注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
性暴力被害を訴えたジャーナリストの伊藤詩織氏が、ツイッター上の侮辱的なイラストや言葉で名誉を傷つけられたとして、漫画家はすみとしこ氏とはすみ氏の投稿をリツイートした2人を東京地裁に提訴しました。https://t.co/nZxenYrm6g
— 毎日新聞 (@mainichi) June 8, 2020
#詩織 さんの提訴にあたって #荻上チキ さんはじめとしたリサーチチームが詩織さんに関する70万件の書き込み分析うち21万件がTwitterの書き込みでそのうち4.5%、9000件超が名誉毀損の対象になりうる誹謗中傷含んだ内容だったという。
— 望月衣塑子 (@ISOKO_MOCHIZUKI) June 8, 2020
今後のオンラインハラスメントやセクハラを考える上で重要な分析 pic.twitter.com/CzL6ATc0sK
取材しました。一人をアイコン化しない、背負わせない闘いが今すぐ必要だと感じました。女子プロレス選手の方についても言及がありました。少しナイーブな言い方ですが、彼女の死や伊藤さんの苦しみを、消費するのでない伝え方は何か。報道として模索しなければと思います。 https://t.co/7Jpr6nUaTd
— 塩田 彩 (@shio_a) June 8, 2020
伊藤氏は8日午後2時から、代理人弁護士とともに東京都内で会見を開いた。誹謗中傷ツイートについて「正面から向き合い闘うのがつらかった。そうすることにどれくらい意味があるかもわからず、見なければいいと自分に言い聞かせていたところがあった」と語った。その上で「でも、投稿はいつまでも消えず、どんどん拡散されている。今自分が行動を起こさなければ、こうした発信をしていいのだということになってしまう」と提訴理由を説明した。
(以下略)
被害者側に立ちはだかる5つの壁
荻上さんは、誹謗中傷を訴訟するにあたって被害者側に立ちはだかる壁について、5つあるという。
心理面の壁(訴えるために誹謗中傷を見て内容を確認しなければいけない)
時間面の壁(削除や凍結、ログの期限切れの恐れもあるため、スピードが求められる)
情報開示認定の壁(権利侵害されているかを争いたいのに、請求時に権利侵害が明らかでないと、匿名の中傷者の情報が開示されない)
プロバイダー保持情報の壁(プロバイダーが誹謗中傷した人のログを保存していなかったり、本人特定情報につながらないケースがある)
(以下略)
伊藤詩織さんに深刻な精神的ダメージを負わせ辱めた、はすみとしこ氏の性暴力二次加害イラストは勿論問題。それに加え、市民の人権を守るべき国会議員でありながら、この愚行に便乗した長尾たかし氏や杉田水脈氏ら自民党議員も、当然に裁きを受けなければならない。でなければ我が国は近代国家でない。
— 異邦人 (@Narodovlastiye) June 9, 2020
人の死を利用しているのは、この人物のほう。
— 大内幹男 OUCHI Mikio (@garagevoice) June 9, 2020
なにより最初に伊藤さんを誹謗中傷しておいて、自分は被害者ヅラ。そして、訴訟がまるで金銭目的であるかのように言うことで、また伊藤さんを貶めている。
このツイートも、追加で犯罪として認定するべき。 https://t.co/b5NVvTyt87
「今後は、悪を増産しない環境づくりへのコミットが求められていくかもしれません」
— さいき まこ【言えないことをしたのは誰?】 (@SaikiMako) June 8, 2020
「まず知って欲しいのは、他人を攻撃することの意味です。この出来事から学ぶ人が増えて欲しい」
(荻上氏)
【伊藤詩織さんインタビュー】はすみとしこ氏らを提訴。SNSの誹謗中傷など分析https://t.co/nfi4QQuZnr
これまでは「自分が書き込みを見なければ良い」と努めておられたそうです。しかし2017年の会見以降3年間ずっとイナゴの大群のような嫌がらせは蓄積し、今なお収まることなく拡散し続ける事態は生活と命を脅かし続け、しかも同じような被害者の方が伊藤さんへのセカンドレイプを見て、声を上げることができなくなってしまうことを危惧されました。提訴することでさらに非難やバッシングを受ける恐れに悩みながらも、伊藤さんは傷ついた人々への力になろうと提訴を急ぐことにされました。決してご自分への賠償が目的ではなかったようです。
ジャーナリストの古田大輔氏によると、ネット上で勢いに乗ってヘイトを書き込む人は全体の1.5%だそうです。しかし例えばツイッターのユーザーは4500万、そのうちの1.5%は80万ユーザーとなり、彼らが一人の人間に一斉に非難を浴びせると精神的に耐えられないことは容易に想像できます。伊藤詩織さんが受けてきた嫌がらせの凄まじさを垣間見たようでした。
その凄まじい量の誹謗中傷に対し、誰のどんな投稿を訴訟対象にするのか絞り込みも大変な作業になります。今回、評論家の荻上チキ氏らがリサーチチームを作り協力して、70万件もの投稿を精査されました。今回の提訴では、ツイッター社への情報開示請求をしていては遅くなるため、悪質性の高い投稿で特定できた個人への提訴でしたが、これから順次判明した個人も提訴の対象になるようです。
現状では被害を受けた方がこのようなチームを持つことは難しく、セカンドレイプに対してのアクションには資金面など5つのハードルがあると解説されています。しかし伊藤詩織さんはジャーナリストらしく、オンラインハラスメントの法的な問題、メディアの問題、心のケアの問題、そしてネガティブな発信をする人々へのメッセージなど語り、今現に苦しんでいる人々へは「なるべく一人にならないで、孤立化しないで」と心を寄せておられました。一言一言が重い会見でした。