[第36回] 地球の鼓動・野草便り 風邪対策


風邪対策

旧暦では今年は11月17日までが長月(旧暦9月29日)です。立冬は11月7日ですが、旧暦カレンダーによると長月は秋で、年内は暖かさが残るとか。まだわりと過ごしやすく、県北の風通しの良い我が家でも、ほとんど暖房なしで過ごせています。できれば他からの熱源に頼らず、寒さに強くなればと思います。

というのもこの田舎に引っ越してきた時、冬の寒さに驚きましたが、ご近所のお年寄りは随分薄着でした。
そこで、松葉茶やヨモギ茶など体を温める作用があるものを頂いて、寒さにまけない身体になれればと思います。


体を温める植物に、ヒオウギズイセンがあります。実はこのヒオウギズイセンは温めるというより、飲み方によっては40度くらい発熱させると言われています。それで、高熱で消える癌の治療に飲むのだとか。我が家では少しずつ葉っぱや球根を冬場の野草茶に混ぜて頂いています。

ヒオウギズイセン


球根に熱湯を注いで飲むと熱が出るらしいのですが、1度試した時には熱が出たとは感じませんでした。抽出時間が短かったのか、体温計で測っていないので、体温が上がっていても鈍感だったのかはわかりません。
(お医者さんの中には自分が癌にかかったら、通常のガン治療はしないで、インフルエンザの菌を入れて高熱を出すという話をお医者さんのアンケートで読んだことがあります。)

寒さにはマフラーなど首巻きがかなり効果的ですが、とは言え、冷えてゾクゾクっとしたら、すぐに貼るカイロをお尻の上あたりの腰や肩甲骨の上の首の付け根あたりに貼ると、体全体が温まり、ほとんどの場合はこれで風邪を引かなくてすみます。
それでも昨年は1ヶ月くらい咳や鼻水、多少の熱などが続きましたが、身体はそれほどしんどく(辛く)はなくて、普通に過ごしました。


⚫ 風邪の初期症状
生姜と梅干しと大根おろしとネギと醤油に熱湯を入れていただきます。これらも身体を温め排毒するんですね。

⚫ 咳
オオバコ茶や生のレンコンの絞り汁も咳にいいそうで、美味しいです。

⚫ 喉の痛み
喉が痛い時には、手ぬぐいなどにアルコールをしませて巻くと楽になります。

⚫ 熱
体が風邪を撃退しようと発熱しているので、熱を下げるのではなく、体を温めます。
布団を1枚多めにかけて寝て、汗をかいたら下着をとりかえるか、タオルなどを背や胸に入れて汗で冷えないようにします。
頭だけは氷枕やタオルを濡らして冷やします。

⚫ 体力消耗や風邪全般
柚子やキンカンの蜂蜜漬けも用意しています。お湯でホット柚子やホットキンカンにしていただきます。良くいただくのが、生の生姜をすりおろして、蜂蜜などとお湯で生姜湯にします。
また、黒ニンニクや、ニンニクを皮ごと柔らかく美味しく焼いていただきます。
本物の葛湯もいいですね。

⚫鼻づまり
鼻のツボ(ちょうどメガネが当たる所の鼻の上あたり)を軽く押します。


⚫ 鼻水、風邪予防
マスクや鼻の塩水洗い、うがいをします。 (重要: シャンティ・フーラの邪気対策



この他にも風邪の民間療法は昔からいろいろありますね。まずは柿ですが・・。

ちなみに野草や樹木で風邪に効くとされるのは、シシウド(根)、アキノキリンソウ(全草を乾燥)、オオマツヨイグサ(根)、オナモミ(実)、クズ(根)、ジャノヒゲ(塊根)、ツユクサ(全草を乾燥)、ナギナタコウジュ(全草を乾燥)、ネズ(果実)、ネズミモチ(樹皮、果実)、ハマゴウ(果実)、ハマボウフウ(根)、ヒオウギ(根茎)、レンギョウ(果実)などがあります。

アキノキリンソウ


ナギナタコウジュ


風邪に有効といっても、解熱や発汗、頭痛、咳、たんなどそれぞれ多少作用が違います。シシウドなど温性で高熱時や夏場は避けた方がいいものもあります。

シシウド


この他にも気管支炎、気管支ぜんそくや百日ぜきなどに効くとされるナンテンなどもあり、ジャノヒゲ(ヤブランも)は全般的に効果があるようです。

ヤブラン


ただし、ジャノヒゲのように根にある塊だけをいただいて、そのまま生やしておく場合はいいのですが、根の利用は沢山増えすぎている時以外は、まず種を蒔いて育ててからか、根以外の部位をいただいた方が植物が絶えてしまわないので、良いかなと思います。

ジャノヒゲ(リュウノヒゲ)


もしかしたら、食べたり飲んだりしなくても、見たり、そばにあるだけでも、効果があるのかも・・・と木に生えているマンネンダケ(霊芝)を写した写真を見て思いました。

また、ダイコン、ゴボウ、ミカン、キンカン、ネギ、イチジクなども風邪にいい食物で、反対に身体を冷やす食品は控えた方がいいですね。特に砂糖のとりすぎは身体が冷えて風邪をひきやすくなります。

ゴボウ(土嚢袋育ち)


竹下先生がご紹介くださっている「風邪の効用」野口晴哉/著(ちくま文庫)を読んで、次の季節に備えて身体が排毒や調整をしているんだと思うと、咳は出るけど元気とか、鼻水は出るけど気にならないとか、寝て休めばいいとか、気持ちが変わって、平気になりました。

それから、湯たんぽならぬ猫たんぽ!寒くなるとお布団に潜ってくるニャンコが暖かくて・・・。猫も私もコタツ好きなのですが、今年はくっつきもっつき・・・省エネ暖房しあってます。

yasou
自然賛歌

満月とオーブ(たまゆら)

ハキダメギク


セイダカアワダチソウ

シシゴケとコナラのどんぐり




ヒヨドリジョウゴ(有毒)



熟し柿




オトコエシの種

シシウドの種にフタホシテントウ(ナミテントウ)



ウバユリの種・・・びっくりするほどたくさん詰まっている



ニラの種もニラの味



■ 参考文献

イー薬草・ドット・コム
「大地の薬箱 食べる薬草事典」 村上光太郎/著 農文協
「カラダ改善研究所 自然のチカラいただきます」中村臣市郎/監修 西日本新聞社



ライター

ニャンニャン母さんプロフィール

ニャンニャン母さん

プロフィール:1955年魚座生まれ、広島の県北 中山間地域在住、
体癖はおそらく2ー3種

20代の頃「複合汚染」有吉佐和子/著 を読んで、食の環境悪化を考えた時、野草を食べることを思いつき、食料としての野草研究を始める。
全くの素人ながら、健康住宅の設計事務所に入社し、健康住宅を学ぶ。
残された人生と限られた時間について気付かされ、仕事を辞め、自給自足を目指す。
平成22年頃、古民家を借り、Iターン。野草教室を開催。
「古民家カフェ・むす日」「山のくらしえん・わはは」「クリエイティブ・アロマ」等にて野草教室。

現在、野草好きになった87歳の母と、無関心な33歳の長男と猫3匹と暮らしています。

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