【賃金21年ぶりの高い伸び率】の真実 〜 モノシリン先生が喝破「実質賃金下がりっぱなし」という批判を封じるため、名目賃金の算出方法を変更?

 アベノミクスの失敗とそのごまかしぶりを、丁寧にデータを読み解いて証明されたモノシリン先生がまたまた気鋭の指摘をされました。
 先月の「名目賃金が21年ぶりの高い伸び率を示した」と厚労省が発表したニュースを聞いて「ウソだあ」と思えども、数字の山をみて固まってしまった、まのじを救っていただきました。
21年ぶりの高い伸び率が出るように、周到なインチキが仕込まれていたようです。
 一つは、これまで抽出したサンプルが異なる場合、過去のデータと正確に比較できるように「遡求改定」をしていたのに、それを今回は止めていたこと。もう一つは、ベンチマーク(基準)の操作です。事業所規模が大きいほど賃金は高くなる傾向があり、30人未満の事業所と30人以上の事業所を比較すると7万円もの差があります。基準となるベンチマークを新しく更新した際、30人未満の事業所を2.8%減らしたことで、平均賃金のデータは今回から異様に高く出ました。モノシリン先生は、「増税+アベノミクスで物価を無理やり上げたが、(名目)賃金が1.5%しか伸びなかったので、実質賃金は4.2%も下がっている。」とまとめて下さいました。これを受けてか、西日本新聞も「統計の作成手法が今年に入って見直されたことから、統計上の所得が高めに出ている」との記事を出しました。
 ツイートにもあるように、公文書を改ざんしたり、無かったことにできる政権ですからね、データを意図的に操作するくらいやりかねん。
ぜひ、転載元で、そのやり口をしっかりご覧下さい。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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【賃金21年ぶりの高い伸び率】の真実
1か月ほど前になるが、今年6月の名目賃金の前年同月比が3.6%を記録し、21年ぶりの高い伸び率であると報じられた。

6月の名目賃金3.6%増 21年ぶりの高い伸び率:朝日新聞デジタル
厚生労働省が7日発表した6月の毎月勤労統計調査(速報)で、名目賃金を示す労働者1人当たり平均の現金給与総額(パートを含む)が44万8919円と前年同月比で3・6%増え、21年5カ月ぶりの高い伸び率になった。(18/8/7)


結論から言うと、背後に凄まじいインチキがある

ポイントは下記の二つ。


①一部が異なるサンプルをそのまま比較している。
②賃金算出の際に使うベンチマーク(基準)が、去年より高く出るものに更新されている。

(中略)

さて、これによって平成30年の賃金の伸び率は当然高く出る。それ以前の3年間と比較してみよう。異常事態が起きている


毎月勤労統計調査 毎月勤労統計調査 全国調査 長期時系列表 | ファイルから探す | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口


平成30年1月以降はそれ以前に比べて明らかに伸び率が高くなっている

(中略)

では、本当の数字はどうなっているのか



(中略)
厚労省は参考として、その共通事業所の前年同月比のデータも出している。
(中略)
それによると、共通事業所における平成30年6月の前年同月比は1.3%。

「前年比3.3%」とは2%も違う

しかも、6月はボーナス月なので、変動が大きい。

そこで、ボーナスを除いた「きまって支給する給与」を見てみると、わずか0.6%

パートタイム労働者に絞ってみると、マイナス0.2%

同じサンプルを比較しているのだから、こちらの方が実態に近いと言うべきである



だいたい、下記のとおり今までの賃金の推移を見れば、いきなり3.3%の高い伸び率を示すわけがないのである



賃金・・毎月勤労統計調査
消費者物価指数・・総務省統計局

(中略)
これを見ると、開始から5年も経過したのに、名目賃金(青)はわずか1.5%しか伸びていない

他方、物価(赤)は6%も上がった。日銀の試算によれば、消費税増税による物価上昇は2%だから、残る4%はアベノミクスがもたらした円安が最も影響している。

増税+アベノミクスで物価を無理やり上げたが、賃金が1.5%しか伸びなかったので、実質賃金は4.2%も下がっている。アベノミクス前の水準に遠く及ばないままである

「実質賃金下がりっぱなし」という批判を封じるため、平成30年以降の名目賃金の算出方向を変更した、と考えるのは穿った見方であろうか。

(中略)
騙されてはいけない。この記事を拡散してほしい

(以下略)
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配信元)





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