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ユダヤ問題のポイント(近・現代編) ― 外伝38 ― 作られたヒーロー
フランス革命の前提 ~国民人気のネッケルの財政運営
「フランス革命」の前提となっていたのが、同国の極端な財政悪化でした。財政悪化の要因は無論戦費ではありました。しかしそれだけではなさそうです。そこにはやはり、戦費も含めてそれを調達したいわゆるユダヤ国際金融団(カバールと表現するのが最も正確でしょう。)の陰謀があった模様です。
「自分たちの資産をまとめて巧みに利用すれば、大衆を失業させて飢餓寸前の状態に陥れる経済的悪化状況を生じさせることは可能」。
このフランクフルト秘密会合でのロスチャイルド初代の言葉を実現させる工作員エージェントが存在するのです。
さて、「フランス革命」の口火が切られた瞬間をウィキペディアの同記事は次のように記しています。
「緊張が高まるなか、7月11日に国民に人気のあったジャック・ネッケルが罷免された。これに怒った民衆は、1789年7月14日、当時は火薬庫であったバスティーユ牢獄を襲撃した。パリでの事件が伝えられると争乱はフランス全国に飛び火」。
革命の口火が切られるきっかけとなったのがジャック・ネッケルの罷免、国民に人気があったとされるジャック・ネッケルは当時のフランスの財務長官でした。ところが彼は元々はスイスの銀行家であり、彼こそが国際金融団のカバールのエージェントだったと『闇の世界史』と『カナンの呪い』ではしています。
『闇の世界史』では、フランスへの巨大融資の際に国際金融団はネッケルを送り込んだとして128頁に次のように記しています。
「財務長官としてフランス国王の顧問に任じられたネッケルのことを、ユダヤ人金融家たちは、金儲けの天才だから瞬く間にフランスを財政的窮状から救いあげてくれるはずだと吹聴した。実際のところ、次の4年間でネッケルがしたことと言えば、フランス政府をいよいよ深くユダヤ人金融家と関わらせ、国家負債を1億7000万ポンドにまで増大させたこと、それだけだった。」
『カナンの呪い』では、202頁で「スイスの銀行家ネッケルは革命における自らの役割を忠実に遂行し、わざとインフレ政策を貫いてフランスに深刻な経済危機を招くことで、国民をさらに煽った」とします。そしてその上で、ネッケルは銀行家グループの誰かに追従していた筈であり、その人物を「ロスチャイルド男爵をおいて他に考えられない。」としています。
1789年7月14日バスティーユ牢獄を襲撃した民衆とされるのは、陰謀団カバールに雇われ潜伏していた凶悪犯や異常者たちが中心で、叛徒のその大多数を占めてはいたでしょう。ただしその後の展開では、前回の「マリー・アントワネットの首飾り事件」で見たように、カバールがプロパガンダを通して流したその思惑に乗せられ、踊らされた多くの民衆たちもいたのです。騙された民衆は革命の犠牲ともなっていくのです。
カソリック教会への破壊攻撃開始 ~「革命」の凄惨な実態
フランス革命の本質は、その背後にあった「ヴァイシャ革命」の一環であるとの視点を既に記しました。「ヴァイシャ時代」を招いたよう見える「時代の申し子」ロスチャイルド初代を中心としたヴァイシャによる「王政」つまりクシャトリアと、「カソリック教会」即ちヴィプラへの破壊攻撃です。
この破壊攻撃にシュードラである一般民衆が利用され、生け贄にされたのです。フランス革命でのクシャトリアへの破壊攻撃のクライマックスはルイ16世とマリー・アントワネットのギロチンでの処刑でした。
一方、ヴィプラであるカソリック教会への具体的な破壊攻撃、その開始の役割を任じたのが、タレーラン=ペリゴールの模様です。タレーランは外伝36で見たようにオルレアン公の友人で、オルレアン公と共にミラボーからの紹介によってヴァイスハウプトが大東社ロッジに参入させた人物です。
『カナンの呪い』202頁で「1789年10月10日、フランスの教会の土地すべてを没収することをタレーランが提案した。そうした土地は全土の5分の1にあたるとみられた。」とあります。ここから引き起こされた「非キリスト教運動」の結果、ウィキペディア記事によると既に見たように「国教として位置づけられてきたカトリックとそれに依拠した王政を廃止し、さらに3万人の司祭を追放、数百名の聖職者を殺害」となったのです。
その犠牲や殺害の具体例を『カナンの呪い』から紹介します。フランス革命で恐怖政治を遂行したマラー、ロペス・ピエール、ダントンたちの中でマラーの行状です。
「マラーは自らを監視委員会の委員長に任じ、4000人ほどの人々を逮捕し、その虐殺を開始した。1792年9月2日には、まず24名の聖職者がある庭園に引き出され、一人ずつ撲殺され、同月のあいだに1200人もの人々が殺害された。またカルメル修道院でも150名以上の人々が犠牲となった。」(206頁)
虐殺・殺害されたのは、聖職者や修道士はもちろんですが、一般人でも国教がフランスはカソリックなので全てキリスト教徒でしょう。しかもその殺害の執行人たちは「銃を携帯せず、斧、シャベル、ナイフなどを使って絶命させることのほうに、大きな満足感を見出した」とのことです。ようは「出来るだけ苦しめさせて殺害することに快感を覚える」異常者たちの手によって「革命」という名前の凄惨な惨劇が進行していったのです。
ナポレオンの登場 ~スポンサーとなったアムシェル・ロスチャイルド
フランスでその国教としていたカソリック教会が、革命に伴う「非キリスト教運動」によって破壊されたのです。
しかしこういった成果が出る革命の前、そして革命後も、カソリック教会の破壊の状態に対してはロスチャイルド初代マイヤー・アムシェルは全く不満だった様子なのです。
『ロスチャイルドの密謀』97頁に「ヴァイスハウプト(1748-1830)はカトリック教会を破壊できなかった。そもそもその目的のためにヴァイスハウプトは「作られた」のだから、そのことは、アムシェルを苛立たせた。」と指摘される具合に、です。
この不満を抱くロスチャイルド初代の前に卓越した才能の持ち主が表われます。その男を発見したのはタレーランでした。その男ナポレオン・ボナパルト(1769―1821年)です。『ロスチャイルドの密謀』95頁に次のようにあります。
「ロスチャイルド一族によって「採用された」人物の多くがそうであるように、ナポレオンも、タレーランが彼に出会って、ロスチャイルド一族に紹介した当時は極貧にあえいでいた。洗濯屋に払う金もなく、手持ちのシャツは一枚きり、軍服もジョセフィーヌ・ポーアルネから与えられたものという状態だった。
1786年、ナポレオンは金のない中尉、つまり貧乏下士官で、支払を賄おうと、あちこち訪ね歩いて雇い主を求めていた。ヨーロッパの人々が「自由、平等、博愛」という言葉にうんざりしていた時期のことである。
アムシェルはヴァイスハウプトによる反教会活動(とりわけ反カソリック教会活動)がほとんど進展しないことに失望し、新たなる「才能」を求めていた。そこに現れたコルシカ島出身のこの男の熱情はアムシェルに感銘を与えた。彼は身をたてられるだけの十分な資金をナポレオンに提供した。」
1786年、ナポレオンは金のない中尉、つまり貧乏下士官で、支払を賄おうと、あちこち訪ね歩いて雇い主を求めていた。ヨーロッパの人々が「自由、平等、博愛」という言葉にうんざりしていた時期のことである。
アムシェルはヴァイスハウプトによる反教会活動(とりわけ反カソリック教会活動)がほとんど進展しないことに失望し、新たなる「才能」を求めていた。そこに現れたコルシカ島出身のこの男の熱情はアムシェルに感銘を与えた。彼は身をたてられるだけの十分な資金をナポレオンに提供した。」
その後1790年に一大隊の第二指揮官、1793年24歳で旅団陸将、1795年国内軍司令官、1799年にはクーデターで政権を樹立し、終身第一執政の座へ。このようにナポレオンは一気に栄誉・栄達、権力の階段を駆け上がったのです。
これにはもちろんナポレオンの卓越した才能がなければ実現不能です。しかし才能だけでも無理なのです。背後に資金とサポートが、つまりスポンサーの存在は欠かせなかったのです。
『ロスチャイルドの密謀』では次のように指摘しています。
「アムシェルによって割り当てられた任務=王政およびカトリック教会の破壊=を遂行している限り、ナポレオンにはあたかも魔力で保護されているかのように幸運がついて回り、次々に成功を収めていった。」
三重野はマスコミから盛んに「平成の鬼平」ともてはやされました。「悪しきゆがみをもたらしたバブルを成敗する快人物」とされたのです。しかし三重野の極端な金融引き締め、銀行の貸し渋り・貸しはがし等によって、実に多くの中小の社長などが自殺に追い込まれたのです。
そもそも日本バブル自体が「意図的に作られた」もので、実はその主犯が日銀のプリンスであった三重野だったのです。この「自作自演」のマッチポンプで、今日まで続く日本経済の破壊、大不況が創出されていったのです。
無論、三重野そして日銀の背後にはグローバリストがいました。三重野が作った「日本には構造改革が必要」の文脈の上に小泉首相が登場したのです。
さて、フランス革命も似たような文脈で勃発しています。確かにフランスは非常に財政が悪化していました。しかし、それを完全に破壊する方向で施策をとったのが、当時のフランスの喧伝機関によって国民人気のヒーロー扱いされた様子のネッケルです。時の財務長官であった彼はカバールが送り込んだ工作員だったのです。
今日のグローバリストとカバールはほぼ同一と見て構いません。ネッケルの罷免をきっかけに勃発したフランス革命は凄惨な惨劇として進捗します。このような中、あのナポレオンが登場するのです。