、国連のシリア代表部が述べた。


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「ダーイシュ(IS)」を米国主導の連合軍が支援  シリアのアブ・カマル市解放作戦で事実が浮き彫りに  露国防省が声明
転載元)
シリアのアブ・カマル解放作戦の結果、国際テロ組織「ダーイシュ(IS)」と米国主導連合軍の直接的な相互関係と支援の実態が明らかになった。ロシア国防省がこうした声明を表した。

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ロシア国防省は11月9日にドローンで撮影した写真を公開した。写真には、「ダーイシュ」武装組織がロシア空軍とシリア政府軍の攻撃を避けながら、アブ・カマルから長さ数キロの隊列でイラクとの国境方向に撤退する様子が写っている。

米軍は撤退する武装組織の隊列に攻撃を加えなかった。ロシア国防省は声明の中で「米空軍は『ダーイシュ』テロリストらの領域を決して攻撃しなかった。曰く、彼らが自主的に捕虜となり、捕虜の待遇に関するジュネーブ条約に該当するからだとしている」、そして「ロシア軍司令部は米軍主導の有志連合軍司令部に2度にわたり、ユーフラテス川東岸で撤退する『ダーイシュ』隊列の共同掃討作戦を提案した」と述べている。

また、戦闘車両の「ダーイシュ」武装戦闘員がアブ・カマル地区でシリア軍に新たな攻撃を加えるため、なぜ有志連合軍の支配区域で再配置されているのかというロシア側からの質問に対し、米国側は何も答えられなかったという。

この他、ロシア国防省によると、「有志連合軍の航空機がアブ・カマル地区で街周辺の上空15キロ圏に入り、ロシア航空宇宙軍の飛行を「妨害」しようと試みた。米軍はテロリストらを政府軍の攻撃から安全に撤退させたかったのだ」としている。

しかし公開まもなく、ロシア国防省は写真を公開停止した。スプートニクは、公開停止に至った経緯について、ロシア国防省に書面で説明を要求している。現時点では、スプートニクおよび他の報道機関に、ロシア国防省からの回答は来ていない。
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米国防総省、シリアから当面は撤退意志のない理由を説明
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マティス米国防長官は、ジュネーブ和平プロセスが成功するまでは米軍をシリアから撤退させる予定はないことを明らかにした。

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国防総省サイトによると、「すぐには撤退するつもりはない」と発言した長官は「有志連合軍はジュネーブ和平協議が成功するまで待つことになるだろう」と説明し、シリア情勢の外交的解決を模索するよう呼びかけた。

また米軍がシリアに駐留する法的根拠について問われ、「国連では基本的に我々がIS(テロ集団「ダーイシュ」)を追撃できるとしており、我が軍はISを破壊するため同地にいる」と答えたものの、具体的な国連決議については明らかにしなかった。

米国はシリア国内で「ダーイシュ」を攻撃しているが、シリア政府はこれを認めていない。国内では数百の米軍特殊部隊隊員が地方武装組織を支援している。

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