注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
うん。それを説明する前にまず金融緩和とは何かを説明していこう。
金融緩和というのは,とっても単純に説明すると市場にたくさんお金を供給することだ。
それで何がしたいの?
お金を借りやすくするんだ。
太郎,君が何か画期的な新製品を発明したとする。そして,それをたくさん製造して売ろうとする場面を想像してごらん。
まず製品をたくさん製造するためにお金が必要だよね。原材料費とか人件費とか。製品を製造する機械やそれを置く工場も必要だし。それから広告宣伝費もかかるね。
そう。だが,まだ製品を売る前だから君の手元にはお金が無い。さあどうする。
誰かにお金を借りるしかないね。
そうだね。そういうときにお金を貸してくれるのが銀行だ。そして,銀行はお金を貸す時に利息をつける。
利息は金利とも呼ばれる。お金のレンタル料と考えればいい。例えば年5%の金利で100万円借りたとすると,君は105万円返さないといけない。
多めに返すのね。銀行はその差額で儲けるわけだな。金利が高すぎると返す時が大変だね。
そう。だから,お金を借りやすくするためには,金利を下げればいい。例えば金利5%が1%になったら大分借りやすくなるだろう。
そうすれば企業がお金を借りやすくなるわけだから,経済が活性化するだろう・・・ということで,日銀は金利を下げてお金を借りやすい状況を作ってきた。
ふ~ん。でもさあ,金利を下げるのも限界があるよね。ゼロ以下には下げられない。
そう。ゼロ以下になったら貸す側が借りる側に金利を支払うことになっちゃうからね。そうしたら貸す意味が無い。
でもね,実質的に金利をゼロ以下にする方法がある。それが物価を上げることだ。
太郎,例えば君が100万円を借りたとする。そしてその後物価が上昇して2倍になったとしよう。
物価が2倍になれば,僕が何か物を売った場合の売り上げは単純に考えて2倍になるね。50万円でしか売れなかった物を100万円で売れるわけだから。
そうすると,返すのが楽だね。実質的に返すお金が半分になる。
そのとおり。例えば物価が10%上がれば,それは実質的な金利が10%下がるのと同じだ。つまり,実質的な金利はゼロ以下にできるんだ。
なるほど。そうすると借りる側にとってはお得だね。
そう。そして,みんなが「物価が上がっていく」と予想すれば,それは「実質金利が下がっていく」と予想することを意味する。
そうなればみんなお金を借りて,経済が活性化する・・・と考えたわけだ。
それから,「アベノミクスによろしく」でも説明したけど,金融緩和には消費を刺激する効果もあると言われていた。
みんなが「物価が上がる」と予想すれば,「物価が上がる前に買おう」と考えるから,それで消費が伸びる,という理屈だよね。
結局そんな現象は起きず,逆に消費が異常に冷え込んだだけだったけど。
» 続きはこちらから
今回のモノシリンさんの記事を見ると、日銀の異次元の金融緩和が全て失敗し、まったく効果がなかったばかりか、二進も三進もいかなくなり、破綻するしかないような状況に追い込まれているのが分かります。