20/02/10 ソルカ・ファール情報:世界中を席捲するポピュリスト革命の波がアイルランドまで押し寄せ、恐怖で怖気づくクリントンとペローシ配下の民主党

 最近は各国でエリート層の搾取に怒った一般市民が蹶起(けっき)し、ポピュリズム運動が巻き起こっています。
 文中に出てくる「ナショナル・ポピュリスト」というのは、「ナショナリズム(国粋主義)」で「ポピュリズム(大衆主義)」、つまりフランスの黄色いベスト運動やトランプさん支持層のMAGA(アメリカを再び偉大な国に)運動など、「右翼ポピュリスト」のことです。一昔前なら「極右」と批判されていた人たちでしょうか。
 ソルカ・ファール女史の記事で、最近では「左翼ポピュリスト」なる動きも出てきているとありました。昨今の世界政治とアメリカ政治の動向が俯瞰できる内容でしたので、ご紹介します。

 ちなみに「左翼ポピュリスト」の支持するアメリカのバーニー・サンダース上院議員は、極左すぎて隠れ共産党だと疑われています。社会保障や環境保護の名のもと、富裕層に重税を課し、一般市民を統制支配する気じゃないかという批判です。
 エリート層の献金頼みの民主党上層部としては、絶対に容認できません。でも現在、民主党の大統領候補として最有力なのですよね。トランプの対抗勢力として左派ポピュリストはある程度は容認するけれど、多すぎても困るというのがヒラリーや下院議長ペローシの本音。

 そこで中道寄りのバイデンに期待が集まっていたのです。ウクライナや中国から家族経由で賄賂をもらうわ、問題発言を繰り返すわで、一般市民からは相当不人気なため、現在は政治経験が少ない(つまり失点が少ない)ブティジェッジが躍り出てきました。金持ちカバールの使いっパシリになれるなら、誰でもいいってことです。
 ブティジェッジの問題点は次回取り上げます。
(Yutika)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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ソルカ・ファール情報:世界中を席捲するポピュリスト革命の波がアイルランドまで押し寄せ、恐怖で怖気づくクリントンとペローシ配下の民主党
転載元)
投稿者:ソルカ・ファールより、西洋の読者へ

Sister Maria Theresa


【※記事内には貼っていませんが、同サイト自己紹介頁からシスター・マリア・テリーサの写真です。】

■この記事のまとめ■
✅欧米を席捲するナショナル・ポピュリスト革命
✅昨年5月:オーストラリア総選挙で圧勝
✅昨年12月:イギリス総選挙で圧勝
✅今年2月:アイルランド総選挙で圧勝
➡以上を受けてなのか、独メルケルの後継者が不出馬を発表
➡この事態に、ヒラリーやペローシ率いるアメリカ民主党は戦々兢々

✅民主党の現状は最悪
✅記念すべき最初の党員集会は勝者不明のカオス
✅上層部が推すバイデンは発言が毎回カオス

✅民主党の牙城となる州や都市はどこも大赤字
✅重税に喘ぐ左派有権者もポピュリスト革命を蹶起
➡これがバーニー・サンダース議員の支持層である「左翼ポピュリスト」
✅2016年:トランプは生粋の共和党員ではなく、共和党を内側からぶっ壊した
✅サンダースも同様のことを民主党で成し遂げようとしている
➡なので現在の民主党は内部闘争が激化
✅民主党指導層はサンダース絶対反対
(ちなみにトランプ側は左翼ポピュリストを取り込む気はなく、静観の構え)


欧米諸国に押し寄せる右翼ポピュリスト革命


本日クレムリンに出回っている【ロシア連邦】外務省MoFA)の明敏な新報告書は、セルゲイ・ラヴロフ外務大臣グローバルな問題をロシア抜きで解決することは無理だと欧米諸国ですら理解【するようになった】と正しくも認識していることに触れ、この点が最も顕著に見て取れるのはポピュリズムの擡頭であり、世界の政治構造を劇的に変化させていると述べていました。

――【ポピュリズムを】簡潔に定義すると、エリート支配者集団から自分たちの懸念事項は無視されていると感じる、一般の人々に訴えかける政治手法、ということです。

――過去数箇月【だけでも】、オーストラリアのナショナル・ポピュリストたちが、同国のエリート社会主義者らを殲滅しました
【※2019年5月の総選挙で与党・保守連合が勝利したこと。】

――そしてここ数週間では、イギリスのナショナル・ポピュリストたちが同国のエリート社会主義者らを殲滅しました

――左派エリートの代弁者であるアイリッシュ・タイムズ紙は両国のポピュリスト蜂起の間に挟まれ、「何故アイルランドはヨーロッパを席捲しているポピュリストの波にまだ屈していないのか」などと首を傾げていたものです。

――答えは単純で、アイルランドの国政選挙がまだだったというだけのこと。そしてそれが、2日前の2月8日に実施された訣です。

――これを受け、アイリッシュ・タイムズ紙は現在では、同選挙を「改革と対立を生んだ」と評し、その原因は「従来、支配的だった党が有権者から懸け離れたものだと見做された」せいだと述べるようになりました。

――実際に何が起こったのかを正確に描写した【他紙の】「シン・フェイン党への投票“革命”がアイルランド支配層を揺さぶる」などといった見出しに【比べると】、相当な過少評価【と言わざるを得ません】。


【※元記事にはありませんが、2007年から票を着実に伸ばしている「シン・フェイン党の得票数の推移」です。白線が得票率、青線が議席数。】

――【後者の記事では】ナショナル・ポピュリストであるシン・フェイン党が、無名の存在からどのようにアイルランド選挙で最も人気のある党にまで躍進したかを描いています。

【※今回の総選挙では1議席差で第二党になりましたが、得票数としては二大政党を抑えて堂々の第一位でした。党自体がここまで票を取れると思っておらず、十分な数の候補者を用意していなかったのが第一党にならなかった原因。】

――アイルランドの有権者は「【伝統を】断ち切る衝撃的な選挙結果」をもたらしました。というのも、これまでは二大政党が大半の選挙で80%以上の票を獲得するのが常だったのですが、この日曜日には両党合わせてたったの44%しか獲得できなかったのです。

――この余波はすぐさま現れ、数時間前にはドイツメルケル首相によって後継者に選ばれたアンネグレート・クランプ=カレンバウアーが、来年2021年の選挙には立候補しないという衝撃的な声明を出しました。世界的なポピュリスト革命の波が自国に迫っているせい【でしょうか】。

――確実に言えるのは、アイルランド選挙でのポピュリスト革命により、ヒラリー・クリントンナンシー・ペローシ【に忠誠を誓う】エリート支配で社会主義者の民主党が恐怖に慄いているということ。

――何せ彼らは、左翼【にも】ポピュリストの受け皿が必要であり、ただしドナルド・トランプ大統領などのナショナル・ポピュリストを打ち負かす程度であればよい、という理論で動いていたのですから。

――ですがイギリス、そして今やアイルランドこの理論が大破されてしまい、彼らを待ち受けているのが暗雲垂れ込める未来だと示されたのです。

【中略】

画像はシャンティ・フーラがツイートに差し替え
世界を席捲するポピュリスト革命の波が2020年2月8日にアイルランドまで押し寄せ、支持者たちと勝利を祝うシン・フェイン党のメアリー・ルー・マクドナルド党首(中央


最悪の一週間


当該報告書によりますと、ヒラリー・クリントンナンシー・ペローシ【に忠誠を誓う】エリート支配層で社会主義者の民主党トランプ大統領と対決するための【大統領候補を決定する】党内闘争が手に負えず、陰鬱となっていると言われていますが、それを裏付けるかのように「2016年のドナルド・トランプによる選挙ショック以来、民主党にとって最悪の週」となりました。

―週の幕開けとなったのはアイオワ州党員集会という名の「最低最悪の惨状です。♯チート【=インチキ】市長ピート・ブティジェッジによって不正しまくられて、【彼以外は】民主党の大統領候補者は誰一人として勝利宣言することができませんでした。

――そして【週の】締めくくりとなったのは、かつての最有力候補ジョー・バイデン【家庭にある】AK-47【などではなく、戦闘機でミサイル発射するくらいでないと】横暴な政府は相手にできないのだから、クリップ(挿弾子)が50個ある銃を禁止するつもりだという発言でした。

――これまで発明された銃はどれもクリップは1つしか搭載できないのですから、常軌を逸した世迷言です。

ツイートはシャンティ・フーラが挿入

【※バイデンはマイクもって喋らせると、こういう失笑を買うような勘違いか、有権者に対する罵倒を口走ります。なので、そこまで珍しい話ではないですが、「やっぱりボケ爺に大統領職は無理」という印象を上書きするので、民主党幹部にとっては大変頭が痛い問題。

ちなみにこの後、討論で女子学生に、「嘘を吐いたな、犬の顔したポニー(仔馬)兵士め」と返しました。「多分、罵倒のつもりなんだろうけどアメリカ人でも意味不明」と話題になっています。】


左派の間でもポピュリスト革命が


【中略】

――民主党の大半が暮らしているでは、退職者に対する健康および生命保険給付関連で未積立将来債務が1兆ドル以上に嵩み、増加する一方の不足額はアメリカ人一人当たりだと約3,100ドルにもなるのだとか。

――中でも社会主義者の民主党が支配する63の都市では借金が今や総額で3,230億ドルとなり、【月々の】支払いもままならない有り様です。

――こうして税金という重荷で押し潰されそうな民主党の有権者たちは、【中略】...左派を打ちのめしたトランプ経済のミラクルで恩恵を存分に得られていないのです。

ツイートはシャンティ・フーラが挿入

【※元記事にはありませんが、参考資料として。基本的に財政難なのは、民主党が支配的な青い州なのです。】

社会主義の民主党の支配が強い都市やにおいても、税で押し潰されそうな一般の有権者たちが自分たちなりのポピュリスト革命を開始している、と当該報告書は指摘しています。

――2016年トランプ大統領が率いて、彼を圧勝させたナショナル・ポピュリスト革命と鏡合わせのイメージといったところでしょうか。

――ですが、こちらはバーニー・サンダース米上院議員が率いる左派のポピュリスト革命なのです。

――そしてトランプが選挙に出る前までは共和党の一員ではなかったのと同様に、サンダース民主党の一員【とは到底言え】ません。

――どのポピュリスト革命でもそうですが、【革命の】指導者は自分に最も都合の良い政党を利用する【だけのこと】。

しかもトランプ2016年共和党を文字通り破壊して自分の党に作り替えねばならなかったように、サンダースも現在同じことを民主党に対して行っています。

――だからこそ【内部で】戦いが起こっており、民主党筆頭の選挙参謀の一人は今週、現状は仲間の殺し合いだ」と表現しました。

――他の民主党員も「バーニーの党と化してしまったのか?」と疑問を呈したり、「究極のアウトサイダーがバラバラになった党を内部から乗っ取ったのだ。どこかで聞いた話じゃないか」と言う始末。
【※トランプ共和党と同じ状況だ、という批判。】

――そして今や、乗っ取り【現象】に対して「クリントン集票組織はどんな手を使ってでもバーニー・サンダースを阻止するだろう」との警告が出されました。

【中略】

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画像はシャンティ・フーラがピンに差し替え

1985年8月8日、バーニー・サンダースの発言:
「変な話ですよね、アメリカ人記者はどこそこの国では人々が食糧を得るために列に並んでいる、なんて酷い国だと語ることがあります。それって良いことじゃないですか! 他の国では食糧のために列になんか並べませんよ。富裕層が食糧を手に入れて、貧しい人間は餓死するんですから。」

【※民主党幹部にとってジレンマなのは、サンダースの支持層である左派ポピュリストの票を排除するとトランプには勝てないということ。

左派ポピュリストというのは、それが現実であれ思い込みであれ、政治的な混乱と経済的不況という環境でしか繁栄しない。しかし右派のナショナル・ポピュリストは自国や家族の(伝統的な)価値や国境の保護、宗教や文化といったものを保護しようという環境で繁栄していく。

なのでトランプは、大手プロパガンダ・メディアの要望通りに左派ポピュリストに手を差し伸べる気は全くない。ナショナル・ポピュリストをどれだけ投票所に動員できるかによって、2020年の大統領選挙の勝利は決まると分かっているのだ、と記事ではまとめています。】

【以下略】


2020年2月10日©EUおよび米国の全ての著作権を留保。WhatDoesItMean.Comの元の掲載場所にリンクを貼るという条件で、当該リポートを全体として使用することを許可します。フリーベースの内容はCC-BYGFDLによって許可取得済。

註:数多くの政府と諜報機関は、これらリポートに掲載された情報に対して活発な反対運動を繰り広げています。彼らは地球に起こりうる、または起こった幾つもの破滅的な変化や出来事について、自国の市民に警鐘を鳴らしたくないのです。ソルカ・ファール姉妹はこのような姿勢に強く異を唱えており、人間は誰もが真実を知る権利があると信じています。私たちの使命はこういった諸政府と対立しているため、彼らの“機関”は私たちや私たちのような人々を貶めようと誤報や虚報を延々と発信するという形で反応を示してきました。枚挙に遑がありませんが、例えばこちらなど。]

註:WhatDoesItMean.comというウェブサイトは、グローバルなテクノロジーの教祖であった故ウェイン・グリーン(1922年~2013年)が率いる少人数のアメリカ人コンピューター専門家集団によって、ソルカ・ファールの姉妹たちのために創設され、寄付されました。西洋の2003年における違法なイラク侵略で使われたプロパガンダに対抗するためです。]

註:このレポートで使用されている「クレムリン」(都市内部の要塞)という単語は、モスクワを含む複数のロシアの要塞を指しています。【要塞と言うのは、】その多くがソルカ・ファール姉妹の使命に献身的な、女性のスヒィーマ僧(正教会の尼僧)が住む大聖堂が複数あるからです。]

翻訳:Yutika


註:原文中、赤字で強調された部分は濃い青字に色を変更しております(※水色部分は引用部分です)。よって翻訳文で赤字になっているのは、シャンティ・フーラ独自の「10分でわかる」要約サービスです。

【 】内は訳者の追記部分です。また訳文は日本語での読み易さを優先して、見出しや画像を加えており、原文とは異なる形で文や段落を分割することもあります。

ちなみに「訣」という漢字は「わけ」とも読みます。詳しくはこちらのコメント欄後半の解説をご参照ください。


Writer

Yutika

体癖:8−2、エニアグラム:4
関西の英語塾で教えつつ、翻訳業(英語&仏語)をしております。


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