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こんなに休むのは開業以来初めて
古い話ですが、45年前カナダに暮らしていた頃、夫は5時帰宅でした。土日も休み、その上、夏休みが1か月取れました。乳児を2人抱えて社会から孤立していましたが夫がいてくれるから幸せでした。
そんな生活が当たり前だと思って帰国したら、夫は深夜まで帰ってこなくなり、母子家庭同然の生活にストレスと疑問を感じてきました。
その後、小児科医院を開業しましたが定年がないので77歳になった今も働き続けています。旅行に行きたいと思っても、まとまった休みを取ることができませんでした。
今回、意を決して、3週間の休みを取り、オーストラリアに住む次女のところに行く事にしました。こんなに休むのは開業以来初めてです。従業員は大喜びでしたが、周りでは「先生が入院したのでは?」「閉院するのでは?」と噂になっていたようです。
ちょうどインフルエンザが猛威を振るっている時期でしたので、出発の直前まで連日夜の7時まで診察していた夫は疲れ果て、倒れるのではないかと心配しました。出発の日も逃げるように家を出ました。
今回の旅は息子家族、お嫁ちゃんのご両親、そして長女の孫2人も一緒でしたが、息子も同様、勤務している大きな病院の小児科医を急に減らされたので予定していた旅行に行けなくなったと言い出しました。みんながっかりです。
話し合って、息子家族は日程を6日間に減らして行く事になりました。帰国したらすぐに当直です。行く意味があるのか?とため息が出ます。
さあ、そんな思いを振り切って出発です!
ところが、行きの飛行機の中で中2のお兄ちゃんが宿題をしていました。「間に合わない~」と悲痛な顔です。そうなのです。子ども達も冬休みの宿題を抱えての旅でした。
オーストラリアの小学校の様子
迎え入れてくれるオーストラリアの次女家族は親子とも1か月半の夏休み中。久しぶりに会う孫は6歳の男の子ですが娘の肩くらいまで身長が伸びていました。
夏休みが明けたら小学2年生です。クラス替えがあるけど一緒になりたいお友達を3人選べるそうです。そのうち1人は一緒のクラスになり、新しい担任の先生もわかっているので楽しみにしていました。
次女の家の近くに住んでいる姪の子ども達は4年生と6年生の女の子。いい機会なので次女と姪にそれぞれの小学校の様子を聞いてみました。
オーストラリアは子どもを褒めて伸ばす教育方針。2人が住んでいる州は休みの日は宿題を出してはいけないと決まっています。平日の宿題は書き取りと計算を1題ずつ。でも、読書だけは赤ちゃんの時から推奨されているので一日一冊読むように勧められるそうです。
学校への持ち物は弁当と水筒、おやつのみ。筆記用具とノート、教材は学校に用意されています。そもそも教科書がありません。
これを日本の子ども達が聞いたらひっくり返りそう。
孫の学校は700人規模なので校長先生と3人の副校長先生がいて、副校長先生は授業のカリキュラム担当、生徒や先生のウェルビーイング担当、経営担当に分かれているそうです。学校の話し合いには生徒代表、保護者代表も参加するとのこと。
先生は学年固定のスペシャリストで、どの先生も優しいそうです。人と比較するテストや成績表は無いけれど、子どもの様子をよく観察して年に2回生徒個人のレポートを書いて面談の時に専門家としてのアドバイスをくれるそうです。
先生は8時くらいに来て4時には帰る。教え方は先生の裁量に任されているので、プランニングデイを設けて同学年の先生が集まって授業のプランを立てるそうです。その間、生徒は別の先生が教えてくれるそうです。学校のカリキュラムデイは学校をお休みにして先生達が話し合うとのこと。先生の労働時間も配慮されているのでしょう。
生徒も先生も秋休み、冬休み、春休みが2週間ずつ。夏休みは1か月半。残業は少しあるけれど休暇中に仕事をすることはないそうです。アメリカの先生は休みの間は給料が出ないけどオーストラリアは保障されているそうです。
これを日本の先生が聞いたらひっくり返りそう。
ただ、最近はタイガーペアレントと言って子どもに過度な期待をするクレーマーが増えたので保護者対応に苦労しているそうです。そんな時、ウェルビーイング専門職の副校長先生が対応してくれるとのこと。
朝8時半に学校が始まりますが、親の仕事の都合で朝と放課後、長期休みに学童保育があります。学童の先生が優しくて自由に外遊びもできるので孫は楽しみにしているそうです。
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孫の学校は広い公園が併設されてサッカーグラウンド、テニスコート、BMX(自転車モトクロス)、遊具があって住民に開放されています。夏は夜の9時まで明るいので近所の人がスポーツを楽しんでいました。
通学は低学年までは親が送っていきます。始業時間まで公園や校庭で遊んでいますが、始業時間になると先生がクラスのドアを開けてくれます。学校は平屋建てが多く、学年別に分かれていて学年共有の部屋もあります。校庭から直接教室に入れます。
子ども達はグループに分かれて座り、テーブルの真ん中に筆記用具、ノート、紙、画用紙などが置いてあります。授業によってみんなで協力したり、1人で学んだりするそうです。本もたくさん置いてあり、学校から図書館にも行くそうです。タブレットは高学年になったら購入しなければいけないそうですが、低学年はほとんど使わないそうです。
発達しょうがいの子どもも同じクラスに居て、その子が落ち着くような揺れる椅子や感覚を和らげてくれるクッション、抱き心地のいいぬいぐるみやソファ、感覚刺激を落ち着かせるプチプチまで用意してあり、必要があれば専門の先生がサポートに入るそうです。
外国籍で言葉がわからない子や授業についていけない子は別の時間割でフォローしてくれるし、逆に能力が高い子はアドバンスクラスが用意されているそうです。
音楽、アート、理科などの授業は外部のスペシャリストが授業してくれるそうです。体育も体を動かすだけの授業と、スポーツ競技の時間は別で高学年になったら好きなスポーツを選べるそうです。運動会はありません。
ランチまでの間にモーニングティーという長めの休み時間があって、持ってきたおやつを食べるのが楽しみだそうです。ランチはオーダーもできるけど孫はいつもパパが作った日本食を持っていくそうです。
日本で増えている不登校やいじめの問題を聞くと「学校が楽しいので不登校の子はいないなあ。政府がホームスクールも支援してくれるのであまり気にしていないよ」と言っていました。シュタイナーの学校、モンテッソーリの学校もあるから自分で選べるし、ホームスクールは家に教材が送られてくるから不登校という感覚がないとの事。オンライン授業やコミュニティスクールもあるので子どもに合わせて選べるそうです。
「いじめはあるけどウェルビーイング専門の副校長先生やスクールカウンセリングの先生が対応してくれるから深刻にならない」と話してくれました。
実は入学の年齢に2歳の幅があり、親が子どもの成長を見て選ぶそうです。孫は背が高くて年上の子の友達が多いので1年早く入学したそうです。
親も積極的に授業のお手伝いをしたり、寄付金集めの楽しいイベントを企画するそうです。
オーストラリアらしくて笑ったのは学校で飼っている動物がトカゲ!飼育係は当番制で夏休みは親子でお世話しに行くそうです。孫もパパと行くのを楽しみにしていました。
ただ、次女も姪も口をそろえて、生徒が掃除する事と栄養のバランスが取れた給食は日本の方がいいと言っていました。
あまりにも自由な子ども達は公共の教室や学校をきれいにする意識がなく、嫌いな食べ物を粗末にしている姿をよく見るそうです。スナックにジャンクフードを持ってくる子も多いとのこと。食育は大事だと言っていました。
姪は子ども達が高学年になったら1年間くらい日本の学校に行って社会性を身につけさせたいと言っていました。アメリカの学校に行った長女の孫も「小学校はアメリカの方が楽しかったけど、中学校は絶対日本の方がいい」と言い出しました。「なぜ?」と聞いたら「アメリカの中学校は単位制で自分が選択した科目によって教室を移動するからクラスメイトがいないし、荒れている人が多いから楽しくなかった」とのこと。ふむふむ。
最近、「小学校~それは小さな社会~」(山崎エマ監督)という映画が話題になっています。フィンランドなど教育先進国で逆に日本の教育が見直されて絶賛されているそうです。
https://hugkum.sho.jp/668092
これについては別の機会に記事にしたいと思います。
さて、動物保護の仕事をしている次女の案内でオーストラリアの自然や動物を満喫していたら、日本にいる長女から中学1年生の孫が部屋で泣いているから話を聞いてあげてという連絡が来ました。急いで部屋に行って聞いてみると「宿題が溜まって楽しめなくなった」と言うのです。
「えっ?宿題?どのくらいあるの?」「60ページ」「んまあ⁉でも、この体験の方が大事よ。宿題はしなくていい」「駄目だよ。先生は旅行のこと知らない」「お母さんから言ってもらえばいいでしょ」「駄目だよ、学校が始まってからさせられる。毎日の宿題も多いから無理だよ」と涙が溢れてきます。
その会話を聞いていたオーストラリアの次女や姪は信じられないという顔をしています。
孫の涙が止まらなくなったので宿題に付き合うことにしました。ところが、文章問題の難解なこと!内容も中学一年生の人生経験では理解できないような屈折した心の描写です。こんな本読んでいたら気分が悪くなりそう。
そして質問も難解で何文字以内で書きなさい、文章の言葉を使って書きなさい、など答え方まで指定しています。どうも、文章の内容を理解させるというより、テストのための回答の仕方を覚えさせるのが目的のようです。
「いつもこんな文章読解をしているの?」と聞いたら「僕は4年間日本に居なかったから漢字も内容もわからない」と半泣きです。読書好きな孫です。これでは日本語の本が嫌いになります。そんな宿題を出さないでほしい!と憤りを覚えました。
古文、漢文、文語体の文章も自分が興味を持った時に紐解けば楽しいのに、文章の意味が分からないのに読み方だけ教えられて質問は終わり。昔から変わっていません。
結局、答えを見ながら解説してやっつけましたが「こんな宿題わからなくても気にしなくていいよ。人生にはもっと大事なことがいっぱいあるから自分で見つけようね」と話しました。
数学の宿題も難しくて、ばあばやじいじの手に負えません。そもそも、1人ではできないような難しい宿題を休暇中に出すなんておかしいと思います。
今、若者にフランツ・カフカの変身のような不条理な世界を体験するゲームや動画が流行っているそうです。若者はNOと言えない宿題、学校生活を送りながら不条理を感じつつゲームに変えて笑いながらあきらめているのだろうか?と怖くなりました。
https://note.com/reibizero/n/n0b2eea559ae9
日本で育ちオーストラリアで暮らす次女と姪は宙を見つめて「日本人は一生懸命勉強したり、仕事したりしているのに幸福度や生活水準を見るとすごく低くて疑問に思う」と言いました。
いよいよ帰国する日がやってきました。ところが乗るはずの飛行機が遅れると連絡が来て、乗り継ぎが不可能になったので一日伸ばすことになりました。
すると急に長女の高校1年生の孫の顔が曇ってきました。聞くと、すでに授業が始まっていて、このままでは授業についていけなくなると言い出したのです。「えっ?伸びたのは1日だけよ」「授業が始まっているから1日でも大変なの。テキストを読んで理解していないとレポートが書けない。先生にメールで聞いたら自分で読んできなさいと言われた。帰ってすぐに勉強するつもりでテキストを持ってきてない」と半泣きです。
次女に相談したら、その英語の文献をネットで探して解説しながら読み解いてくれました。偶然専門の生物、生化学の分野だったのでラッキーでした。「学校の先生よりわかりやすい」と孫の顔がみるみる明るくなっていきました。
一件落着でしたが、授業を1日休むだけでそんなに追いつめられるのか?と驚きました。1人で読んで理解できない内容にも驚きです。
一方、好きな国語と生物しか勉強しなかった次女が赤点ばかりだった数学まで見事に教えている姿を見てびっくりしました。やはり好きな道から学んだらやる気が出て、苦手な数学もできるようになると確信しました。
子ども達よ、この世は不条理ではないはず。どうか、競争社会の罠にはまって自分はダメだと自信を無くさないで欲しい、傷つかないで欲しいと願います。人の真価は自分の内にあり、直接神様と繋がっているのです。
さて、帰国した今、ゆとりを渇望しながらも忙しい生活に戻ってしまいました。
次女のパートナーの両親は自分の家を貸しながら3年かけてキャンピングカーでのんびり全国を回っているそうです。そんな余生もあるのかと、私たちの老後のスケールを広げてもらったような気がしました。
通学は低学年までは親が送っていきます。始業時間まで公園や校庭で遊んでいますが、始業時間になると先生がクラスのドアを開けてくれます。学校は平屋建てが多く、学年別に分かれていて学年共有の部屋もあります。校庭から直接教室に入れます。
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子ども達はグループに分かれて座り、テーブルの真ん中に筆記用具、ノート、紙、画用紙などが置いてあります。授業によってみんなで協力したり、1人で学んだりするそうです。本もたくさん置いてあり、学校から図書館にも行くそうです。タブレットは高学年になったら購入しなければいけないそうですが、低学年はほとんど使わないそうです。
発達しょうがいの子どもも同じクラスに居て、その子が落ち着くような揺れる椅子や感覚を和らげてくれるクッション、抱き心地のいいぬいぐるみやソファ、感覚刺激を落ち着かせるプチプチまで用意してあり、必要があれば専門の先生がサポートに入るそうです。
外国籍で言葉がわからない子や授業についていけない子は別の時間割でフォローしてくれるし、逆に能力が高い子はアドバンスクラスが用意されているそうです。
音楽、アート、理科などの授業は外部のスペシャリストが授業してくれるそうです。体育も体を動かすだけの授業と、スポーツ競技の時間は別で高学年になったら好きなスポーツを選べるそうです。運動会はありません。
ランチまでの間にモーニングティーという長めの休み時間があって、持ってきたおやつを食べるのが楽しみだそうです。ランチはオーダーもできるけど孫はいつもパパが作った日本食を持っていくそうです。
日本で増えている不登校やいじめの問題を聞くと「学校が楽しいので不登校の子はいないなあ。政府がホームスクールも支援してくれるのであまり気にしていないよ」と言っていました。シュタイナーの学校、モンテッソーリの学校もあるから自分で選べるし、ホームスクールは家に教材が送られてくるから不登校という感覚がないとの事。オンライン授業やコミュニティスクールもあるので子どもに合わせて選べるそうです。
「いじめはあるけどウェルビーイング専門の副校長先生やスクールカウンセリングの先生が対応してくれるから深刻にならない」と話してくれました。
実は入学の年齢に2歳の幅があり、親が子どもの成長を見て選ぶそうです。孫は背が高くて年上の子の友達が多いので1年早く入学したそうです。
親も積極的に授業のお手伝いをしたり、寄付金集めの楽しいイベントを企画するそうです。
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小学校の100周年イベントで全員が100歳の格好をして登校
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カラーラン。色を付け合った後、消防自動車の放水で逃げて遊ぶ子ども達。
オーストラリアらしくて笑ったのは学校で飼っている動物がトカゲ!飼育係は当番制で夏休みは親子でお世話しに行くそうです。孫もパパと行くのを楽しみにしていました。
日本の教育が見直されている
ただ、次女も姪も口をそろえて、生徒が掃除する事と栄養のバランスが取れた給食は日本の方がいいと言っていました。
あまりにも自由な子ども達は公共の教室や学校をきれいにする意識がなく、嫌いな食べ物を粗末にしている姿をよく見るそうです。スナックにジャンクフードを持ってくる子も多いとのこと。食育は大事だと言っていました。
姪は子ども達が高学年になったら1年間くらい日本の学校に行って社会性を身につけさせたいと言っていました。アメリカの学校に行った長女の孫も「小学校はアメリカの方が楽しかったけど、中学校は絶対日本の方がいい」と言い出しました。「なぜ?」と聞いたら「アメリカの中学校は単位制で自分が選択した科目によって教室を移動するからクラスメイトがいないし、荒れている人が多いから楽しくなかった」とのこと。ふむふむ。
最近、「小学校~それは小さな社会~」(山崎エマ監督)という映画が話題になっています。フィンランドなど教育先進国で逆に日本の教育が見直されて絶賛されているそうです。
https://hugkum.sho.jp/668092
これについては別の機会に記事にしたいと思います。
手に負えない日本の学校の宿題
さて、動物保護の仕事をしている次女の案内でオーストラリアの自然や動物を満喫していたら、日本にいる長女から中学1年生の孫が部屋で泣いているから話を聞いてあげてという連絡が来ました。急いで部屋に行って聞いてみると「宿題が溜まって楽しめなくなった」と言うのです。
「えっ?宿題?どのくらいあるの?」「60ページ」「んまあ⁉でも、この体験の方が大事よ。宿題はしなくていい」「駄目だよ。先生は旅行のこと知らない」「お母さんから言ってもらえばいいでしょ」「駄目だよ、学校が始まってからさせられる。毎日の宿題も多いから無理だよ」と涙が溢れてきます。
その会話を聞いていたオーストラリアの次女や姪は信じられないという顔をしています。
孫の涙が止まらなくなったので宿題に付き合うことにしました。ところが、文章問題の難解なこと!内容も中学一年生の人生経験では理解できないような屈折した心の描写です。こんな本読んでいたら気分が悪くなりそう。
そして質問も難解で何文字以内で書きなさい、文章の言葉を使って書きなさい、など答え方まで指定しています。どうも、文章の内容を理解させるというより、テストのための回答の仕方を覚えさせるのが目的のようです。
「いつもこんな文章読解をしているの?」と聞いたら「僕は4年間日本に居なかったから漢字も内容もわからない」と半泣きです。読書好きな孫です。これでは日本語の本が嫌いになります。そんな宿題を出さないでほしい!と憤りを覚えました。
古文、漢文、文語体の文章も自分が興味を持った時に紐解けば楽しいのに、文章の意味が分からないのに読み方だけ教えられて質問は終わり。昔から変わっていません。
結局、答えを見ながら解説してやっつけましたが「こんな宿題わからなくても気にしなくていいよ。人生にはもっと大事なことがいっぱいあるから自分で見つけようね」と話しました。
数学の宿題も難しくて、ばあばやじいじの手に負えません。そもそも、1人ではできないような難しい宿題を休暇中に出すなんておかしいと思います。
今、若者にフランツ・カフカの変身のような不条理な世界を体験するゲームや動画が流行っているそうです。若者はNOと言えない宿題、学校生活を送りながら不条理を感じつつゲームに変えて笑いながらあきらめているのだろうか?と怖くなりました。
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日本で育ちオーストラリアで暮らす次女と姪は宙を見つめて「日本人は一生懸命勉強したり、仕事したりしているのに幸福度や生活水準を見るとすごく低くて疑問に思う」と言いました。
授業を1日休むだけで追いつめられる日本の授業
いよいよ帰国する日がやってきました。ところが乗るはずの飛行機が遅れると連絡が来て、乗り継ぎが不可能になったので一日伸ばすことになりました。
すると急に長女の高校1年生の孫の顔が曇ってきました。聞くと、すでに授業が始まっていて、このままでは授業についていけなくなると言い出したのです。「えっ?伸びたのは1日だけよ」「授業が始まっているから1日でも大変なの。テキストを読んで理解していないとレポートが書けない。先生にメールで聞いたら自分で読んできなさいと言われた。帰ってすぐに勉強するつもりでテキストを持ってきてない」と半泣きです。
次女に相談したら、その英語の文献をネットで探して解説しながら読み解いてくれました。偶然専門の生物、生化学の分野だったのでラッキーでした。「学校の先生よりわかりやすい」と孫の顔がみるみる明るくなっていきました。
一件落着でしたが、授業を1日休むだけでそんなに追いつめられるのか?と驚きました。1人で読んで理解できない内容にも驚きです。
一方、好きな国語と生物しか勉強しなかった次女が赤点ばかりだった数学まで見事に教えている姿を見てびっくりしました。やはり好きな道から学んだらやる気が出て、苦手な数学もできるようになると確信しました。
子ども達よ、この世は不条理ではないはず。どうか、競争社会の罠にはまって自分はダメだと自信を無くさないで欲しい、傷つかないで欲しいと願います。人の真価は自分の内にあり、直接神様と繋がっているのです。
さて、帰国した今、ゆとりを渇望しながらも忙しい生活に戻ってしまいました。
次女のパートナーの両親は自分の家を貸しながら3年かけてキャンピングカーでのんびり全国を回っているそうです。そんな余生もあるのかと、私たちの老後のスケールを広げてもらったような気がしました。
さて、今回はオーストラリアの旅行記の後編として日本人の働きすぎと学校の宿題について書きたいと思います。