ぴょんぴょんの「オーソモレキュラー」 ~現代医学の穴を埋める、代替医療の代表選手

 むかし、うちの診療所を手伝ってくれた女医さんがいました。ホメオパシーの学校も一緒に通ったくらい、医療の考え方がほとんど同じでした。予防接種の危険性を知ってから、「それでも親か!」と小児科医から怒鳴られても、医師である主人とケンカしても、自分の子に予防接種を打たせなかったツワモノです。コロナが流行りだして、最初に「イベルメクチン」の名を聞いたのも彼女からでした。
 そんな彼女は、いち早くオーソモレキュラーを勉強して、うちの患者さんにサプリメントを処方してくれていました。私はそれを傍から見ていただけで、オーソモレキュラーのことはほとんど知りません。
(ぴょんぴょん)
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ぴょんぴょんの「オーソモレキュラー」 ~現代医学の穴を埋める、代替医療の代表選手

分子矯正医学(オーソモレキュラー)を提唱したライナス・ポーリング博士



オーソモレキュラーって、何だ?

ortho:整える+molecular:分子=〈生体内の分子を整えることで治療を行う医学〉。命名したのは、ライナス・ポーリング博士(1901-1994)。

Wikimedia_Commons[Public Domain]

あたま良さそう!!

そりゃ、もお! 良いに決まってるよ。1954年ノーベル化学賞、1962年ノーベル平和賞の2度もノーベル賞を受賞してるからね。 ノーベル賞を2度受賞した5人のうちの1人で、キュリー夫人に次いで2人目だって。(Wiki

キュリー夫人のノーベル賞はいわくつきだが・・。ポーリング博士、化学者なのにどうして平和賞も? 平和賞を取るヤツにろくなのがいねえ、ってのがおれの印象だが。

そうだね、スー・チー、ダライ・ラマ、オバマ、マララ・・・。でも、ポーリング博士の平和賞は納得できるよ。だって、断固として核兵器に反対した人だからね。「原爆の父」で知られる、あのオッペンハイマーから、マンハッタン計画に誘われて、「自分は平和主義だから」と断ったんだからね。(Wiki

オッペンハイマー
Wikipedia[Public Domain]

へえええ?!

共産主義者と呼ばれようと、アメリカ国務省からパスポートを剥奪されようと、彼は核実験、軍備拡大、戦争に反対する活動をやめなかった。それが評価されて、ノーベル平和賞を授与されたんだよ。(Wiki

科学者にも、まともなのがいるんだな。

でも、本職は化学者だよ。ポーリング博士は、20世紀で最も重要な化学者と呼ばれている。特に分子生物学の草分け的存在で、大量ビタミンCなどの栄養素を摂取する健康法、分子矯正医学(オーソモレキュラー)を提唱した。Wiki

「大量ビタミンCの摂取で風邪が治る」を考えたのは、このおっさんだったのか!


精神疾患にビタミンが効く


臨床でオーソモレキュラーを使い始めたのは、カナダの精神科医アブラム・ホッファー。彼は、統合失調症の患者にナイアシン(ビタミンB3)の大量投与をして、その効果を証明した。

へえ、精神疾患にビタミンが効くのか?

大量投与だからね。どれだけ大量かと言うと、ナイアシンの1日最大許容摂取量は大人で30mgなのに、ホッファーは、統合失調症の患者さん30人に1日3000mgも投与したんだよ。(臨床分子医学研究会

100倍かあ! 勇気あるなあ。

でも、ちゃんと結果も出てるんだ。2年後に90%以上が改善したんだよ。臨床分子医学研究会

統合失調症で苦しんでいる患者にとって、朗報じゃねえか! なのに、ちっとも知らなかったし、精神科でそんな療法をやってる話も聞かねえし。いくら大量とは言え、向精神薬より安全なのに。

たぶん、叩かれて、消されたんじゃない?

はあ〜、いつの時代も真実は消される運命か。


オーソモレキュラー療法の3本柱、ポイント


とは言っても、みんながみんな、オーソモレキュラーでこんなに良くなるわけじゃないと思うよ。ケースバイケース、みんな違うからね。

だよなあ、そいつに欠乏している栄養素は何なのか、それをどのくらいの量、どのくらいの期間飲ませればいいかを診断するのは、難しそうだな。

一般的な血液検査データを見れば、栄養状態がわかるそうだよ。MSS


ほお! 血液検査で?

そう、医師なら、自分とこで検査できるし、データも見慣れているから、取っつきやすいよね。だから、オーソモレキュラー療法を取り入れるクリニックが、急速に増えたんだと思うよ。2022年5月時点で、全国10万の医療機関のうち4%、約4,000の医療機関でオーソモレキュラーが導入されているからね。(MSS

そんなに、普及しているのか。

特に、心療内科・精神科が多いらしい。

心療内科・精神科は、向精神薬以外の方法がなくて、行き詰まってるからな。そう言えば、ワクチン反対の先頭を走るナカムラクリニックの先生も、心療内科・精神科を標榜しながら、オーソモレキュラーをやってたな。

オーソモレキュラー療法の3本柱は、「食事」「サプリ」「生活習慣指導」で、食事は「血糖値の安定化」と「タンパク質の最適な量の摂取」が基本、不足している栄養素は高用量のサプリで補充し、生活習慣の指導も行う。オーソモレキュラー栄養医学研究所

ふつうのドラッグストアのサプリじゃ、ダメなのか?

ドラッグストアのサプリは食品扱いで、医薬品じゃないから法律の規制もない。つまり、品質の保証がないんだ。それに比べると、オーソモレキュラーで使うサプリは、医療機関専売のサプリだから高品質なんだよ。(Laetus Clinic)オーソモレキュラーで使われるサプリには、これだけの種類があるんだよ。

へええ、いっぱいあるなあ、どれか飲んでみてえな。

医療機関にかからないと出してもらえないけどね。でもね、この記事によると、オーソモレキュラーのクリニックにかかると、お財布が苦しいらしいよ。医療機関専売サプリは保険が効かないから、月に何万円もかかるとか。


保険が効かないのは、キツイな。

実際に、「パニック障害」でオーソモレキュラー療法を受けている「20代専業主婦の敏感ひつじ」さんによると、月に約3~5万円かかることがあるそうだよ。それだけかけても、半年間、体調に大きな変化は感じていないとのこと。

それは、続けるの大変だなあ。

心療内科・精神科にかかる人たちは治るまで時間がかかる。その分、長く服用しないといけないから、経済的に大変だね。それだけじゃなく、こういう問題もあるみたい。「結局のところ、精神科の薬がサプリやプロテインに置き換わっただけで、『依存的な心』という、うつ・不安の最大の原因のひとつが解決していないので、問題の先延ばしに過ぎません。」(note

たしかに、サプリに依存してたら、解決にはならない。向精神薬よりはマシだが。

医師から見ても、オーソモレキュラーにはエビデンスがない、治験や二重盲検法によって検証されてないって、認めない人も多いね。note

今、苦しんでる患者に、片方はサプリ、片方はプラセボを与えて実験しろ、なんて、臨床じゃムリ。 

内科開業医の先生が書いた「オーソモレキュラーの何がいけないか」でも、やはり、科学的根拠に乏しい、高度なエビデンスに裏付けされていないと言っている。でもね、そうは言いながらも、この先生は、オーソモレキュラーを支持してるんだ。理由は、「これはもう単純に、私の娘やほかの身内をはじめ、調子が良くなった人を何人も見ているからです。」そして、何より、有効な治療がない患者さんにとって、極力負担のない方法だからと言っている。note

身内が良くなったら、信用するだろうな。

ある医師の奥さんは、めまいで苦しんでいて、血液検査その他も正常で、考えられる治療法はすべて試したのに治らない。そこで、オーソモレキュラーの専門家に血液データを見せて、食事とサプリの指導を受け、サプリを飲ませたら、「妻は、枯れかかった草花がみるみる元気になるように改善していったのです。」そこから、オーソモレキュラー専門医に変身したそうな。本がすき。


おお!

でもさ、思うんだけど・・たしかにオーソモレキュラーは理にかなっているし、合うケースもある。だけど、これだけじゃ、すべての病気を治すことはできないよね。

ああ、オーソモレキュラーを実行するに当たってのポイントは、その人の「何が」「どのくらい不足」していて、「どれだけの量」を「どれだけの期間」投与したらいいか。

そんなことが全部、正確にわかる治療家がいたら、天才だね。AIならわかるかも。

AIでさえ、体のセンサーには勝てないだろ。たとえば、同じ量のビタミンCを飲んでも、ある日はおいしく感じ、ある日は酸っぱく、ある日はまったく味がしない。重曹もそうだ。ある日はしょっぱくて飲めねえのが、ある日はおいしく感じる。今、ビタミンCが必要か、重曹が必要か、体が教えてるんだ。なのに、毎日毎日同じ量で、規則正しく朝晩飲む? それで、いいんか?

う〜ん、いちいち、体に聞かないとわからないよ。

そうだ、体に聞かないとわからねえ。じゃあ、医師の指導通り、食事も生活習慣も気をつけて、サプリを飲んで良くなった。そのサプリの止め時はいつだ?

う〜ん、気分的にはしばらく続けたいよねえ。でも、おカネがかかるからなあ。

実は、オーソモレキュラーの3本柱の、健康的な食事と生活習慣が一番大事で、サプリは一番最後なのよ。


でも、サプリが一番手っ取り早いから、ついつい頼みの綱にしてしまいそう。

食事と生活習慣がちゃんとしていれば、余った栄養素は排泄し、足りない栄養素は作り出すというように、体のセンサーが自動的にやってくれる。ただ、そのセンサーが壊れた時が問題だ。特定の栄養素に過不足が起きる。そこで、オーソモレキュラー診断をして、足りない栄養素を補って正常な状態に戻す。うまく行けば、壊れたセンサーの修理までできるかもしれない。


高いサプリを飲む以前に


じゃあ、なにがセンサーを壊すの?

くすり、ワクチン、電磁波、ストレス、ネガティブな波動・・。

高いサプリを飲む以前に、そういうものから体を守らないといけないね。

ネガティブな波動への対処法は、シャンティフーラが提供してくれている。ヤマ・ニヤマ除霊と浄化の祈り

経筋体操も、健康維持にいいよね。それに、これらは、オール無料だよ!

さらに、概念を変えることも重要だ。「病気」と聞くとイヤなイメージが強いが、「症状」は病気じゃなくて「よくなる兆候」だ。自分の体が異変に気づいて、警報を鳴らしているだけ。そこを理解して、心穏やかに発熱・発疹・嘔吐・下痢・腹痛を見守っていると、いつのまにか毒出しがすんで、それまでよりもっと健康になっている。

そこに、余分な薬はいらないね。

症状が耐えられなくて、生きるか死ぬかの時は使って良い。だが、必要最低限にとどめて、体がやろうとしていることを、できるだけジャマしないこと。

ちょっとだけ、忍耐力が必要だけどね。じゃ、心の病気は?

ヤマ・ニヤマ、除霊と浄化の祈りは外せない。だが、苦しいときは自分の心を見つめるチャンスだ。思っていることを書き出して、自分をカウンセリングする。トラウマが深ければ、専門家にカウンセリングしてもらってもいい。

オーソモレキュラーだって、ホメオパシーだって、CBDオイルだって助けになるね。それでも、どうしても自力でうまく行かない時はどうするの?

その時こそ、祈る時だ。



Writer

ぴょんぴょんDr.

白木 るい子(ぴょんぴょん先生)

1955年、大阪生まれ。うお座。
幼少期から学生時代を東京で過ごす。1979年東京女子医大卒業。
1985年、大分県別府市に移住。
1988年、別府市で、はくちょう会クリニックを開業。
以後26年半、主に漢方診療に携わった。
2014年11月末、クリニック閉院。
現在、豊後高田市で、田舎暮らしをエンジョイしている。
体癖7-3。エニアグラム4番(芸術家)

東洋医学セミナー受講者の声

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