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ユダヤ問題のポイント(近・現代編) ― 外伝59 ― 犯罪シンジケートの継承者 〜 アイゼンベルグ1
「闇の国の住人」
ショール・アイゼンベルグ
The National Library of Israel [CC-BY]
ショール・アイゼンベルグについてはネット検索すれば、色々と“すんごい情報”が出てはきます。しかし、その情報がどこから発信されたものか? 事実なのか?… 多く並んでいるのはどうにも裏の取れないものなのです。
ぴょんぴょん先生が紹介されていた『櫻井ジャーナル』記事をしても、ショール・アイゼンベルグは、
日本を離れた後にイスラエルの情報機関モサドの幹部になったとも言われているが、実際、秘密工作で名前が出てくることが珍しくない。1997年に死亡したとされているが、眉に唾をつけながら聞いた人が少なくないような人物だ。
アイゼンベルグは「闇の国」の住人ということになるが、...(以下略)
アイゼンベルグは「闇の国」の住人ということになるが、...(以下略)
と評した人物です。ショール・アイゼンベルグは「闇の国の住人」として、その情報を遮断されている様子なのです。
例えば、ショール・アイゼンベルグが創設のアイゼンベルグ社は、イスラエルの軍事企業として活動しているはずなのですが、まともな公的情報は皆無、従って、重要人物がこのアイゼンベルグ社に絡んでいるはずなのに、「噂レベルでは…」と言わざるを得ないような状態です。ショール・アイゼンベルグが住んでいた「闇の国」とは、イスラエルで間違いはありませんが…。
ショール・アイゼンベルグについて最もまとまった多くの情報を出している『ユダヤの告白』では、その情報発信している第5章の頭部分で、
アイゼンバーグ(「アイゼンベルグ」以下同様)の世界を股にかけた行動力は、国家や文化といった彼のアイデンティティーを超えたもので、静かなる 「へンリー・キッシンジャー」とさえ言うことができる。
と評した後に次のように記しています。
ビジネスマンと言うにはあまりにも秘密の部分が多いアイゼンバーグという人物を正しく捉えるには、彼の出生地、1926年のドイツのミュンへンにまで遡らなけれぱならない。何人かのイスラエルのジャーナリストが彼の出生の真実を探ろうと試みたが、イスラエル当局からとがめられた。そうしたイスラエルのジャーナリストの一人、イーガール・ラヴィブは、アイゼンバーグが組織犯罪に関与していた多くの事件を暴露しようとした件で三ヵ月の禁固刑に処せられた。
ショール・アイゼンベルグは1926年にドイツのミュンヘンで誕生。両親はガリチアのハザール・ユダヤ人だった模様です。ショール・アイゼンベルグは、イスラエルの中ではガリチア人と分類されるのでしょう。ガリチアとは、サタニック・メシアのヤコブ・フランクの住居していたポーランドの街でした。
現在のウクライナ南西部を中心とした緑色の地域が「ガリチア」
Author:Ssolbergj [CC BY-SA]
近・現代編 第10話で見たように、人種差別国家イスラエルの支配層の中でもそのトップで、ピラミッド構造の頂点に位置しているのがガリチア人のハザール・マフィアのようです。
イスラエル階層社会の差別構造
ショール・アイゼンベルグは間違いなくハザール人のマフィアであり、噂レベルの情報では、モサドを創設したのはショール・アイゼンベルグともあります。ショール・アイゼンベルグはイスラエルの頂点にいて、彼がガリチア人だからガリチアのハザール・マフィアたちがイスラエルのトップであったようにも思えます。
イスラエルの億万長者会議
メジャーな情報として、ショール・アイゼンベルグの名前が出てくるのはウィキペディアの「イスラエル・コーポレーション」記事ぐらいなものです。ただし、この「イスラエル・コーポレーション」記事の中身の意味を検討していくと、「闇の国」の謎の人物ショール・アイゼンベルグの輪郭がかなり浮かび上がってきます。幸いにも『ユダヤの告白』第10章ではこのイスラエル・コーポレーションが設立された様子が記されています。以下は第10章で記載されている内容です。
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(筆者註:「殺人株式会社」並びにその後継の「全米犯罪シンジケート」を創設した)マイヤー・ランスキーの「イスラエルを世界の組織犯罪の本拠地にする」という計画は続行され、イスラエルで「億万長者会議」が設立。
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「億万長者会議」は「プロジェクト・インデペンデンス(独立計画)」という皮肉な名の海外の犯罪組織によるイスラエル経済乗取り計画を立てた。
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そして、そのイスラエルへの「投資」を一本にまとめるために、国有企業イスラエル・コーポレーションが設立された。
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イスラエル・コーポレーションの元となった「億万長者会議」の発起人はイスラエルの元大蔵大臣で、1968年に同国のオフショア銀行ネットワークをつくり上げたピンチャス・サピア。
※ウィキペディア「イスラエル・コーポレーション」記事では 「投資奨励法で外資を誘致した当時の財務大臣であったイスラエル労働党のピンカス・サピア」と表記されています。
「億万長者会議」の参加メンバーは、ほぼ全員がマイヤー・ランスキーの仲間。具体的にはランスキーの仕事仲間や、元ユダヤ・ギャングで金属のスクラップ事業をマテリアル・サービシーズ・コーポレーションなる一大企業にまで発展させた人物、禁酒法時代のパープル・ギャングの元頭目、また、前回にランスキーとMI6の合弁会社の幹部で表舞台に頻繁に顔を出していたとされるブロンフマンのフロントマンのレイ・ウルフことレイ・ウルフェなどの名前があがっています。
そして、ここにイスラエルの武器密輸業者の大物で、同国情報部モサドの最高幹部だとしてショール・アイゼンベルグが登場。
また、参加者に「ADLの最高幹部で、アメリカン・バンク・アンド・トラスト・カンパニー・オブ・ニューヨークの資金洗浄業務をアイゼンバーグと一緒に行っていたフィリップ・クラツニック。」ともあります。
イスラエル・コーポレーションの元となった「億万長者会議」の設立メンバー全員が、全米犯罪シンジケートのメンバーでしょう。その中でも、イスラエル・コーポレーションを創立したのはショール・アイゼンベルグ(シャウル・アイゼンバーグ)だとウィキペディア記事は記しています。つまりは、ショール・アイゼンベルグは全米犯罪シンジケートの事実上のトップにこの時点(1968年)で君臨しており、モサドの最高幹部であり、ADLのパートナーでもあったのでしょう。
世界の組織犯罪の本拠地イスラエル
…それにしても、ウィキペディアの「イスラエル・コーポレーション」記事は短く解りにくい記事ですが、すごいことが表記もされています。
種類 | 公開 (TASE: ILCO) |
業種 | 油, 運送, エネルギー, 化学, 交通 |
設立 | 1968年 |
本社 | テルアビブ、イスラエル |
主要人物 | イダン・オフェル (取締役会長, Nir Gilad and CEO) |
売上高 | ▲ ₪ 439億 (2007年) |
営業利益 | ▲ ₪ 6億8100万 (2007年) |
利益 | ▲ ₪ 6億8100万 (2007年) |
従業員数 | 25人 |
子会社 | イスラエル・ケミカルズ Ltd., オイル・リファイナリーズ Ltd, タワー・セミコンダクター Ltd, ベタープレイス, ZIM統合海運事業会社 |
ウェブサイト | www.israelcorp.com |
イスラエル・コーポレーションは世界規模の持株会社、つまり企業乗っ取り会社ということです。そしてウィキペディア記事では、その従業員はたったの25人、ところがこの企業の売上高は439億イスラエルシェケル(2007年)、現在の日本円に換算すると約1兆7千億円あまりとなります。
主な保有会社には、イスラエル・ケミカルズ Ltd.、オイル・リファイナリーズ Ltd、タワー・セミコンダクター Ltd、ベタープレイス、ZIM統合海運事業会社と、どうもメジャー級の企業が並んでもいます。
25人の従業員とは、全米犯罪シンジケートの中で「億万長者会議」の設立メンバーの継承者で、企業の所有者のような気がします。またウィキペディア記事では、「この会社の所有者の30年間の税免除と、他に利益の受け取りを保証するものであった」とあります。この企業所の所有者は無税で、しかもたとえ損失が出ても利益の受け取りを保証するようです。ありえない待遇です。
全米犯罪シンジケートのメンバーがその所有者で、かつ無税で巨大な売上高となるイスラエル・コーポレーション。これが『ユダヤの告白』によれば国有企業とのことです。「億万長者会議」からイスラエル・コーポレーションが創設された時点の1968年に、イスラエルは全米犯罪シンジケートからほぼ経済を乗っ取られたと見て良いでしょう。
「イスラエルを世界の組織犯罪の本拠地にする」はほぼ実現で、その全米犯罪シンジケートの事実上のトップに君臨していたのがショール・アイゼンベルグとなります。こう見ると、『オルタナティブ通信』の以下の部分の記載はどうも本当のような気がします。イスラエル・コーポレーションはアイゼンベルグ社(編集者註:1947年設立)の投資部門なのかも知れません。
富裕層の富と不正資金が、「殺人株式会社」の手中に収まる事になった。
アイゼンベルグに集まった、世界中の富裕層の富と不正資金は「投資」され、利益を上げ、当然高い配当金を支払わなくてはならない。最も高い配当金を生み出すのは、他人の財産を「盗む」略奪ビジネスである。米国の西部開拓、鉄道事業がインディオの土地の略奪による、高配当の投資ビジネスであったように、アラブ人の土地を略奪し「無料」で入手し、再開発し、高額な住宅、商業地として売り抜ける。
アイゼンベルグ社のこの金融ビジネスが、ガザ西岸へのイスラエルの軍事侵攻、レバノンへの軍事侵攻、土地略奪となって現れる。
パレスチナ問題とは、「殺人株式会社」の投資ビジネス問題であった。
アイゼンベルグに集まった、世界中の富裕層の富と不正資金は「投資」され、利益を上げ、当然高い配当金を支払わなくてはならない。最も高い配当金を生み出すのは、他人の財産を「盗む」略奪ビジネスである。米国の西部開拓、鉄道事業がインディオの土地の略奪による、高配当の投資ビジネスであったように、アラブ人の土地を略奪し「無料」で入手し、再開発し、高額な住宅、商業地として売り抜ける。
アイゼンベルグ社のこの金融ビジネスが、ガザ西岸へのイスラエルの軍事侵攻、レバノンへの軍事侵攻、土地略奪となって現れる。
パレスチナ問題とは、「殺人株式会社」の投資ビジネス問題であった。
エドガー・ブロンフマンは1929年生まれで、「イスラエルそのものの顔」とも表現しました。ショール・アイゼンベルグは1921年生まれで、エドガー・ブロンフマンとは同世代に近いです。ショール・アイゼンベルグの公的な情報は皆無、メジャーな情報もほとんど見当たりませんから謎の人物です。それでも明瞭なのは、ショール・アイゼンベルグはエドガー・ブロンフマンよりも大物だということです。ジョン・コールマン博士の『300人委員会』の名簿にはブロンフマンの名は見当たりませんが、ショール・アイゼンベルグの名は出ています。このことからもブロンフマンよりもアイゼンベルグが、同じ全米犯罪シンジケートメンバーのハザール・マフィアでありながらも、上位にあると判断できます。
『オルタナティブ通信』にショール・アイゼンベルグの情報が出されており、その内容は慎重な検討を要しますが、その中でのショール・アイゼンベルグを「イスラエルそのもの」との表現があり、これは間違っていないように思えます。要は組織犯罪者のギャング団です。