メキシコ便り(116):日経新聞の記者、朝の大統領プレス・コンファレンスに登場!!!

 6月15日(水)朝の大統領プレス・コンファレンスで、イギリスの銀行バークレイズがメキシコのインフレ対策(特にガソリン)を高評価したと言うニュースをロペス・オブラドール政権が発表。この対策のおかげでメキシコのインフレ率10%到達に歯止めがかかった。国のインフレ対策(ガソリンの値上げをしない、ガソリン消費税免除、基本食品24品の値上げをしないなど)、借金を増やしていないことなどが評価され、年末までにメキシコのインフレ率は6.8%に止まり、経済成長は2%の見込みと言うバークレイズ。Polemonより)

 インフレ対策、汚職掃除、国の建て直しに精を出し、エネルギーと食糧の自給自足に日々向かっているメキシコ。来年にはガソリンの輸入をする必要がなくなるらしい。そんな中、ロペス・オブラドール大統領は、世界的なインフレ対策の常識を批判。「一流大学や、専門分野ではインフレ対策に銀行の金利を上げることをやるけれど、これはオーバーヒートした車のエンジンを切るのと同じで、熱は下がる(インフレは下がる)、だけれども車は走らない(経済停滞)のです。最善のインフレ対策は、エネルギーと食糧の自給自足、国内で消費する分を国内で生産し続けることです。」ととてもまともなことを言い、実践しているロペス・オブラドール政権です。エル・チャプセロ・トゥデイより)

 6月6日(月)日経新聞の記者が朝の大統領プレス・コンファレンスに登場!大統領に一番に指され、二つの質問をしました。最初の質問への大統領の回答時間10分、二つ目の質問への回答時間20分。今回は、二つ目の質問(米州サミット)への大統領の回答をほぼ全部取り上げてみました。是非、日本人の皆さま、そして世界のリーダーの皆さまに聞いてもらいたい内容だったので、popoちゃん文字起こしに奮闘し、DeepL無料機械翻訳で訳してもらい、その後、修正を加えました。ちょっと長いですが、これで大統領が毎日どんなに真摯に誠実に丁寧に一人一人の記者と向き合い可能な限りの回答をしているかが垣間見れるかと思います。正直、popoちゃん的に日経の質問に「はぁ〜?!?!」でしたが、最終的に大統領が日本人記者のために30分もかけて答えてくださったので良しとしました。ちなみに朝のプレス・コンファレンスに入るために、朝の4時5時から外で列に並ぶそうです。そして1週間通い続けても指されなかった記者もいるそうです。そんなラッキーな日経。。。でも、記事はどこ?!😅
(popoちゃん💖)
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メキシコ便り(116):日経新聞の記者、朝の大統領プレス・コンファレンスに登場!!!
6月6日(月)朝の大統領プレス・コンファレンスの質疑応答で、一番最初に日経新聞メキシコ駐在員、清水孝輔さんが指されました!質問は2つ。ここではそのうちの一つの質問に対するロペス・オブラドール大統領の丁寧な回答をほぼ全部取り上げてみました。

日経新聞:清水孝輔さんの質問(意訳):

大統領は、サミットから誰も排除してはならないという重要な提唱者ですが、最終的にアメリカがいくつかの国を民主主義が尊重されていない理由で招待しないとしたら、アメリカの民主主義は、メキシコの民主主義とは違うとお考えですか?」

上のツイート文一部を機会翻訳+修正:リチウム契約と米州サミットについてアムロに質問するニッポン人記者

日経新聞メキシコ駐在員、清水孝輔さんの後ろ姿
YouTubeより、以下同


大統領の20分以上に及ぶ回答:

「米州サミットについてですが、やっとメキシコの人々に、私はサミットに参加しないことをお知らせすることができます。政府の代表としてマルセロ・エブラド外相が参加する予定です。アメリカ大陸のすべての国が招待されていないので、私はサミットには行きません。私は、何世紀にもわたって押しつけられてきた排外主義を改める必要があると信じています。アメリカ大陸のすべての国が参加しなければ、南北アメリカ首脳会談はありえません。なぜならそれは国家とその国民を軽視した古い介入政策の継続であると考えるからです。



 バイデン大統領とは非常に良い関係で、彼は良い人です。今回の件では、共和党、特に共和党の一部の指導者と、アメリカのフロリダ州のキューバ・コミュニティと関係のある民主党の指導者が、大きな影響力を持っています。私の見方では、憎しみを持って行動し、民族の兄弟愛を望まず、キューバ人のように無私で威厳ある人々を苦しめようとしていると感じています。選挙が近づくと、もしキューバやアメリカ大陸のどこかの国と新しい政策が実現すると、大きな影響力を持った者がそれに同意しない場合、政党や候補者に投票しないように呼びかけると脅すのです。彼らはそれだけ大きな影響力を持っているのです。


 もちろん、移民に対して最も非人道的で権威主義的なのは共和党の人たちですが、民主党にもいます。バイデン大統領の大変な状況を考えてみてください。上院議員は共和党50人、民主党50人、その50人のうちの1人が上院外交政策委員会の委員長で、それがメネンデス氏です。しかし、もし私たちが一人の人間の決断、一人の人間の影響力、一人の人間の恨みに依存し続け、国民のことを忘れるなら、私たちは国民の痛みを売り物にして、政治・経済状況を改善することで利益を得ると言う派閥的な方法で行動していることになります。それは間違いです。

キューバ系アメリカ人のメネンデス上院議員
Wikimedia_Commons[Public Domain]

 我々の兄弟、アメリカのフロリダ州にいるキューバ人は何人いるでしょう?4百万人です。アメリカには、何人のメキシコ人がいるのでしょう?4000万人です。しかし、彼らは大きな影響力を持っており、今回のような件は誰も彼らに手が出せないのです。彼らは政治を管理していますが、このようなやり方は誰にとっても利益になりません。アメリカ政府自体にも、アメリカ国民にとっても利益になりません。

私は、キューバ人コミュニティ、アメリカ国民、彼らは善良で繊細な人間であることを確信しています。キューバ国民に食糧が届かず、医薬品も届かない封鎖を、どうして続けることができるのでしょうか。これは一種の大量虐殺であり、とてつもない人権侵害です。国連で封鎖の問題が議論されたときに、 すべての国が封鎖解除に投票しましたが、1、2カ国が阻止し、拒否権を持っているため決議が成立しないのです。しかし、封鎖に反対票を投じた人はみな、それだけで満足し気分が良くなり、遵守した気になるのです。このような状況下で、もしメキシコが首脳会談に出席したら、メキシコの外交政策、不干渉と民族の自決について定めた憲法に反し、本末転倒なのです。

機械翻訳:過去30年間、国連総会は、アメリカのキューバ封鎖に圧倒的な反対票を投じてきた。この封鎖は国際法に違反するが、米国は国連安全保障理事会の常任理事国であるため、その票は非民主的な拒否権を持つ。

 バイデン大統領は良い人だと思いますが、共和党の過激派や、全員ではないですが在米キューバ人コミュニティのリーダーたちから強いプレッシャーを受けているため、会えないのが非常に残念です。彼らの影響力は大きいけれど、もういい加減にしなければなりません。私は7月にホワイトハウスを訪ね、アメリカ大陸全体の統合についてバイデン大統領と話し合いたいと思っています。欧州共同体が作られ、そして欧州連合になったように、アメリカ大陸でもそれを行う必要があるというのが私のアプローチです。

Wikimedia_Commons[Public Domain]

 しかし、これは対立をやめ、憎悪をやめ、脅迫や封鎖、干渉をやめ、兄弟愛や良き政治的隣国関係を選ぶという方針転換を意味することになるでしょう。ネルーダが言ったようにかつてアメリカには、隣国と良い関係を持つことを政策にしたフランクリン・デラノ・ルーズベルトという自由至上主義者の大統領がいました。アメリカやカナダも含め、ボリバル*の夢を実現しようではないですか。文化的な関係、友好関係、そして経済的、商業的な関係から、この地域全体をまとめることが我々みんなの利益となるのです。そのことについてバイデン大統領と話しをする予定です。

Wikimedia_Commons[Public Domain]
  【*シモン・ボリバル(1780-1830)ベネズエラ人。南米大陸のアンデス5ヵ国をスペインから独立に導き、統一したコロンビア共和国を打ちたてようとした革命家、軍人、政治家、思想家。ベネズエラ、コロンビア、ボリビア、ペルーの大統領を任務。(Wikiより)】

 また、中米の問題についても、根本的原因を究明せずに、すべて強制的な手段だけで解決しようとするのは、ありえないことです。移民問題などでは主権を尊重した上で、経済統合のために協力し続けることができます。二国間で対処すべき問題もありますが、この機会にメキシコだけでなく、アメリカ大陸の話もしたいと思っています。

しかし、このような状況は非常に残念です。バイデン大統領のことは理解できます、もっと正確に言うと彼の状況を理解できます、しかし、誰かが国の上に立つことは認めません。それが中国であれ、ロシアであれ、アメリカであれ、覇権は受け入れません。どんなに小さな国でも、すべての国は自由であり、独立した存在です。私は、この政策を続けることは共和党の助けにならないと思っています。私たちは、移民やメキシコ人に対する侮辱に、もはや沈黙を守るつもりはありません。私は移民法改正を主張するつもりですし、課題もあります。ただ、共和党の姿勢についてですが、おそらくスポークスマンを使ってサミットは失敗だったと言うでしょう。そうなる可能性はありますが、責任は開放的でなく閉鎖的な政策を維持した彼らにあるのです。



 そして、この民主党の上院議員、特にメネンデス氏、フロリダやアメリカのキューバ人コミュニティのリーダーたちは、大きな影響力を持ちながら、それを冷戦時代の諍いを維持し続けるために利用し、良いことに使っていないのです。そして、政治指導者の問題は、イデオロギー、独断的な考え、狂信、憎悪などです。これはダメです。

どの国でも中心でなければならないのは、国民であって指導者ではないのです。ましてや、生きる権利という最も不可欠なものさえ持たない人々を不公平な状況につけ込み利用することなどはありえません。キューバで人権が侵害されている、グアテマラで人権が侵害されている、どこどこで人権が侵害されている……と言っています。何を言っているのですか?ある権力による国の封鎖は、明白な人権侵害ではありませんか?だから米州サミットには「ノー」なのです。


 私はバイデン大統領にハグを送ります。私は彼の状況を理解しています。それは何十年も適用されてきた政策ですが、もし我々がもう十分だと言わなければ、どの国もどの民族も出口を見つけることはできないでしょう。危機に瀕したどんな国も、どんな人々も、今メキシコでやっているような深遠な変革を実行しなければ前に進むことはできません。

もし私たちが同じことを繰り返して昔ながらの政策を続けていたら、メキシコは火の海になり統治不能になっていたでしょう。しかし退廃の前には変革があります。それをあえて実行しなければなりません。政治家が自分たちはどうなるのかと考えると、政治的にうまくいきません。国民が求めているのは、信頼できるリーダーです。自ら変革し前進し、問題に直面し、自分の立ち位置を定義し、票を失うことさえも覚悟の上で、すべてを賭けることができること、それらを国民は求めています。

 (中略)...以上、あなたの質問への回答です。」

こちら(↓)が、この質疑応答後の清水さんの記事のよう。
えっ?!これだけ?!😱


しんぶん赤旗さんの方がまだイケてるような。。。



(popoちゃん💖)

Writer

popoちゃん

メキシコ人夫とメキシコ在住中♪
新アムロ政権の勢いある改革ぶりを中心に
「今のメキシコ」をお届けいたします!

体癖5・9、ピッタ・カファ、エニアグラム1


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