[The Voice of Russia]ドンバスからの重砲撤去に関するプーチン大統領の書簡発表 / キエフ、停戦を破却

竹下雅敏氏からの情報です。
 いよいよ危機的な状況になって来ました。予想通り、この戦争での勝利に勝負をかけたソロス一味は、春まで待ってくれない気配です。おそらく本格的な戦争へと突入すると思います。なぜならEU評議会外交会議や国連安全保障理事会などの国際会議で、様々なキエフ政権の矛盾点を知られると、非常に具合が悪いからです。
 停戦を利用して戦力を整えたウクライナ軍は、“武力による紛争の解決”を始めるでしょうが、おそらく義勇軍側の圧勝に終わると見ています。まったく士気の上がらないウクライナ軍と、正義のために世界中から集まった義勇兵では、勝負は始めから決まっているも同然です。戦闘態勢だけ整えても、勝てるものではありません。
 ロシア政府は一貫して和平に向けての努力を行なっており、戦争の責任はキエフ政権とその背後に居る連中にあります。和平交渉によって話し合いがつけば、彼らは破産し、開戦となれば滅ぼされる、そういう状況になって来ました。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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ドンバスからの重砲撤去に関するプーチン大統領の書簡発表
転載元より抜粋)
© Photo: RIA Novosti/Aleksey Nikolskyi

© Photo: RIA Novosti/Aleksey Nikolskyi


18日夜、ロシアのプーチン大統領がウクライナのポロシェンコ大統領に送った、ドンバスからの重砲撤去に関する書簡の内容が明らかになった。 

「ドネツク州およびルガンスク州の居住地区への砲撃再開と関連したウクライナ南部・東部における最近の出来事は、我々の深い懸念を呼んでおり、事実上、2014年9月19日のミンスク覚書を基盤にした平和的解決のプロセスを失敗の脅威にさらしている」。第1チャンネルがプーチン大統領のメッセージの内容を伝えた。

プーチン大統領の書簡では、「ウクライナの軍機関およびドンバス、ドネツク人民共和国ならびにルガンスク人民共和国の義勇軍の当事者双方が、互いに砲撃停止に向けて即時に処置を講じること、また紛争当事者たちによって、添付された地図に応じて、接線の事実上の通過に立脚し、2014年9月19日のミンスク覚書によって規定されている口径100ミリ以上の武器を遠くへ撤去することを提案する」と指摘されている。

また文書では、「我々は、OSCEと共同で、これらの行動の実現の管理を組織する用意がある」と強調されている。

伝えられたところによると、プーチン大統領の書簡は先週の木曜日に送付されたが、キエフはいかなる代替案を提案することもなく、拒否した。

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キエフ、ウクライナ東部における停戦を破却
転載元)
© Photo: AP/Mstyslav Chernov

© Photo: AP/Mstyslav Chernov


ウクライナ東部で緊張が高まっている。国連のパン事務総長も憂慮の念を表した。またしても停戦合意を反故にするのはキエフの側である。ウクライナ軍はウクライナ南部・東部で大規模な砲撃を繰り返しており、ゴルロフカ市の市街地には空爆も行われている。生活インフラも攻撃の対象になっている。激戦地はドネツク空港だ。

長らくウクライナ軍側の管理下にあり、ここから攻撃を指揮していたが、義勇軍側が優勢となると、むしろかつての戦略拠点を攻撃の対象とし、同時にウクライナ南部・東部市民に対する懲罰作戦を展開しだした。義勇軍司令部のコードネーム「マトロラ」は現地から次のように伝えている。

「敵は昨夕より反撃に転じ、大量の装甲車を投下。直ちに空港敷地内で装甲車15台が大破した。うち10が我が軍の攻撃によるもの。一晩の間にこうした攻勢が4度かけられたが、いずれも我が軍によって撃退された。ウクライナの兵器「ウラガン」砲から絶え間なく砲撃が浴びせられている」


キエフは和平に向けたあらゆる動きを否定している。16日、ベラルーシのミンスクでウクライナ問題を話し合う連絡グループ会議がもたれるはずだった。会議開催のイニシアチブをとったOSCE代表、ルガンスクおよびドネツクの代表は予定通り現地入りしたが、キエフの代表者は現れなかった。

またロシアのプーチン大統領の和平に向けたイニシアチブも無視された。プーチン大統領は先週、
ウクライナのポロシェンコ大統領に対し、ウクライナ東部戦線からの重火器の段階的引き上げに関する詳細な計画を提案した。議論の余地のある箇所はことごとくキエフの側の利益になるようにした。そうした点についてのウクライナ南部・東部へのケアはモスクワが責任をもって行う、という提案だった。キエフは当初静観を決め込み、のち、断固としてこの提案を拒否する態度に出た。キエフは今も、モスクワは紛争の直接当事者であり、話し合うべき相手はドネツクやルガンスクではない、との立場だ。CIS諸国研究所のイーゴリ・シシキン副所長は次のように語る。

「キエフは当初から一貫して、ウクライナで起こっているのは内戦ではない、ウクライナ東部で戦っているのはテロリストであり、傭兵であり、ロシア正規軍である、との立場だ。つまり、ウクライナとロシアの戦争だ、という。こうした欺罔の狙いは、まず第一に、キエフ政権の正当性について国民に疑いを持たせないこと、第二に、西側諸国をこの問題に引き込むこと。キエフは帝国主義ロシアの侵略の犠牲者であるという構図である。それは西側諸国にとっても願ったり叶ったりなのだ」

キエフは先日来の停戦状態を利用し、戦力の配置換えを行い、準備を整えた。そうした上で、今、武力による紛争の解決を始めたのである。ロシア外務省は、キエフの攻勢がEUによるウクライナ問題討議と時節を合している点を意味深く受け止めている。キエフのやり口は、大規模攻勢をかけるまえ、明白な挑発を行う、というものである。今回であれば、キエフの管理下にあるヴォルノヴァハ近郊で市民を乗せたバスが攻撃された事件。明らかにこの一件は、19日に予定されているEU評議会外交会議とタイミングを合わせたものである。ロシアは、こうした行動はウクライナ危機をさらに煽るばかりである、と訴えている。

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