子どもの成長過程を狂わせている「メディア漬け」
1億総メディア漬けの時代、それが子どもの成長過程を狂わせているのを社会は気づいていません。これは人類存亡の危険をはらむ問題だと思っています。
「子どものからだと心白書2024」(子どものからだと心連絡会議出版)によれば、
体力を運動能力ではなく身体的な生活力あるいは生存力とするならば、今の子ども達は
・脳の前頭葉機能(やる気・意思・集中力・判断力・コミュニケーション力)の発達の問題と機能不全。
・自律神経(交感神経・副交感神経のバランス、血圧)の発達の問題と機能不全。
・体温調節機能、睡眠・覚醒機能のおかしさ
が明らかになったと報告されていました。
これを全てメディアのせいにするわけではありませんが、
子どもの日常生活がメディア漬けになっていることは事実です。群れて遊ぶ環境が激減した代わりに家で1人で遊ぶツールが子どもの時間を奪っています。
平日のゲーム・ネット利用・テレビ時間を合計したスクリーンタイムの平均値は
小学1・2年生 男子3時間50分 女子3時間25分
小学3・4年生 男子4時間07分 女子3時間44分
小学5・6年生 男子4時間31分 女子4時間13分
中学生 男子7時間07分 女子6時間30分
高校生 男子6時間49分 女子6時間
平成30年度~令和元年度調査児童生徒の健康状態サーベランス事業報告より
それに関連して子どもの睡眠時間も短くなっています。我が町の小学生の平均就床時刻は22時以降40%。23時以降6%です。
規範授業で直接子どもに聞くと、もっと遅いことを教えてくれます。
12時以降に寝ている子がクラスに3人はいます。
子どものサーカディアンリズム(24時間周期で変動する生理現象)が狂い、生命維持機能である体温、血圧、ホルモンの分泌、細胞の生成などの機能が低下して様々な体調不良が起きています。
又、
最近増えているESS(電子スクリーン症候群)の症状として
https://dot.asahi.com/aerakids/articles/-/253872
・感情爆発
・コミュニケーションが苦手
・疲労、不眠、鬱傾向
・理解、判断力の低下
があげられています。
近年急激に発達障害児が増えていると言われていますが症状が似ているのも気になります。
スマホ依存症の治療で有名な久里浜医療センターの樋口進先生は「対策は予防しかない」と言われています。