注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
トランプ大統領の政策期待でアメリカの株価が上がってきたのですが、2017年1月25日、とうとう120年間で初めてニューヨーク証券市場のダウ平均株価が2万ドルを突破しました。
(中略)
しかし、これは、トランプ大統領の政策が富裕層優遇の政策への期待があらわれたもので、99%のアメリカの庶民にとってはちっともいいことではありません。
(中略)
株価を押し上げている一番の要因は、大企業優遇の法人税減税、富裕層優遇の所得税減税。
法人税は最高税率を35%から15%に大幅減。資産のある人にだけかかる相続税は廃止するとまで言っています。
さらに、各種の規制緩和。
その中には、環境保護のための施策のみならず、リーマンショックを受けて制定された各種の金融規制政策があり、さすが巨大証券会社ゴールドマンサックスから何人も閣僚に入っているトランプ政権ならではの施策です。
トランプ大統領はその就任演説で、99%のための政治をすると断言しましたが、実際には彼が1%の、1%による、1%のための政治をやろうとしていることは明らかです。
だからこその史上初のダウ高値なのです。
(中略)
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Paul Craig Roberts
(前略)
大統領の地位について三日目に、ドナルド・トランプは、アメリカ合州国が環太平洋連携協定(TPP)から離脱する大統領令に署名した。
(中略)
アメリカのグローバル企業が渇望していた権力に対する致命的打撃を加えたのだ。
(中略)
現代資本主義は、利益第一の世界で、(中略)…本国に対する忠誠心など皆無だ。
(中略)
雇用の海外移転は、消費者を、消費する商品の製造に伴う収入から切り離してしまい、彼らの困窮を招くのだ。
(中略)
結果は、州や地方や連邦の税基盤の崩壊で、そのおかげで、社会保障やメディケアや、国家や地方の年金が攻撃されることになる。
(中略)
トランプは、まさにこれを転換するつもりだと言ったのだ。
彼は一体どうやって実現できるだろう? 法人税率を削減し、輸入、あるいは国境税を課すことで実現できるものなのだろうか?
(中略)
トランプは、アメリカ市場向け製造の海外移転による安い労賃で、企業が得られる利益増という利点を、企業が課税される方法を変えることで相殺することができる(中略)…つまり、(中略)…商品を、アメリカ人の労働によって製造すれば、(中略)…低い税金を課されることにする。
(中略)
中国、インド、インドネシアや、他の国々における労働力の膨大な過剰供給のおかげで、(中略)…アメリカの労働力が競合できる唯一の方法は、アメリカの生活水準以下の賃金を受け入れることだ。
(中略)
トランプはこれを理解している。
(中略)
もし革命が起きるとすれば、左翼ではなく、ドナルド・トランプがひきいる可能性の方がずっと高い。
(中略)
記事原文のurl: http://www.paulcraigroberts.org/2017/01/24/three-days-trump-already-kept-one-pledge/
トランプ政権の新財務長官はボルカールールを撤廃したいと考えている。https://t.co/3RZpyKYdnn
— 藤原直哉 (@naoyafujiwara) 2017年1月25日
撤廃すると再び大手金融機関のレバレッジは拡大する。まさに今の金利が上がり株が上がりというバブル末期でこれをやると巨大破綻の傷を深めるだけ。しかし人為的な操作なく整理するものは整理させるというのも共和党らしい考え方。
— 藤原直哉 (@naoyafujiwara) 2017年1月25日
まさにボルカーがFRB議長になってからせっせと市場にカネを入れてカネの力で膨らませてきた市場を一度解体し、実体経済が株価を動かすところまで市場を落として再出発という道はある。新自由主義からの決別は最後にそれをやらなければならない。トランプで米国はその道を歩みつつある。
— 藤原直哉 (@naoyafujiwara) 2017年1月25日
確かに株が暴落して大変だけど貧困層には年金もないし直接の影響はあまりない。問題はその後のとんでもない大不況で、それをニューディールで立て直していく。
— 藤原直哉 (@naoyafujiwara) 2017年1月25日
共和党はニューディールという言葉が大嫌いだから使わないが、メキシコとの間の壁の建設はニューディール時代のフーバーダムを思い出させるし、トランプがやろうとしている全米50のインフラプロジェクトも米国再生だ。それを民衆の結集と企業の協力でやろうとしている。
— 藤原直哉 (@naoyafujiwara) 2017年1月25日
先手を打って準備するというところがいつも日本は苦手だ。トランプなんか経営者を何十年もやっているから今の金融市場がこれからどうなってそれが何をもたらすかは経験で知っていると思う。
— 藤原直哉 (@naoyafujiwara) 2017年1月25日
結果的に共和党政権では巨大破綻が起きやすくなる。フーバー大統領時代の世界大恐慌、ニクソンショック、レーガンのプラザ合意、ブッシュの911事件、ブッシュのリーマンショック。一方民主党時代に起きたアジア危機やロシア危機は上手に関係者にカネを回して損失をきれいに飛ばしてしまった。
— 藤原直哉 (@naoyafujiwara) 2017年1月25日
米国は貧困の拡大でカネがなくなって輸入がもはやできない。そこでモノもサービスも輸入はしません。労働力の移入もしません。そうやって海外にカネが出るのを止める。https://t.co/8qQGOyvQD0
— 藤原直哉 (@naoyafujiwara) 2017年1月25日
すると特に中南米は飯が食えなくなるから米国に大量の難民が流れ込むことは必定。そこで壁を作っちゃって移民政策を強化する。前回の世界大恐慌の時は水をせき止める巨大ダムの建設、今度は人をせき止める巨大ダムの建設ということだろう。建設自体が雇用の確保につながるし。
— 藤原直哉 (@naoyafujiwara) 2017年1月25日
しかしそれだけでは未来は作れない。製造業や建設業の賃労働だけでは持続的な安定は作れない。根源的蓄積を各世帯が作れないからだ。同時に戦争をする力は残っていない。
— 藤原直哉 (@naoyafujiwara) 2017年1月25日
となれば中南米も米国もキューバのカストロを見習って無農薬有機農業で民衆が自分の在所で食料を自給できるようにするのが結果的に一番の早道だ。そうすれば賃労働で蓄積は可能だ。中南米はトランプ政権の政策を受けて社会主義政権になって本当にそうなるのではないか。
— 藤原直哉 (@naoyafujiwara) 2017年1月25日
確かに、これだけを見るとそのように思います。しかし、もしトランプ大統領が1%のための政治をやろうとしているならば、TPPからの離脱はありません。ポール・クレイグ・ロバーツ氏が指摘しているように、トランプ大統領によるTPPからの離脱の大統領令は、“グローバル企業が渇望していた権力に対する致命的打撃を加えた”のです。
トランプ氏は、公約通りアメリカ再生のための政策を行っています。要するに、雇用をアメリカに取り戻すための措置です。
企業は雇用を海外に移転することで、安い労賃により利益を出すことができます。海外移転した企業をアメリカ国内に呼び戻すための措置が、法人税の減税になるわけです。問題なのは、記事の後半部分にある通り、アメリカに競争力がなさ過ぎることです。トランプ大統領は、これを簡単に、ドルが高すぎると言っています。トランプ氏の思惑通りアメリカが再生するためには、ドルの価値が今の半分くらいになる必要があるのではないでしょうか。だとすると、トランプ大統領は、本気でアメリカの国内のみで通用する新通貨の発行を考えているかも知れません。これはFRBの廃止も意味しています。要するに、アメリカは意図的にデフォルトの道を歩もうとしていると考えれば、今の状況はとてもよく理解できます。
そういう観点で、“続きはこちらから”以降の藤原直哉氏のツイートを読めば、よくわかるのではないでしょうか。
私がトランプ大統領の立場なら、さらに、これまでアメリカのみならず世界に対して悪の限りを尽くしてきた連中の罪を暴き出し、彼らに相応の負担を強いると思います。簡単に言うと、例えば、ロスチャイルド家ならその財産のほとんど全部を没収する方向で動くと思います。没収したお金を世界に適切に分配すれば良いわけです。それと、最高賃金の設定をするでしょう。