リラックスできていない瞑想

竹下先生って、スゲえよなあ。

今ごろ、何言ってんの?

おれさ、昔、瞑想がやってみたくて、習ったことがあるんだ。

へえ? くろちゃんが?

おれだって、人生のことを深く知りたいと思った時期があるんだよ。

でも、瞑想をしているなんて、全く知らなかった。

してないよ! できないのよ! 挫折したのよ! てゆうか、瞑想がキライになった。

なんで? リラックスして気持ちがいいのに?

おれには、気持ちよくなかったんだよ。

なんでかなあ?

最初の腹式呼吸から、つまづいた。10〜12数えながら息を吸って、10〜12数えながら息を止めて、10〜12数えながら息を吐く。これだけで、息が苦しかった。しかも、その後、座って瞑想に入るが、眉間に集中しろと言うので、眉間にシワが寄ってくる。

それじゃ、緊張しちゃう。

そこだよ! 「リラックスして」とは言うけど、こっちは少しもリラックスできていない。竹下先生なら、こう言ってくれただろうが。

真逆だね。気を上に上げて、どうやってリラックスしろって言うんだろう。

こんなのを20分、30分も続けた日には、疲れちまって、瞑想?なにそれ? や〜めた!になった。そしていつしか、「瞑想」と聞くだけで、「ムリ」になった。

それはそれは、ご苦労さん。
竹下流「丹田呼吸法」のやり方とコツ

ところがだ。
竹下先生が教える「丹田呼吸法」は、非常に科学的だ。だから、ちゃんとやれば、ちゃんと結果が出る。

ほんとだね。そうそう、「目の力を抜いて」で思い出したけど、最近、大発見しちゃった。

大発見?

ほら、
外出から帰ってきたら必ずやる鼻洗い、または
鼻うがい。左右両方を2リットルの塩水で洗うのは、これまでけっこう時間がかかったんだ。それが!
鼻洗い中に、目の力を抜いてみた。そしたら、鼻から水がシュ〜ッって吸い込まれるように入ってきて、いつもより早く終わっちゃったんだよ。

ほお〜! 目の力を抜くと呼吸が深くなるが、鼻洗いまで早くできるとは。実は、おれも最近、竹下流「丹田呼吸法」のおかげで救われたのよ。

へえ、何があったの?

それは、後で話すとして、まずは
「丹田呼吸法」のおさらいをしよう。やり方は、竹下氏による一問一答 第1回の33:53〜、(質問1−5)「どうしたら不眠症を治せるか?」で語られている。その中で、
竹下先生がパータ様に伝えた方法を紹介している。
夫直伝~丹田まで大きく息を吸う方法~
1.脳の中の視床の部分を意識する。
脳の中を見ようとすると目が緊張するのでの部位をぼわ~と感じるようにする。
2.その状態で目の力を抜く。
目の周りの筋肉が緩ませるために、焦点を合わせず、遠くをぼーっと見るようにして左右の眼球が離れる感じにする。
3.1.2.の状態を保ったまま、丹田を感じながら呼吸する。
呼気の際に、目の力を抜くようにする。

竹下先生は「丹田呼吸法」について、こう話している。
これが、体が緩む方法で、これを会得すると体の疲れが早く抜けます。で、元気になって行きますから、ぜひ、身につけて欲しい。(
竹下氏による一問一答 第5回 1:06:59)

簡単そうだけど、練習が必要みたいだね。

そう、特に、
首や肩のコリがひどいと、これをやっても効果が出ない。そこで、竹下先生は、みずからお風呂で必ずやるという方法を紹介している。

あ、片目を覆うヤツね。イルミナティのサインみたいな?
※画像をクリックするとツイートに飛びます

こんなのと一緒にすんな!

はいはい、ごめんなさい。

右手で右目を軽くおさえたら、今度は左目で左半身を意識する。
竹下先生:
右目は右半身を見る、右半身全体を感じる、呼吸深くなるでしょ? 突然息がすごく深く吐けません?(
竹下氏による一問一答 第1回 58:29〜)
ほんと、息が深くなる! ふしぎだよね。もしかして、これが「モルモットの気持ち」かな?

なんだ?モルモットの気持ちって?
ちょっとだけモルモットの気持ちになってみましょう。あなたの右眼で右足を見てください。左眼で左足を見てください。実際に見なくても心の目で見れば十分です。どうですか?意識が一点に集中していないので、余分な力が抜けて自然な深い呼吸が出来るのがわかりますか?人間は目標に追われて毎日集中し過ぎているのかも知れません。そのために、他者と同調したり共感したりする能力が著しく低下しているようです。時々モルモットになってみましょう。

これ読んだ当時、ぼくもモルモットになりたいと思って試してみたけど、ぜんぜんできなかった。でも、今の先生の方法をやったら、「モルモットの気持ち」が少しわかった気がする。
なんで、たったこれだけで、呼吸が深くなってリラックスできるんだろう?
先生によると、手を当てた場所に気が集まるからだそうだ。右目は右手を見る。しかし左目は左半身を見る。だから、左右の気が分離できる。

なるほど、それでモルモットになれるのか。
中指で、後頭部のでっぱりを軽く抑える方法だね。こっちは、疲れがひどい時にやるって聞いたけど。

2〜3日前、まさにその状態だったのよ。一日中、めちゃくちゃ神経を使って、疲れたんで、早めに寝て、熟睡もしたけど、翌朝も疲れを引きずってて。ご飯食べても、昼寝をしても、
いろいろやっても、疲れが抜けない。それがだ! この第2弾を試してみた。左側をやって、右側をやって、目を開けたとたん、頭がスッキリ! 霧が晴れたようになった!

即効だね!

頭がスッキリしたら、体も元気になった。もう夜なのに、寝るのはもったいないくらい、元気になった。思わず、「先生! ありがとう!」って叫びたくなった。

疲れて帰ってきた息子さんが、お元気になられたワケだ。

なんで、中指で後頭部のでっぱりを軽く押さえるのか? そのメカニズムの詳細は、
竹下氏による一問一答 第1回 1:17:21〜の、息子さんとのやり取りでわかる。
「
目が緩むと全身が緩んできます。だから、ポイントは目なんです。(中略)...そうすると、気が下がる感覚がわかるようになる。」(
竹下氏による一問一答 第1回 1:20:03)

要は、目の力を抜くことが、ポイントなんだ。

これは、疲れた時にいつでもできるよう、ふだんから練習しておかねば。
重要なのは「視床」を意識すること
丹田呼吸法のコツは、最初に「視床」を意識すること。ここが重要だと思うが、こんなこと、これまでまったく聞いたことがなかった。

「視床」が重要なんだね。でも、視床って何?
なんで視床を意識すると、目が緩むの?

「視床」というのは、脳のど真ん中にある組織で、視覚、聴覚など、いろんな情報のハブ、いわゆる中継地点になっている。
視床(ししょう、英:thalamus)は、脳の構造のうち、間脳の一部を占める部位。大脳半球と脳幹をつなぐ重要な部位にあり、多数の神経核を持つ。これらの神経核の多くは脳幹や大脳基底核から入力を受け、各大脳皮質の領域と連絡繊維を持つことで、感覚系・運動系・覚醒・記憶・情動など幅広い大脳活動に重要な役割を果たしている。(
Wikipedia)
視床と脳表面の関係を示した模式図
赤色で示す領域が視床。
ヒト脳のMRI 矢状断面像、視床に矢印。

3Dで解説した、わかりやすい動画で見てみよう。
脳の深い部分の解剖学を解説してみた
この、緑で囲まれた、卵形の組織が視床だ。

おおう、まさに、脳のど真ん中。そして、けっこう大きい。

竹下先生は、ピンポン玉より少し大きいと言われる。そして、
視床の場所は、竹下氏による一問一答 第5回 (1:02:55)で示された、「視床のムドラー」で感じることができる。

おお! ムドラーの形からして視床にそっくり。にしても、視床ってヘンな名称だね。

視床は英語で「thalamus(タラムス)」。正式名は「thalamus opticus(タラムス・オプティクス)」。「thalamus」とは、ギリシア語で「新婚さんのベッド(床)」「寝室」「家の密室」など「秘められた場所」という意味がある。しかもそこは、視覚と深い関係があると推測されたために、「opticus(視覚の)」がついている。(
岐阜脳卒中リハビリテーション研究会)

なるほど。脳の奥深くに隠されたベッド、そこが視覚と関係があるから日本語で「視床」になった。ということは、やっぱ、視覚と関係があるんだ。

視床が、いかに視覚と関係があるのか、この図を見ればわかる。

えっと・・・これはかたつむりの絵?

かたつむりじゃねえ! こいつは、頭部を上からスライスにした図だ。前方に目の玉があるだろ? 網膜から視神経につながって、最終的に第一次視覚野と呼ばれる視覚中枢へ。

あれ? 「視床」がないよ。

「外側膝状体(がいそくしつじょうたい)」が「視床」のことだよ。視床にある、たくさんの神経核のうち、視覚に関係があるのが外側膝状体。
目は視床につながって、そこから、視覚中枢がある後頭葉までつながっている。

あ! もしかして、中指で抑える後頭骨のでっぱり! なんでここを抑えるのか、ふしぎだったけど、もしかして、視覚中枢を刺激しているの?

おもしろいよな。科学的で効果的。暇さえあれば、やりたくなる。もっと練習して、ふだんから丹田呼吸ができるようになりたいものだ。

そうだね。なんか、スマホをいじったりする時間がもったいなくなってきた。

ああ、竹下流「丹田呼吸法」はクセになりそうだ。
Writer
ぴょんぴょん
1955年、大阪生まれ。うお座。
幼少期から学生時代を東京で過ごす。1979年東京女子医大卒業。
1985年、大分県別府市に移住。
1988年、別府市で、はくちょう会クリニックを開業。
以後26年半、主に漢方診療に携わった。
(クリニックは2014年11月末に閉院)
体癖7-3。エニアグラム4番(芸術家)
視床は、脳の最奥部にある、たくさんの情報の交差点です。交通量が多いせいか、最も脳出血が起こりやすい場所でもあります。そういう患者さんのリハビリを指導する、理学・作業療法士の国家試験には、必ずと言っていいほど視床の問題が出るようです。YouTubeにも、視床に関する試験対策動画がいっぱいあって、参考になりました。