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グーグルは異を唱えたら即クビ! <その1>
騒動のあらまし
Google(グーグル社)の上級エンジニアが、今年7月に「自分とこの社風ってちょっとおかしくない? 改善しませんか」と社内メモを匿名で回したら、今月1週目の週末には社外に公表されて大騒ぎとなり、犯人探しされて、7日月曜日には即刻クビになりました(確か2日足らずだったでしょうか、まぁ「メモのせいでしかないよね」って丸判りな速さです)。
最初は自称「リベラル(=進歩主義、自由主義者)」の左派、つまり大手メディアがこぞってメモ社員の方を血祭りにあげ、今はオルタナ(=従来の保守主義とは異なる新しいタイプの)右翼と呼ばれる人々が会社の方を盛んに批判しています。
メモの内容
James Damore, recently fired google engineer joins twitter as @fired4truth.
— Tennessee (@TEN_GOP) 2017年8月10日
Let's show him some support! pic.twitter.com/yvJGWDy5Zc
10頁ものメモなので読まずに参戦している人間も結構いるみたいです。なんせ大手メディアが「多様性を否定する女性蔑視メモ」と間違ったレッテルを堂々と貼る位ですから。
実際のメモを確かめてみましょう。作成者のジェームズ・デモア氏は2013年からグーグルで働く28歳で、本人曰く「古典的なリベラル」:
人は大抵は良心的です。ですが、誰もが自覚していない偏見を持っているものではないでしょうか。幸いなことに、意見の異なる人たちとオープンで率直な議論をすることにより、そういった自分では見落としている点が明るみになり、私たちを成長させてくれるのです。それがこの文書を書いた私の理由です。グーグルは幾つもの偏見を有し、それについての率直な議論は社内を支配するイデオロギーによって沈黙させられています。これから述べることはおよそ完璧なものではありません。ですが、グーグルで是非とも語られるべき、いち見解です。
……うん、言葉本来の良い意味でリベラルな方ですね。グーグルは左派一辺倒だけれど、右派・左派どちらか一方だけが100%正しいってことはないでしょう、本来は社会や企業って左派と右派の両方の視点があってこそバランスが取れるものだと思います、とも指摘しています。その点も正しい。
健全な企業活動をする上では、「女性」など一くくりのグループに人を当てはめるのではなく、個人個人として扱われるべきだし、性別や人種だけでなく意見の多様性にも寛容になるべきではないか、って会社に言いたかっただけなようです。
メモの問題点
ただ、コンピューター・エンジニアリング業や重役職で女性が半数を占められない原因には、もしかしたら生物学的な差もあるのではないか、と論じたのがまずかった。左派はこれ、凄く嫌う論調なんです。LGBTの時代なんですよ、性別なんて自分の意思で選び取るもの。そもそも生来のものではなく、社会的に一定の環境下で培われたものでしかないんです。
男性と女性に配分された特徴の違いは、なぜテクノロジーやリーダー的な役職の半数を女性が占めないのかという疑問を、部分的に解き明かしてくれるかもしれません。対等に占められるべきだという差別は不公平ですし、軋轢を招きますし、ビジネスにも響きます。」
要するに女性幹部や女性プログラマーをアファーマティブ・アクションで逆差別して50%にまで無理矢理引き上げる必要はないでしょって、示唆しちゃった。攻撃的なフェミニズムのお姉さん方がこれで敵に廻ります(※「あたしがグーグルで働いていたらぶん殴ってやったのに」とかツイートされてる)。
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とある社員が、「男女を全く同じように扱うことこそ逆差別ではないか」と声を上げました。するとその社員の会社は彼を即刻クビにしてしまいます。主要メディアもこぞって彼をバッシングします。
彼の言い分も一理あると思うし、世間が印象操作したような女性蔑視な方には見えないのですが……なんで世の中こんなに余裕が無くなってしまったのでしょう。