ユダヤ問題のポイント(近・現代編) ― 外伝37 ― マリー・アントワネットの「首飾り事件」

 どうも大衆は、易々と支配層が流す虚偽情報・プロパガンダに乗せられ、踊らされる傾向は確かに強くあります。
 日本での顕著な例が「郵政民営化」報道でした。「郵政を民営化すればバラ色の未来が開く」と謳う小泉首相をマスコミ各社が一斉にヒーローに祭り上げ、このマスコミ報道に日本人の実に多くの人々が乗せられ踊らされたのでした。その様子には唖然愕然とさせられました。
 当時の虚偽プロパガンダに踊らされた日本社会は大きく傷つき、それが現在にまで至っているのです。日本のマスコミを用いて構造改革を推進させたのはグローバリストたちでした。
 フランス革命も、大衆が虚偽のプロパガンダに踊らされた結果によるものです。騙す者に罪があるのは当然ですが、騙される方にも問題はあるのです。フランクフルト秘密会合におけるロスチャイルド初代の次の言葉が実現したのが、「首飾り事件」を導火線に勃発したフランス革命なのです。

巧みに練り上げたプロパガンダを利用すれば、その経済的悪状況を、国王、その廷臣、貴族、教会、企業家、雇用者のせいにすることも可能である。

また、宣伝者を雇って、浪費やら不道徳行為、不正、虐待、迫害のからむ事件についてあることないことを言いふらさせれば、支配階級に対する憎しみ、復讐心を煽ることができ、汚名を着せるための事件をでっちあげれば、計画全体に干渉しかねない人々の評判を落とすこともできる」。
(seiryuu)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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ユダヤ問題のポイント(近・現代編) ― 外伝37 ― マリー・アントワネットの「首飾り事件」

謎の人物カリオストロ伯爵 ~革命のプロパガンダの発信主?


前回のオルレアン公が1780年にはその借金が80万ルーブルに達し、所有する財産や不動産がユダヤ債権者の管理物件になり、居城パレ・ロワイヤルが歓楽街の売春宿等になったこと、これら『闇の世界史』の記述内容は『カナンの呪い』でも記されています。

このパレ・ロワイヤルが、コデルロス・ラクロなる人物によって管理されていたことも『闇の世界史』と『カナンの呪い』が共に記しています。


更に『闇の世界史』にも同様の記載があるのですが、『カナンの呪い』200頁に次の記載があります。

「そのラクロが自らの補佐役として連れてきたのが悪名高きカリオストロ伯爵(パルザモ姓は祖母方に由来)だった。カリオストロ伯爵は23歳で薔薇十字団色の濃いマルタ騎士団に参加し、のちに総長まで務めた人物で、やがてパレ・ロワイヤルを革命の宣伝機関本部として利用しながら、扇動的な小冊子を山のように印刷して、パリ中にばらまいた。」

『闇の世界史』と『カナンの呪い』の二つの情報源が、カリオストロ伯爵(本名もしくは別名はジュゼッペ・パルサモ)がフランス革命に導く宣伝機関の主任を演じたとしているのです。有り体にいえばカリオストロ伯爵が革命のためのプロパガンダを盛んにまき散らしたとしているのです。

そのプロパガンダ宣伝は印刷物だけでは無く、「低俗な本能に計算された音楽会、芝居、討論会」を主催して利用したこと、更にはスパイ団も組織し、革命運動を陰から操る役割を任じたとしています。

カリオストロ伯爵は様々な通説がある謎の人物ですが、通説に共通するのは薔薇十字に深く関わる錬金術師だということです。後述しますが、同時代の有名な錬金術師にはサンジェルマン(セント・ジャーメイン)伯爵がいます。

Wikimedia Commons [Public Domain]
Wikimedia Commons [Public Domain]

さて、『カナンの呪い』の記述通り、カリオストロ伯爵がマルタ騎士団に所属しその総長を務めたとなれば、マルタ騎士団はもともと「表のイルミナティ」勢力になるので、カリオストロ伯爵は表のイルミナティの一員としてフランス革命を誘導していったと見るのが当然となります。

アダム・ヴァイスハウプトは当然として少なくとも物理次元ではロスチャイルド初代やモーゼス・メンデルスゾーンたちも「表のイルミナティ」に所属するのです。つまり、これらからフランス革命を主導したのは「表のイルミナティ」ということになります。

フランス革命の主導は彼ら自身(「表のイルミナティ」に属する大東社ロッジの幹部)がそのように主張もしているようで、事実として間違いはないのです。しかしことは「フランス革命の犯人は表のイルミナティだ」と言った具合にすむような単純なものでも無いのです。

フランス革命背後の霊団 ~ホワイト・ロッジの大師の指示


フランス革命を背後で主導したのが「表のイルミナティ」、つまりブラック・ロッジだった。これは間違いが無く種々の情報もあります。

ただし、フランス革命の背後には、やはりホワイト・ロッジ、そしてホワイト・ロッジ内闇組織の「真理同朋団」も潜んでいたはずなのです。これは薔薇十字そしてフリーメーソン全体としては有象無象が集まり、ブラック・ロッジ、ホワイト・ロッジ、「真理同朋団」の勢力が同居していたのと同じ構図となります。

Wikimedia Commons [Public Domain]

カリオストロ伯爵は、実際はホワイト・ロッジに所属していたでしょう。先ず2017年1月31日「イシスの秘儀」記事の竹下さんの以下のコメントをご覧下さい。

セント・ジャーメインは神智学ではラコッチ大師として知られており、その前世はフランシス・ベーコン、ロジャー・ベーコンです。カリオストロ伯爵は、その後ブラヴァッキー夫人として転生します。彼らが復活させた秘儀に直接つながっていたのは、マグダラのマリアだと思います。マグダラのマリアは、ハイアラーキーの長であるマイトレーヤの妻でした。」

続く同記事では「秘儀の継承」で以下のようにあります。

「18世紀にセント・ジャーメイン伯がカリオストロに秘儀を授けて、彼にそれらをヨーロッパ中に広める任務を課した」。

つまり、当時セント・ジャーメイン(サンジェルマン伯爵)として転生していたラコッチ大師が、「イシスの秘儀」とされる性錬金術の秘法をカリオストロ伯爵に伝授したということでしょう。

その目的は表向き「「イシスの秘儀」を欧州に広める」となりますが、その中にフランス革命への関与もあるのです。同記事は以下のように続きます。

カリオストロはセント・ジャーメインの指示通り、多数のフランス上流社会の女性たちにイニシエートしました。上流社会を内側から改革して啓蒙するためです。」

『闇の世界史』と『カナンの呪い』では、カリオストロが革命側のプロパガンダ宣伝の主任として関わったとしています。これと内容は異なりますが、この記事内容でもカリオストロの革命への関与は明白です。

性錬金術を伝授したラコッチ(ラコーシ)大師は、ホワイト・ロッジ首領マイトレーヤを取り巻く12名の大師の一人です。カリオストロ伯爵は後にブラバッキー夫人として転生し、「神智学」を提唱し、同じく12名の大師の一人であるジュアル・クール大師の通信を受けて『シークレット・ドクトリン』を記すのです。

カリオストロ伯爵がホワイト・ロッジに所属していたのは明白でしょう。更に12名の大師はホワイト・ロッジ内闇組織の「真理同朋団」に繋がっていました。従ってカリオストロの革命への関与の裏には、ホワイト・ロッジ、更にその闇組織の「真理同朋団」の思惑と計算が働いてもいたのも明らかとなります。


つくられた「首飾り事件」 ~プロパガンダに踊らされる大衆


アンシャンレジームを風刺した漫画
(第三身分者が聖職者と貴族を背負う)
Wikimedia Commons [Public Domain]

フランスは英国等との戦争、最終的には米革命戦争への参加による戦費によって、革命前には国家の台所は火の車となっていました。その財政下民衆の不満は膨らみきっていました。この民衆の不満や怒りを革命へと向かわせたのが有名なマリー・アントワネットの「首飾り事件」でした。

王妃のネックレスのレプリカ
(フランス、ブルトイユ城蔵)
Wikimedia Commons [Public Domain]

『闇の世界史』では156、7頁に、「首飾り事件」がヴァイスハウプトとメンデルスゾーンの考案によるとして以下のように記します。

「秘密代理人は25万ルーブルの価値はあると思われる豪華なダイアモンドの首飾りを作るよう、王妃の名を騙って宮廷宝石商に命じた。宮廷宝石商が注文通りの首飾りを納めに現れたとき、王妃は関与を否定し、全く身に覚えの無いことだと言い張った。しかし豪勢なネックレスの話は、陰謀者が目論んだとおり、外部に漏れ広がった。

パルサモ(注:カリオストロ)はプロパガンダ機関に活動を開始させた。名誉毀損を目論む中傷戦術のせいでマリー・アントワネットには非難が殺到し、その名声は汚され、評判は踏みにじられた。そして毎度ながら、偽りの情報を流した人物あるいは集団を告発する者など一人も現れなかった。

ことが大騒動となった時点で、パルサモは今度は最大傑作の嘘を流した。問題の首飾りは王妃の愛人が彼女の恩寵に対する感謝のしるしとして贈ったものだったとする印刷物を、何千部、何万部とばらまいたのだった。」

更に同書では首飾りを巡り、王妃と枢軸卿プリンス・ド・アロンとの虚偽の不倫を仕立て上げ、盛んに宣伝したとしています。

「首飾り事件」を種々検索するとマリー・アントワネットが超高価な首飾り、そして愛人、不倫などと無関係なことは明らかです。この点は『闇の世界史』の記載と重なります。

ただしカリオストロの「首飾り事件」への関与は、ウィキペディアの同記事では、カリオストロ伯爵が実行犯たちからでっち上げで犯人に仕立てられて、逮捕され名声を失ったと、『闇の世界史』の記述とは全く違う角度で記されています。

「首飾り事件」の真相の細かな点はヴァイスハウプトとメンデルスゾーンの考案によるのか?、カリオストロの関与を含めて私には不明です。ただし「首飾り事件」で次の点は明瞭です。

①計算して意図的なプロパガンダ情報を大々的に流した組織(陰謀団)が存在する。
マリー・アントワネットそしてフランス王室も陰謀団の生け贄にされた。
③計算通りに陰謀団のプロパガンダに簡単に乗せられ踊らされて、陰謀団に加担してしまった一般民衆たち多くの人間たちがいた。


Writer

seiryuu様プロフィール

seiryuu

・兵庫県出身在住
・いちおう浄土真宗の住職
・体癖はたぶん7-2。(自分の体癖判定が最も難しかった。)
・基本、暇人。(したくないことはしない。)
・特徴、酒飲み。アルコールには強い。
・歯が32本全て生えそろっている(親不知全て)原始人並み。

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