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岸田政権が突如、原発再稼働、新増設、運転期間延長を表明、国民をあざ笑うかのようにGX実行会議には統一教会と関係の深い連合・芳野友子会長の姿

 311を経験した日本はこれまで「原発の新増設や建て替えはしない」という方針でした。ところが24日の「GX(グリーントランスフォーメーション)実行会議」といういかにも怪しげな会合で、政府は原発の運転期間延長や原発の新増設、そして来年夏以降には7基の原発の再稼働を進める方針を表明しました。7基の中には新潟県の東京電力柏崎刈羽原発6、7号機も含まれていますが、ここは2021年に原子力規制委員会により「運転禁止」命令が出されています。岸田政権はこうした措置を無視し、地元同意の手続きも経ず、再稼働を勝手に決めたわけです。ついつい忘れがちですが「日本は未だに原子力緊急事態宣言が発令中」なのでした。福島第一原発の廃炉さえおぼつかないのに、再稼働だの増設だの「わざとこの国を壊したいのかと疑ってしまうほど無茶苦茶。」原発輸出に失敗した三菱の救済、除染利権のゼネコンへの利益誘導との見方もなるほどです。
 そのGX実行会議にはなぜか連合の芳野友子会長も参加していました。芳野会長は統一教会と関係の深い富士政治大学で「反共思想を習得した」とあり、そうであれば当然、芳野会長は統一教会と同様、原発推進の立場と考えられます。日本の原発政策まで統一教会が牛耳っていることを可視化しています。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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配信元)
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政府が原発新増設「検討」と明示…福島事故から封印のはずが推進姿勢 運転期間の延長、計17基再稼働も
引用元)
 政府は24日、2011年の東京電力福島第一原発事故後に封印していた原発の新増設を検討する方針を示した。原発の運転期間の延長を検討し、来夏以降に新たに7基の再稼働を進める考えも表明。政策を転換し、原発推進に大きく舵を切る可能性が出てきた。
(中略)
 再稼働を目指す7基は東電柏崎刈羽6、7号機(新潟県)や関西電力高浜1、2号機(福井県)、日本原子力発電東海第二(茨城県)など。地元同意の手続きや安全対策工事が済んでおらず、いずれも福島事故以降、停止している。首相は「国が前面に立ってあらゆる対応をとる」と述べ、既に再稼働したことがある10基を加え、最大17基の体制に前向きだ。
(以下略)

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2012年からの東電株主代表訴訟は旧経営陣の責任を認め13兆円の賠償額 / 国の責任を認めなかった最高裁判決の中に「第2判決」とも言える反対意見「国民の生命・身体は経済的利益よりも優先」

 何度も酷い判決を受けながらも、福島を失ってしまった人々は諦めずに戦ってこられて、ついに大きな一歩を刻みました。「旧経営陣が安全対策を怠ったために原発事故を引き起こし、巨額の損失を受けたにも関わらず、東電は旧経営陣に対して損害賠償を求めなかった」として東電の株主が旧経営陣に損害賠償を求めていました。2012年に東京地裁に提訴されたこの株主代表訴訟が、今、まるで重しが取れたかのように旧経営陣の経営責任を認め、国内過去最高の13兆円の賠償額を認める判決が出ました。
これに先立つ2019年に東京地裁では、旧経営陣の責任を問う刑事裁判で、強制起訴された元会長ら3人は無罪判決を受けています。争点は今回の株主代表訴訟と同様、地震予測の「長期評価」の信頼性でした。これを覆すような形での今回の判決です。
 そしてもう一点見逃せないことは、去る6/17最高裁で「国の責任を認めない」という悪魔のような判決が出たことです。東電がずさんな対策しかしないのであれば国が自ら策定した「長期評価」に基づいた対策をとらせるべきだったという原告、福島の被災者の人々の訴えが拒絶された判決でした。これまで各地の裁判で積み上げられてきた判断や資料を知れば、国に責任が無いなどという判断は不可能であったため、原告の人々の絶望はとても表現できないものでした。ところが、その判決の中で、多数意見に反対するたった一人、三浦守裁判官の反対意見が判決文の大半を占めるボリュームで述べられていたのです。多数意見を痛烈に批判し「2003年7月頃までには国は東電になんらかの対策をとらせるべきだった」「生存を基礎とする人格権は憲法が保障する最も重要な価値」とした上で、「経済的利益などの事情を理由とし、必要な措置を講じないことは正当化されるものではない」と国民の生命や身体の安全を優先すべき国のあり方を明記しました。原告団はこの反対意見を「第2判決」として受け止め、再び立ち上がったところだったのです。
 2011年3月11日から、やっと司法が動き始めたような手応えを感じます。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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配信元)
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【速報】東電旧役員13兆円賠償命令 株主代表訴訟で東京地裁
引用元)
(前略)
 東京電力福島第1原発事故を巡り、東電の株主が旧経営陣5人に対し、津波対策を怠ったために廃炉費用などで会社に巨額の損害を与えたとして、東電へ総額22兆円を賠償するよう求めた株主代表訴訟の判決で、東京地裁は13日、4人に計13兆円余りの支払いを命じた。東電旧経営陣の賠償責任を認める初めての司法判断で、原発事業者の経営に影響を与えそうだ。勝俣恒久元会長(82)、清水正孝元社長(78)は経営トップとして、武黒一郎元副社長(76)、武藤栄元副社長(72)、小森明生元常務(69)は原子力部門幹部としての責任が焦点になった。小森氏を除く4人に賠償責任を認めた。
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原発避難者訴訟 国の責任は否定されたが…最高裁判決文に異例の反対意見 三浦守裁判官が痛烈批判
引用元)
(前略)
「この反対意見は『第2判決』」

 国に責任があるとする反対意見を書いたのは、検察官出身の三浦守裁判官。1陣、2陣含め原告が5000人超の福島訴訟への判決文では、補足意見を含め全54ページ中、30ページに及ぶ。
 福島訴訟原告団の馬奈木厳太郎弁護士は「反対意見が判決の形で書かれているのは極めて異例のこと。これが本来あるべき最高裁判決だという思いを感じる。原告の思いに向き合い、法令の趣旨からひもとき、証拠を詳細に検討しているこの反対意見は後陣の訴訟にとって宝。第2判決として位置付けたい」と評する。
(中略)「多数意見は国や東電の責任を問う裁判で、最大争点である津波の予見可能性や長期評価の信頼性への明確な評価を避けるなど、触れていない重要なことが多い」
 一方で、三浦裁判官は長期評価も予見可能性も認めた上で「想定された津波で敷地が浸水すれば、本件事故と同様の事故が発生する恐れがあることは明らかだった」とし、遅くとも長期評価公表から1年後の2003年7月頃までには、国が東電に何らかの対策を取らせるべきだったとした
(中略)
 さらに三浦裁判官は、原発の技術基準は電力会社の事業活動を制約し、経済活動に影響する一方で、原発事故が起きれば多くの人の生命や、身体や生活基盤に重大な被害を及ぼすと言及。「生存を基礎とする人格権は憲法が保障する最も重要な価値」とした上で、「経済的利益などの事情を理由とし、必要な措置を講じないことは正当化されるものではない」と断じた。馬奈木弁護士はこう解説する。「つまり原発稼働による経済活動を優先し、人の生命や身体を脅かすことは許されないということ。これはまさに原告側が訴えてきたこと。もっとも注目されるべき点ではないか」
(以下略)

「日本の命運を決める」新潟県知事選に脱原発を掲げる片桐なおみ候補 〜 首相経験者や超党派の支持、山本太郎代表の応援演説が真髄を突く

 5月29日は新潟県知事選挙です。れいわ新選組山本太郎代表が、自身の選挙と同じくらい大事に熱烈に応援するのが「ゴリゴリの脱原発」片桐なおみ候補です。他県に住む私たちには関係なさそうですが、さにあらず。古賀茂明氏は「日本のエネルギー政策の大転換が実現するか、それとも、旧態依然の原子力ムラのために危険な原発に依存し続けるかの分かれ道。日本の命運を決める戦い」とまで書かれています。大阪も住民の力でカジノから守ろうと踏ん張っておられる。新潟も日本の未来を背負って、旧来型の原発推進派の自民、公明、国民民主そして連合が推す現職と、「救世主」片桐なおみ候補の一騎打ちです。立憲民主党は「連合に気兼ねをして」自主投票ですが、森ゆうこ議員や菊田まきこ議員らが気概を示し、小泉純一郎元総理、菅直人元総理まで応援に駆けつけていました。おしどりマコさんの楽しいツイートでは、片桐さんが柏崎刈羽原発建設反対で機動隊にゴボウ抜きされた唯一の女性だったことや、お子さんを背負って巻町原発建設に反対し、ついに断念させたこと、同時に無借金で50年間建設会社を経営してきたパワフルな実業家であることなどが紹介されています。
 そして応援に入った山本太郎代表の演説です。なぜ片桐候補を応援しなければならないか。新潟だけではない地方の姿も見えてきます。
地方自治が国の「言いなり」になってしまったら県民の生命財産は守れない。今の花角知事が国の望むままコストカットをした結果、病床削減、医療従事者が減って県民の生命、健康を危険に晒している。公務員の給与カットをした結果、雇用の受け皿が縮小し、地域に回るお金が減り、新潟県の経済を危険に晒している。やるべきは国に対してしっかりとお金をつけろということで、それができる知事が必要。そして世界一大きな刈羽原発がある。前の知事(米山知事)が再稼働に3つの歯止めをかけてくれていた。ところが花角知事は一部の既得権者のために反故にして、新潟県民と日本国民の生命財産を危険に晒している。まちがっていることは、まちがっていると言える知事が必要。それができる政治家がいない中、止むに止まれず手を挙げたのが片桐さんだ。みんなの本気が問われている、と。 
 311から得た全てを政治に込めた山本太郎代表の人生をも感じる激しい訴えは、お涙頂戴型の街頭演説とは一線を画すものでした。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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【地方創生】山本太郎「しっかりと地方にお金をつけろ」 という戦いを放棄したのは誰だ!? 片桐なおみ【公式チャンネル】
配信元)
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片桐vs.花角 未来を決める戦いだ 古賀茂明
引用元)
(前略)
 5月29日に新潟県知事選が行われる。現職の花角英世知事は、自民に加え公明党はもちろん、国民民主党、さらには連合新潟の支持まで受ける盤石の態勢だ。花角氏が選挙戦で原発について何を言うかわからないが、原発推進の自民とこれまた原発利権企業の組合に支配される連合、そして、その連合の原発候補を擁する国民民主が応援するから、彼が原発を止めることはあり得ない

 一方、これだけ盤石の現職候補に脱原発で反旗を翻す候補はいないのではと思われたのだが、そこに救世主が現れた。片桐奈保美氏だ。片桐氏は、脱原発運動のリーダーである一方、バリバリの女性経営者。無借金経営で50年間赤字決算ゼロ、住宅建築で県内1位を保持する企業の副社長で新潟経済同友会副代表幹事でもある。驚くべきマルチタレントだ。

 ところが、立憲民主党は片桐支持ではなく自主投票だという。連合に気兼ねして、脱原発を明確に打ち出せないのだ。

 片桐氏は今回の立候補で自身のビジネスに大逆風が吹くのは確実。それでも、子や孫の世代のためにと身を捨てて立候補したことに、小泉氏もいたく感動し、片桐支持を打ち出した。

 新潟県知事選は、日本のエネルギー政策の大転換が実現するか、それとも、旧態依然の原子力ムラのために危険な原発に依存し続けるかの分かれ道。日本の命運を決める戦いになりそうだ。


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フクイチのALPS排気フィルターが全て破損していた 〜 おしどりマコさんが質問したことで2年前の破損も発覚、原子力規制庁には報告せず

 福島第一原発の汚染水を処理する多核種除去設備(ALPS)の排気フィルターに破損が見つかったと報じられました。汚染水を処理する過程で生じる汚染物質を専用容器に移す際に、排気中に含まれる放射性物質を吸着するガラスペーパーで、25ヶ所中24ヶ所が破損していたそうです。以前におしどりマコさんが質問したところ、2年前にも25ヶ所全部破損だったことが分かっています。ところが東電はマコさんが質問しなければ公表するつもりはなく、規制庁にも報告していませんでした。
 おしどりマコさん・ケンさんは、お腹ペコペコでも眠くても、東電会見だけでなく原子力規制庁の監視評価検討会にも掛け持ち参加して私たちに内容を伝えて下さり、おかげで東電が規制庁に内緒にしておこうとした2年前の破損も規制庁の知るところとなりました。ALPSで汚染水を処理する過程で出る泥状の汚染物質を「スラリー」と言い、これを脱水し固体にして専用容器で保管するそうですが、専用容器に移す際の排気中の放射性物質を吸着するフィルターがことごとく破損していたというのです。今回はダスト濃度高警報が鳴ったおかげで発覚しました。東電は「排気フィルタの損傷による建屋外の影響はないものと思っている」と述べていますが、フクイチの様子を見てこられたマコさんでさえ「東電の設備管理の杜撰さが怖すぎる」とコメントされていました。規制庁さえ軽く見てごまかす東電の無責任体質は底なしです。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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配信元)

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福島第1フィルターほぼ全て破損 原因究明せずに運転続ける
引用元)
 東京電力は9日、福島第1原発の汚染水を浄化処理する多核種除去設備(ALPS)の排気フィルターに破損が見つかった問題で、全25カ所のうち24カ所で破損を確認したと発表した。2年前も同様の破損があり25カ所で交換していたが、原因を調べないまま運転を続け、公表もしていなかった
(以下略)
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「東電の管理極めて問題」規制委 福島原発の汚染水設備損傷で
引用元)
 東京電力福島第1原発の汚染水を浄化する多核種除去設備(ALPS)の排気フィルターが破損した問題を巡り、原子力規制委員会は13日の会合で、2年前にも同様の破損があったのに原因究明せずに運転を続けていたことを「東電の管理姿勢は極めて問題が大きい」と厳しく批判した
(以下略)

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「サイレント・フクシマ」〜 政府の原発事故軽視政策を批判し、忘却と闘う5人の日本人アーティストを描く

 五輪狂騒の裏で静かに日本を見つめる目がありました。「サイレント・フクシマ」という1時間足らずのドキュメント映画です。おしどりマコさん・ケンさんはじめ、写真家、詩人、ジャーナリストなど幾人かの方々と311以降の福島との関わりを静かに写した作品でした。本当は「美味しんぼ」の雁屋哲氏も加わるはずだったそうですが、コロナの渡航制限で実現しなかったとか。そこだけちょっと残念ですが、全体に気品すら漂う美しい記録で、ところどころに挿入された五輪の映像の「狂気」がいっそう際立つものでした。
 監督はスイス在住のアヤ・ドメニックさんという女性で、広島原爆投下時に広島赤十字病院の内科医であったお爺様の足跡を辿る作品「太陽が堕ちた日」という作品を撮られています。今回の「サイレント・フクシマ」は五輪と原発事故を切り離せないものとして描かれていますが、批判は前面に出ていません。とても静かに福島の無残が沁みます。中でも印象的だったのが、詩人のアーサー・ビナードさんの思いと活動でした。私たちが今置かれている、目隠しされている「マトリックス」からの解放に詩人らしいアプローチをされ、もっと知りたいと思わせるものでした。
 この作品は、五輪のアスリートの感動の涙とは全く異質の、若い母親の涙を記録に留めています。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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配信元)
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SILENT FUKUSHIMA サイレント・フクシマ
配信元)


「原発事故から10年が経ち、日本では福島のことを話題にする人々がとても少なくなりました。東京では夏季オリンピックが予定されており、日本政府は世界に向けて優れた、そして安全な日本を見せることに一生懸命のように見えます。
しかし、多くの場所で放射線量は依然として懸念されるレベルのままで、崩壊した原子炉の解体をめぐる問題は未解決のままであり、多くの避難者は未だに汚染された家に戻ることができていません。
《サイレント福島》では、スイス・日本人監督のアヤ・ドメーニグが、政府の原発事故軽視政策を批判し、忘却と闘う5人の日本人アーティストを描いています。この映画は、市民と国家の関係、芸術と政治の関係、そして未来の世代に対する私たちの責任について問いかけます。」
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