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ユダヤ問題のポイント(近・現代編) ― 外伝33 ― 「革命戦争」のコーディネーター
代理人を派遣したロスチャイルド ~巨額資金が戦闘勝利を導く
歴史教科書等の表の情報では「革命戦争」は米植民地側の大英帝国に対する「独立戦争」として描かれます。しかし事実として、米植民地側が戦った相手本体は、英国ではなくイギリス東インド会社の所有者、つまり端的には「黒い貴族」となります。そしてこの戦争の真因は「通貨発行権」の争奪にあったことは前回見ました。
更に、この戦争は米植民地側対イギリス側との単純な構図ではなく、裏には「革命戦争」全体をコントロールするコーディネーターの存在があったのです。ロスチャイルド家初代マイヤー・アムシェル・ロスチャイルドの存在です。太田龍氏は『ロスチャイルドの密謀』p333~334で以下のように指摘しています。
「ロスチャイルドが大飛躍するのは、1776年米国独立宣言に始まる米英の戦争への介入である。ロスチャイルドは、英国に対して、ヘッセン・カッセル選帝侯の軍隊を米国独立戦争鎮圧のための傭兵として売り込むことに成功した。ヘッセン・カッセル選帝侯がその軍隊使用の代金を英国から受け取ると、この巨額の資金の運用がロスチャイルドに任された。ロスチャイルドは同時に、膨大な資金を、米国独立戦争勝利のために注入した。」
編集者註:ワシントン率いるアメリカ・フランス連合軍が、コーンウォリス率いるイギリス軍に大勝。アメリカ植民地側の勝利が決定的となった。
Wikimedia Commons [Public Domain]
ロスチャイルド初代は、イギリス側に立って植民地反乱の鎮圧のための傭兵部隊を貸し出し、同時に傭兵貸出で手にした膨大な資金を逆に米植民地側の戦争勝利のために注入。つまり、いわばダブルスタンダードを実行したとしているのです。そして、このロスチャイルドからの巨額資金が米植民地側の戦争勝利を導いたとして、太田龍氏は更に続けています。
「『ロスチャイルドは、代理人、ハイム・ソロモンをアメリカに派遣して、何百万ドルもの資金を気前よく、アメリカ独立戦争を戦っている陣営にばらまくように命令した。これはつまり賄賂である。彼は言われた通りのことをした。この資金のかなりの部分は(アメリカ)大陸議会とその作戦用に使用された。若干の資金は、革命戦争の資金となった。その他の部分は、政治家のポケットに入った。』
(『コーデックス・マジカ』267頁)
この当時の「数百万ドル」は莫大な価値を有する。おそらく米国の独立戦争は、ロスチャイルド=ハイム・ソロモンの資金なしでは、英国に対する勝利は夢物語に終わったであろう。」
初代ロスチャイルドが敵対するイギリス側とアメリカ植民地側、その双方への利益誘導のダブルスタンダードを実行。この記述が事実ならば、「革命戦争」は初代ロスチャイルドの手の中で踊らされた戦争との評価が成立します。
ワシントンの副官がロスチャイルドの代理人 ~戦争中に中央銀行設立を提案
果たして、ロスチャイルド初代がアメリカに派遣したとされるハイム・ソロモンを検索すると、ウィキペディア記事で短く「1772年アメリカに移住し、アメリカ独立戦争の際のアメリカへの財政援助を行った。」とあります。
どうやらロスチャイルド初代がハイム・ソロモンを通して、アメリカ側に資金提供を行っていたのは間違いなさそうです。無論、ロスチャイルドが植民地側の姿勢に意気を感じて、ボランティアで莫大な資金を「只でくれてやる」はずはありません。ロスチャイルド初代は1790年とされますが、あの有名なせりふ「我に一国の通貨発行権と管理権を与えよ。そうすれば誰が法律を作ろうともかまいやしない。」と語った人物です。
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彼の狙いは、アメリカを外見上は独立させ、その実は中央銀行を創設させて通貨の支配権を握り寄生して、アメリカ新国家をコントロールすることにあったであろうことに間違いないでしょう。新国家の通貨の支配権を握れるならば、数百万ドルもの資金提供などは全く安い投資です。
アメリカ植民地に提供された資金は猛毒入りの毒まんじゅうです。様々な人物がこの毒まんじゅうを喰らってしまったでしょうが、その代表人物がアレクサンダー・ハミルトンです。『ロスチャイルド、通貨強奪の歴史とそのシナリオ』の60頁に次のようにあります。
「アレクサンダー・ハミルトンは、ロスチャイルド家と浅からぬ因縁を持つ重要人物である。(中略)...大英博物館に保存されている領収書からは、ハミルトンがロスチャイルド家の援助を受けていたことがうかがえる。」
ハミルトンはハイム・ソロモンと同様にロスチャイルドの代理人と見なすべきでしょう。しかもこのハミルトンは厄介なことに植民地軍の最高司令官で、初代大統領のジョージ・ワシントンの副官だった男です。ジョージ・ワシントンは、生死を共にする厳しい戦場で共に戦ったこの副官ハミルトンに最も厚い信頼を置くのは自然となるでしょう。
事実、米国初代財務長官の職にハミルトンは就任しているのです。革命戦争、いやその前からアメリカの中枢奥深くに既にロスチャイルドの魔手は伸びていたのです。
『闇の世界史』155頁には、愛国者と見られたこのハミルトンが1780年の革命戦争中に早くも「連邦準備銀行」の設立を提案した。とあります。この「連邦準備銀行」は私企業に所有され、その資本金は1200万ドルでこの内「1000万ドルは英国から提供され、残り200万ドルはアメリカの資産家に割り当てられることになっていた」とあります。まさに私有銀行への国家の売り渡し提案です。
さらに同書の158頁には、1783年にハミルトンはその事業パートナーのロバート・モリスと「北米銀行」を組織し、アメリカの私有中央銀行設立に奔走していた様子が記されています。
米国憲法は通貨発行権を議会に占有 ~膝を屈した新国家
ジョージ・ワシントンの副官にして初代財務長官のハミルトン。そのパートナーのロバート・モリスは、大陸議会の財政最高責任者だった人物です。彼らはまさにアメリカの中枢を担う人物たちです。その彼らが、戦争中にあって既に国家を銀行家に売り渡すべく、働いていたのです。
対イギリス側との表に見える戦争では無く、植民地の内部で通貨の支配権を巡る「見えない戦争」が展開していたのです。アメリカ植民地の内部中枢奥深くまで「食い荒らした」ロスチャイルドたちでした。
しかし、アメリカでは簡単に思惑通りにいったわけではありません。英国革命からイングランド銀行設立で、黒い貴族がイギリスを完全に乗っ取ったようにはいかなかったのです。アメリカ建国の父たちは中央銀行の設立を非常に警戒していたのです。本来がこの革命戦争は、アメリカフリーメーソンにとっては通貨発行権を取り返す戦争であり、通貨の銀行支配への警戒は当然のことだったのです。
1787年に作られた米国憲法、その第1条で通貨発行権は米議会の占有が定められ、銀行の通貨発行権は認められないようにしたのです。従って、無論この百年余りのFRBの振る舞いは米国憲法違反です。そして米議会は、ハミルトン、ロバート・モリスの中央銀行設立の企てを一蹴しました。
・・・しかし、そんなことで簡単にロスチャイルドたちが引き下がるわけではありません。彼らは執拗なのです。ベンジャミン・フランクリン死没の後、1790年財務長官であったハミルトンは、実質としての中央銀行の設立議案を米議会に提出します。米独立宣言、そして米国憲法の草案を作ったトーマス・ジェファーソンたちはこの議案に激しく反対、米議会を二分する空前絶後とされる大論争となりました。
1791年2月、一大論争の結果が出ます。議会公認のもと「第一合衆国銀行」が設立されたのです。「第一合衆国銀行」を『闇の世界史』159頁は次のように記しています。
「新しい銀行は3500万ドルを資本とした。このうち2800万ドルはロスチャイルド家が支配するヨーロッパの銀行家から融資された。」
ジャコバイト派と称されたポジティブなテンプル騎士団を中心としたアメリカフリーメーソンは、通貨の支配権奪取を目指して革命戦争の戦闘を起こしたのです。戦闘には表面上勝利したように見えました。しかしその本来目的の通貨支配権は奪われたのです。ここにアメリカフリーメーソンは、ロスチャイルドたちの波状攻撃に膝を屈したのです。アメリカ新国家には、ロスチャイルドに仕掛けられた猛毒が毒素となって全身に回っていた上、国際銀行家たちの攻撃によっても深刻な財政危機に陥っていたのです。
しかし、ネバーギブアップ精神が適正なルールを無視、破壊しての発揮となると、それは「潔くない」「往生際が悪い」などの通常表現ではすまされない「偏執狂の執拗さ」であり、大変な悪徳となります。
日本の自画自賛ペテン政権のネバーギブアップ精神、この執拗さは明らかに後者のケースです。そして、この適正なルール無視、破壊のネバーギブアップ精神の本家本元が「カバール」でしょう。
彼らの特異な性質、本質は「執拗さ」そして「寄生」にあります。一旦狙いを定めると、その対象を陥落させるまで波状的に執拗に攻撃し獲物にします。そして一旦獲得した獲物は決して手放しません。寄生して執拗に徹底的に「しゃぶり尽くす」のです。
彼らを甘く見てはいけません。抱きつかれたら徹底的に振り放さなくてはいけないのです。アメリカ植民地は、当時、カバールの実働隊長の初代ロスチャイルドに獲物として標準を定められていたのです。そして事実、アメリカはその獲物になり、寄生され続けたのです。無論日本も・・・。
ただしかし、最近は様子が一変しています。日本のペテン政権もそうですが、カバールの本質の執拗さからの振る舞いは、彼ら自身の墓穴をより広く深く掘り下げる悪あがき行為になっているように見受けられます。