ままぴよ日記 55 「コロナで見えてきたアメリカと日本の教育事情と国民性」

 コロナ禍で子育てや学校の課題が浮き彫りになってきているのを肌で感じます。
 ママ達からの相談も増え、時には深刻な悩みもあり、命の危険さえ感じます。貧しい人がもっと貧しくなり、立ち上がれなくなっていっています。そういう親は疲れ果てて子どもを養育する気力を無くしていきます。食事をまともに食べていない子も増えました。給食だけ学校に食べに来る子もいるようです。
 中村哲先生ではありませんが、食べる事が先だと思います。
 子ども食堂もいいけれど場所や食材、人材の確保のハードルが高いし、継続が大変です。そして今は閉鎖中。
 それよりも学校に朝ごはんのおにぎりを!「学校に食べにおいで!」と言いたい。親にも「安心してね」と言ってあげたいです。
 校長先生と話し合って実現したいと思っています。
(かんなまま)
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ボストンの保護者の関心ごとは学校再開



今、日本でも新型コロナウイルス感染の第2波が押し寄せてきていますが、アメリカでは娘家族が住んでいるマサチューセッツ州とハワイだけが落ち着いてきて、行動制限が解除され始めたそうです。ボストン沖でホエールウォッチングをして、その大きさに圧倒された子ども達は大興奮!クジラ好きの孫はしばらくクジラの絵を描き続ける事でしょう。

ボストン沖でのホエールウォッチング


さて、今、ボストンの保護者の関心ごとは学校再開のことだそうです。3月から一度も学校に行っていない子ども達。今は少し落ち着いてきたけれど、また次の波が来るかもしれません。慎重に検討されているようです。

まず教育委員会から6月25日に小中高の学校の安全な再開に関するガイドラインが公開されて、マスク着用、生徒間の適切な距離を確保、他の子と交わるのを避けるためにグループ分けする事が決められたそうです。


そして学校が再開した時に
 ① 登校して授業
 ② 登校とオンラインのハイブリッド授業
 ③ オンラインのみの授業
の中でどのプランを選択するかの検討をすることになった
そうです。ただし、家族の意思によりオンラインを貫く権利は保証されます。

それで6月末と7月末に保護者対象の調査が行われたそうです。メールで配信されてオンラインで回答する方式。6月の調査では3つのプランのどれがいいかを聞かれ、7月はそれぞれのプランの具体的なメリット、デメリットが示されたそうです。

日本と大きく違うのは教育委員会や学校の話し合いがオンラインで保護者に公開されている事です。各学校主催で保護者対象の説明会も開催されて質問する機会も与えられます。

娘も英語を母国語としない保護者の意見を聞いてもらえるように校長先生にお願いしてマイノリティ向けの質問会を開いてもらったそうです。「英語が話せない子どもや家族、学習しょうがいの子ども達、貧困家庭やそのほかの様々なハンディのある家庭にとってリモートワークは親が付いて学習しなければいけないのでとても大変である」「子どもの精神衛生上からも登校して友達に会う事や直接学ぶ事が大切である」と、発言したそうです。校長先生もそのような支援を必要とする子どものために毎日登校できるよう優先枠を設けると言われたそうです。



このように、学校の意思決定の過程が透明化されて、保護者が参加できる仕組みがある事は素晴らしい事です。娘はその会議に参加しながら、保護者の質問が節度を持ちながらも鋭くて、質問に答える先生の答えも正直で好感が持てる事に感心していました。

いずれにしても議論は最高潮に達していて、新聞やニュース、保護者の間でもその話題で持ちきりだそうです。8月10日までには通達されるとのことで、孫たちの暮らしの行方が気がかりです。やはり子ども4人がずっと家にいるのは大変で、いくら自然が豊かでも限界があります。よく頑張っていると思います。手伝いに行ってあげたい!


学校に意見できない日本の保護者、裁量権がほとんどない学校や先生方


さて、日本ではこのような学校側の決定の過程で保護者に説明をしたり意見を聞くことはありません。その発想自体がないのです。保護者はいつも決定を丸投げされて戸惑うばかりです。

保護者自身も、我が子のことなのにそれを学校に意見できるとは思っていません。今回のコロナ休校の時も「いきなり休校になって先生から子ども達に何も連絡がないのはなぜか?」「こんな状態がいつまで続くのか?」などの疑問が出てきて「先生から一言でいいからメッセージをください」と伝えるだけでも勇気がいる事でした。そして学校が再開したのはいいけれど今もって担任の先生の顔を知らない保護者が多いのです。そういう意味ではPTAも機能していません。


学校側も文科省や県や市町村教育委員会の決定に縛られて各学校や先生方に裁量権はほとんどない状態です。オンラインで連絡しようにもそもそもその機能さえないところがありました。

保護者も学校からの連絡を受けて一方的に子どもを従わせるのではなく、もっと自分の子どもと話し合って、必要なサポートを真剣に考えて代弁してあげてほしいと思います。ここを変えていかないといつまでたっても子ども主体の教育にならないと思いました。

でも、アメリカのやり方をいきなり日本に持ってきてもどのくらいの親が参加して意見を言えるのだろうか?と思います。アメリカは小学1年生の頃から自分の考えを人に伝えたり、人の考えを聞いてどうしたらいいかを考える学習をしてきています。

ある意味、人の話を鵜呑みにするのではなく自分はどう考えるのかを促す授業です。OECDの国際教員調査「TALIS 2018」では、授業において批判的思考を促すことがどれほどあるかの質問で(対象は中学校教員)アメリカは33.6%、日本は3.1%だったそうです。


又、日本の若者の創造性や冒険志向は世界最下位というデータもあります。これも授業の影響なら問題です。

ただ、アメリカでは関心がある保護者は自分からどれだけでも関われるのですが、関心のない保護者や弱い立場の親子は置いて行かれます。その格差がどんどん広がっているようです。そういう意味では日本は底上げ式で基礎学力を地道に教育するやり方です。押しなべてレベルを保つ事が出来ます。新型コロナの注意事項にしても日本人は逆らわないでよく守っていると思います。


生涯教育の考えが浸透しているアメリカ


さて、アメリカは校長先生の選び方もユニークで公募して選挙で選ばれるそうです。ちなみに孫が通うミドルスクールでは今年度選挙がありました。学校の教育理念があり、その方針に合った校長先生を選ぶわけですが、4人の候補者が出て、オンラインでアピールしたり公約を述べるそうです。選挙の結果、元弁護士の黒人女性が選ばれました。弁護士の仕事をしていく中で子どもの教育に関心が生まれて転職されたようです。

アメリカは生涯教育の考えが浸透していて、いつでも学びたいときに学び、転職も多いそうです。この校長先生はYouTubeで自分の教育理念や感じたことなどを月に2回公開しているとのこと。だから誰でも見る事ができるし保護者はいつでも直接メールでやり取りができるそうです。


メディア漬けになってしまった子どもたちの声


さて、日本では授業の遅れを取り戻すために猛暑の中で授業が行われています。学校側も子ども達も疲れています。消毒をこまめにしたり、教室を回って暑さ指数(WBGT)測り、窓を開けながら冷房を調整したり、水を飲みなさいと指示するなど先生方の負担も増すばかりです。それでも熱中症で運ばれるケースが増えました。水泳の授業中に熱中症になったとの事で、詳しく事情を聞くと水温が31度を超えていたそうです。本当にこの真夏の時期に学校に通わせるべきなのか?炎天下を下校する子ども達の姿が気になります。


そんなある日、夫が校医をしている小学校の校長先生から電話がかかってきました。その学校は私も毎年、県の要請で規範教育の授業をしていたこともあり、1年生から6年生まで夫婦で授業に入ってくださいという依頼を受けました。

今年はコロナ感染予防のためにメディア授業も他の学校行事もほとんどキャンセルになっています。でも、コロナ休暇で子ども達が家から出られなかった時にメディア漬けになってしまった子どもが増えているとのことでした。

学校が始まっても朝起きられなくて学校に行けなくなった子、授業中に眠ったり、奇声を発したりする子も増えたそうです。家庭での生活の様子を聞くと夜中までゲームをしているとか。親もおとなしくしていてほしいからゲームを与えているようです。


学校行事や体験学習がなくなってしまったけれど、今こそ身近な人に学校に来てもらって様々な分野の話を聞かせたいと言われて、私達も引き受ける事にしました。夫と話し合って新型コロナウイルスの話と日常生活で気を付ける事、成長という観点からメディア漬けになったら自分の身体と心にどんな影響を与えるか?などをわかり易く話して、遊びの大切さも伝えたいと思いました。

6日間毎日一時間ずつ学校に行きました。子ども達に「コロナで急に休みになってどんな気持ちだった?」と聞いたら口々に「嫌だった」「友達に会いたかった」「宿題がいやだった」と言ってくれました。そして何をしていたのかを尋ねたらゲームや家族とおしゃべり、料理など答えてくれました。
群馬大学の伊藤研修室の調査でも同じような結果が出ています。


オンライン学習をしている子がどのくらいいたのかを聞こうと思って「オンライン・・」と言いかけたら「飲み会!」と1年生の子が答えたのには吹きました。「どのくらいゲームするの?」と聞いたら「8時間ゲームした」「明日まで!」「目と足が痛くなった」と素直に話してくれます。

「テレビやゲーム、おもちゃがなかったら何をする?」と聞いたら「死ぬ!」「ありえん」と答える子ども達。「本当にそう思う?」と言いながら冒険遊びの写真を見せ始めると「いいなあ~」「すっげ!やりたい」と食いついてきます。

「夜は何時に寝ているの?」と聞くと2年生の子が「12時」「お父さんとお母さんが酔っ払ってご飯が遅いもん」。「ご飯食べていますか?」と聞いたら「お母さんが寝て作ってくれん」なども聞こえてきます。


もちろん、家族で過ごす時間が増えて楽しかったと答えてくれた子どもも多く、格差が広がっていると感じました。先生の話によると食事をまともにとっていない子が増えたそうです。コロナで保護者の仕事がなくなったり、減収なども影響しているようです。

子どもの育つ環境や教育のことで色々思うことの多い今日この頃ですが、子ども達は本当にかわいい!せっかく仲良くなった校長先生です。校長先生の判断でできる事を探したり、近くにいる面白い人をリレー方式で紹介しながら足元から教育改革をしていきたいと思います。

ちなみにシドニー大学の都市デザインの元教授が我が町気に入って住んでいらっしゃるので紹介しました。何ができるのか?まずは先生たちがお話を聞くことになりました。面白くなってきました!

出典表記のない写真は、かんなまま提供

Writer

かんなまま様プロフィール

かんなまま

男女女男の4人の子育てを終わり、そのうち3人が海外で暮らしている。孫は9人。
今は夫と愛犬とで静かに暮らしているが週末に孫が遊びに来る+義理母の介護の日々。
仕事は目の前の暮らし全て。でも、いつの間にか専業主婦のキャリアを活かしてベビーマッサージを教えたり、子育て支援をしたり、学校や行政の子育てや教育施策に参画するようになった。

趣味は夫曰く「備蓄とマントラ」(笑)
体癖 2-5
月のヴァータ
年を重ねて人生一巡りを過ぎてしまった。
かんなままの子育て万華鏡はこちら




オーストラリアでは新型コロナを安易に考えている人や経済的に困窮している人も増えてPCR検査で陽性の判定が出ても外出したり仕事に出かけるケースが目立ち始めているようです。それをチェックするために警察が検査中の人や陽性で自宅待機の人の家庭訪問するようになり、家に居なかったら1650ドル(15万くらい)の罰金、外でマスクをしていないと200ドルの罰金が課せられるとの事。

逆に検査した人に300ドル、陽性で家にいる人のために1500ドルの補助があるようで、「他に必要なものはないか?困っていないか?」と聞きながら家庭訪問しているようです。

買い物や病院などの外出は5キロ以内に制限されて、レクレーション施設は閉鎖。友人同士の訪問禁止。チャイルドケアは休み。学校はリモート学習…という生活が始まってヤレヤレ・・と思いながら公園に行ったら桜が満開!
「いつの間にか春が来ていた」と写真を送ってくれました。桜の花が娘の気持ちを支えてくれたことでしょう。

メルボルンさくら



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