6年越しの「子ども脱被ばく裁判」の冷血判決 〜 子どもたちの被ばくを見ぬふり、県民を守らない行政の違法も見逃す国に未来はない

 3/1、6年半にも及ぶ「子ども脱被ばく裁判」の判決が出ました。
東電や国に対して原発事故の責任を問う裁判はたくさんあり、仙台高裁千葉高裁のように原告勝訴が出るかと思うと、東京高裁のように国の責任を否定する酷い判決も出ており、司法の世界も光と闇がせめぎ合っているようです。
 そのような中にあって、この子ども脱被ばく裁判は唯一、「大人たちは福島の子どもたちを放射線被ばくから守れているか?」を問うものでした。原告は普通の親子さんです。私たちだったかもしれない方々が、これからの私たちのために戦っていました。
 そして出た判決は、原告の問いを足蹴にするような無残な原告全面敗訴でした。通常、判決の言い渡しでは「主文」と、その判断に至った「理由」を読み上げますが、それを全くせずにわずか1分、遠藤東路裁判長は主文を放り出すように読み逃げだったそうです。これまでの審理を顧みることなく被ばくのリスクや行政の不作為を頭から否定する判決に涙と怒りの声が裁判所を囲みました。「ウネリウネラ」さんのブログで分かりやすく判決の解説をされ「福島の親子たちの不安や苦悩を、正面から受け止めていない判決」とまとめておられました。
 子どもたちを見捨てるような判決が許されると思ってはいけない。「歴史の裁き、天の裁きが控えている」と書かれた方がありました。本当にその通りだ。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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判決直前!子ども脱被ばく裁判
引用元)
(前略)
裁判のポイント

この裁判のポイントを一言で書けば、

「私たちの社会は、福島の子どもたちを放射線被ばくから守れているのか」

それを正面から問いただしている点です。

「東電や国が原発事故を起こした責任」を問う裁判はたくさんありますが、事故後の行政の対応を問題にしている裁判は多くありません。そのうち、「“子ども”を被ばくさせない権利」を前面にかかげて闘う裁判は、恐らくこの裁判のみです

裁判の原告として闘っているのは、親子たちです。

「3・11当時福島県内に住んでいた」もしくは「いま現在福島県内の小中学校に通っている」子どもとその親です。

裁判の論点

国や福島県、県内の市町村に裁判を通じて求めているものは2つ。

①いま現在、放射線被ばくの心配をしなくていい安全な場所で学校教育を行ってほしい。

②3・11当時、子どもたちを無用に被ばくさせた行政の責任を問いたい。


(以下略)
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配信元)


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子ども脱被ばく裁判判決(福島地裁)
引用元)
(前略)
原告団長の今野寿美雄氏が、裁判所の建物をふり返って叫びました。

「非常に、残念な結果です。裁判官、なにを見ていたんだ! 子どもを守らない未来なんか、ありゃしないんだよ。ふざけんな!」

原告が裁判を通じて、被告(国や福島県、県内の市町村)に求めたのは、以下の2つです。

①いま現在、放射線被ばくの心配をしなくていい安全な場所で学校教育を行ってほしい。

②3・11当時、子どもたちを無用に被ばくさせた行政の責任を問いたい。(具体的には、原告たちが受けた精神的苦痛への賠償として、一人につき10万円を求める)


判決はどちらの訴えも退けました

原告の訴えを退けた理由を、一文で書くと、以下のようになります。

訴え①について)

「いま現在、人の健康維持に悪影響を及ぼすほどの放射線に被ばくする“具体的な危険”が存在するとは認められないから」

訴え②について)

「国や県の事故後の対処は、違法とまでは言えない」

SPEEDIの情報を伝えなかったことも、安定ヨウ素剤を飲ませなかったことも、「違法であったとはいえない」そうです

(中略)「判決要旨」を読んだ印象は、これです。

「福島の親子たちの不安や苦悩を、正面から受け止めていない判決」
(以下略)
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【速報】春望:民破れて医大栄えり 弱きをくじき、強きを助ける理不尽極まれり判決、言渡される(2021.3.1)
引用元)
(前略)
 この日、裁判所は、せっかく15頁にわたる判決要旨を用意したにもかかわらず、それを読み上げることすらせず、開廷し主文だけ読み上げるや、「閉廷!」と宣言して、ハヤテのように去っていった。この間1分足らず
その判決は、被告の日本政府や福島県から「あっぱれ!」と百点満点がつけられるほど、被告日本政府や福島県の数々の問題行動を完璧に正当化してみせた(※)。
他方、原発事故で無用な被ばくをさせられた弱小の市民に対し、「まだ厳密な証明が足らない!」とムチ打ってこき下ろした。つまり零点(原告の全面敗訴)をつけた。のみならず、零点の理由も、(中略)ズカッと言えば人権侵害としか言いようのない理不尽極まる理由付けだった。だから、裁判官は判決要旨を読み上げる勇気がとても持てなかったのだ。
(中略)
しかし、もともと子ども脱被ばく裁判は三審制ではなく、四審制。裁判官の裁きだけではすまない、そのあとにもう1つの裁きが控えている。それが歴史の裁き、或いは天の裁き。いくら裁判官が忖度して、あなた好みの判決を書こうとも最終的には歴史の裁き或いは天の裁きに従わざるを得ない。
(以下略)

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