竹下雅敏氏からの情報です。
注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
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【拡散希望】自民党テレビCMの真実
転載元)
モノシリンの3分でまとめるモノシリ話 16/7/3
(前略)
テレビCMで謳っている「アベノミクスの成果」は全てインチキ又はアベノミクスと無関係なものである。
(中略)
雇用110万人増はアベノミクスと無関係
(中略)
押さえておかなければいけないのは,アベノミクス3年間で確実に日本経済は停滞したということである。これは,むりやり物価を上げた影響で,GDPの6割を占める消費が冷えたからである。グラフを交えて説明する。
アベノミクス3年間で,
1.物価が急上昇したのに(赤)
2.給料はそのまんまだったので(オレンジ)
3.物価を考慮した実質賃金が下がり(青)
4.消費が急激に冷え込んだ(緑)
※毎月勤労統計調査 平成27年分結果確報|厚生労働省
※総務省統計局統計表一覧
※統計局ホームページ/家計調査 家計消費指数 結果表(平成22年基準)
そして家計消費の低下が実質GDPの6割を占める実質民間最終消費支出の低下に直結した。(中略)
※内閣府の統計データを元に作成。
下記のグラフは上記のグラフの期間を過去22年間にまで広げたもの。(中略) …下がったのは過去22年間でたったの5回。そのうち2回をアベノミクスが占める。そして,「3年前より下がる」という現象が起きたのは,あのリーマンショックの翌年2009年以来の超異常現象。
※内閣府の統計データを元に作成。
この民間消費の異常な冷え込みが大きく影響し,3年間で比較すると,結局安倍政権は民主党政権の約3分の1しか実質GDPを伸ばすことができなかった。
※内閣府の統計データを元に作成。
アベノミクスの失敗が良く分かったと思う。経済が停滞したのに物価だけは上がったので,スタグフレーションに陥っているというべきなのである。
(中略)
下記の表をご覧いただきたい。これは,この3年間で増えた雇用を産業別にふりわけ,多い順に並べたものである。
出典:統計局ホームページ/労働力調査 長期時系列データ
上位を占めているのは円安とほとんど関係の無い産業ばかりである。(中略)…他方で,円安の恩恵を受けたであろう製造業はたったの4万人しか増えていない。(中略)…なぜか。それは,下記のグラフを見ると分かる。これは,平成22年を100とした場合の輸出金額指数,輸出価格指数,輸出数量指数をグラフにしたものである。
出典:他の年月の統計表一覧 政府統計の総合窓口 GL08020102
輸出金額とはつまり輸出した金額の合計額であり,輸出価格とは「単価」である。上記のグラフを見ると,円安の影響で単価が上がり(赤),それによって輸出の合計額(青)も上がっていることが分かる。しかし,数量(緑)は変わっていない。むしろ,落ちている(91.6⇒89.8)。円安で日本の輸出品がたくさん売れるようになったわけではないのだ。(中略)…
中小製造業にとっては本当に苦しい3年間だったのではないか。円安で材料の単価が上がるが,取引の数量が増えるわけではない。円安で儲かるのは最終的に海外に完成品を売る大企業だけ。(中略)…以上のとおりであるから,雇用増加はアベノミクスと全然関係ないのである。
国民総所得36兆円増のカラクリ
これは超インチキである。指摘する点は2つ。
1点目~実質GDPが悲惨なのをごまかしている~
まず,自民党が国民総所得を持ち出したのは,国内総生産(GDP)が全然ダメなのを隠すためである。
(中略)…
GDPは国内で一定期間内に生産されたモノやサービスの付加価値の合計額。 “国内”のため、日本企業が海外支店等で生産したモノやサービスの付加価値は含まない。一方GNPは“国民”のため、国内に限らず、日本企業の海外支店等の所得も含んでいる。(中略)…要するに,国民総所得には,グローバルに展開する大企業が海外で得た儲けが含まれるということである。(中略)…極端な話,日本国内の経済が停滞していても,海外での儲けが大きければ,国民総所得は増える。つまり,国民総所得は国内経済の状態を正確に反映できないのだ。(中略)…
我々一般人にとって関係あるのは国内経済なので,重視すべきは当然実質GDPである。(中略)…
約10兆円ほど伸びたが,それは民主党政権時代の3分の1に過ぎない。(中略)…実質GDPが全然ダメだったので,それをごまかすために国民総所得を持ち出しているだけなのである。(中略)…
2点目~使っている数字は名目値~
調べてみたところ「36兆円」というのは,名目値である(やっぱりね・・・)。実質国民総所得で見ると,増えたのは約25兆円。約11兆円も違う。
統計表一覧(2016年1-3月期 2次速報値) - 内閣府
ところで,経済成長率を見る場合は実質値を見るべきというのは,内閣府も指摘している。(中略)…
要するに,自民党は国内経済の成長を測る指標ではない国民総所得を用いて悲惨な実質GDPをごまかした上に,名目値を用いてさらにごまかしをしているのである。
(中略)
では次にこちらの主張に突っ込みをいれてみよう。
有効求人倍率の増加はアベノミクスと無関係
(中略)…日本は少子高齢化が進み,ただでさえ生産年齢人口すなわち働き手が少なくなっていく運命にある。
下記厚労省作成資料のとおりである。
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hokabunya/shakaihoshou/dl/07.pdf
このようにほっといても人手不足になる状況なのだが,(中略)…正規雇用が減り,そのぶんたくさん非正規雇用を雇う構造になっているので,労働者が全体として増える構造になっているのである。
グラフで見ていく。まず,正社員は基本的に右肩下がりで減少していく傾向にある。(中略)…
他方,非正規社員は基本的に右肩上がりである。(中略)…
統計局ホームページ/労働力調査
(中略)…
正規社員は働く時間が長いが,非正規社員は働く時間が短い。したがって,非正規社員の増加に伴い,平均労働時間数は減少し続けている。
毎月勤労統計調査(全国調査・地方調査) 結果の概要|厚生労働省
このように,働く時間の長い人(正規社員)を減らす代わりに,働く時間の短い人(非正規社員)をたくさん雇う構造に変化させることで,労働者の数は全体として増えることになる。(中略)…
だから,有効求人倍率が上がるのは当たり前なのである。それはアベノミクスとは全く関係無い。
3年連続賃上げ2%達成のカラクリ
(中略)…重要なのは,3年連続2%の賃上げが達成された労働者の範囲である。連合のプレスリリースをみると,集計の対象となったのは,「4764組合,262万0657人」とある。ところで,総務省統計局の労働力調査によると,2016年5月時点での役員を除く雇用者数は5366万人である。つまり,2%の賃上げを実現した労働者の割合は262万÷5366万=約5%に過ぎない。約5%にしか当てはまらない数字をもって,あたかも国民全体の給料が2%上がったかのように見せかけようとしている。
本当は,下記のグラフのとおり,この3年間で国民の給料は約0.1%しか伸びていない
(平成24年98.9⇒平成27年99)。
※毎月勤労統計調査 平成27年分結果確報|厚生労働省
これは具体的な額にすると平均月給が約300円しか伸びなかったことを意味している。(中略)…
まとめ
(中略)…金融緩和路線を進めても,消費が冷えるだけ。それはこの3年間のデータが証明している。
この道を進んでも何も待っていない。我々庶民にとっては生活が苦しくなるだけだ。そんなに物価を上げたいなら最低賃金を思いっきり引き上げればいい。経営者は人件費を価格に転嫁せざるを得なくなるから,物価は上がるだろう。そしてこの方法ならば,「賃金はそのままなのに物価だけは上がる」という消費低下の原因となった現象も起きない。
以上,自民党のテレビCMで謳っていることは全部インチキ又はアベノミクスと無関係なものばかりである。騙されてはいけない。こんなことを平気でやられてしまうと,怒りを通り越して恐ろしくなってくる。自民党は,いつの間にか自民党では無い別の何かに変わってしまったのではないだろうか。
テレビCMで謳っている「アベノミクスの成果」は全てインチキ又はアベノミクスと無関係なものである。
(中略)
雇用110万人増はアベノミクスと無関係
(中略)
押さえておかなければいけないのは,アベノミクス3年間で確実に日本経済は停滞したということである。これは,むりやり物価を上げた影響で,GDPの6割を占める消費が冷えたからである。グラフを交えて説明する。
アベノミクス3年間で,
1.物価が急上昇したのに(赤)
2.給料はそのまんまだったので(オレンジ)
3.物価を考慮した実質賃金が下がり(青)
4.消費が急激に冷え込んだ(緑)
※毎月勤労統計調査 平成27年分結果確報|厚生労働省
※総務省統計局統計表一覧
※統計局ホームページ/家計調査 家計消費指数 結果表(平成22年基準)
そして家計消費の低下が実質GDPの6割を占める実質民間最終消費支出の低下に直結した。(中略)
※内閣府の統計データを元に作成。
下記のグラフは上記のグラフの期間を過去22年間にまで広げたもの。(中略) …下がったのは過去22年間でたったの5回。そのうち2回をアベノミクスが占める。そして,「3年前より下がる」という現象が起きたのは,あのリーマンショックの翌年2009年以来の超異常現象。
※内閣府の統計データを元に作成。
この民間消費の異常な冷え込みが大きく影響し,3年間で比較すると,結局安倍政権は民主党政権の約3分の1しか実質GDPを伸ばすことができなかった。
※内閣府の統計データを元に作成。
アベノミクスの失敗が良く分かったと思う。経済が停滞したのに物価だけは上がったので,スタグフレーションに陥っているというべきなのである。
(中略)
下記の表をご覧いただきたい。これは,この3年間で増えた雇用を産業別にふりわけ,多い順に並べたものである。
出典:統計局ホームページ/労働力調査 長期時系列データ
上位を占めているのは円安とほとんど関係の無い産業ばかりである。(中略)…他方で,円安の恩恵を受けたであろう製造業はたったの4万人しか増えていない。(中略)…なぜか。それは,下記のグラフを見ると分かる。これは,平成22年を100とした場合の輸出金額指数,輸出価格指数,輸出数量指数をグラフにしたものである。
出典:他の年月の統計表一覧 政府統計の総合窓口 GL08020102
輸出金額とはつまり輸出した金額の合計額であり,輸出価格とは「単価」である。上記のグラフを見ると,円安の影響で単価が上がり(赤),それによって輸出の合計額(青)も上がっていることが分かる。しかし,数量(緑)は変わっていない。むしろ,落ちている(91.6⇒89.8)。円安で日本の輸出品がたくさん売れるようになったわけではないのだ。(中略)…
中小製造業にとっては本当に苦しい3年間だったのではないか。円安で材料の単価が上がるが,取引の数量が増えるわけではない。円安で儲かるのは最終的に海外に完成品を売る大企業だけ。(中略)…以上のとおりであるから,雇用増加はアベノミクスと全然関係ないのである。
国民総所得36兆円増のカラクリ
これは超インチキである。指摘する点は2つ。
1点目~実質GDPが悲惨なのをごまかしている~
まず,自民党が国民総所得を持ち出したのは,国内総生産(GDP)が全然ダメなのを隠すためである。
(中略)…
GDPは国内で一定期間内に生産されたモノやサービスの付加価値の合計額。 “国内”のため、日本企業が海外支店等で生産したモノやサービスの付加価値は含まない。一方GNPは“国民”のため、国内に限らず、日本企業の海外支店等の所得も含んでいる。(中略)…要するに,国民総所得には,グローバルに展開する大企業が海外で得た儲けが含まれるということである。(中略)…極端な話,日本国内の経済が停滞していても,海外での儲けが大きければ,国民総所得は増える。つまり,国民総所得は国内経済の状態を正確に反映できないのだ。(中略)…
我々一般人にとって関係あるのは国内経済なので,重視すべきは当然実質GDPである。(中略)…
約10兆円ほど伸びたが,それは民主党政権時代の3分の1に過ぎない。(中略)…実質GDPが全然ダメだったので,それをごまかすために国民総所得を持ち出しているだけなのである。(中略)…
2点目~使っている数字は名目値~
調べてみたところ「36兆円」というのは,名目値である(やっぱりね・・・)。実質国民総所得で見ると,増えたのは約25兆円。約11兆円も違う。
統計表一覧(2016年1-3月期 2次速報値) - 内閣府
ところで,経済成長率を見る場合は実質値を見るべきというのは,内閣府も指摘している。(中略)…
要するに,自民党は国内経済の成長を測る指標ではない国民総所得を用いて悲惨な実質GDPをごまかした上に,名目値を用いてさらにごまかしをしているのである。
(中略)
では次にこちらの主張に突っ込みをいれてみよう。
有効求人倍率の増加はアベノミクスと無関係
(中略)…日本は少子高齢化が進み,ただでさえ生産年齢人口すなわち働き手が少なくなっていく運命にある。
下記厚労省作成資料のとおりである。
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hokabunya/shakaihoshou/dl/07.pdf
このようにほっといても人手不足になる状況なのだが,(中略)…正規雇用が減り,そのぶんたくさん非正規雇用を雇う構造になっているので,労働者が全体として増える構造になっているのである。
グラフで見ていく。まず,正社員は基本的に右肩下がりで減少していく傾向にある。(中略)…
他方,非正規社員は基本的に右肩上がりである。(中略)…
統計局ホームページ/労働力調査
(中略)…
正規社員は働く時間が長いが,非正規社員は働く時間が短い。したがって,非正規社員の増加に伴い,平均労働時間数は減少し続けている。
毎月勤労統計調査(全国調査・地方調査) 結果の概要|厚生労働省
このように,働く時間の長い人(正規社員)を減らす代わりに,働く時間の短い人(非正規社員)をたくさん雇う構造に変化させることで,労働者の数は全体として増えることになる。(中略)…
だから,有効求人倍率が上がるのは当たり前なのである。それはアベノミクスとは全く関係無い。
3年連続賃上げ2%達成のカラクリ
(中略)…重要なのは,3年連続2%の賃上げが達成された労働者の範囲である。連合のプレスリリースをみると,集計の対象となったのは,「4764組合,262万0657人」とある。ところで,総務省統計局の労働力調査によると,2016年5月時点での役員を除く雇用者数は5366万人である。つまり,2%の賃上げを実現した労働者の割合は262万÷5366万=約5%に過ぎない。約5%にしか当てはまらない数字をもって,あたかも国民全体の給料が2%上がったかのように見せかけようとしている。
本当は,下記のグラフのとおり,この3年間で国民の給料は約0.1%しか伸びていない
(平成24年98.9⇒平成27年99)。
※毎月勤労統計調査 平成27年分結果確報|厚生労働省
これは具体的な額にすると平均月給が約300円しか伸びなかったことを意味している。(中略)…
まとめ
(中略)…金融緩和路線を進めても,消費が冷えるだけ。それはこの3年間のデータが証明している。
この道を進んでも何も待っていない。我々庶民にとっては生活が苦しくなるだけだ。そんなに物価を上げたいなら最低賃金を思いっきり引き上げればいい。経営者は人件費を価格に転嫁せざるを得なくなるから,物価は上がるだろう。そしてこの方法ならば,「賃金はそのままなのに物価だけは上がる」という消費低下の原因となった現象も起きない。
以上,自民党のテレビCMで謳っていることは全部インチキ又はアベノミクスと無関係なものばかりである。騙されてはいけない。こんなことを平気でやられてしまうと,怒りを通り越して恐ろしくなってくる。自民党は,いつの間にか自民党では無い別の何かに変わってしまったのではないだろうか。
雇用に関して言えば、正社員が減り、非正規社員が増えています。働く時間の短い非正規社員をたくさん雇用することで、労働者の数は全体として増えることになります。有効求人倍率が上がるのは当たり前で、人々の生活は苦しくなる一方ということです。
国民総所得(GNP)36兆円増の方は、名目値で、実質値だと約25兆円増でしかないとのことです。しかも、国内総生産(GDP)は全然だめで、何と“安倍政権は民主党政権の約3分の1しか実質GDPを伸ばせなかった”らしい。それをごまかすために、国民総所得を持ち出したということのようです。
実際には、庶民の生活実感が示す通り、日本の経済は破壊されていると言って良い状況です。未だに騙されている人が多いということには、驚かざるを得ません。