独逸の伯林で見た、聞いた、感じた社会問題、教育問題 ~第45楽章 ドイツ人気質とベートーヴェンは虐待サバイバーだった!?

『日本人や日本はいつも小さいもので、綺麗で整頓されている。
 ヨーロッパはいつもごちゃごちゃである・・・』
こんなことをドイツ人の先生は言われました。
フェスティバルなどの話題を話していた授業中のことです。
日本人として、嬉しくなってしまいますよね・・

第45楽章は ドイツ人気質とベートーヴェンは虐待サバイバーだった!?です。
(ユリシス)
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ドイツでも人気のヨガ


語学学校のドイツ語の先生は、ヨガの先生でもあります。
授業で外交上の建前などが嘘になるのかどうか・・などの議論があり、
みなさんいろいろな意見を言っていましたが、私はシャンティフーラで
学んだ通りに、ヤマ・ニヤマについて語ってみたところ
ヨガの先生ですのでよくこの辺りも知っていて、アヒンサー、サティヤなどを
ドイツ語で解説するという展開に
なりました。
クラスには、南米、ジョージア、スペイン、アジア出身の生徒がいますが、
ヤマ・ニヤマについて知っていた方はいませんでした。
授業の後、チャクラについて先生に話しをしてみると、
ピンガラー菅、イダー菅についてもよくご存知で、
詳しく勉強しているのだな・・・と思いました。



ベルリンの書店に行くと、ドイツでは、ヨガは人気なようで、本屋のコーナーには、
ヨガ関連の本などもたくさん置いてあります。
ドイツ人がなぜヨガに興味を持つのだろう?と聞いてみました。
竹下先生が東洋医学セミナーの中で東洋医学は2500年以上の歴史があり、
自律神経について考えている医学である。それに対して西洋医学はたった
200年くらいの歴史であるとおっしゃられていました。
同じように、ヨガは伝統があるので信頼できるとドイツ語の先生は言われました。

色々と深く考える方は、
西洋人でも東洋哲学方面に興味を持たれる方が多い
のかな・・。
ドイツ人は歴史が好きな方が非常に多く、
ドイツは2つの世界大戦に負けていますので、
色々と考えるだろうな・・ドイツも長い歴史の中で領土が増えたり、減ったり・・。
ドイツ人は、日本人と似ていて、わりと几帳面で規則正しいと思いきや・・・
いつも抑圧感があるのか、イベントなどでは激しい行動も多く、まるで鬱憤をはらすかのようにモノも壊すし・・
との息子の意見でした。


音楽家ベートーヴェン


さてさて、わりと激しい音楽といえば、じゃじゃじゃじゃーん、
ドイツの音楽家ベートーヴェンを思い出します。

Wikimedia_Commons[Public Domain]
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン

ベートーヴェンは1770年神聖ローマ帝国時代に以前の西ドイツの首都ボンで生まれました。




ボンに住んでいる知り合いのスコルフスキーモルフォさんから直接、ボンでの生活について聞きました。

人口約31万の中都市であるボンは、
街の中心部が大きくないので歩いて回るにはとても便利です。
旧西ドイツの首都の名残も各所に見られ、
国際色豊かな街なので、英語を話す人も多く、
外国人にとっては住みやす街の1つではないでしょうか。

都市ボン

私は小学校の頃、母親から3冊の音楽家の伝記シリーズセット
買ってもらいました。

モーツアルト、ベートーヴェン、シューベルトの3冊セットです。
私が息子にイチローと松井秀喜の伝記シリーズを購入したのを同じ感覚ですね!
当時印象的だったのが、ベートーヴェンは音楽家ではなくて、本当はパン屋さんに
なりたかった・・という伝記の内容
でした。
家の隣がパン屋さんで、いつも美味しそうな匂いがしてきて、パン屋になりたいと思っていたそうなのですが、教育熱心な父親に
殴られながら、ピアノの練習をした
そうなのです・・。
もしかして・・ベートーヴェンは虐待サバイバーだったのではないでしょうか・・。
popoちゃんが記事を書いていらっしゃいました。


パン屋さんになった方がベートーヴェンは楽しかったのでは・・
と思いながら読んだような気がします。
その時代、ベートヴェンのお父さんの「皇帝に認められたい・・」という野心ですかね・・。
現在、多くの親御さんが子供に習い事をさせて、何か賞でも・・とってもらいたい・・
という思いと同じ
ではないでしょうか・・。

ベートーヴェンのことで興味深かったことはこちらになります。

・ベートーヴェンはカトリックであったが敬虔なキリスト教徒とはいえなかった。『ミサ・ソレムニス』の作曲においてさえも「キリストなどただの磔にされたユダヤ人にすぎない」と発言した。ホメロスやプラトンなどの古代ギリシア思想に共感し、バガヴァッド・ギーターを読み込むなどしてインド哲学に近づき、ゲーテやシラーなどの教養人にもみられる異端とされる汎神論的な考えを持つに至った。彼の未完に終わった交響曲第10番においては、キリスト教的世界と、ギリシア的世界との融合を目標にしていたとされる。これはゲーテが『ファウスト』第2部で試みたことであったが、ベートーヴェンの生存中は第1部のみが発表され、第2部はベートーヴェンの死後に発表された。権威にとらわれない宗教観が、『ミサ・ソレムニス』や交響曲第9番につながった。

・また哲学者カントの思想にも触れ、カントの講義に出席することも企画していたといわれる。

・政治思想的には自由主義者であり、リベラルで進歩的な政治思想を持っていた。このことを隠さなかったためメッテルニヒのウィーン体制では反体制分子と見られた。

・天文学についての書物を深く読み込んでおり、彼はボン大学での聴講生としての受講やヴェーゲナー家での教育を受けた以外正規な教育は受けていないにもかかわらず、当時において相当の教養人であったと見られている。


なんと、ベートーヴェンはバガヴァッド・ギーターを読んだりして
インド哲学に近づいていた
のですね・・。
古い時代に権威にとらわれない宗教観を持っていたことも当時としては進んでいた??
こちらが、権威にとらわれない宗教観を表現した晩年のミサ曲、ミサ・ソレムニスになります。
ミサ曲というより、まるでベートーヴェンらしい交響曲ですね。
当時は、大公の大司教就任のために曲を献呈していたのですね・・。
ポリフォニックな表現が主体となっています。




音楽好きとドイツ人気質


息子とよく話すのですが、ドイツ人は音楽が好きな人が多くて、
サッカーは国技なのに、意外にもサッカー好きは少ない
のかも・・
サッカーが好きなのは、移民背景のある外国人が多いね・・
なんていう話をしています。
ドイツ人の音楽好きも、やはり現在の若者は、流行りの音楽が好きで、
ベルリンはテクノ音楽が最先端ともいわれ、多くのクラブがあります。
週末には、多くの音楽フェスティバルが開かれています。

Author:Marco Verch[CC BY]

ドイツ人とはどういう気質、国民性なのだろう??
ベルリンから見ておりますが、毎日興味津々で観察しています。
竹下先生が映像配信「ぴ・よ・こ・と」の中でいつも語られているように、
やはり、教育、つまりは、親の価値観が大事で、
家庭の中で価値観が育まれていきます。

ドイツ人の家庭でも親が外国人は嫌い、有色人種は好まないという
価値観の中で育つならば、白人優先主義になってしまう
ことでしょう。

これは日本でも同じことです。
マスコミの受け売りでアメリカ優先主義、欧米優先主義になり、
アジアやイスラムの国々、アフリカ、中南米、島の国々を
見下した価値観を親から子供に伝えるならば、そのようになってしまいます。

Wikimedia_Commons[Public Domain]

私自身、はじめてのベートーヴェンの曲はピアノ練習曲のソナチネの中で
出会いました。小学校3年生のころです。
ふと興味が湧いて、無謀にも音大付属小学校の転入試験を受けてみたことがあり、
ベートーヴェンのソナチネを中でもたくさん練習をしたので覚えています。

音楽を目指す子供は、私のように呑気にしている方はいないのですね・・。
虐待サバイバーレベルに練習しないと狭い門を合格できないものです。
2、3回くらいだったと思いますが、
当時ワンレッスン制の芸大先生のピアノレッスンも受けたことがあります。
普通のよくあるピアノの先生と違い、グランドピアノが2つデーン!と置いてあり、
まわりにバイオリン、チェロなども置いてあり・・
そこで弾くのですが、下手な場合は一緒に弾いてくれません。上手なところになると、
隣のグランドピアノで一緒に弾いてくれるのです。
それはそれは、9歳頃の子供にしても、感動的なもので、
まるでオーケストラのようです。
私が音楽が好きなのは、このような体験が根底にあるからかもしれません。

しかし、間違えると厳しいですよ・・。
『不注意ですと言いなさい』・・と強制されました。
今でも覚えていますが、絶対に言いませんでした。
頑固な子ですね・・と親にも言われたようですが。
普通は、女の子は泣いてしまうそうです。
私は泣きもしませんで、
今でも記憶していますが、
ただ、アホらしい・・としか思っていませんでした。
なぜ、音を間違えることが悪いことなのか? そこがよくわからないのです。
9歳のころでさえ、ただのミスだけだと思うのですが・・・と思っていました。
私は曲の終わり方が好みでないと、自分で変えたりする方なので、
楽譜通りに弾くということにも疑問をもったりしていました。


ピアノの先生は自分が小さい頃、
楽譜を破られたこともあると言っていたと記憶しています。
9歳ながらにして、変だな・・と思っていました。
楽譜を破って何の意味があるのか??

ピアニストのフジコ・ヘミングさんは、『間違えるものよ・・』と言って、 
コンクールの審査員を辞退されたこともあると聞き、納得したこともあります。
しかし、このような厳しい世界を乗り越えるためには、そんなことを言っていてはいけないのですね・・。
虐待サバイバーにでもならないと、乗り越えられないのかもしれません・・。
ベートーヴェンもきっとそうだったのですね・・。

虐待教育でない、本当の音楽教育とはどのようなものでしょうか・・。
ベルリンフィルハーモニーでは、小学生のためのコンサートや
毎週火曜日のランチタイムには、無料のコンサートが開かれています。


音楽は、競争ではないと思うのです。
コンクールでの賞を競い、必死に暗譜することもどうなのかなと思っています。
小さい子供がピアノの発表会で間違えないように・・
親もなんとか子供が間違えないようにと必死になっていることに疑問を感じました。
間違えたら、途中で弾き直してもいいし、忘れたら楽譜を見てもいいし・・
音楽とは、音を楽しむことです。メロディー、リズム、ハーモニーを楽しむことです。
少しでも苦痛なら、音楽ではない・・。
スポーツに競わないでとは言えないので、
音楽においてこそ、競わないで・・と言いたい。
竹下先生が映像配信の中で
『天界で私はずっと歌っている・・』とおっしゃられていました。
天界の学校では音楽が盛んだとも言われていました。
私たちも、いつでも歌うことができたのなら・・
ジョージアで盛んなポリフォニーのように世界中で歌うことができたのなら・・。
https://shanti-phula.net/ja/social/blog/?p=207600

息子が生まれた当日の午後、7、8時間後かな
・・ベットの横で歌を歌ってあげました。
ブラームスの子守唄です。寝ている息子は片目を開けたのです!
音楽が、歌が大事だと思った瞬間です。
赤ちゃんは生まれて1日目から歌を聞いているのです。
胎児の時から聞いていると思いますが・・。


ベートーヴェンの楽曲は多くの方が知る有名な曲から、色々な曲があります。
どんな曲にでもベートーヴェンらしい力強さとまっすぐさとその中にやさしさと
苦悩が表現されています。

Author:バダホスのパコ[CC BY-SA]

メトロノームを使ったのもベートーヴェンが最初ということで、
ドイツ人らしいですね。
そして、ベートーヴェンは必ずコーヒー豆は60粒を入れたということで、60粒毎日
数えていたの??ということで、こんなところにも、ドイツ人気質が・・。
ドイツの哲学者カントも毎日同じ時間に散歩をしていたとか・・。
そして、学生時代のドイツ人の先生は、毎日大学のプールで泳いでいるのですが、
ちょうど30分経つと、プールの真ん中でも立ち上がり、
すぐにプールから出るとか・・の噂がありました。
どうせなら端まで泳げば・・というか、
30分を時計で確認しているのが
すごいですね・・これもドイツ人気質??


今日の音楽は・・


ベートーヴェンのソナタ『テンペスト』です。




Writer

ユリシス

311を機に息子と共に、東京からシアトル、2012年ケアンズ、2015年ベルリンへと移住。
ユリシスの名前は、ケアンズ近郊でみられる見ると幸せになると言われる青い蝶から命名。
幸運にもケアンズの家の近くでペアのユリシスに遭遇したので、それを思い出し・・。
映像配信、東洋医学セミナーなどシャンティフーラでの学びが大好きです。
体癖1-3 



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