「米国主導の一国主義から多極化への移行」は必然、ウクライナ紛争で決着がついた“(従来の)アメリカ主導の欧米の絶対的な地政学的・世界経済的優位性”の終わり

竹下雅敏氏からの情報です。
 プーチン大統領は、“親愛なる皆様へ。…今年は私たちに対して本格的な制裁戦争が繰り広げられました。制裁を始めた人々は、私たちの産業、財政、運輸システムの完全な崩壊を予想していました。しかし、そうはなりませんでした。私たちは、共に信頼できるセーフティネットを作り上げたからです。…正義の「多極化した世界秩序を追求する」他の国々にとって、ロシアの利益と未来のための我々の戦いは間違いなく模範となるものです”と言っています。
 「米国主導の一国主義から多極化への移行」は必然であり、“(従来の)アメリカ主導の欧米の絶対的な地政学的・世界経済的優位性”は終わったのです。ウクライナ紛争で決着がついたのです。ロシアの勝利が覆ることはありません。
 しかし、その事を認めようとしない往生際の悪い、頭の悪い連中がいて、核戦争も辞さないという態度を続けています。1月5日の記事でダグラス・マクレガー大佐は、“私たちがこの道をこのまま歩み続け、ロシアに対して 「私たちは核兵器を準備している」 というシグナルを送り続けたなら、その後に待っているのはアルマゲドンだということです”と警告していました。
 日本政府がどうにもならないのは見ての通りです。西村経済産業大臣は、戦略国際問題研究所(CSIS)にて「幻想を乗り越えた先の新しい世界秩序」というテーマで、(幻想に満ちた)政策スピーチを行ったようです。
 スピーチの一部と、私のコメントを記します。
 「経済を成長させ、自信を深めた権威主義国は、次第に、国際秩序への挑戦をも恐れなくなった。その結果が、ウクライナ侵略です」…欧米はロシアを破壊するためにロシアをウクライナ紛争に引きずりこみ、経済制裁でプーチン政権を崩壊させようとしたが、逆効果となり今や自分たちの首を絞める結果になっているということですよね。
 「軍事費の急速な拡大、核戦力の増強をはじめとした軍事力の質的・量的な
強化は、周辺国にとって脅威を増大させています」…そう考えるのなら、日本の軍事力の質的・量的な強化は控えるべきでしょう。
 「ウクライナの人々は、今この瞬間も、祖国を守り、愛する家族を守るため、厳しい冬の寒さの中、ロシアの侵略に勇敢に立ち向かっています」…西村大臣はウクライナのナチスを知っていますか? 今、ウクライナで戦っているのは傭兵ですよ。テレビを見るのを止めると、少しは世界情勢が分かるようになりますよ。
 「ロシアからのノルドストリームのガス供給停止は、欧州の企業活動、人々の生活に大きな足かせとなっています」…経済制裁のブーメランが返っただけだと思いますけど。それに、ノルドストリームを破壊したのはイギリスです。
 「私たちの産業や暮らしにとって、欠くことのできない物資やテクノロジーは、外国、とりわけ特定の国に過度に依存してはならない」…そう思うのなら、食料の自給が一番大事なのでは?
 「合成生物学やバイオ製造の分野に、日本は8ビリオンドルを投資します」…昆虫食や培養肉は要りません。地球環境を守るためにもオーガニックな食品を増やしましょう。
 「悪意ある者による重要技術の誤用や、新興技術の不適切な移転に対処するためには、輸出管理における協力強化も極めて重要です」…ウイルスが武漢研究所から流出したことを認識していますか? まず、悪意ある者による犯罪を究明し、取り締まることからやって下さい。
 「日本は、アジアゼロエミッション共同体構想を実現していきます。その中で、CO2排出量が少なく、将来の水素転換も可能なLNGは、極めて戦略的なエネルギー資源です」…オオマサガスを知っていますか? 水が燃えるのですよ。これでエネルギー問題、CO2の問題は解決です。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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配信元)

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西村大臣が米国・戦略国際問題研究所(CSIS)でスピーチをしました
引用元)
1月5日(木曜日)、西村経済産業大臣は米国・戦略国際問題研究所(Centerfor Strategic International Studies: CSIS)で政策スピーチを行いました。

西村経済産業大臣はCSISにて「幻想を乗り越えた先の新しい世界秩序」というテーマで、政策スピーチを行いました。ウクライナ侵略など権威主義による国際秩序への挑戦が大きな課題となる時代に、「自由で開かれたインド太平洋」の実現を訴え、経済安全保障の強化、同志国連携の強化、抑止力の強化という「3つの強化」に取り組む重要性を指摘しました。


当日の講演の様子は以下のCSISのホームページ(こちら)から視聴可能です。

関連資料
西村経済産業大臣のスピーチ(英文)
西村経済産業大臣のスピーチ(和文)

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日本の大臣が新世界秩序を呼びかけ
引用元)
日本の通産相は7日、冷戦後の自由貿易と経済的相互依存の中で繁栄してきた権威主義的な政権の台頭に対抗するため、「新しい世界秩序」が必要であると述べた。

画像はシャンティ・フーラがツイートに差し替え
1月5日、ワシントンのCSIS本部で、戦略国際問題研究所(CSIS)に対して、日本の2023年のG7優先課題について発言する西村康稔経済産業相。

「権威主義的な国々は、経済的にも軍事的にも、とてつもない力を蓄えている」と、日本の西村康稔経済産業大臣は述べ、「自由、民主主義、人権、法の支配という基本的価値に基づく世界秩序を再構築しなければならない」と付け加えた。
(中略)
西村氏は、来週岸田文雄首相がワシントンを訪問し、ウクライナ、北朝鮮、中国の台湾との緊張を含む問題を扱うと予想される会談に先立ち、こう語った。この首脳会談に先立ち、両国の防衛・外務大臣が会談を行う予定だ。

岸田氏は今週、アジアで強大化する中国に対抗するワシントンの重要な同盟国が先月、第二次世界大戦後最大の軍備増強を発表したことを受け、東京の新しい安全保障政策について話し合うと述べた。-ロイター
(以下略)
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日本の大臣が新世界秩序の構築を呼びかけ
引用元)
(前略)
権威主義的な政権の台頭は、新しい世界秩序によって封じ込めなければならないと、日本の経済産業大臣が述べました。これらは、冷戦終結以来、繁栄してきました。彼は、アメリカ主導の欧米覇権が実現することを望んでいます。

日本の経済産業大臣である西村康稔は、現在の世界秩序に不満を持っています。これは、米国主導の一国主義(ソ連崩壊後の力の空白から生じたもの)から多極化への移行のことを指しています。米国主導の西側諸国に加え、中国とロシアの(再)強化されたパワーが新たな世界・地域パワーセンターを形成し、トルコ、イラン、サウジアラビアなどの他の地域パワーもその影響力を高めようとしています。

西村はこのことに不安を感じています。第二次世界大戦の終わりまで、アジア太平洋地域で侵略的な征服政策を追求していた日本は、敗戦と事実上の米国の占領以来、ドイツと同様に、事実上、ワシントンの属国となることを進めてきたからです。
(中略)
したがって、西村の「新世界秩序」は、(従来の)アメリカ主導の欧米の絶対的な地政学的・世界経済的優位性を指向しているように思われる。
(以下略)

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