「万引き家族」を巡るニュースやコメント
記事の一つは、
日本人がカンヌ映画祭の最高賞を受賞したにもかかわらず、日本政府、いや
安倍首相が「おめでとう」の言葉もなく無視している、というものでした。
その後、批判が強まり、
遅ればせながら林文科相が祝意を示したいと述べたことに対し、是枝監督が祝意への辞退を表明した記事がありました。
さらに、それがきっかけで
「国から補助金を受けて制作したのに、辞退するとは失礼」という、主にネット上での非難が起こりました。このような意見に対して、映画と補助金、日本の文化育成の問題など、元々の作品への感想に加えて、様々な意見が飛び交いました。
一つの作品が、これほど多くの問題提起をしてしまうのも珍しいことでした。
日本政府が無視したかったのは、日本政府の冷たさ
作品自体は、
素直に映画を観る喜びがありました。
達者な俳優陣が、言葉以上の思いや背景を伝えてくれます。
ここに描かれた、実際には有り得ない
奇跡のような「家族たち」の清らかさは、是枝監督のメッセージそのものでした。日本が失ってしまったものをリアルに、言葉によらず感じさせ、同時に、
なぜ、この大切なものを日本は失ってしまったのかを自らに問わざるを得ない、奥行きのある鋭い作品です。
「なぜ失ってしまったのか」の答えは一つではなく、もちろん「安倍政権」は答えの一つに過ぎないのでしょう。
しかし、
しかし、安倍政権は、この映画で描かれる日本を無視したかった。
作品の受賞を祝うなど、したくなかった。
それはとりも直さず、
国に責任があることを知っていたからでしょう。
正直でよろしい。
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