チャールズ国王の米議会演説とウクライナ支援の矛盾 ~称賛と否決が示す現実

竹下雅敏氏からの情報です。
 イギリス国王チャールズ3世は、4月28日にアメリカの連邦議会で演説を行いました。
 チャールズ国王が、“9月11日の直後、NATOが初めて第5条を発動し、国連安全保障理事会がテロに対して一致団結した時、私たちは一緒になって要請に応えました。…そして現在、議長殿、その同じ揺るぎない決意がウクライナとその最も勇敢な人々の防衛のために必要とされています。(2分33秒)”と演説すると、政治的立場を超えて集まった議員たちはスタンディングオベーションで応えました。
 ところが、4月28日の下院歳出委員会で「ウクライナ支援のための5億ドル追加修正案は、共和党議員全員が反対票を投じ、党派投票で否決された。」ということです。
 チャールズ国王は演説で、「民主主義と大西洋をまたぐ同盟関係の重要性を強調し、英米両国の長年の絆と協力関係をあらためて指摘した」わけですが、これに対し、「元々国王の非民主的な態度にブチギレて袂を分かった人々の代表に対して国王ご自身が民主的であれと説教かますというなかなか面白い図式」というコメントにはニヤリとしました。
 “続きはこちらから”をご覧ください。櫻井ジャーナルは、“(チャールズは)ウクライナを守るため…NATOが一致団結してロシアとの戦争に突入しようと訴えた”と解釈しています。
 この見解は、最後のツイートの内容から見ても正しいものだと言えるでしょう。冒頭、“キア・スターマーは、ウクライナへの英国軍派遣に「準備万端で意欲的」である”とあります。
 そしてウクライナ戦争について、「これらはすべて、ロシアとウクライナの関係を破壊し、ブラックロックのような独占企業のためにウクライナの農業と工業の富を確実に確保するための企てに他ならない。」と言っています。
 その「ブラックロックのような独占企業」を所有しているのは、英国王室に代表されるような王族や、王族に仕える銀行家や投資家なのです。彼らにしてみれば、戦争が続くことで人々は疲弊し、自分たちは肥え太るのです。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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チャールズ英国王、アメリカの行動が重要と米議会で演説 民主主義と同盟の意義を強調
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※画像の全てはツイッターをクリックしてご覧ください
下院歳出委員会の共和党議員は全員、ウクライナ支援案に反対票を投じた。こいつらはまったくの偽善者だ。昨日はウクライナ支援について語ったチャールズ国王の演説にスタンディングオベーションを送っていたくせに……


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英国王が米下院本会議長で帝国主義者として演説、議員は総立ちの拍手
引用元)
イギリス国王のチャールズ3世は4月28日、アメリカ下院本会議場で演説、その中で2001年9月11日の攻撃を持ち出した​。ニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)に対する攻撃、いわゆる「9/11」だ。その直後にNATO(北大西洋条約機構)はNATO条約第5条に基づく緊急事態を宣言、一致団結したとチャールズは指摘、同じように今日、ウクライナを守るため、その揺るぎない決意が必要だと主張。NATOが一致団結してロシアとの戦争に突入しようと訴えたわけだが、アメリカの下院議員はそれに総立ちの拍手で応えた。

ウクライナを舞台にした戦争は、短期的に見ても、バラク・オバマ政権が2013年11月から14年2月にかけてキエフでクーデターを仕掛けたところから始まる。
(中略)
クーデターでウクライナに米英の傀儡体制を築くひとつの目的はロシアの隣国をNATOの支配下に置くことでロシアに軍事的な圧力を加えることにあったが、ロシアとヨーロッパ諸国を分断して両者を弱体化させることも狙っていた。

ロシアとヨーロッパ諸国を結びつけていたのはロシア産の安価な天然ガス。ドイツをはじめとするヨーロッパ諸国の生産活動や社会生活はそのエネルギーによって支えられていた。ロシアから見るとヨーロッパ諸国は巨大マーケットであり、それを奪われるとロシア経済は崩壊すると見られていた。
(中略)
アメリカやイギリスはすでにウクライナへ傭兵や兵器のオペレーターだけでなく、特殊部隊や情報機関員を派遣、さらに衛星からの情報を提供している。すでにロシアとの「代理戦争」という段階は過ぎ、直接的な戦いになっている。その戦いのため、NATO諸国は一致団結しろとイギリス国王は求めているのだ。ロシア側もNATOとの直接的な戦争が本格化すると覚悟しているだろう。
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配信元)
※英文全文はツイッターをクリックしてご覧ください
米国でのチャールズ国王の発言や、最高潮に達している戦争への熱狂を受けて、我々は以下の声明を改めて表明しなければならない。

キア・スターマーは、ウクライナへの英国軍派遣に「準備万端で意欲的」である

労働者党は、英国のウクライナへの関与を非難し、軍隊の派遣中止、武器供与の停止、そして100年間にわたり年間30億ポンドを供与するというばかげた協定の破棄を求める。

英国の寡頭支配層がウクライナの富を略奪し、その内政・外交政策を自らの利益のために利用しようとしている一方で、我々は、この血塗られた惨事全体が英国労働者の利益に反するものであると断言する。

2014年以降、ヴィクトリア・ヌーランドによって実行されたファシスト的なクーデター、そして「右派セクター」、アゾフ大隊、その他NATOやEU帝国主義の嘆かわしい手先たちの軍靴によって、100万人のウクライナ人が命を落とした。これらはすべて、ロシアとウクライナの関係を破壊し、ブラックロックのような独占企業のためにウクライナの農業と工業の富を確実に確保するための企てに他ならない。 

我々の帝国主義的な労働党政権は、この破滅的な戦争の計画、実行、そして継続において中心的な役割を果たしてきた。多くの英国の労働者は、支配層によるメディア・プロパガンダに洗脳され、NATOではなくロシアを侵略者として描く全くの虚偽の前提に基づいて、この戦争を受け入れてしまった。これにより、トランプ政権が一時的な正気を取り戻し和平協定の交渉を開始しようとしているまさにそのタイミングで、スターマーがロシアに対する破滅的な戦争行為となる英国軍の地上展開を行うための土台が築かれてしまったのである。 

英国には、他国をNATOやEU、あるいは英米帝国主義に服従させるために戦争を行う権利などない。英国労働者をこのような目的のために動員することは、理性的にも道徳的にも無意味であり、腐敗を招くものである。

しかし、英国の労働者には、そのような戦争を止める手段がある。必要なのは、単なる個人の英雄的行為ではなく、断固とした集団行動である。支配層や企業は、労働者が提供する人的資源と武器なしには戦争を遂行できない。 

もし現政権が、英国国民と英国軍をロシアとの武力紛争に潜在的あるいは実際に巻き込むような立場に置くならば、労働者党は、そのような帝国主義戦争への動きに対する大規模な非協力運動の構築を支援するために全力を尽くすだろう。産業および軍事面での不協力は、そのような狂気を即座に食い止めることができるだろう。産業労働者は武器の製造を拒否し、運輸労働者は武器の積み込みや輸送を拒否し、兵士たちは英国国民の利益とは無関係で国民の犠牲の上に成り立つ戦争への参戦を、正当な理由をもって拒否することができる。

このような実践的な方針は、良識あるすべての人々によって採択され、推進されなければならない。労働組合、政治組織、反戦団体は、破滅的な結果をもたらしかねない紛争を防ぐために、この方針を採用しなければならない。

帝国主義戦争への協力は断固拒否! NATOを脱退し、英国を再建せよ!

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