ままぴよ日記 136 「デジタル化していく社会の中でAIに頼る子育て」

 一気に秋になりました。
 中秋の名月の日、お月様がきれいだったので「今からお月見プレーパークするよ~」とママ達に連絡しました。平日の夜です。みんな来てくれるかなあと思いながら海の見える公園に行ったら暗闇の中で子ども達の歓声が響いていました。
 月明かりの公園は格別です。築山のてっぺんで寝ながらお月見をする子、満潮の海でカニと遊ぶ子、海風が心地よくてじっと座っている子。作っていったお団子も平らげて嬉しそう。
 何も語らなくていい。自然の中で遊ぶ心地よさを感じる機会を作ってあげたいな。
 しずか様、幸せなひと時をありがとうございました。
(かんなまま)
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子どもの成長過程を狂わせている「メディア漬け」


1億総メディア漬けの時代、それが子どもの成長過程を狂わせているのを社会は気づいていません。これは人類存亡の危険をはらむ問題だと思っています。

「子どものからだと心白書2024」(子どものからだと心連絡会議出版)によれば、体力を運動能力ではなく身体的な生活力あるいは生存力とするならば、今の子ども達は
脳の前頭葉機能(やる気・意思・集中力・判断力・コミュニケーション力)の発達の問題と機能不全。
自律神経(交感神経・副交感神経のバランス、血圧)の発達の問題と機能不全。
体温調節機能、睡眠・覚醒機能のおかしさ
が明らかになったと報告されていました。

これを全てメディアのせいにするわけではありませんが、子どもの日常生活がメディア漬けになっていることは事実です。群れて遊ぶ環境が激減した代わりに家で1人で遊ぶツールが子どもの時間を奪っています。

平日のゲーム・ネット利用・テレビ時間を合計したスクリーンタイムの平均値は
小学1・2年生   男子3時間50分  女子3時間25分
小学3・4年生   男子4時間07分  女子3時間44分
小学5・6年生   男子4時間31分  女子4時間13分
中学生       男子7時間07分  女子6時間30分
高校生       男子6時間49分  女子6時間
平成30年度~令和元年度調査児童生徒の健康状態サーベランス事業報告より


それに関連して子どもの睡眠時間も短くなっています。我が町の小学生の平均就床時刻は22時以降40%。23時以降6%です。規範授業で直接子どもに聞くと、もっと遅いことを教えてくれます。12時以降に寝ている子がクラスに3人はいます。

子どものサーカディアンリズム(24時間周期で変動する生理現象)が狂い、生命維持機能である体温、血圧、ホルモンの分泌、細胞の生成などの機能が低下して様々な体調不良が起きています。

又、最近増えているESS(電子スクリーン症候群)の症状として
https://dot.asahi.com/aerakids/articles/-/253872
・感情爆発
・コミュニケーションが苦手
・疲労、不眠、鬱傾向
・理解、判断力の低下             
があげられています。近年急激に発達障害児が増えていると言われていますが症状が似ているのも気になります。

スマホ依存症の治療で有名な久里浜医療センターの樋口進先生は「対策は予防しかない」と言われています。


子育ての相談先がAIになっている


そのためには人生のスタートである乳幼児期からの啓発が必要だと思っています。でもスマホネイティブの若者が親になり、子育て中もスマホを手放せません。むしろ孤立無援の子育てを助けてくれるありがたいツールになっています。


そして積極的にテレビやスマホを乳幼児に見せて子守りをさせています。決して赤ちゃんが要求したわけではありませんが、動画を見せられると見入って大人しくなります。家事力も無く、赤ちゃんと関わる術を持たない親にとって本当にありがたいツールです。

ちなみに乳幼児のスクリーンタイムに関する調査では2時間以上が50.8%となっています(子ども家庭庁2025)。子育て広場のママ達に聞くと、寂しいから一日中テレビをつけていると話してくれます。

このようなバックグラウンド視聴は子どもの認知、記憶にマイナスの影響を与えると言われています。子どもの言語習得には直接話しかけてくれる存在が必要です。大人が話しかけても自分に話しかけられていると気づかない子、自分ごとと思わない子が増えているように思います。


もっと心配なのは、すでにAIが生活の中に浸透して子育ての相談先がチャットGPTになっている事です。今後、ますますデジタル化していく社会の中で、子育ても感覚や主観ではなくAIや数字化されたデータに頼っていくのでしょうか?

もともと人と繋がるのが苦手な親。人に頼るのは「めんどくさい」「お返しができない」という心理になるようです。そんな気を使うよりAIなら気軽に相談できるし、聞きたいことや正解をすぐに教えてくれます。まさに人に迷惑をかけず、エビデンスに基づいて最新の情報を教えてくれる救いの神です。

すでに様々な子育てアプリがあって活用されています。エビデンスや統計情報を駆使して身長体重の伸び、ミルクの量や睡眠時間まで個別にアドバイスしてくれますし、赤ちゃんの泣き声で泣いている理由まで教えてくれます。正答率は親の感覚では30%と言われている中、80%だそうです。
https://papaikuji.info/


赤ちゃんの孤立化が始まっている


このように孤立化した親を助けてくれるAIやアプリ、赤ちゃんを見守る監視カメラも活用されてきましたが、逆に赤ちゃんの孤立化が始まっていることに気がついていません。

赤ちゃんは感覚の人です。生活の中で自分の主体的な体験を通して発達していきます。人や場を読む共感力、想像力は素晴らしく、自らの視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚すべてを連動させながら世の中を認識していくのです。

無料のおっぱいと日常生活とおしゃべりと愛だけで、自ら意味のある言葉を話しはじめるなんて信じられない進化です。4歳の孫はままごとで見事に家族の心情を声色を変えて再現してくれます(笑)。

でも、その能力に気が付いていない親(社会)は目の前にいる天才赤ちゃんを見ないでネットの情報の正解に合わせようとします。自分を主張して授乳時間前に泣く赤ちゃんや離乳食を食べない赤ちゃん、寝つきの悪い赤ちゃんの方に問題があると思うのです。

架空の理想像に比較されて否定され続けたら免疫力が低下し、波動も落ち、心身に大きなストレスがかかります。

このまま主体性を持たない人になってそれなりに生きて行くのでしょうか?ずっと貧困家庭で育っている子ども達が自分を貧困だと思っていないと聞いて複雑な気持ちになっています。

でも世の中の流れは変わりません。



AI依存と鬱の急増


学校教育もAI化が進み、個別最適化の授業が進み、何をするにもデジタル化、見える化されてエビデンスが求められていきます。若者も早く正解が欲しいのでチャットGPTに頼り、AIが親友や恋人になりつつあります。老後の寂しさも満たしてくれるでしょう。

電通の「対話型AI」との関係性に関する意識調査では、対話型AIを1週間に1回以上使う全国1000人対象のアンケートの「誰に対して気軽に感情を共有できるか?」の質問に「AI」と答えた人が65%で最も多かったそうです。

もう一つ気がかりなのは鬱になる人が増えている事です。少し近隣の心療内科を調べましたが驚いたことに、どこも新患の予約ができないほど患者さんが溢れています。

鬱は怖いです。この世に生きていながら地獄の生活です。自分で抜けようにも抜けられなくなり周りも不幸になっていきます。

こんな時代だからこそ自分の生き方を問われています。

今までの私の人生をAIに頼らないで来れてよかったと思います。迷って、失敗して、待つことや人を変えられない事を学び、目の前に起こる事を受け入れて任せようと思い至りました。そして自分のできることは日々ヤマ・ニヤマを守る生き方だと痛感しています。

どん底で一番つらかった時も除霊浄化の祈りを3マラ欠かしませんでした。なぜそれができたのか?それは自分を嫌ったり人を攻撃したり世の中を恨むより自分を清めて向き合う方が楽になっていったからです。

このような生活を20年続けて気が付いたら、愛しいものが増えて、どんな不幸も幸せの種だと思えてきました。

これからの時代ますます必要なことだと思っています。



Writer

かんなまま様プロフィール

かんなまま

男女女男の4人の子育てを終わり、そのうち3人が海外で暮らしている。孫は9人。
今は夫と愛犬とで静かに暮らしているが週末に孫が遊びに来る+義理母の介護の日々。
仕事は目の前の暮らし全て。でも、いつの間にか専業主婦のキャリアを活かしてベビーマッサージを教えたり、子育て支援をしたり、学校や行政の子育てや教育施策に参画するようになった。

趣味は夫曰く「備蓄とマントラ」(笑)
体癖 2-5
月のヴァータ
年を重ねて人生一巡りを過ぎてしまった。
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