新型コロナでネットカフェ難民となった人々を「貧困ビジネス」に送り込む福祉事務所 〜 厚労省の通達と、政府言いなりの東京都の運用が感染拡大リスクに

竹下雅敏氏からの情報です。
 東京都内には、ネットカフェに寝泊まりし、そこが事実上の住み家になっている人が4000人にも及ぶそうです。東京都が国の緊急事態宣言を受けて休業要請した対象施設にはネットカフェも入っていました。そうなると4000人もの人々が行き場を失ってしまいます。小池都知事は代わりの宿泊ホテルを用意するとの支援策を表明し12億円の予算も計上しました。
 ところが、ネットカフェを出て都の支援を頼みに福祉事務所を訪ねた人は、次々に無料低額宿泊所(通称・無低)に送り込まれていることが明らかになりました。無低とは恐ろしく環境の悪い相部屋の宿泊所で、しかも入居者の生活保護費のほとんどがむしり取られ、容易には抜け出せなくなる「貧困ビジネス」として批判されてきたものでした。よもや役所が勧めるなど信じられない施設です。そもそも感染拡大を防ぐ目的でネットカフェを閉じたのに、代わりに3密の無低に送られてしまうと、そこでの感染リスクはさらに悪化すると見られています。
 都はビジネスホテルを用意すると発表したのに、なぜこんなことが起こったのか。
田中龍作ジャーナルではこの施策を「厚労省が進めている」と指摘しています。厚労省が各自治体に出した通達では、現状の宿泊施設が「不足した時に」ホテルや旅館を勧めています。これを受けて東京都は社会福祉事務所に対して、まずは従来からの保護施設、無低の利用を指示していたのでした。
 れいわ新選組の山本太郎代表が東京都に対して「このような運用で感染拡大を防ぐことが可能か」質問したところ、回答は「厚労省からの指示を超えることはできない」の一点張りだったそうです。しかし山本代表は都が国の方針と異なる施策をしている例を挙げ、「政府が何を言おうが、本当に必要ならば地方自治体のトップの判断で実行すれば良い」と叱咤し、同時に、れいわ新選組としても厚労省に対しての働きかけをしました。4/16「ネットカフェ難民の人たちに個室を提供する申し入れ」を手渡そうとする山本代表から、加藤厚労大臣はあたふた逃げていました。
 4000人のうち非正規社員は76%、最も多いのが30歳代で若い女性も少なくないそうです。彼らは会社の倒産や派遣の雇い止めなど誰にでも起こりうる理由でネットカフェにたどり着いた人々だということを忘れてはなりません。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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新型コロナ福祉のダークサイド、ネットカフェ難民が追いやられた「本当の行き先」
引用元)
(前略)
今、いちばんの問題はネットカフェから出されて福祉事務所に助けを求める人たちが、次々に無料低額宿泊所に送り込まれていることですそこがどういう所かの説明も受けず、『迎えの車が来てるから、さぁさぁ』と連れていかれ、契約書にサインをさせられています

 無料低額宿泊所

 聞きなれない言葉だが、小林さんの説明によると、無料低額宿泊所、通称・無低は、生活保護受給者を中心に受け入れる、施設で、良心的な施設もいくらかはあるものの、その多くは、悪名高き「貧困ビジネス」の場になっていることが多いという。大部屋にぎっしり二段ベッドを並べたり、6畳ほどの部屋を3つに区切って敷きっぱなしの布団に寝かせるだけといった、劣悪な環境に人を収容する施設が多く、以前から問題になっている
(中略)
 それでは感染防止のためにネットカフェをクローズした意味が全くない。東京都はビジネスホテルを2000室確保して、ネットカフェから追い出された人たちを無償で泊まらせると発表したのではないか。

 そもそも元からその無低を家として住んでいた高齢の人たちのところへ、もしや無症状で感染しているかもしれない新規の若い人たちを送りこむことは、感染リスクを高める最悪のやり方だ。クラスターになりえる
(中略)
 この新型コロナウイルスを生き抜くには、自分だけが助かればいい、では成り立たない。今は会えない人たちとも心の手を結び合い、物心共にシェアしていく以外、この時代を築いていくことは無理だ。自己責任論は最も忌むべき敵だと思う。

「コロナ禍を転機に、福祉を正常化させましょう。今後はネットカフェに暮らすような人がいない社会にしましょうよ」
と、小林さんは言う。
(以下略)



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住居失った人を貧困ビジネスの大部屋送り コロナ感染者作り出す厚労省
引用元)
 これでは厚労省がコロナ感染のクラスターを作り出しているようなものだ
(中略)
 問題になっているのは厚労省社会・援護局が緊急事態宣言の対象となった自治体に発出した通達(7日付)だ—

 「現状の宿泊場所だけでは不足が見込まれる場合・・・(中略)ホテルや旅館を開拓し」とある。

 これを上手に利用したのが東京都だった。

 東京都は市区の社会福祉事務所に「第一義的には無料低額宿泊所・保護施設を利用すること。それでも不足する場合には緊急一時宿泊所(ビジネスホテル)を活用」とする通達を出したのである。(通達の内容はのちに変更したようだ)

 他の自治体も厚労省の方針を遵守しているようだ。
 
 各自治体のスタンスは—

 「本省(厚労省)からの事務連絡をもとにルール(方針)を守っているので、これ以上のことはできない。相部屋や大部屋がダメだとかいう通知はもらっていないので、私たち(自治体)は間違ったことをしていない」。
(以下略)
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配信元)

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