28日の記事
「原子力規制委員会の人事に対して声を」について、
永田町関係者である読者の方からのコメントをいただきました。
ご自身の7月28日の日記と、これに対するお友達のコメントへのお返事だそうです。(白井)
(日記部分)
(お友達のコメントへの返事部分)
運動をしている方の呼びかけでは、国会の所管委員会(今回は議院運営委員会)の委員への働きかけを提案していますが、これはあまり効果がないと思います。国会での各議員の意思表示は会派の意思決定に基づくもので、これが決定されてしまえば個別の議員が造反するのはかなりハードルが高い。ですから、働きかけるなら、各会派が意思決定をする前にすべきです。
民主党の今回の党のしての意思決定がどのようにされるかわかりませんが、一旦政府が国会に人事案を提案してしまえば、政府と一体のはずの民主党の側から撤回というのは、政治的にほとんど現実的でないと思います。
しかし、今の政治情勢からいって、しかも原子力規制委員会が民自公の3党の合意でできた経緯にも照らすと、自民党か公明党のどちらかが反対すれば、事実上人事の強行はできないと思います。日本の政党の意思決定は基本的に全会一致なので、党内に強力な反対派がいればそれだけでことが進まなくなる可能性は、今回のように推進側の政治的な力が強ければ執行部に抑え込まれる可能性もかなりある(昨日引用した河野太郎さんのメルマガにもありますように、原子力規制組織の3党協議について自民党の交渉役は、自民党案を作成した脱原発派ではありませんでした。そのために、本来の志から離れた結論になった事実があるのかないのか、私は知りません。)とはいえ、かなり期待できます。
自民党だと昨日挙げた議員さん方(河野太郎さんのメルマガにあった「井上さん」というのは、自民党環境部会の役員名簿をみますと、井上信治さん
http://www.jimin.jp/member/officer/index.html
でしょうか。)。
公明党の議員さん方について、私は世の中に言われているような恐ろしい顔をみたことがなく、真面目で良心的で人柄のよい人が多いという印象をもっているのですが、環境部会の名簿を見ても
http://www.komei.or.jp/komei/about/board/seichou/kankyou_bukai.html
…(中略)…そういう方がいらっしゃると感じます。公明党の方が党が小さいので、働きかけるにはいいかもしれないですね。
…(中略)…民主党議員でこの件で頼りになりそうな方は増税反対派とも重なり、離党しない以上は苦しくとも党内で歯止め役として頑張ってほしいと思っていましたので、造反してまた処分を受け、ますます党内での発言権を失うのはよいことではないと思います(※)。そもそも民主党のこういった方々がこの件で造反しなくてよいよう、自民党あるいは公明党から反対してもらうのが理想、というのが、私の意見です。
※
原子力規制を一元的に担う新組織「原子力規制委員会」の委員長に、田中俊一・前原子力委員会委員長代理を起用する政府の人事案に対し、27日に開かれた民主党の環境部門会議と原発事故収束対策プロジェクトチーム(PT)の合同会議で異論が続出した。人事案は八月上旬に衆参両院で採決されるが、造反者が出る可能性もある。(中略)
会議では、田中氏について「原子力を推進する機関の要職を務めた人。国民に説明できない」と疑問視する声が出たほか、委員の中に「原発反対派がいないのはバランスを欠く」などの批判が相次いだ。(中略)
PT事務局長の川内博史衆院議員は「少なくとも委員長を差し替えないと認められない」述べた。
(2012年7月28日東京新聞より)