ガンダーセン氏のNPOフェアウインズの記事が日本語で読めます:今なお汚染が拡大し続けている日本とオリンピックについて

るぱぱ様からの情報です。
今朝、フェアウインズ・エデュケーションからのメルマガで

「放射能被害へのぬり薬(Atomic Balm)1・2」
1.安倍首相は東京オリンピックを、福島原発事故につけるガマの油(いかがわしい薬の意)に利用している

2.命かけて逃げろ〜東京オリンピック

の公式日本語版が公開されたとありました。

上の各リンク先ページの、下方の、「日本語」ボタンをクリックすると日本語全文が読めます。
(るぱぱ)
 福島第一原発事故の直後、米テレビでメルトダウンが起きていると指摘し、その後も原子力および放射能に関する信頼性の高い情報を出しておられる原子力技術者、アーニー・ガンダーセン氏については、かつて時事ブログでも取り上げ、NPOフェアウインズへの寄付の方法も紹介していました。
 そのフェアウインズからの情報が日本語で読めるとの知らせを受け、さっそく要点をまとめました。
1)こちらの記事で最初に力説されていることは、311以降の放射性物質は未だに取り除かれることなく、無視され、汚染は拡大し続けているということでした。結局、今に至るまで政府の復興策とは日本の人々の保護ではなく、原子力関連産業の金銭的利益を保護することのみに集中してきました。
 ガンダーセン氏らは、オリンピックアスリート達への被曝の影響を検証すべく、福島の土壌と粉塵サンプルの調査をしたところ、オリンピック球場からセシウムが6000Bq/kgが検出され、聖火リレールートではセシウム137の極めて高い放射能が示されたそうです。このような状況下での東京オリンピック開催は、フクイチのメルトダウンを矮小化し、汚染拡散への対応から目をそらせるものだと指摘されています。
2)日本は今だに「原子力非常事態」ですが、その福島でオリンピックのかなりの行事が行われます。しかも政府は放射線被曝許容量を311以前の20倍に引き上げています。アスリートも観客も来日することで「放射線関連疾患に罹患するリスクもまた20倍に増加する」と警告しています。
 日本政府は、許容量の引き上げに合わせて、福島の被災地域が年間20mSvになれば住民は帰還しなければならないと通告をしました。このことは単純に被曝のリスクが20倍になるだけでなく、3つの問題があると指摘しています。
1つは、除染が家屋の内側と周囲の区域のみで行われ、それ以外は極度に汚染されたままだった点です。
一旦家屋が「除染済み」とされても、周囲から日々再汚染され続けています。
2つには、政府が帰還を強制するにあたって、ガイガーカウンターで測定できるわずか1種類の放射線しか勘案していないことです。被曝の深刻な原因はホット・パーティクルの吸入、摂取にありますが、このホット・パーティクルの存在をあえて無視しています。
3つ目は、そのホット・パーティクルの中に、平均の1万倍の放射能をもつ微粒子をも確認したそうです。
 忖度しない識者は「オリンピック予算のほんの雀の涙」で、避難者への十分な住宅支援ができるのに、と現在の帰還宣言を非難しています。ガンダーセン氏は、オリンピックに投入される莫大な資金は避難者支援に使った方がずっといいと述べています。
 こうしたまともな見解を見るにつけ、日本政府は鬼畜だと思えてきます。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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安倍首相は東京オリンピックを、福島原発事故につけるガマの油(いかがわしい薬の意)に利用している
引用元)
2011年3月11日に起こった地震・津波と福島第一原発での3基の原子炉のメルトダウンの8周年を迎える準備をする中でも、フェアウィンズは、現在日本で起こっている事態に常に注目してきた

 今もなお拡散し続ける福島由来の放射性物質を一掃すると銘打った試みは、予算の制約で成功しておらず、(中略)日本政府は、自国の一般公衆の放射線被曝を減らすことに対応を集中するのではなく、代わりに世界の注目を東京で行われる予定の2020年のオリンピックに向けようとしてきた



(中略)
2011年の悲劇的なメルトダウン以来、われわれフェアウィンズ・エネルギー・エデュケーションは繰り返し言ってきた――日本政府がなぜ福島の有害環境から避難した16万人の避難者の人々の運命を重要視しないかを理解するには、単純に日本の電力会社へと回帰する資金の流れを追跡しなければならないと。

フェアウィンズが自らの経験により認識し、またワシントン・ポストや日本の人々も明確に理解しているのは、これらのメルトダウンからの避難者の人々は、カネと政治のさらに大きい枠組みの中では単なる「歩」駒にすぎないということだ。
(中略)
オリンピックのアスリートたちが事故現場からの放出放射性降下物に影響を受けるかを検証するために、フェアウィンズ・エネルギー・エデュケーションの後援を受け、マルコ・カルトーフェン博士と私は、2017年の秋、オリンピックの会場を見てまわった
(中略)聖火ルートとオリンピック・スタジアムのサンプルを検査すると、福島のオリンピック球場の土壌から、セシウムで6,000Bq/kgという非常に高い放射能が検出された。それは、米国の土壌と比較して3,000倍の放射能であった。駐車場の放射線レベルも、ここ米国と単純に(土質やバックグラウンドなどの必要な補正なしで――訳注)比較して50倍も高いと判明した。
(以下略)

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命かけて逃げろ〜東京オリンピック
引用元)
(前略)
福島メルトダウン以来、日本政府は、政令を変更し、一般公衆が受ける放射線被曝の許容量を、以前の20倍に引き上げた。それは、原子力産業従業員が1年間の全体において受ける最大限の被曝量とほとんど変わらない!

(中略)
日本政府は、効果的な除染を完了することなく、事故避難者が行政の財政的支援を受け続けたいならば、政府の言う「クリーンな」しかし今なお極度に汚染されたかつての自宅に帰還するように避難者に強要している。根本的問題が3つあり、それらによって日本の一般公衆への放射線被曝は線量限度の20倍への引き上げ以上に深刻なものになろうとしている。

 第1の問題は、日本政府の除染の規準に関連するもので、除染は家屋の内側と周囲の区域だけで行われてきたにすぎないことである。
(中略)「クリーン」であると主張されている人々の家屋や地域社会は、実際には日々再汚染されつつあるのである。

 第2の問題は、日本政府が避難者に帰還を強制する際、その前にわずか1種類の放射線だけを測定しているにすぎないということである。
(中略)東京電力と日本政府は、このようなホット・パーティクルの存在を無視し続けている

 最後に、第3の問題は、ホット・パーティクルの中には、平均的なホットパーティクルよりも非常に放射線量の高いものがあるということである。(中略)これらの微粒子のうちの5%超に、調査した全300個の微粒子の平均よりも、最高で1万倍の放射能があったことを立証した。(中略)

(中略)

人々は世界中で東京オリンピックの選手たちに声援を送るかもしれない。だが、人道的観点からは、本当の犠牲者、見えないところに押しのけられているこの人々にこそ関心を向けるべきである
(以下略)

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