れいわ新選組・舩後さんと木村さんが登院:「重度訪問介護サービス」は仕事には使えないため登院ができないという欠陥規則が露わに 〜 これまでも多くの障害者の方が学校を諦めたり、仕事を断念させられていたという声が次々と

 8月1日に臨時国会が召集されます。れいわ新選組から当選された舩後さんと木村さんがいよいよ登院されることになります。そこで早速に重度障害者に突きつけられる制度の矛盾点が浮き彫りになりました。
 お二人が利用している「重度訪問介護」という生活サポートのサービスは、通勤や仕事中に利用することができない規則になっているそうです。そのため「このままの制度では介助を受けながら働くことができない」と木村さんは訴えています。仮に現行制度に基づき木村さんが議員活動の介助を自己負担するとなると月130万円かかる見込みだそうです。働くために130万円が必要!? 国民が選んだ代表者を国はどうのように対応するのでしょうか。サービスの制度設計思想が「働けるんなら介護いらないでしょ」という間違ったものであることを国会に突きつけたものだと言い当てたツイートがありましたが、他にも「移動支援」というサービスも通勤通学、習い事には使えないようで、学校や就職を断念せざるを得ないケースがあると、次々声が上がっています。舩後さん、木村さんのお二人の存在が、一気に言論の風通しをよくした感があります。恐らく今後、聞くに耐えないような意見や心を暖かくする意見も上がってくるでしょう。その時、それらの意見が自身の心の中にも有るか、しっかり見つめる機会になりそうです。
 読者の正行様から「うれしいですね」という感想とともにいただいた情報では、電動車椅子の生活をされる地方公務員の方が、今回の舩後さん、木村さんの当選の意義がいかに大きいかを語っておられました。ご自身がこれまで生きてきた中で、「健常者の視界から消し去られる」経験を何度も何度も重ねられ、もはや「共生社会」「一億総活躍」など不可能だと思っていたところ、お二人の登場で「社会や職場のそこここに当たり前に重度障害者の姿がある」世界を再び目指す勇気が湧いたと書かれています。
 また、目を見張ったのは、オリヒメという分身ロボットです。
寝たきり状態の方でも、自宅や病院に居ながら、顎や目線で(!)パソコンを操作し、自分の分身ロボットを使って働いたり、いろんな活動に参加することが現実に行われていました。多くの障害者の方々の分身ロボットが一緒に語らっている様子は、可愛らしく楽しそうです。こうして普通の生活に意欲を燃やす方々にとっても、やはり「仕事」になった途端に介護ヘルパーを使えなくなる障害者総合支援法の残酷さを知りました。
 今後、こうしたことがどんどん可視化され、議論の俎上に載せられるでしょう。自分自身のこととして考えることができるか、それが最初のハードルかもしれません。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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配信元)












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れいわ重度障害者当選 就活で20社以上落とされた、脳性まひのアニオタが考える意義
引用元)

(前略)
重度障害者が国会内に議席を得たことには計り知れない価値があり、間違いなく世の中を大きく変えるだろうということだ。これは二人の能力や政策や党派がどうであるかには全く左右されない。彼らが国会議事堂に議員として存在すること自体に大きな意味があるからだ

重度障害者が議員としてテレビに映ること

 何故そう言えるのだろうか。理由はいろいろあるが、一番重要なのは、障害者が当たり前にそこら辺に「特別な理由なく」存在することが許される社会になっていくことが期待できる、ということだ。これには若干説明が必要だろう。

 重度障害者が議員として存在するということは、テレビなどを通じて否も応もなく人々の目に触れることになる。それらは初め否定・肯定問わず様々な反応を引き起こすだろう。しかし、彼らは少なくとも6年間国会に居る。その時間経過の中で、徐々に重度障害者が議員として出てくることが当たり前になっていく。

 このことは人々の重度障害者への意識を日常生活レベルで徐々に変えていく。「地域や職場に重度障害者がいてもおかしくない。そこに特別な理由は要らない」という考え方が徐々に浸透していくだろう
(以下略)
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配信元)



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重い障害ある人も仕事を 当事者ら、国の制度変更求める
引用元)
(前略)
 オリィ研究所(東京)は分身ロボットを活用し、寝たきり状態でも働ける社会の実現に取り組む。昨年、十日間限定で東京都港区にカフェを開いた。障害者が自宅や病院でカメラ映像を見ながら、あごや目線でパソコンを操作。ロボットに飲み物を運ばせ、客との会話も楽しんだ
(中略)
 分身ロボットを使う就労にも、重度訪問介護を巡る課題が立ちはだかる。昨年のカフェで働いた島根県の脊髄性筋萎縮症の女性は、都内の企業に分身ロボットでの受け付け業務を打診されたが、重度訪問介護に公的支援が受けられないため、採用に至っていない。
 さいたま市は独自の支援導入に先立ち、昨年六月に厚生労働省に制度の見直しを働きかけたが、実現しなかった。厚労省障害福祉課は「個人の経済活動に関する支援への公費負担は慎重に対応しなければならない」と説明する。
 国の別の制度「障害者介助等助成金」もあるが、たん吸引や人工呼吸器ケアといった医療行為は受けられず、重度障害者には使い勝手が悪い。矢口さんは「重度の障害があっても働くことが普通の社会になるよう重度訪問介護の制度改正を切に願う」と訴える。

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