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ぴょんぴょんの「しなかった」罪 〜『しかたなかったと言ってはならんのです』を見て
事実は怪談よりもコワし
内側に誰から与えられたのでもない規範をもち、自身の良心にしたがって生きている人は、たとえ確実に利益があるとわかっていても、道義に反することを行うことはありません。
「ぴ・よ・こ・と 3」竹下雅敏著 77p
ああ、ホントだとも。
立ち会った人々の証言も残されている。
ドラマの原案「九州大学生体解剖事件 七〇年目の真実」の著者、熊野氏は、実験手術に参加して戦犯として死刑判決(後に減刑)を受けた、鳥巣太郎元助教授の姪。
立ち会った人々の証言も残されている。
ドラマの原案「九州大学生体解剖事件 七〇年目の真実」の著者、熊野氏は、実験手術に参加して戦犯として死刑判決(後に減刑)を受けた、鳥巣太郎元助教授の姪。
生きた人間を解剖した「九大事件」の全容が明らかに 『九州大学生体解剖事件 七〇年目の真実』 | ダ・ヴィンチニュース http://t.co/Kvl7HetHUN pic.twitter.com/04HPPoNzxF
— ダ・ヴィンチニュース (@d_davinci) July 22, 2015
事件となったその背景
物語は、終戦の3ヶ月前、大分と熊本の県境での、B29の墜落から始まる。
パラシュートで脱出したアメリカ兵のうち、生き残った18名が捕虜になった。
機長だけ、東京へ移送され、8名は学校の校庭で斬首された。
パラシュートで脱出したアメリカ兵のうち、生き残った18名が捕虜になった。
機長だけ、東京へ移送され、8名は学校の校庭で斬首された。
捕虜の肺から銃弾を取り除く手術、ということで始められたが、手術が進むにつれ、助手だった鳥巣助教授は、これはおかしい、もしかして実験手術か?と気づいた。
教授に中止を求めたが、「軍の命令だ」と聞き入れられなかった。
(西日本新聞)
教授に中止を求めたが、「軍の命令だ」と聞き入れられなかった。
(西日本新聞)
実験の最大の目的は、輸血の代わりに海水を使えるかの人体実験。
使われたのは、博多湾の海水。
「海水ですよ、代用血液。本土決戦になったら1000万人の日本人が血を流すであろう。血が足りないと…」。(テレビ西日本)
使われたのは、博多湾の海水。
「海水ですよ、代用血液。本土決戦になったら1000万人の日本人が血を流すであろう。血が足りないと…」。(テレビ西日本)
博多湾
Author:そらみみ[CC BY-SA]
悪いのは海水じゃなくて、ヘタな手術。
おそらく、輸血も間に合わねえようなヘタをしたんだろな。
GHQ取調官に「なぜ肺を切除したのか?」と聞かれて、鳥巣助教授はこう答えている。
当時の外科医局のトップ「石山先生の手術の狙いは新しい手術方法を試すことだったと思います。」(Wiki)
おそらく、輸血も間に合わねえようなヘタをしたんだろな。
GHQ取調官に「なぜ肺を切除したのか?」と聞かれて、鳥巣助教授はこう答えている。
当時の外科医局のトップ「石山先生の手術の狙いは新しい手術方法を試すことだったと思います。」(Wiki)
「先生に反対するなんてことは考えられません。私達は大学を辞めたあとも一生医者として石山先生との関係が続くのです。また当時軍がやることに口を挟むことなんて出来ませんでした。— 平尾健一助教授」(Wiki)
と言ってるが、一生だったはずの関係も、あっと言う間に崩れ去った。
「石山先生」は戦後、GHQに逮捕され、独房で自殺したんだ。
「一切は軍の命令なり、すべての責任は余にあり」と遺書を残してな。
と言ってるが、一生だったはずの関係も、あっと言う間に崩れ去った。
「石山先生」は戦後、GHQに逮捕され、独房で自殺したんだ。
「一切は軍の命令なり、すべての責任は余にあり」と遺書を残してな。
それは、今だから言えることであって、当時の日本はB29の無差別攻撃で多くの日本人が、身内を殺されていたんだ。
その怒りの対象になったのが、アメリカ軍捕虜だった。
「日本国土を無差別爆撃し無辜の市民を殺害した敵国軍人が殺されるのは当然だと思った。ましてたった一人の倅をレイテ島で失った私にすれば、それが戦争であり自然のなりゆきだと信じていた。— 平光吾一教授(当時の解剖実習室管理者)の手記より」(Wiki)
その怒りの対象になったのが、アメリカ軍捕虜だった。
「日本国土を無差別爆撃し無辜の市民を殺害した敵国軍人が殺されるのは当然だと思った。ましてたった一人の倅をレイテ島で失った私にすれば、それが戦争であり自然のなりゆきだと信じていた。— 平光吾一教授(当時の解剖実習室管理者)の手記より」(Wiki)
何もできなかった、じゃなくて、何もしなかったことも罪になる
当時、医学生として実験に参加し、今年の4月に95歳で亡くなった東野利夫氏も、ずうっと、深い心の傷を抱えていた。
「医者をやめようという気持ちはかなりありましたね。やめたい…。これが医者のすることかなって。戦争するしないに関わらず、医者というのは人を助けるのが仕事でしょ。」(テレビ西日本)
「医者をやめようという気持ちはかなりありましたね。やめたい…。これが医者のすることかなって。戦争するしないに関わらず、医者というのは人を助けるのが仕事でしょ。」(テレビ西日本)
九大事件証言者の東野利夫氏死去 - 大戦末期の生体解剖https://t.co/E57jNcT5VL
— 共同通信公式 (@kyodo_official) April 15, 2021
たしかに、言い訳はいくらでもできる。
だがドラマの中で、部下の罪をかぶって絞首刑になった元陸軍中将は、こう言った。
「何もできなかった、じゃなくて、何もしなかったことも罪になるのではないでしょうか。」
だがドラマの中で、部下の罪をかぶって絞首刑になった元陸軍中将は、こう言った。
「何もできなかった、じゃなくて、何もしなかったことも罪になるのではないでしょうか。」
いや、そうじゃない、と鳥巣氏は言う。
「たとえ焼き殺されても抗議すべきだった」
「(戦争中だから)しかたなかったと言うてはいかんのです」。
ドラマの題名にもなったこのセリフは、生体実験手術を手伝った鳥巣助教授の言葉だ。
「たとえ焼き殺されても抗議すべきだった」
「(戦争中だから)しかたなかったと言うてはいかんのです」。
ドラマの題名にもなったこのセリフは、生体実験手術を手伝った鳥巣助教授の言葉だ。
姪の熊野氏「これは戦争中のひどい出来事という昔話にとどまらない。私たちは、大きなあらがいがたい流れの中で『もう止められない』『仕方ない』と目をつむり、それがとんでもない結果を生み出す。今に通じる話だ」。
(西日本新聞)
(西日本新聞)
たしかに、今に通じる話かもしれない。
今のコロナワクチンだって、解剖台に寝かされていないだけで、明らかに生体実験だよね。多くの人が、ワクチンのせいで病気になったり、死んでる。
それも、「もう止められない」「仕方ない」?
今のコロナワクチンだって、解剖台に寝かされていないだけで、明らかに生体実験だよね。多くの人が、ワクチンのせいで病気になったり、死んでる。
それも、「もう止められない」「仕方ない」?
しぶしぶ、というのは「九大生体解剖事件」をテーマにした話だったからだ。
それでも、事件について知っておきたいと思って、しぶしぶ見た。
長かった・・・見終わったら、全身が緊張していた・・・。
だけど、見てよかった、今、見るべきドラマだと思った。