[長尾和宏医師×森田洋之医師] 終末期に受けたい医療を記しておく「リビングウイルノート」/ 家族や周りの人々との話し合いも書き込むことで合意が共有され無益な延命治療を避けられる

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 長尾和宏先生と森田洋之先生との対談の最終回です。以前の対談では、過剰な延命治療をせずに枯れるように迎える自然死、平穏死の様子、そして高齢者に求められるのは「放し飼い型、見守り型の介護」というお話がありました。今回は、それらを踏まえて「理想の最期を迎えるためにやっておくべきこと」という、とても重要なテーマでした。「ままぴよ日記」の記事も思い出しながら、思わず身を乗り出して聞き入ってしまいました。
 人生の最期に向けて前向きに準備をすることを「終活」といい、多くは「エンディングノート」を付けるそうです。しかしこれは死んだ後のことが多く、特に終末期に受けたい医療に関してはほとんどないそうです。それに対して、生きているうちの胃ろうとか点滴、人工呼吸器の希望の有無などを書いたものが「リビングウイルノート」だそうです。先進国のリビングウイルは遺言書のように法的な有効性を持つそうですが、日本だけは法的な有効性が無いそうです。しかしリビングウイルを書いておくと95%くらいの確率で本人の願い通りの逝き方になったというアンケート結果があるそうです。
長尾先生も制作に関わられた「日本尊厳死協会」のリビングウイルノートは、本人が生きている時の具体的な治療の希望や気持ちを書き込めるもので、重要なのは、その時に家族と話したことも書き込むことだそうです。話し合いのプロセスが大事で、話し合うだけでなく、そのことを文書に一筆書くという行為が重いと(3:58〜)。
ノートがあっても家族が本人の希望を認識していなかった場合、実際に医師が救命措置を断ることは難しいようです。死に場所を決めているのは、3分の2が家族で、3分の1が医師、本人が決めるケースは3%ほどだそうです。事前に本人の希望を周りの人と合意しておくと、判断を迫られる場面で家族の「納得」を助けることができるようです。
リビングウイルノートを本人や家族だけではなく、かかりつけ医や訪問看護師やケアマネ、介護のスタッフ、知り合いや友達などいろんな人が関わった日記帳風にしておけば、急に本人が意識を失った時でも延命措置の参考になり「医者は助かります。」(9:15〜)
「(日本には)認知症で胃ろうだけで生きていて、しゃべることもできない、家族も分からない人がものすごく多く存在する」「日本人ほっといたらみんなそうなります。」「ほとんどの人は自動的に病院に運ばれます。病院の医者は救命措置をする。良かれと思って『鼻から栄養やっとこか』と医療介入が入り、2週間経っても意識がないと『ほんなら胃ろうに変えとこか』と、良かれと思ってやってくれるわけですよ。本人はいわゆる植物状態。それで何年も慢性期病院で過ごしている人はゴマンと居る。」「生かさず殺さず置いとけば(病院は)お金になるわけですよ。できたらそこに酸素とか被せとけば加算が付く。そんな変な医療制度になっている。本人がそれを望んでいたらいいが、普通は望まないですよね。」「書いておいた方が、死にたい死に方ができる可能性が高くなる?」「そうです。」
(まのじ)
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終末医療=「水耕栽培」!?…管まみれになってからでは手遅れ!望まない最期を避けるためにやっておくべきこととは?
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