注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
2022年5月30日の参院予算委員会で、立憲民主党の蓮舫氏は、新型コロナウイルス対策を目的にした地方創生臨時交付金の使途について取り上げた。この交付金は、コロナ対策であれば自治体が自由に使える制度設計で、20年度からこれまでに約16兆円が計上されているという。
朝日新聞によると、同氏は「計画や目的に問題があると思う事例」を次々と列挙した。「ハッピーマリッジ応援」「自治体指定のゴミ袋の全世帯配布」「町幹部の公用車購入」「公立学校のトイレ改修」などに同交付金が使われていた。
(中略)
「政府が新型コロナウイルス対応へ用意した『コロナ予備費』と呼ばれる予算の使い方の不透明感がぬぐえない。国会に使い道を報告した12兆円余りを日本経済新聞が分析すると、最終的な用途を正確に特定できたのは6.5%の8000億円強にとどまった。9割以上は具体的にどう使われたか追いきれない。国会審議を経ず、巨費をずさんに扱う実態が見えてきた」と手厳しい。
12兆円余りをおおまかに分類すると、多いのは医療・検疫体制確保向けの4兆円。次いで地方創生臨時交付金として地方に配られた3.8兆円。公用車や遊具を購入するなど、疑問視される事例もあり、自治体が予備費を何に使ったかまで特定するのは難しい、と指摘している。
(以下略)
2本目の動画で、まず注目されたのは「地方創生臨時交付金」です。2020年が4.5兆円、以降これまでで約16兆円が使われていますが、人口が少なくコロナ感染がほとんど発生しなかった自治体でも数億円が配られました。住民は十分に救われたかと思いきや、実態は支援を必要とする事業者が存在するにもかかわらず、コロナ対策とは関係ない「ポストコロナを見据えた経済対策」などに振り向けられていたことを取材しています。2022年5月30日の参院予算委員会では、蓮舫議員が「ハッピーマリッジ応援」「自治体指定のゴミ袋の全世帯配布」「町幹部の公用車購入」「公立学校のトイレ改修」などの使途に問題があるのではないかと指摘していました。
そして一番多額の予算を配分された「中小企業」へは26兆円。その中でも特に問題になった財務省の持続化給付金の実態は未だに闇の中です。9150億円に追加が5.5兆円!事業主に給付金が届く前に委託、再委託、外注に次ぐ外注で、国に経費を報告する義務もなく、コロナで広告収入の減った電通を救うための補助金事業だったことを、あのNHKが取材しています。
さらに今話題沸騰の「予備費」です。政府が自由裁量で使えるコロナ予備費12兆円の使途も、日経が用途を特定できたのは、たった6.5%の8000億円だけで9割以上が不明です。しかしそれでも「医療・検疫体制確保向け4兆円」という項目が目を引きます。ワクチン接種を行う医師のバイト代が異常に高額だったのはよく知られています。大阪府の、ほとんど使用されずに閉鎖された国内最大の臨時医療施設「大阪コロナ大規模医療・療養センター」の60億円も超ムダ使いでした。得体の知れないところに国民のお金が奪われていますが、無論、岸田政権がこれら巨額のコロナ対策を検証する気はサラサラありません。