注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
ワー・ヌ(27)がミャンマー中部の村をあとにして日本へ向かったのは2017年末のことだった。岐阜県の縫製工場での職を仲介してくれた業者に手数料を払うため、34万円近くを借金した。(中略)… 先進技術を誇る国で、新たなスキルを学べるチャンスに期待を膨らませた。しかし、日本で彼女に与えられた仕事は、段ボールに衣服を詰める単純作業だった。週6日、朝7時から夜10時まで、同じ作業を繰り返した。深夜まで働かされたり、週7日勤務になったりすることもあった。それで月給は6万円。約束されていた額の半分しかなかった。
(中略)
「毎日、言葉の暴力を振るわれました。友達と話すのさえ許してもらえなかった。彼の言うことに従わないと、『ミャンマー人はダメだ。使い物にならない』と言われ、ミャンマーに送り返すと脅されました。とても怖かったけど、耐えるしかなかった」
弁護士らによれば、技能実習制度の大きな問題の一つは、雇用主を変えることができない、つまり転職の自由が許されていないことにあるという。苦情を申し立てれば、就労ビザを奪われ強制送還されかねない。
(以下略)
と、個別ケースでの具体的な事情も、日本の法律も、裁判例も調べずに言うわけですね。「慰安婦は売春婦」「徴用工などいない。志願者だ。」というのも同じ議論。 https://t.co/AtusQzxqwD
— 渡辺輝人 (@nabeteru1Q78) November 30, 2018
「徴用工」は名の通り徴用された工員であり志願ではない。国家総動員法に基づいており、日本人でも徴用されている。そして当時の朝鮮人徴用工の奴隷的な労働に従事させられたという訴えを理解できるか否かは、今、現在進行形の外国人技能実習生の奴隷のような様を理解できるか否かとも類似する。
— 渡辺輝人 (@nabeteru1Q78) November 30, 2018
日本国憲法18条が「何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。」と定めているにもかかわらず、外国人技能実習生に睡眠すら満足にとらせずに無賃労働させている例が実際にある。これは奴隷的拘束かそれに類似するものだろう。
— 渡辺輝人 (@nabeteru1Q78) November 30, 2018
そういう実態があるときに「憲法が奴隷的拘束を禁じているんだから、奴隷がいるはずがない」という意見は、反論になってないし、現実に目をつむっているだけだ。
— 渡辺輝人 (@nabeteru1Q78) November 30, 2018
日本の労働環境はその手の人を家畜のように扱う議論が横行している。「予算がないのだから残業はない(でもサビ残はある)」「人手不足だから有給休暇はない」。使用者側の勝手な理屈を現実扱いして法律違反を隠ぺいする。こういう抑圧的、パワハラ的な構造を転換しないと社会が死に絶える。
— 渡辺輝人 (@nabeteru1Q78) November 30, 2018
日本に来るために仲介業者に多額の手数料を支払っていて、雇用主の命令に逆らうとミャンマーに送り返すと脅され、技能実習生は過酷な環境に耐えるよりない状況にあります。
技能実習制度は、“雇用主を変えることができない”とのこと。なので、過労死になる前に、実習生は逃げ出すより方法がないのだと思います。ところが日本では、逃げ出した実習生を犯罪者扱いするのです。こうなると、本当の犯罪者は誰なのか、そしてその犯罪に加担しているのは誰なのかが問題です。
現代の「徴用工」とも言えるこの問題が、韓国や中国で起こっていたなら、一部の人たちはここぞとばかりに、韓国人や中国人を鬼畜として罵るでしょう。まさにそのように罵られても仕方がないことを、日本人が行っているのです。
このことから、国や民族には関係なく、クズはどこにでも居ることがわかります。もちろん、まともな人もいます。ことの善悪を一部の国や民族に当てはめて単純化してしまう思考こそが、闇を作るのだと思います。そうではなく、ありのままの現実を見て、何が起こっているのかを理解することが大事です。自分の心の闇に光を当てることが大切なのです。