ぴょんぴょんの「住所を失った人びと」

住所をなくしたら、おしまい?
実際ホームレスになった方のブログから、リアルな現実を見ることができました。
(ぴょんぴょん)
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ぴょんぴょんの「住所を失った人びと」


20代でホームレスに


「すべて国民は、健康で文化的な 最低限度の生活を営む権利を有する。
国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障 及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」
(日本国憲法第25条)


にゃんこたちは、元気にしてる?

見ろよ、クロチビのヤツ、大きくなっただろ?

ほんとだ! くろまると対等にレスリングしてる!

二人がじゃれ合うの見るのが、最高の癒やしだな・・・。

いいねえ、この時間、この空間、家があるからだよね〜。
家がなかったら、こんなまったりした時間、味わえないよ。
災害で家を壊された人たちは、どんなに心細いだろう。


そうだな・・・これからどんどん寒くなるしな。

外で暮らす人たちは、大丈夫かな。

ホームレスのことか?

今日からホームレス」というブログを見つけてね。
読み始めたら、止められなくなっちゃって・・。

どれどれ? おれにも見せてみろ。

今日からホームレス
ある日突然ホームレスになりました。
京都在住の26歳、元サラリーマンです。

もしホームレスになってしまったら。
どうすれば良いのか自分は全く分かりませんでした。
自分の経験談を中心に、 生き抜く方法を皆さんに伝えれたらと思います。

まだ、20代・・・て、いったいどうしたんだ?



だまされた、って言うのかな。
高卒で、まじめに働いてきた人なんだけどね。
ある仕事を辞めて、同僚と独立したのはいいんだけど、事情があって辞職。
同時に実家が引っ越すことになり、両親と住みたくない彼は、アパートを探していた。

家族とうまく行ってなかったんだな。

借金漬けで働かない父親と、カルトにはまって仏壇の前から動かない母親だからね。
そんな時、以前の仕事仲間Nから、アパートを紹介されて入居した。

そりゃ、運が良かった。

と、思ったら、ここからが大変なんだ。
Nが社長をしている会社に雇われたけど、3ヶ月給料を払ってくれない。
どんなに催促しても払わないので、会社に行くのをやめて、別の仕事を探していた矢先、「月末までに部屋を出ろ」と言われた。
後からわかったんだけど、会社が払ってるはずの家賃が入ってなかったんだ。

ひでえ会社だな。

留守中に、荷物をすべて持ち出され、鍵も付け替えられてしまった。

それ、「追い出し屋」って言うんだぞ。
本来は、正式な手続きを踏んで契約解除、明け渡し請求をしないといけない。
勝手に踏み込んで、持ち物を処分するのは犯罪だ。

(Livedoor News)
警察、行ったほうがいいぞ。

しかし、警察に行ってもなんの解決にもならず、
「家賃が支払われていたのならば事件だけど、支払われていなければ事件ではない」と言われただけ。
(今日からホームレス)

なら、勝手に踏み込んでもいいのかよ!


住所がないと受けられない行政サービス


持ってるものは、わずかな現金と携帯のみ。
この先どうしよう? ネットカフェで必死に調べまくった。
(今日からホームレス)

弁護士はどうなんだ?

法テラスの弁護士に相談したら、「まず間違いなく勝てるとの事だった。・・・
『ただ、家が無い人の弁護は出来ないですね』
あっさりとそう言われてしまった。・・
『住所が定まったら改めて相談に来てください』。」
(今日からホームレス)


おいおい!ちょっと待て!
犯罪にあったから、家をなくしたんだろ?
家をなくしたから、相談に来たんだろ?
住む家を見つけてからって言われても、カネもない、保証人もいない。

はあ・・・「住所を失う」ことは、それほど大変なことなんだよ。
住所がないと、行政サービスを受けることもできなくなるし。

あれもそうか?
こないだの台風19号のとき、台東区でホームレスが避難所に入るのを断られた。

あれは、役所の対応がおかしいんだ。
災害救助法、災害対策基本法、憲法に照らしてもアウトだよ。
(Huffington Post)

しかし、いったん住所を失うと、不動産手続きで、現住所の欄に書けない。
現住所がなければ、新しい住所を手に入れることはできないってことか。

ため息でちゃうよね。それでも、彼はがんばって動いたんだよ。
なのに結局、
ある日突然ホームレスになりました。
自分がホームレスになるだなんて夢にも思っていなかったのですが、
小さなトラブルが幾つも重なり、そして堕ちていくのはあっという間でした。」
(今日からホームレス)

ほんで、そいつはそれからどうした?

ひとまず、ネットカフェ難民になった。
「ちょっと前まで、『どういう状況でネカフェ難民になってしまうんだろう?』なんて思っていたけど、案外あっさりと堕ちて行く人も多いのかもしれないなぁと思った。」
(今日からホームレス)


しかし、ネカフェも、カネかかるだろ?

一泊、約2000円。
彼の日当は、一日5000円~6000円。
ネカフェに2000円、食事に1000円、荷物を仕事場に持っていくわけにいかないので、コインロッカーに200円、コインランドリーに400円・・・で、カツカツ状態。

家がないと荷物置けないし、自炊できないし、洗濯もできないし、寝られないし。
ホームレスは、カネがかかるな!

彼、まじめでいい子なのに、身元保証人がいないからアルバイトができない。
結局、日雇いしかないんだけど、問題は、毎日仕事があるかわからないんだよ。

もし、仕事がなかったら?

食べられなくなる。そして外で寝ることになる。
公園には泊まりたくない。暑いし、虫も多いし、そして何より恥ずかしい。
・・このまま死んでしまうんじゃないかと思えた・・『詰んだ』 。」
(今日からホームレス)


精神的にヤバいな。
「健康で文化的な 最低限度の生活を営む権利」は、どこ行った?!

こういうとき、やっぱり最後の頼みは家族だよ。
家族関係がうまくいってないのは、かなり不利だね。

家族の支えがあったらなあ。

公園で寝る日が多くなった。
「屋根が無いので、『何か冷たいな』と思って目を覚ましたらもうずぶ濡れという事も・・・公園のあちこちから楽しそうな声が聞こえてくる度に、悔しさと恥ずかしさに襲われた。」
休みの日が一番辛かった。どこにも居場所が無い。・・・
そういえばホームレスの人が徘徊してるのをよく見てた気がする。
全然そんなの気にしたこともなかったけど、みんな時間が潰せなくてひたすら徘徊してるんだなぁ。」(今日からホームレス)


してるしてる! ズタ袋をたくさん引っ下げて、あてもなく歩いている。

住む家がない人のための、一時宿泊施設も利用したけど・・・そこはチンピラだらけ。
「『20~30代のヤツは大抵、刑務所出てきたばかりのヤツか、(生活保護の)不正受給狙いだよ』
やっぱりそういうのあるんだ・・見事にチンピラばかりだった。・・
僕と同年代くらいの人たちは ほとんど刺青が入っている様な人たち。」
(今日からホームレス)

うわあ、そっちに、連れて行かれるなよ!

部屋を借りたい、でも保証人はいないし、おカネもない。
日雇いだから、おカネが貯められない。
かと言って、住所がないから定職につけない。
定職につけないから、カネが貯まらない。

・・って、えんえんエンドレスじゃねえか


困ってる人の為の制度じゃない


そしてお次は、役所とのバトル。

役所?・・できるだけ行きたくねえとこだな。

市役所に相談に行くと、「総合支援資金」を借りることを勧められた。
生活再建までの生活費 (月20万円まで)、
住宅入居費 (40万円まで)を、連帯保証人なしで貸してくれる
んだ。
(今日からホームレス)


くれるんじゃなくて、貸すんだな。つまりは、借金だな?

それでも、当座のおカネを手にできる。
だけど、罰ゲームみたいに面倒くさくて、大変。
・「住宅手当の申請」をして、入居先を見つける。
・不動産屋に行って、必要書類に記入してもらう。
・ハローワークへ行って、申請書類を受け取る。
・必要書類を持って、「社会福祉協議会」へ行く。
・「社会福祉協議会」で、「臨時特例つなぎ資金」の申請をする。
(今日からホームレス)

フウ・・仕事しながら、これだけこなさなきゃならんのか?
1日じゃ終わらねえし、交通費はかかるし。

不親切な社会だよね、これだけがんばってクリアしたのに、住宅手当を受けられなかったんだよ。

ええっ?? なんでだ?

最後に勤めていた会社の退職証明が、もらえなかったから。
前の職場で生計を立ててないから、おカネを借りる資格がないってわけ。
(今日からホームレス)

ありえねえー!

それだけじゃないよ。
日雇いで、月に8万円以上収入があるのも、ダメだって。

なんでだ? 働いているのがなんで悪いんだ?

「一瞬頭の中が混乱した。困ってる人の為の制度なんじゃないのか・・・
『月に8万円以上収入があると 住宅手当が受けれないので、出勤日数を減らしてもらわないと困る』と言われた。・・
毎日働かなくては死んでしまうのだ。ご飯も食べれない。
働かなきゃ死んじゃうのに働いたらだめなのか。・・・
『働いてたらダメってのもおかしな話なんだけどね・・・』と窓口の人。」
(今日からホームレス)

この国の制度は狂ってるぜ!!

結局、しぶしぶ生活保護を受けることになったが、生活保護も決して楽ではないと言う。
生活保護費が12万円。家賃・光熱費・携帯代・食費を引くと、手元に残るのは大体2万円あるかないかくらいです。」
(今日からホームレス)


しかも、働いた分、差し引かれるしな。

「何かの理由で一回ホームレスになってしまうと、社会復帰は想像以上に困難。・・
僕自身、ハッキリ言って甘く見過ぎてました・・・」
(今日からホームレス)

なりたくてなったわけじゃねえのにな・・。

でも、ぼくたちだって、いつホームレスになってもおかしくないんだよ。
今住んでいるアパートが老朽化して、立ち退きを命じられたらどうするの?
敷金礼金、家賃3ヶ月分、すぐに用意できる?

ムリ・・。

それに、年を取ったら、部屋を貸してくれないかもしれない。

安いアパートは、どんどんなくなるし。

こんなふうに、住所を失う人は、最近増えてるらしい。
でも、なんでこんなに、住所は大事なんだろう?

住所のないヤツに家を提供して、お尋ね者や不法滞在者やISだったらどうする?

あ、そうか。じゃあ、戸籍とか調べれば?


その戸籍の本人だって、どうやってわかるんだ?

住所のある親族や友人を連れてきて、証言させるのは?

演技して、ウソついてるかもしれないぞ。

指紋とか?

犯罪者じゃねえぞ。

かと言って、一人ひとりに身分証明を持たされるのもいやだしなあ。
「じゃあ、チップを入れましょう」とか言い出しそう。

それはカンベンしてくれ!

日本国民である証明、それが住所なんだね。

だから、一度住所を失うとタイヘンなことになる。
ところが、生活保護は意外とかんたんにもらえるそうだ。
「生活保護は、住居喪失状態でも申請可能です。
『住居』ではなく『居所』があれば申請が可能です。
一番良いのは、市役所の管理する簡易宿泊所に入所する事だと思います。」
(今日からホームレス)

不正受給の手口も書かれていたね。
まず、病院に行って、「鬱」の診断をもらう。
役所に行って、「家を追い出されて行く所が無い。」と言う
追い出された理由を聞かれたら、家賃滞納とか言ってごまかす。
そして、「鬱」の診断書を見せて、仕事はできないと言う。
(今日からホームレス)


つまり、家が無くて「鬱」だから仕事ができないってわけだ。

そこから、一時宿泊所に入所して、社会福祉協議会の住宅手当と生活保護の申請をする。
不動産屋で物件を探し、住宅手当・生活保護の受給が決定したら入居する。
その間、1ヶ月程度とのこと。
(今日からホームレス)

ちと、簡単すぎやしねえか?
しかしこれをしたら、明らかにヤマ・ニヤマに反する・・。

ブログ主によると、生活保護の審査は「性善説」に基づいているって。

なるほど。そこに、ずる賢いヤツらがつけ込んできてるんだな。

とは言え、実際の不正受給は、全体の0.45%しかないらしい。
(Yomi Dr.)

巷でバッシングされるほど、不正受給は多くない。
が、格差が広がって、最低賃金労働者の収入が、生活保護より低くなったから、不満が出るんだな。

原因は、政府のまちがった経済政策だよね。

なのに、矛先を自分たちに向けさせないで、庶民同士で争わせる。
思うツボの構図だな。


ベーシックインカムの落とし穴


さっき、くろちゃんがヤマ・ニヤマに反するって言ったけど、みんながヤマ・ニヤマの「正直」を守って、住所がなくても取り返せる社会に変えないといけない。
popoちゃんも言ってた。
メキシコのアムロ大統領は、特に「正直」を最重要視しているって。
(時事ブログ)

となると、今の政治家は、ほとんど「全取っかえ」になるわ。

国全体がヤマ・ニヤマを守れば、最低限の生活を保障するベーシック・インカムや住居保障の実現も容易になるよ。


ただし! 
今の政府がベーシック・インカムを実行したら、生活保護の延長になるだけで、おれたちはもっと貧しくされるぞ。
おれらが豊かになるベーシック・インカムを実現させるには、悪いけれど、今の政権には退場いただかねばなるまい。

どうして、政権が変わる必要があるの?

竹下先生が提言されているように、ベーシック・インカムの財源を確保するには、どうしても「最高賃金の設定」が不可欠だからだ。
「富を公平に分配するという観点から最高賃金を定め、その上でベーシックインカムを導入するというのなら、ベーシックインカムには大きな可能性があります。」
(時事ブログ)
今のカネ持ち優先政権が、それを認めると思えるか?

ムリ・・・・。

なら、そこをまず変える。

政権が代わって、「最高賃金の設定」をして、ベーシック・インカムが実現して・・・

それと同時に、自分の生き方を見直す必要もある。
生きていくだけのカネがあれば、あとはどう生きようと自由・・じゃ社会が壊れる。

生活保護の不正受給ねらいで、一時宿泊施設にいたチンピラみたいになるね。


ああいうのが増えるとしたら、ベーシック・インカムは害だ。

むずかしいね。
ヤマ・ニヤマを基本に、一人ひとりが、家族を大事にし、子どもを大切に育て、人生の時間を正しく使うような生き方が求められるね。

どんなことがあっても、国民は、住まいや権利を失うことはない。
将来、そういう社会になるだろう。
そのときおれたちは、どのくらい人間として成長しているのかな?


Writer

ぴょんぴょんDr.

白木 るい子(ぴょんぴょん先生)

1955年、大阪生まれ。うお座。
幼少期から学生時代を東京で過ごす。1979年東京女子医大卒業。
1985年、大分県別府市に移住。
1988年、別府市で、はくちょう会クリニックを開業。
以後26年半、主に漢方診療に携わった。
2014年11月末、クリニック閉院。
現在、豊後高田市で、田舎暮らしをエンジョイしている。
体癖7-3。エニアグラム4番(芸術家)

東洋医学セミナー受講者の声

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